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2026.06.21_Sun.

白ではなく、藍色の道衣を鞄に入れる。

杖道の稽古のために自分はここに居る、ということ。自分だけがわかっていればいい。

8:00からAと稽古。

チリのUと日本人のAさん。

素振りをしてから、"表"の『太刀落とし』から『細道』まで。

"手の内"のこと。"繰りつけ"の練習。"体当たり"の練習。

 

休憩。

湯を沸かしていたらMさんも来て、皆で珈琲を飲んだ。高校生のK君も来た。

 

皆の稽古がはじまる頃、マスクをした館長が顔を出し、「今日は風邪をひいたみたいで休みます。」と言ってすぐに帰っていった。

 

それなら、合気道の稽古はしないことにして、今日は杖道をたっぷりやろうか、と皆の気持ちが合致した。

そして13:40頃まで、たっぷり杖道の稽古をした。

 

上段から、左上段から、逆手の上段から、逆手の左上段からの打ち込み。

本手打を後ろ足を残すのを10回、いつも通りのを20回。

逆手打ち、引き落とし打ちも、同じ。

 

太刀を持って"巻き落とし"。杖を持って"巻き落とし"。

 

"繰りつけ"の練習。

 

それが終わると、チリのUは用事があるのか、稽古を終わらせて、礼をして、出かけて行った。

 

再度、AとMさんを打ち太刀に、

"表"の型を『太刀落とし』から『細道』まで。

もう一度、"繰りつけ"と"体当たり"、"手の内"のこと。

Aが、"突き外し打ち"の足捌きを練習させてから、"鍔割"をやってみろと言ったこと。

 

足捌きのこと。

足のつま先を、ハの字にせず、まっすぐに立って、右足のつま先を支点に動く、左足のつま先、右足の踵、左足の踵。

動き始めるとき、その4つの支点のことを考える。

例えば、九州の"物見"のとき、

入り身するときは、左足の踵が支点になって、左のつま先が左へ向く→次に前足の踵、後ろ足のつま先が支点になって、前足を後ろに引く。

 

もう一度"繰りつけ"と"体当たり"の練習。

 

"繰りつけ"••

コミットするまで待つこと。

相手の身体の分、横に外すこと。前の手は本手、後ろの手は逆手で持つこと。繰りつけるときは相手の方へ進まず、まっすぐ前に自分の足を進めること。

 

"体当たり"

コミットするまで待つこと。

下の手は拳ひとつ分、相手の身体から離すこと。押すんじゃない。当たること。

 

型のときは、何を言われたんだっけ。

 

"太刀落とし"の時の杖の軌道。杖を持った左手をもう少し高い位置に上げること。

 

"笠の下"の最初の構えのこと。自然に杖を肩にかつぎ、杖先は相手に向けること。

 

"寝屋の内"で打ち込むとき、打つ先を見るんじゃない。打つときも相手の目を見続けること。

 

とても書ききれない。

 

稽古が終わったとき、普段はどんな人に対しても、ベタベタ近寄ってくる人ではないMさんが、「Kさんから少し聞いています。」と、ここのところのことを心配して、話してくれ、というような向き方で話しかけてくれた。

 

着替えて、Aが「ビール飲む?」と言って、1缶だけビールを飲んだ。

AとMさんと、普段と変わりないし、他愛ないけど、なんとなく優しいなーと思う場だった。

 

別れ際、「Yさん(私)が稽古にいると楽しいです。活気があって。」と、Mさんが言ってくれる。

2026.06.20_Sat.

「誕生日おめでとう!」とYとK(11才)に起こされ、ハッと目を開けて、稽古なのに寝過ごした!と慌てたら、まだ夜中の0:38だった。

「寝過ごしたと思った。ありがとう。」と言って、また寝た。

そして4:30に起きた。

 

今日をどうやって過ごしたいんだ、とか、どうやって過ごすの?とか。

 

若松河田の駅で降りて歩きながら、I先生の稽古に行きたいことしか、いくら考えても、頭に浮かばないなー、と思う。

 

最近気に入ってる下着と服を身につけて、外に出た。

いつも通り、7:00からの稽古に出る。

昨日のうちにAにもらった手ぬぐいを水通しして干しておいた。道衣の胸元にいれて、今日から使いはじめる。

……

▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身10回

▪︎入身転換

▪︎諸手取り呼吸法

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎正面打ち二教(表、裏)

▪︎正面打ち小手返し

▪︎片手取り入り身投げ••入身転換の手で入る→手首を返し、相手から抜く→肩につける→足が出る→そのあとに投げる。

▪︎座技呼吸法

……

超•初心者が3人ほどいたから、I先生がかかりきりにならざるを得なくて、いつもみたいにワクワクするような言葉は聞けなかった。

『正面打ち小手返し』の手本を見せる時に、I先生の受けを取った。

 

「当て身を必ず避けて。」

うれしくてつい、されるがままになった。当て身が来ることなんか忘れて。

今日言われた言葉は、その一言だけ。

 

考えればそうなんだけど、ふわふわしてる場合じゃないんだけど、つい気持ち良くなってしまった。

 

道場を出て、携帯電話を見たら、DさんとMと母が「おめでとう」のメッセージをくれている。

「ありがとう。」とメッセージを返しながら、

いつものホステルのカフェまで歩き、珈琲を飲んだ。

 

ここでこうしているのが、何もしていないのに、ものすごく楽しいのは何故だろう。

もう一杯珈琲をおかわりした。

 

帰宅して、Yが作ってくれたお昼ごはんを食べ、束の間眠った。

 

そして昼過ぎ、今日は雨が降っているから、本部道場に向かうK(11才)をYと新宿まで送る。

まだ雨の場合のバスの乗り方、バス停から電車の駅までの道を教えていなかった。

 

ひとりで若松河田まで行くのを毎週楽しみにしているKは、わかりやすく機嫌が悪い。

雨の日の行き方を知らず、ひとりで行けないくせに、なんで親が付いてくるんだよ、という顔をしている。

なんかこの感じ知ってる、と思うような思春期のやつだ。

 

わかるし、その感じ。と堪えて新宿まで送り、あとはひとりで行きな、と別れる。

その間にYと新宿で遊ぶんだ。

一週間後に誕生日のYが欲しいものを選び、次に自分が欲しいものを選び、ちょうどふたりとも選び終わったときにKから「これから道場出る。」とLINEがくる。

 

待ち合わせ場所にやってきたKはベソをかいたような顔をしていて、「財布にお金が全然入っていなくて皿を買えなかった。」と言った。

 

前に道場の側の、『備後屋』の前を一緒に通ったときに、「このお店好きなんだー。かかに何かプレゼントくれる時は、珈琲豆かこのお店のにしてね。」なんて深く考えずに話していた。それを覚えていたんだなぁ。

 

3人で東中野のキャラヴァンサライに移動して、誕生日のごはんを食べた。

……

フムス

パニールとドライフルーツ

カバブ5串

ナスと羊挽肉のカラヒィ

ナン

ムハレビ(トルコ風ライスプディング)

チャイシャーベット

……

 

どんな一年になるかな。

一年後に今日より英語を話せていたら嬉しい。

2026.06.19_Fri.

昨夜は上手く眠れなかった。

家族みんなで寝坊した。

起きたら8:25だった。

昨日、「9:00か9:30から稽古しよう。」とAと曖昧に約束したけど、きっと9:00に来てる。

K(11才)も盛大に遅刻だ。

おにぎりを食べさせ、髪にドライヤーをあてるのを手伝って、急げ急げと送り出す。

自分も急いで身支度をして、道場に9:30ちょうどに着いた。

「寝坊した。ごめん。」と言うと、「昨日は大丈夫だった?」と聞いてくれた。

「注意してもあれは治らないから、気にしないで。流したらいい。」

 

チリのU、途中からスペインのMさんも来て、4人で杖道の稽古をはじめた。

打ち込みをする。

『本手打ち』『逆手打ち』『引き落とし打ち』

前足が動く、杖が動く、前足が動く、後ろ足を残す、目付ける、を10回。

最後まで振り抜くのを10回。

打ち太刀を交代し、何度も。

 

Aが打ち太刀、MさんとUとわたしが仕太刀。

表の型を『太刀落とし』から『細道』まで。

 

Aが赤いマジックで手のひらに点をふたつ書いてくれた。本手に握るとき、この点が隠れるように杖を握れと。

 

昼を過ぎた。一旦稽古を終わりにして、Mさんが帰った。Uはおにぎりを食べはじめた。

 

Aとサミットまで昼ごはんを買いに行く。

歩きながら、「誕生日おめでとう。」と、沖縄で買ってきた手ぬぐいをくれた。

マーニという植物に、一匹の蝶が飛んでいる。

 

コブサラダと半丁の絹豆腐とカットフルーツ。

 

サミットで買い物しながらも、道を歩きながらも、K(11才)のこと、昨日の館長の酷い言葉に、自分が感じていること、思っていることをずーっとAに話していた。

 

道場に戻り、昼ごはんを食べ、Aは寝て、わたしはAが漢字の勉強に使うのか机に置いてあった、孔子の本を読んだ。

 

14:30頃から、また3人で稽古をした。

Uと仕太刀、打ち太刀を交代して、相対動作。

 

『突き外し打ち』の時、打つときは前足で無足を踏む。大袈裟に足を上げろということではない。目付けるとき、後ろ足が動く。

『胴払い打ち』の打ち太刀の時。逆八相から相手の胴を目掛けて打つ、防がれたあと、そのままの場所に太刀を残す。

 

Aが少し考えてから、「"中段"のひとつめに入ろうか。」と言った。今まで稽古してきた、"表"の次の段階。新しいこと。

 

『一力(いちりき)』を教わった。

分からないうちは、普通に歩く。相手が太刀に手をかけたときが、自分が動くポイント。

右足が出て相手の右目を攻める。左足が出て水月まで(小手まで?)下ろす。

あれ?それは次に教わった型のことだったっけ。

 

"中段"の繰り付け。

覚えたと思ったのに、書こうとしたら覚えきれてない。

 

Aはひとつと言いながら、ふたつめの『押詰(おしづめ)』まで教えてくれた。

 

16:30頃、稽古を終え、帰り支度をする。

 

「コンビニでアイス食べよう。」

わたしがガリガリ君のソーダ味と、香るエールの350ml。

Aがスイカバーと、マルエフの500ml。

川沿いで座ってアイスを齧り、ビールを飲み、またずーっと色んな話をして、「そろそろ帰ろうか。」と別れる。

 

2026.06.18_Thu.

雨が降っていて、傘をさした。

今月は気絶しないように気をつけよう。

気をつける方法が、いまいち分からない。

Aと、Aと一緒に沖縄に行っていたチリのUが東京に戻ってきた。スペインのMさんも来た。

10:00から、地元の道場で稽古。

 

『本手打ち』から『対外し打ち』までの相対動作。

表の型を『太刀落とし』から『細道』まで。

 

館長(86才)が稽古終わりにきて、こどものことで、酷い言葉をたくさん浴びせられた。

口答えはしなかった。だけど、明らかにおかしな質問には言葉を渡さなかった。

この有様で、自分が普通だと言い張っている。

普通ってなんだ。充分に変だ。

自分を立たせることしかなく、

それを示したくて、おかしくなってる。

人間はこんなダサい老い方もする。

 

合気道だけならすぐに離れられる。

だけどいまは杖道がある。

こういうのと引き換えにしても、自分にとって杖道の稽古が大事か、Aとの稽古が大事かを、

よく考えよう。

 

道場を出て、

下北沢にキース•ジャレットの映画を観に行く。この間の撮影が終わったとき、編集者のAさんが「ちよじ、観たらいいよ。」と、勧めてくれた映画。

Dさんを誘ったら、下北沢まで来てくれた。一緒に観た。

『1975年のケルン•コンサート』

ひとつの方向からだけの感想に収まらなくて、

映画館を出るなり、Dさんと言葉が溢れ、大笑いした。

良かったね、だけで終わらない。

一日前に現場に入れよ、なんて、つっこみたくなるところだってある。

だけど、

今日も朝から色んなことがあった中で、Aさんの「いま観たらいいよ。」と言ってくれた言葉と、Dさんが一緒に観てくれたことと、映画の中の女の子の無垢なところと、キース•ジャレットの確かなところに、今日自分は支えられた。

 

Dさんと珉亭の2階で、瓶ビールと餃子、搾菜、麻婆豆腐。

2026.06.17_Wed.

布団の中でキース•ジャレットのケルンコンサートを聴いた。

早く明日にならないかな。

 

朝ごはんを食べ終わってからも、また聴いた。

携帯電話で音を鳴らしていると、そこにいたYがなんとも言えない顔で笑って、振り返り、こちらを見た。

 

「俺が昨日聴いたのと540°くらい違う。」

 

「しょうがねーな。」と言って、スピーカーに繋いでくれた。音が広がった。

 

そんなふうに朝がはじまり、仕事に行く道すがらもイヤフォンで聴いていた。

駅や町に人がたくさんいる中でも、自分だけ別にいるみたいな感覚がして、切り離されていて、ひとりになれて、今日はそれがちょうど良かった。

 

2026.06.16_Tue.

友だちの、20才歳下の彼女と一緒に働く日。

いい子だったな。

 

今日は一日中暑くて、白いシャツを着たのが正解だった。そんなことで、一日気持ちよく過ごせた。

 

Mからメールをもらった。

来月、家族みんなで会いにいこう。

Mにとっても一区切りだろうし、私たちにとっても、あの本の中には思い出がある。

身体を運んで、最後まで見届けたい。

Mは何を話すのかなぁ。

 

夜、ハッと思い出し、この間の撮影のとき、Aさんが勧めてくれた映画を見ようと思い立つ。

どこを探してもない。

配信で見られると勘違いしていた。

映画館だ。

アップリンクでは終わったところ。下北で明後日まで、まだやってる!

気づけて良かった。

しまった!見られなかった、と思った瞬間からまだドキドキしている。

大丈夫。観に行ける。

 

2026.06.15_Mon.

仕事帰りに、皮膚科に行くK(11才)とYと合流する。

現れたKは、結婚するより前に好きだった人が昔作ったTシャツを着ていた。

自転車屋に寄って、11年使った、自転車の後ろのこども乗せの椅子を外してもらった。

商店街で肉やら野菜やら買いものをして、帰ってきた。

Kが台所で何かしているな、と思ったら、Yに買ってもらったと言って、

こども用のプロテインを振っていた。

お風呂で筋トレするんだそうだ。

…お風呂で筋トレ?

 

雨上がりの低気圧と、なんか時空が渦巻いて、言葉に出来ない気持ちになる。

2026.06.14_Sun.

地元の道場に足が向かない。

目の前に見惚れるものがないというのは、心が踊らない。

今日も本部道場へ行って、I師範の稽古に出よう。自分の心が躍るほうへ行こう。

そして、よく見てこよう。

 

9:30~、4階の稽古場でI師範の稽古を1時間。

……

▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身10回(前後の重心移動。上下の重心移動じゃない。)

 

▪︎入身転換・•「腰から上、胸で相手に乗る感じ。(自分の)体を起こせば、相手に持っていかれる。前足が浮いてしまう。手で押さえつけるんじゃない。自分の胸で相手(の前腕)に乗る。」

 

▪︎座技呼吸法••「これをしてから『諸手取り呼吸法』を稽古しよう。抑えるときは手で押すんじゃない。自分の踵に、自分の尻を下ろす。」

そして、道衣の袖をまくって、力こぶを見せてくれた。こんなにはっきりとした力こぶをはじめて見たと思うくらい、わかりやすく力こぶだった。I先生はふたつの腕の曲げ方をした。

ひとつめは、ただ力こぶが盛り上がった。よく見るやつだ。そして、「これは全部に繋がってないんだ。」と言った。

もうひとつの曲げ方をした。そうすると、独立していた力こぶが、ぐーっとこぶのまま伸びて、前腕へ繋がった。「繋がったでしょう。こっちを使うんだ。」

 

すげー。

 

わからないけど、なんだかすごくよくわかった。

 

I先生はこんなにも自分の身体を観察してるんだと思うと、面白くて仕方なかった。

 

▪︎諸手取り呼吸法••「『座技呼吸法』の手の形がここで出てくる。全く同じなんだ。(自分の)肩と肘を落とす。その後で足が動き、入り身する。全部『座技呼吸法』の形だ。」

I先生は、肩と肘を落として座技呼吸法の手を作った。身体は入り身するように真横を向いている→足が動き、入り身するときは、腰が回転し、相手と同じ方向を向く→そして肘が相手の顎に入る→投げる時は相手の方を向かない。その方が力が逃げない。

 

▪︎片手取り入り身投げ

入り身して、腰回転。掴まれた手は入身転換の形(自分の前からずれない)→手首を返して、掴まれていない手で相手の手首を下から取っていた。そうしたら握られている自分の手首を外せる→矢筈の手で相手の首→自分の肩に相手の頭をつける→足が先に出る→その後で手。

 

▪︎座技肩持ち二教(表)••表も裏も逆半身から。そりゃそうか。肩持ちだから。

右逆半身として、一歩目は右足を立てていいから、相手の前膝のラインで横に入る。当て身。→2歩目はその右足の左側に左膝が入る(自分の右膝、自分の左膝、相手の左膝がラインで揃う)。→左手は相手の親指をとり、右手は手刀で相手の肘、相手の腹側を進む。→二教の抑え

 

▪︎座技肩持ち二教(裏)••前膝のラインが揃うまでは表と同じ→足をひいて逆半身を作る→相手の肘が曲がる方向に二教をかける→右手手刀で巻きつける→二教の抑え

二教をかけるとき、相手の肘が上に上がるようであれば、そのまま下に落とせばいい。

 

▪︎座技肩持ち二教(表、裏)••交互にもう一度。

 

▪︎座技呼吸法

 

▪︎相手を変えてもう一度、座技呼吸法

 

座技呼吸法が身体に入った上にしか、技は乗らないということだと思う。

……

 

帰り道にいつものホステルのカフェに寄った。

珈琲を飲んで、稽古のメモをとった。

 

新宿三丁目の駅から電車に乗ろうかと思ったけど、ある展示が近くでやっていることに気づいて観に行くことにした。

観たけど、観たかったものではなかった。

 

そのまま帰るのもなんだかな、と思い、Yに連絡すると、

「(Kも友だちとカラオケに行くし、)昼飲みでもする?」となって、中野で会うことにした。

四文屋でお刺身、炭焼きヤングコーン、イカ丸焼き、じゃがいも揚げ(アンチョビ)、レッドカレー。LOUでジャム入りクッキーと珈琲。

珍しくYが自分から、いま作ってる曲のこと、腹の中に持っているもののことを話しはじめた。

人のためではなく、自分のため、と話した。

そして、いま作っているものの次に作るだろうアルバムのタイトルを聞いた。

それが、他は考えられないと思うほど、とっても良かった。

 

帰宅すると、程なくしてK(11才)が、

「たのしかった!歯が抜けた!」と言って、帰ってきた。左横の上の歯が抜けていた。

 

友だち同士ではじめてのカラオケ、2時間半。

みんな、歌が上手かったんだそうだ。

 

「"ビビデバ"と、"鬼ノ宴"と、"ひゅるりらぱっぱ"と、"スターマイン"を歌ったんだー。」

 

そして、

 

「みんなで"君が代"歌ったんだー。」と言う。

 

寝る前にテラスに出たら、ヤモリがいた。

「K!ヤモいた!」

上の階にいたKにそう呼びかけると、KとYが階段を駆け下りてきた。

 

ナリタが右手で蚊を押さえたのをはじめて見た。右利きなんだろうか。ナリタが手を離すと、蚊はまた飛んでいった。

 

さぁ、寝よう。

2026.06.13_Sat.

4:30のアラームより、随分早くに目が覚めた。ヒガシがずっと自分の近くにいる。

昨夜はYがお皿を洗ってくれている音を聞きながら、眠ってしまった。

夜のうちにDさんにもう一度「プラムありがとう。」とLINEしようと思っていたのに、

それもしないまま眠ってしまった。

珈琲を淹れ、ヨーグルトとプラムのジャム、トーストにカマンベールチーズをのっけて食べた。

 

本部道場で7:00からI師範の稽古。

▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身10回(上に立ちあがろうとしない。前に立ち上がろうとすること。)

▪︎入身転換

▪︎諸手取り呼吸法・・動く前に肘を落とす。

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎正面打ち二教(表、裏)

▪︎正面打ち小手返し・・当て身が様にならない。

▪︎座技呼吸法・・組んだ男の人の力が強くて、この間I師範と組んで上手くいったことが、

その通りにやろうとしても出来なかった。

I師範はすぐに気づいて、「その場合は、相手の肘が上がったときに前へ押していってもいい。」と、

言いに来てくれた。

言われた通りにやると、簡単に相手の力の場所が変わっていった。

 

この間までは、『押さない、引かない』、と教えてくれた。それが『だいぶと出来てきてる』になり、今日は次のこと=『上手くいっていない』、という出来事が来た。

そうしたら、「その場合は押していい。」を教えてくれた。それが嬉しかった。

 

水シャワーを浴び、着替えて、外に出た。

 

今しがたI師範の稽古を受けていた3人の男性が前を歩いていたから挨拶をした。

「いまお茶しにいくことになったんだけど、一緒に来ない?」となり、タリーズで珈琲をのんだ。

メインで話していた人の話よりも、端でぽつぽつ話していた人の話のほうが気になった。

 

電車に乗り、予約しておいたフットケアに寄った。足の状態をじっくり診て、綺麗にしてくれた。

足の知識がある人から、足の話を聞くのは面白い。

結局、足に負担をかけているのは、稽古ではなく、足に合っていない靴のほう。

山の靴以外は、自分の足のサイズの靴を買ったことがないもんなぁ…。

 

帰宅すると、K(11才)が本部道場に稽古に出るところだった。

明日は稽古を休んで、初めて友だちとだけでカラオケに行きたいから、今日は2クラス稽古してくるんだそうだ。

 

帰りにコンビニで炭酸水を買ってきて、と頼む。

「ただいまー。」と、コンビニの袋に炭酸水2本と、頼んでいないスイカバーを持って、Kが帰ってきた。

Kはスイカバーを食べ、わたしはYとプラムソーダを飲んだ。

2026.06.12_Fri.

仕事が終わって外に出ると、Dさんがプラムをくれた。

毎年お裾分けしてくれる和歌山のプラムだ。うれしいな。

そのまま食べるより、ジャムがいい。明日の朝にヨーグルトといただこう。

それならK(11才)も食べるだろう。

夕飯の支度の横で、ジャムのこと。

炭酸で割って飲むのも楽しみだな。

 

数日前に山口さんがblogに書いていた、『Seven Days』という曲の和訳にキュンとなって、

今日は隙あらばその曲を聴いている。

いい歌だなぁ。

2026.06.11_Thu.

本当に珍しく、こどもがどうの、とかの話しかなさそうな飲み会へ。

 

行く前は、全部心の中で、

 

それを解りながら足を向け、どうしたら楽しめるだろう。ごはんがおいしかったらいいな、とか。

 

学生の頃から連れションが嫌いだ。

わたしが決めて動くのだから、ついて来ないで、と思う。

久しぶりにそんな連れションの気持ちを思い出してしまうなー、とか。

 

ぶつくさ、ぶつくさ。

 

行かなければいいのに、逃げるのもめんどくさいから、正面に立ってやろう、となってしまう。本当にめんどくさい。

 

何かの本で、そんな時は相手を見て、彩文土器をイメージするといいと、読んだ気がする。

距離がとれるんだろうなぁ、試してみようかなぁ、とか。

 

ぶつくさ、ぶつくさ。

 

なかなか失礼なことを考えていたのに、行ってみたら、これまでに体験したようなことにはならず、

とても楽しくて、取り越し苦労だった。

彩文土器も浮かべなかった。

もっと信じてみれば良かった。

 

帰宅したら、待ち構えたように仕事部屋の扉が開き、Yが大丈夫か?の表情で顔を出した。

 

「行ってみたらたのしかったー。」と言うと、

 

「俺、一応仕事帰りに店の前を通ってみたんだよ。どこにいるのか分からなかったけど。」

 

と言って、ホッとした顔で笑った。

 

自分もホッとした。

2026.06.10_Wed.

これから帰ると家族に連絡して電車にのって、いくつかLINEのやりとりをしていたら、

うっかり一駅乗り過ごす。

「しまったー。乗り過ごした。」と言ったら、そのままラムを食べにいこう、となった。

乗り過ごして良かったのかもしれない。

ラムも良かったけど、ラムの上に山盛り乗っかっていた春菊がうれしかった。

"草原のラム"という名前もいい。

どこか遠くへ行きたくなる。

 

京都から帰ってから、野菜ばかり食べたい。足りていないのだろうか。

 

YとK(11才)に自転車で先に帰っていいよ、と言い、自分は乗り過ごした一駅分、音楽を聴きながら歩いて帰った。

 

なんかそうやって、歩いて帰りたかった。

2026.06.09_Tue.

昨日社会科見学で国会議事堂へ行ったかと思えば、今日は隣町のホールで音楽鑑賞会があると、

K(11才)が小学校へ向かった。

 

1日送れて、ホステルに頼んだ宅急便が届いた。道衣に固形石鹸をつけ、ゴシゴシとブラシで擦り、つけ置きをして、洗濯機をまわす。

 

Dさんが送ってくれた、タブレット純と関根勤のYouTubeを観ながら、Kの水着にゼッケンを縫い付ける。

 

あれやこれやと、放っていた家のこと。

 

夕方、帰宅して玄関を開けるなり、

「『山の魔王の宮殿にて』っていう曲が一番好きだったよ!」と、Kが言った。

「聴いてみて!聴いてみて!」としつこい。

 

聴いてみたけど、ピンとこなかった。

何に心を奪われたんだろうとKを見たら、嬉しそうな顔をしている。

何かに感動したんだろうな。

 

伝えてくれて、うれしいな。

 

2026.06.08_Mon.

K(11才)が社会科見学で、国会議事堂へ行く。

お弁当を作ろうと、階段を下りたら、KがNさんのベッド(いつの間にか下の部屋のベッドをこう呼んでる。Nさんが泊まったときに使ったから)で寝ていた。

きっと寝過ごしたらいけないから、ここで寝たんだ。心が見えて、とても可愛い。

 

梅酢の唐揚げ、卵焼き(韓国海苔をいれた)、タコさんソーセージ、ピーマンおかか炒め、白いごはん、さんしょ昆布(六甲のお土産)。

これが苺に変わったらいいのに、とプチトマトを入れた。

 

昨日新幹線で「冷蔵庫にある野菜を教えて。鶏モモはあるよね。卵もある?」とYに訊ねて、帰りに買い物しなくてもお弁当が作れるな、と思った。

果物のことがすっかり頭から抜けていた。

Kは入れて欲しかっただろうな。

 

Kの分と、Yも昼間の仕事で会社にいくし、自分の分と、お弁当箱に詰めた。

 

起きてきたYが、「今日は作業があり過ぎて、昼ごはんを食べる時間がないんだ。だからいま食べるよ。」と言って、朝ごはんにお弁当を食べた。

 

六曜社の豆で珈琲を淹れた。

わたしとKは、京都で買ってきたパンを焼いた。

 

そのあとは、洗濯したり、ロケの片付けをしたり、なぜか届かない昨日ホステルに頼んだ荷物のことを問い合わせたり。日記を書いたり。

 

夕方に帰ってきたKが「お弁当箱を大きくしたい。」と言った。

2026.06.07_Sun.

7時頃に目が覚めた。

稽古に持っていくもの、ホステルに預かっておいてもらうものを分けて荷造りをした。

顔を洗って、昨日買っておいたパンと茹で卵、湯を沸かして珈琲をいれた。

「Excuse me. Can I send a package from this hostel? May be 3p.m.」

ホステルからは送れないけど、近くにヤマト便の営業所かコンビニがあるから、そこから送れるよ、と教えてくれた。

雨が降り出した。

チェックアウトするとき、これから武道センターで合気道の稽古なんだと話した。

ありがとうと伝えて、

「Can I rent an umbrella?」

大丈夫だよ、と傘を貸してくれた。

 

8:46

市バスにのった。

着替えて稽古場に入った。

寝転んでストレッチをした。

武徳殿の天井を見ながら、(ふつうの心拍数だなぁ。)と思って、

それがうれしかった。

 

9:45

最終日。クリスチャン・ティシエ師範の稽古。

……

▪︎後ろ取り一教の入り口

▪︎後ろ取り一教

▪︎後ろ取り二教

▪︎肩持ち手合わせから小手返し

▪︎肩持ち手合わせから入り身投げ

……

 

自転車を漕ぐように自然に。

 

11:10

安野正敏師範の稽古。

 

『歩く、立つ、座る』

それをどう技に生かせるか。

 

起こり、変化(関節)、突いたあと。

そこをよく見ること。

 

中心を大事にしたら、気は末端(指先)に出ること。

 

先入観(自分のやり方)をなくして、盗むこと(真似ること)。

 

人に触れて、心に触れて、技に触れること。

 

失敗すること。

 

安野師範が、稽古の中で話された。

 

……

▪︎肩取りから一教

近間、中間、遠間で3種類くらい

▪︎肩取りを掴ませないで入る

▪︎肩持ちして受けが当て身するのを捌く

▪︎突きを捌く

普通の突き、胸元に突く、顔に突く、おでこに突く

そのまま入り身する、下に力を向ける、180°流す。

……

どの稽古も、終わってからやったことを思い出そうとするけど、

いろんなことがありすぎて、記憶できない。

​稽古を終え、皆で畳を上げて片付ける。

 

13:17

武道センターを出る。

昨日のギリシャのラップサンド屋に入り、ポーク・スプラキロールとフライドポテトと缶ビール。

 

ホステルに戻り、珈琲を淹れて、飲みながら荷造りをする。

雨が降っていて宅急便を出しにいくのが本当に大変だな、と思っていたら、

往復便だったらホステルから出しておいてくれると言う。

 

14:56

ホステルを出る。

もう京都でやり残したことはない。

市バスにのって京都駅。

家に帰ろう。

 

今回の稽古は、『第21回 参同会 合気道京都国際講習会 2026』という講習会だった。

稽古場には何百人いたんだろう。いろんな国からいろんな人が集まって合気道を稽古した。

 

3日間の稽古の間、自分が見た人たちは、

地面に足がぴったりとついている。2本の足に身体がまっすぐのっている。背骨は張っているというのと違う。まっすぐそのまま、ただのっている。

黒眼も変な動きをしていない。鋭くもない。圧もない。だけど何もない訳でもない。

 

そんなふうだった。そんな人間が数百人、目の前にいた。

これから自分もそんな人間の方向へ行きたい。

 

19:20

帰宅。

ナリタにじーっと見つめられ、ヒガシが身体にのってきた。

Yが鍋にビーフストロガノフみたいなやつを作ってくれている。

K(11才)が「卵黄の醤油漬けを作ったんだ。」と言って食べろと言う。

(ビーフストロガノフは…)と思ったけど、白いごはんと卵黄の醤油漬けと味噌汁が運ばれてきて、

「ありがとう。」といただいた。

そしてYがビーフストロガノフをよそってくれた。

 

お風呂に入って、念入りにヘアパックをした。綺麗に身体を洗った。

2026.06.06_Sat.

朝起きて、Mにもらったビスケットを齧った。

歯を磨いて、顔を洗った。

足がすっかり筋肉痛だ。

ホステルのカフェはまだやってなかった。

道衣2組と、1.2ℓの水筒と、カメラと、一昨日のデータが入った外付けのHDだけリュックに入れて、外に出た。荷物が重い。

バス停の前のカフェに入り、やっと温かい珈琲が飲めた。茹で卵と、ソーセージが挟まったバターロールを食べた。

 

8:46発の市バスにのった。

今日は朝に2時間、クリスチャン・ティシエ師範の稽古。

昼から2時間、安野正敏師範の稽古がある。

 

熊野神社前のバス停で降りて、コンビニで1ℓのジャスミン茶のペットボトルを買って水筒につめた。

コンビニを出ようとしたら、昨日組んだ人がいて、「おはようございます。」と挨拶してくれた。

また数歩歩くと、まだ別の昨日組んだ人がいて、その人も「おはようございます。」と挨拶してくれた。

 

9:45

クリスチャン・ティシエ師範の稽古。

……

▪︎手合わせから稽古がはじまる

手首を出しすぎない。小指の付け根あたり。

ずーっとずーっと手合わせの稽古。

▪︎手合わせから一教の入り口

▪︎手合わせから四方投げの入り口

▪︎手合わせから小手返しの入り口

▪︎手合わせから入り身投げの入り口

▪︎諸手取りから呼吸法の入り口

……

 

どの動きも手合わせで相手と繋がっている感触のところからはじまる。

正中線からはみ出さない。この手は次にどこへ動くんだ。上だ。

ティシエ師範は、木剣を振り上げるように

本当に自然に両手を振り上げた。

手の動きも、身体の動きも、全部が曲線だった。どの技をするときでも、手は正中線にあって、手合わせの時と同じように相手と繋がっていて、∞のループがあって、腕は木剣を振るように上に降り上がる。振り下ろすときも正中線で木剣を振っているよう。

そして、入り身投げの説明をするとき、自分の前足の斜め下あたりに視線を落とした。

そして、肩のあたりのこと。肩を自然に外すような、見ていると素直な動きなのに、なんか見てわかったような気がしたのに、うまく真似出来なかった。

そして、手合わせから何かの技をするとき(たぶん入り身投げだった)、弓矢を引くような動きをした。

 

全部ベーシックなことが、綺麗な曲線で繋がっている。

 

朝の2時間の稽古があっという間に終わった。

 

 

12:30

稽古場の側に、ギリシャのラップサンド屋があったから、テイクアウトして、武徳殿の軒下で食べた。

ビフテキア・ロール(肉団子が入ってる)、ギリシャサラダ、普段飲まないコカ・コーラ。

稽古中もだったけど、ずーっと風が吹き抜けていて気持ちがいい。

 

また道衣に着替え、朝に着た道衣は軒下に干しておける場所があったから、午後の稽古の間、干しておくことにした。

 

14:00

安野(やすの)師範の稽古。

「ふたつ大事なことがあると思ってる。

それは『呼吸と丹田。入身転換。』だと自分は思っている。」

そう安野師範が言った。

そして、『松』と『風』の話をした。

稽古するとき、いま自分は『松』なのか、いま自分は『風』なのか。

それを思いながら稽古したらいいんだと言った。

 

体幹のこと。

日頃から、しっかり歩き、しっかり立ち、しっかり座ること。

全部、歩く、立つ、座る、の中にある。

その間でどうするか。いま何ができるか。

 

後半は「逃げたらだめだ、相打ちだ。」とずっと言っていた。

袖すり、そして相打ち。

右半身、正面打ちを入り身して左手で繋がる。

正面打ちのどの時に入るか。

相手の手が一番高いところから一教。

終わる頃に自分の顔の前に垂直に受けて一教。

横から手を取り一教。

 

今日は『風』も少ししたけど、『松』のことをたくさんやった。明日は『風』をやろう。

そう安野師範が仰って、稽古が終わる。

 

16:50

地図を見たら歩けそうだったから、『meditations』というレコード屋まで歩いてみる。

途中でおいしそうなパン屋があったから、明日の朝に食べるのと、家の分も買っておく。

レコード屋に着いた。

Yがこのレコード屋のTシャツを気にいって着ていて、着過ぎてボロボロだから、新しいのを買って帰ってあげようと思った。

XL、M、S、と同じTシャツを3枚買った。Yと自分とK(11才)の分。

 

歩いていたら『グランピエ』の前を通った。ナリタが割ってしまったイランの吹きガラスのコップを買い足せた。

 

六曜社で珈琲とパウンドケーキ。パウンドケーキにはダークチェリーが入っている。

こんな柔らかい椅子に座ったら、眠ってしまう。

珈琲もパウンドケーキも、身体に沁み渡る。本当においしい。

 

19:35

ホステルに戻る。

ベッドで目を瞑る。

 

20:15

朝ごはんを食べたカフェで、近くのスーパーを教えて下さいと聞いていた。"FRESCO"という24時間営業のスーパーを教えてくれた。

歩いて行ってみた。

惣菜売り場を見たけど、胸がいっぱいで、食べる気持ちが湧かなかった。カットフルーツと茹で卵とドリップコーヒーを買った。

 

ホステルの自炊場で、カットフルーツと茹で卵を食べた。

炊事場でフォークを借りたとき、フライパンを片づける場所を男の子に訊ねられた。

英語で答えようとしたら「日本語でいい。」とその子が言った。自分は台湾人だと言う。

日本語で「知らない。」と答えて「塩はどこにある?」とその子に訊ねた。

塩の場所を教えてくれたから、「ありがとう。」と手のひらに取って、自分の席に戻った。

 

隣では女の子が英語で電話を話してる。

少し離れたテーブルでは、さっきの台湾の男の子が日本語で友だちと話してる。

自分は日本語しか満足に使えない。英語やスペイン語やフランス語や、他の国の言葉をまだ上手く使えない。

 

だけど、日本語だけの世界では、自分はもうワクワクしない。

 

英語と、台湾訛りの日本語が聞こえる中で茹で卵を食べて、そんなことを思った。

 

ゴミを捨てにいくと、また台湾の男の子が、そのゴミはこっちだよ、と話しかけてきた。

そして「さっきの塩はそのまま食べたんですか?」と聞いてくる。

「茹で卵を食べた。」と答える。

 

シャワーを浴びる。

今日もシャンプーとボディソープしかない。

2026.06.05_Fri.

5:30にマンションの下に行く。

Fとストレッチをして、走りにいく。

雨かもしれない、Fと走れないかもしれないと眠ったのに、起きたら雨はぎりぎり降らずにいてくれた。

Fが「チャオ。」と下りてきた。

ストレッチを真似する。毎日走っているFが、走る前に自分の身体のどこを伸ばしておこうとしているのか。そんなことが楽しい。

走りはじめる。坂を下って、川の音を聞きながら、まっすぐ。大きな赤い橋のある海にぶつかるまで。

自分ひとりだと走る気持ちも起きないけど、Fとだったらどこまでも走れる気がする。

いつもの息でいられるようなスピードで走るからだ。

また海を背に、坂を上がって帰ってきた。

軽くストレッチして、ふたりで1段とばしでマンションの階段を上がり、別れ際Fが自分の腕につけていた白い透明のゴムをくれた。

Nさんが家に来たときに「Fにもらった。」と腕につけていたのと同じやつだ。

このゴムを何に使おうか、いま何も思いつかないけど、「おまえ、友だち。」と言われたみたいで、嬉しかったから腕にはめる。

 

8:00。

珈琲をいれ、Mのベッドの上で『ブロッコリーパンチ』のつづきを読んだ。

フルーツとヨーグルト、Mがパンを焼いてくれた。

そしてパソコンで星占いをみてくれる。

「双子座は絶好調の日。どこにでも行ける。海も割れる。」

 

11:30

Mと『丸徳寿司』で巻き寿司を買って、公園で食べようと話す。

Fちゃんが仕事の合間なのに、車を出して坂の下の昆布屋さんのところまで送ってくれた。

Mが太巻きと細巻きをご馳走してくれた。

小雨がぎりぎり降り止んでくれた。ふたりで公園で食べた。

 

13:14

六甲道から京都へ向かう電車にのる。

京都の駅前で市バスにのる。

五条坂にあるホステルにつく。

チェックインの時刻より早めについて、ホステルのカフェで気持ちを落ち着けたかった。

受付が外国の人だった。いい勉強だと思ったから、「 I sent my luggage. Has it arrived yet?」

話しかけてみる。

無事に、道衣を入れて送った大きなトートバックを受け取れた。

だけど、チェックインするとき、若いフロントスタッフが英語で何かごにょごにょしている。

大丈夫かと訊ねると、「あなたと同じベッドNO.を、他の人に渡してしまった。だけど先方にはE-Mailしておいたから、使って大丈夫。」と英語で言われる。

本当に大丈夫だろうか。

 

16:30

五条坂からまた市バスにのった。

熊野神社前で降りる。武徳殿に向かう。

半袖のTシャツしか持ってない。寒い。

気をつけないと、身体を冷やしてしまったらどこかを痛める。身体が保つか、わからない。

 

17:00

武徳殿に着く。到着が早すぎると思ったけど、そうでもない。するすると更衣室を案内され、荷物を全部持って、外の道場へ入ってくださいと言われる。

更衣室に入り、着替える。

あまりに怖くて、「こういうのに参加するのが初めてで、とても様子がわからずドキドキしています。」と場に慣れた雰囲気の、知らない人に声をかけた。「全然大丈夫ですよ。」知らない人から、柔らかい声で安心する言葉をたくさん浴びる。

 

こんな厳かな稽古場を見たことがない。

だけど、ここにいる人間の顔全部がなぜか柔和に見える。比喩ではなく、しっかり地面に足をつけた人ばっかり、目の前を歩いている。

じーっとしていたら、

知らない外国人の男性(袴にカンダさんと書いてある)が、真正面からやってきて、「どこかで会いませんでしたか?」と言う。見たこともない人だ。知らないことを伝える。

 

稽古がはじまるとき、そのカンダさんがいたから、「どこに座ったらいいですか?」と聞く。

「どこでも大丈夫。座る場所のルールはないよ。どこでもスッと入ってしまえばいい。」と教えてくれる。

 

畳が柔らかい。正座しても痛くない。

 

18:00

フランス人のクリスチャン・ティシエ師範の稽古がはじまる。

今年の正月が明けたばかりの時、Aから彼の名前をはじめて聞いた。動画を見てみた。その動きに見惚れた。

この人を画面の中ではなく、自分の目の前で見てみたいと思った。

ティシエ師範はこの稽古のためにフランスからやってきて、自分は東京から神戸での仕事帰りにやってきた。今日会えた。

 

どうやって誰と組めばいいのかわからなかった。だけどひとつの技ごとに組む相手が変わるパターンだった。近くにいた人と組んだ。

まだ戸惑っていると、さっきのカンダさんが「お願いします。」と来てくれた。

その後も、近くにいる知らない人が次々に組んでくれた。わからないときは、どの人も手の取り方を教えてくれた。

袴をつけていないこと、白帯をつけていることが、すぐに気にならなくなった。

……

▪︎入身転換

▪︎片手取り四方投げ(裏)

▪︎片手取り四方投げ(表)

▪︎交差取り四方投げ

▪︎片手取り一教

……

ティシエ師範の説明は、すべてが英語だった。

人が多くて、声すらあまり届かない。

その動きをじーっと見て、何を説明しているのかを知るしかない。

終始、正中線から自分の手をずらさないことを言っているように動きを見ていて受け取った。

四方投げに入るときの手の取らせ方。

一教のときは、受けてから、相手の肘を、相手の身体の方へ崩す。

 

19:20

5分の休憩を挟み、岡本洋子師範の稽古。

……

▪︎入身転換

▪︎回転投げ(裏)の入り口まで

▪︎回転投げ(表)の入り口まで

▪︎回転投げ(裏)と同じ入り口から、相手を回転させずに、手刀で斬って抑える。

▪︎半身半立ち四方投げ(受けは膝を柔らかく、と言っていた)

▪︎天地投げ(表)

▪︎天地投げ(裏)

▪︎交差取り一教(表)

▪︎座技呼吸法

……

岡本師範の稽古は、相手を誘い、前に出すこと。

 

全くついていけないような技ばかりがはじまるのかと想像していた。

だけど、今日のふたつの稽古の要点は、Aから普段、大事だと教えてもらってることばかりだな、と思う。

はじまりは、一番真ん中の話をした、ということだろうか。まずそれが大事で、先に話しておく、ということだろうか。

 

20:30

稽古が終わる。

どこにも寄りたくない。

ただホステルに早く帰って、本当にひとりになりたい。

 

昼に残した太巻きをMが持たせてくれたのをドミトリーのベッドで食べた。

シャワーを浴びた。

なぜかシャワールームには、シャンプーとボディソープしかなかった。

まぁ、仕方がない。汗は流せた。

髪がガシガシになった。

ドライヤーはあるけど、コンセントの場所が分からず、自炊場でごはんを食べていた外国人の女の子に訊ねて教えてもらう。

髪を乾かしていると、同じ部屋番号のキーホルダーを持った女の子に話しかけられる。

同じ番号なことに戸惑っている。そりゃそうだ。

「Sorry. same number…

but the front desk staff sent you an email…May be 4p.m.」

持っているだけの英語で伝えた。

彼女は見てみると言って、携帯電話を見た。

4階の部屋に替わっている。笑顔になり、お互いに、ごめんね、ありがとうと言った。

こんなにややこしいことが、なんなく伝わって本当に良かった。

 

もう道衣をこれから洗う体力は残っていなくて、ドミトリーのベッドにあったハンガーに掛けることしか出来なかった。

 

アイロンのかかった綺麗なシーツがうれしい。

2026.06.04_Thu.

雨は上がった。

6:30にタクシーが迎えにくる。Tシャツ1枚で外に出たら肌寒い。

だけどもうこのまま出てしまおう。撮影で神戸に行く。

連載も12回目だ。

新幹線では、窓際の席だったのに、外の景色を一度も見ることなく、

『ブロッコリーパンチ』を読んでいた。

アオサギの話が面白かった。狩りに失敗した時のアオサギの話。

このところ自分もアオサギに近づきつつあるけど、もう身体ごとアオサギになってしまいたい。

 

新神戸の駅で編集者Nさんと会った。

Mのところへ。

撮影をする。

いまの時点の自分に、この間から先輩がなにかいっぱい渡しにきてくれてるみたいだ。

撮影のたびに。

 

夕方に終わって、上の階からFちゃんとFが下りてきて、Mと4人でランブルスコで乾杯した。

今日の撮影のごはんもおいしかった。

撮影で残ったのと、Fちゃんが塩豚を焼いたのと、じゃがいもを焼いたのを作ってきてくれて、

それをいただきながら、いろんな話をした。

 

FちゃんとFが帰ってからも、Mとずーっと話していた。

こんなにたくさんMと話したのは、初めてかもしれない。

2026.06.03_Wed.

台風がやってくる日。撮影がリスケになった日。

K(11才)の小学校も、昨日急に連絡が来て、臨時休校になった。

Yだけが今日に限って、自宅作業ではなく、会社へ行く。

 

外が暗くて、いつまででも眠っていられそう。

友だちのAが台風を心配して、メッセージをくれた。

深い穴の中で、人の声を聞いたような気持ちになって、安心する。

 

もう8:48だ。珈琲を淹れよう。

それにしても誰も起きてこない。

 

近くの川の警報を知らせるサイレンが鳴ってる。

『ブロッコリーパンチ』のつづき。

 

昼前に、Yが焼きそばを作ってくれた。

いつもYは少しの水も入れないで、麺を別にして焼く。わたしが作るよりも、おいしい焼きそばになるから、焼きそばはYが作る。

 

食べ終わったYは、「なんで学校だけ休みなの?おかしくない?」とKに言い、

「いってきます。」と、会社へ向かった。

 

明日からのロケの準備をする。

 

Mが、明日はきれいに晴れそうだと、わざわざメールを書いて送ってくれた。

寸前で撮影日がずれた気持ちのバランスを支えてくれたんだと思う。

2026.06.02_Tue.

「習い事を越えて、生活になってる。」

わたしを見てYが言う。

「知りたくなってしまう。」と話す。

 

これからやってくる台風に伴い、朝から撮影のリスケのことを諸々。

台風が去ったあとの青空が頭に広がり、混沌とするのは明日までで終わり。

台風がすべてを拐って行ってくれるんじゃないかと思う。

 

そのあとは、ただ愚直にやるだけでしょう?

と、I師範の顔を浮かべる。

 

雨が降る前にやってしまおうと、大きなトートバッグに、道衣の上3枚、下2枚、帯。そして大量の下着と手拭い。膝のサポーターと湿布を、ぎゅうぎゅうに詰めて、宅急便の営業所へ持って行く。

 

京都で泊まるホステルにはメールをして、受け取って預かってもらうように頼んである。

 

営業所の受付けで、「宿泊するなら往復便にされたら?」と言われ、少し安く送れるというので、それにする。

ややこしいことになるなよ、と伝票に願う。

無事に着いてくれないと、稽古ができない。

 

Mに借りた『ブロッコリーパンチ』を読み続ける。

2026.06.01_Mon.

全然一日が進まなくて嫌になった。

 

2026.05.31_Sun.

地元の道場の45周年の節目の周年行事に出なかった。

つまらない理由で、だけどつまらなくもなく、行くことを辞めた。

 

I師範が、「抑えるときは、押さえつけたらいけない。自分の踵に、自分の尻を下ろす。」

と言っていた言葉の通りだな、と思う。

 

朝から道場のグループLINEに、出る、出ない、やっぱり出ない、みたいな。

四方八方に弾が弾けて飛び交っている。

 

押さえつければ、弾は弾ける。

収集がつかない。

その場に誰もいなくなる。

 

技の考え方を知ると、その考え方だけで人を操作できるかのように感じるようなことがあるかもしれない。だけど人はそんなに簡単じゃないのかもしれない。

相手が技を使っているな、というのも、俯瞰で見えることだから。

技を知った人が技を使っているつもりでも、技を知らない人のほうが上にいて、滑稽だな、と感じることもあるような気がする。

 

「自分の踵に、自分の尻を下ろす。」

今日は、本部道場のI師範の稽古に行くことにした。これも技だろうか。

 

そんなことを考えていたら、新宿での乗り換えを通り越してしまった。

慌てて戻っている自分も滑稽だ。

 

……

▪︎準備体操 

 

▪︎後ろ受身10回・・(身体の中心に足をまとめる。膝と踵が近すぎたらバランスがとれない。距離を離す。)

 

▪︎入身転換・・「相手の前腕にのる。相手と離れすぎない。これは裏技の基本。」

 

▪︎諸手取り呼吸法・・わたしがやるのを見て、横にいたI先生が、「足が軽いな」と言った。

 

▪︎座技正面打ち一教(表)・・相手の肘を横へずらす。膝行でまっすぐに進む。後ろ足をひきつける。

 

▪︎座技正面打ち一教(裏)・・斜め下から横へ相手の肘をずらす。転換し過ぎたら相手は崩れない。

 

▪︎正面打ち一教(表)・・横に相手をずらす。腰を捻って斬り落とす。相手の身体が崩れる方向へ斜めに入る。最後の足は相手の腕を越えるとまた相手に伝わった力が緩まる。腕を越さない。

相手の肘が平行になるところまで。

 

▪︎正面打ち一教(裏)・・相手を見続けない。自分の腹と手の場所を崩さない。自分の腹と手があるところに視線もある。

 

▪︎座技呼吸法・・人数が奇数だったから、

「やろうか。」と言って、I先生が組みに来てくれた。

「相手から力がきたとき、腰と、仙腸関節のところで立つんだ。そのときに肘をひかない。」

この間から教わってきた通りに手を動かす。

「よし、きたきたきた。」

ちゃんとはまってる。力が伝わっている。それでいい。と、伝えながら何度も受けてくれた。何度も受けさせてくれた。

……

 

稽古の終わりに、

「今日やったことは相手によって仕事を変えない。ただ愚直にやるだけ。」

 

1時間の稽古で、基本の技ばかりを教えた後で、I先生がそう言った。

 

愚直かぁ。

2026.05.30_Sat.

「しばらく身体を休めな。」と晩ごはんのときにYに言われて「うん。」と言ったけど。

今日は朝からI師範の稽古があって、来週は京都に行くから稽古に出られないしな、とか。

4:30に起きて、珈琲を淹れて、バナナを齧って、静かに歩いてトイレにいったら、

Yに「おはよう。」と言われた。

いい加減にしろ、と言われると思ったら、「サプリあげようか?」と言うから、サプリをもらった。

コップの水もくれた。

 

若松河田の駅で降りて、歩いていたら、つばめが飛んでた。

 

道場までの1本道に差し掛かった時、イヤフォンで音楽を聴いていたら、後ろから自転車に乗ったI先生が、ゆっくり自転車で追い越しながらこちらを見て、手を上げてくれた。

イヤフォンを外して、「おはようございます。」と言った。

道場の玄関でまた会った。

「I先生、おはようございます。今日もよろしくお願いします。」と言った。

「あぁ、こちらこそ。」

そしてI先生は靴箱をじーっと見て、「置く場所ある?」と言った。ちょうど全部が靴で埋まっていて、空きがなかった。受付けにいる先生に「新聞紙、出してあげて。」と頼んでくれた。

そして、わたしは壁の大先生の像にお辞儀をし、更衣室に入っていくI先生が「のちほどー。」と言った。

 

ただそれだけでうれしい。

 

2階の稽古場で、7:00からI先生の稽古。

……

▪︎準備体操 ▪︎後ろ受身10回

 

▪︎入身転換

 

▪︎諸手取り呼吸法・・「相手を見ないほうが強い。」「両手は顔の前。それより下からはじまれば、どこかで相手と引っかかる。」

 

▪︎諸手取りからの一教(表)・・入り方は『諸手取り呼吸法』と同じ。相手と並び、手を上げていき、そのままぐーっと腰回転すると相手の肘が取れる。

 

▪︎正面打ち一教(表、裏)・・前に出て手本を見せるための受けをした時、ふとI先生の足を見たら、

親指の付け根のところにコブがあった。

自分がいま困っているコブに似ていた。

わたしは足の甲の真ん中にコブが出来ていて、先生は親指の付け根のところ。

正座をしたときに体重をのせる場所が違うということ?

先生は身体のどこも痛くなさそうだ。

だんだん痛くなくなるということ?

 

▪︎正面打ち二教(表、裏)・・「一教の肘を取った手をそのままの形で相手の手首に滑らせてきたらいいんだ。」

抑える時の自分の膝は、相手のアバラ→肩、の順。

 

▪︎正面打ち小手返し・・「相手の腕と並ぶ。足を引いてスペースを作る。」

 

▪︎座技呼吸法・・「自分の指が相手の腕から出るくらいの場所から、ハの字に開いていく。それが相手にカチーっとはまったら、そのまま上に上げていく。最後抑えるときは、自分の踵に尻を下ろす。押さえつけるんじゃない。」

……

 

稽古が終わり、エアコンのスイッチを切ったI先生と目が合った。

「息子さんは少年部に入ったの?」

「入りました。」

「そうか。親子のコミュニケーションツールにしてくださいよ。」

「はい。」

 

帰りにまた受付けでもI先生に会った。

先生は「最近はもう…。パソコンでログインしたいのに、パスワードが合わないんだよ…。」

と言った。そこそこに返事をして、

「先生の稽古を受けたら一教を練習することがすごく面白くて。」と伝えた。

先生は「難しいよね。」と言った。

今日はすごくよく会う日だ。普段はこんなに何度も何度も会わない。

 

歩いていつものホステルのカフェに寄った。

朝ごはんのプレートと珈琲をたのんだ。

 

帰宅して横になり、目を瞑っているうちに、Yが昼ごはんにカレーを作ってくれた。

 

昼ごはんのあと、Kが(11才)がひとりで本部道場へ行った。

稽古が終わり、また同じ道をひとりで帰ってくる。

最寄りの駅にKが戻ってくるタイミングで、Yと駅で待ち構えて、そのまま西荻窪へ行った。

Mに『どんぐり舎』の珈琲豆を買っていってあげようと思って、ふたりにそれに付き合ってもらった。そして、『シュウマイルンバ』で晩ごはんを食べた。

 

帰りの駅のホーム。

すごく低い位置に満月が出てた。

2026.05.29_Fri.

K(11才)が渡してくれた氷枕で、熱中症のしんどさが治ってきて、家族の晩ごはんを作り、食べて、夜中に気づくと、服のまま眠ってしまっていた。

朝起きて、珈琲を淹れ、朝ごはんを食べてKを学校に送り出す。お風呂を沸かす。

昨日よりは落ち着いて、だけど身体にダメージはまだ残っていて、(自分は昨日、気絶したんだな…。)と思う。

 

何があっても結構へっちゃらな強い部分と、

一撃で気絶してしまう弱い部分が、両方ある。

 

まだしばらく動けそうにない。

 

そんな内側のまま、身支度をして、外側を持って仕事に出る。

自分がどうであれ、今日も一日は始まる。

2026.05.28_Thu.

4:00起床。

地元の道場に泊まっていたAと最寄りの駅で待ち合わせて、5:29発の電車にのる。

若松河田の駅から、『諱(いみな)』の話をしながら、歩いた。Aのミドルネームには『守る』という意味が込められていること。

 

本部道場で6:30からの道場長の稽古に出る。

今日はAが組んでくれた。

何からはじまったんだっけ。やったことがなかったり、出来ない技は今日はひとつもなかった。

片手取りからの色んなことをやった。

▪︎片手取り呼吸法

▪︎片手取り入り身投げ

▪︎座技肩取り二教(表、裏)

▪︎半身半立ち四方投げ

▪︎片手取り回転投げ

▪︎諸手取り呼吸法

▪︎片手取り小手返し

▪︎座技呼吸法

稽古がはじまると、近隣に音が漏れるから、窓が閉め切られる。道着が汗で明らかに濡れるほど

汗をかきながらの稽古だ。

 

1時間の稽古を終え、次の稽古にも出るつもりだったけど、

Aが「今日はひとつにして帰っちゃう?」と言い、

「帰っちゃおうか。」

そして、「タリーズでゆっくりする?」となった。

 

あまりにも汗で濡れすぎて、水シャワーを浴びないと帰れないくらいだった。

 

『諱』の話の続きをしながら、タリーズまで歩いた。

ミドルネーム、という、日本人の自分には掴みきれないものの話を聞きながら、

「ミドルネームって諱みたいだね。」というところに話が行き着く。

 

タリーズで珈琲を飲みながら、

『先の先、対(たい)の先、後の先』の話をした。

はじめて耳にする『対の先』とは、分かりやすく言うと、相打ちのことだとAが言った。

「整理してみよう。」

ノートに『表』と『中段』の型の名前を書いていき、"Go/Tai" "Nashi" "Kyushu/Tokyo"とリストを作って、これはこれ、これはこれ、とAが ✔︎マークをつけていった。

辛うじて分かるところもあり、なんのこっちゃ分からないことが大半で、正直に、

「なんのことか分からないから、ここにある型を全部教わったあとで、今日のこの表を見直してみるよ。」と言って、携帯電話で写真を撮った。

 

電車にのって、地元の道場へ向かいながら、

ロシア人との稽古の話になった。

「型の稽古をしていて、誰とも目が合わないんだ。」とAに話した。

「ちよは(人の顔の)どのあたりを見ている?」とAが聞くから、

「そういうこと(僅かに合っていないくらいのこと)じゃなくて、視線が横の方まで流れてる。」と話す。

そんな話から、思い切ってこの間感じたことを、Aに向かって投げてみる。

「道場に行くようになって、たくさんの外国の人に会った。その人たちが自然にそれをしていたから、気がつかなかったんだけど…。」

「20才の頃のAは、技のことじゃなくて、その周りにある心みたいなものをどんなふうにして学べたの?」と聞いた。

 

Aが教えるために話をしている時、ロシア人は腕を組んだり、窓枠に手をついたり、壁にもたれたり、みんな体重が後ろにあった。

今までわたしが道場で会ってきた外国の人は、そんな態度で話を聞かなかった。

皆、人の話を聞くときは、身体を向け、体重は真ん中にあった。

型の稽古をしている時でも、向かい合って、何かを一緒に、間にあるものを持っている感覚があった。間にあるものは、間にあって流れない、というか。

AもG先生もTもMさんも、自分の国で稽古しながら、心の部分を学べていて、ロシア人がそれを学べていないのはどうして?

Aはわたしの話を聞きながら、「それはブログに書けるね。」と言った。

「その人たちは長くそれを感じられる場にいた。」みたいなことをAは言ったんだっけ。

「Aはあんなふうに話を聞かれて嫌じゃなかったの?」と聞いた。

「それを悪いことと思ってやっていない、というのも知ってるから。」とAは言った。

「ロシア人を正そうとか、そんなことは全く思ってない。そんな話じゃなくて、どうやってAや、自分が今まで会ってきた人たちは、それを学んだんだろうって思ったんだ。」

 

そんなことを話していたら、あっという間に道場に着いた。

 

チリのUに挨拶して、私たちはパンを焼いて、目玉焼きを焼いて、ハムをのせて、Uがくれた納豆ものせて食べた。

 

着替えて3人で杖道の稽古をした。

上段からの打ち込み、左上段からの打ち込み。

Aが『一心(いっしん)』という言葉を教えてくれた。

「ゆっくりでもいいから最後まで止まらない。しっかりと構えるところから。」

そして、相打ちのことに繋がる練習をしようと、逆手打ちをしたところから、下の手で自分の顔をカバーして杖を持ち替え、打つ練習をした。

 

そして、『表』の型を『太刀落とし』から『細道』まで、Uを打ち太刀に、Aとわたしが仕太刀をして稽古した。

 

『着き杖』・・杖を引くとき、腰につける。

 

『右貫』・・相手の水月を突くとき、自分は半身をつくる。半身から正面に腰を切る動きを使って、相手の水月をつく。

 

『笠の下』・・相手の右脇腹に寄ったときの自分の腕をピンと張らない。弛めて曲線をつくれば相手に寄れる。

 

『寝屋のうち』・・杖と太刀を合わせる時、後ろ足の指を立てる。

 

2時間ほど稽古して、着替え3人でサミットへ行った。

また汗をたくさん掻いたからか、サラダと豆腐とフルーツを選んだ。身体が求めるままに。

 

今日もまたシエスタをしたら、夕方からロシア人が来て稽古の続き、の予定だったのに、

食べ終わり、ソファに横になったら貧血のように具合が悪くなり、「家で休んでくる。」と言い残し、ロシア人を待つことなく帰ってきた。

 

K(11才)が冷凍庫から氷枕を出してくれた。

熱中症だったかもしれない。

 

急に閉じた一日だったけど、Aと話したこと全部が面白かった。

2026.05.27_Wed.

日中は仕事があるから稽古には行かないと伝えていて、仕事が終わって、まだ夜まで稽古が続いているかな、と思ったけど、疲れて身体が動かなかった。

訊ねることもせず、今日はもういいか、と思う。

まだ一昨日のことを引き摺っている。

自分の頭が硬い。うまく切り替えられない。

2026.05.26_Tue.

Mが貸してくれた『ブロッコリーパンチ』という本を昨日から読みはじめたら、

想像もしていない面白い話がはじまって、声をださずに笑っている。

どんな話なのかなんて、どの本でも開くまでわからないけど、それにしても、思ってもいない話がはじまったから、笑ってしまう。

面白いなぁ…。

 

日中は次の撮影の新幹線チケットを手配したり、メール諸々。

Aさんがまたワクワクする撮影の依頼をくださった。こんなにも早くまた一緒に現場に入れる。今年の自分にとってのギフトのように感じる。

 

夜は、新しいことがはじまるYちゃんの送別会へ。大勢で焼肉を食べた。

大勢でいるけど、ちゃんと好きな人達とだけ話ができた。そんな閉じ方で、開くところには開くので、もうそれでいいな、と思う。

全部に開かないことで、僅かな時間が豊かになる。

コンビニで、Yちゃんが「これ、おいしい。」と言った、ハーゲンダッツのほうじ茶ラテを買って、外のベンチに座って一緒に食べた。

 

近くのBarでもう一杯だけ飲んだ。

Dさんが前に興味があると話していたから、夏の別れの前に、渡しておきたいものがあった。

あんまり上手く出来なかったけど、渡せたかなぁ。

2026.05.25_Mon.

朝起きて、この間、知らない間に取れて失くしてしまったシャツのボタンをつける。

糸が好きなヒガシが身体にのってくる。

ちぐはぐなボタンが可愛いとは思わなかったから、綺麗なアンティークの、紫色の貝ボタンを

買ってきた。

シャツについている9つのボタンすべてを付け替える。

 

土曜日がスポーツフェスティバルだったから、振替休日でK(11才)が家にいる。

ゆっくりとした朝だ。

 

ロシア人のグループが到着したみたいだ。

今週はその人たちと、杖道の稽古をする。

スウェーデンからTが来る時ほどワクワクしないのは、自分はひとりで扉を叩いてくる人が好きだからだと思う。

会えば、その心は変わるだろうか。

 

Aが「10時半から12時半頃まで道場にいる。その後、(ロシア人を迎えに行って)午後4時頃にまた戻ります。」とメッセージをくれた。

 

一緒にお迎えにいくのも楽しいかな、と思ったけど、なぜか物凄く眠たくて、掃除機をかけたり、洗濯物を畳んだり、気になっていたスカートの裾上げをしたり、シミ抜きをしたり、ごみをまとめて捨てに行ったり、Yが買ってきた牛すじを、茹でこぼして、ゆっくり煮はじめたり、Kと肉まんを蒸して食べたり、先日神戸でMに借りた本を読んだり。

 

そんなことをして過ごした。

 

夕方5時過ぎ頃、道場へ行った。

Aたちは巻き落としの稽古をしていた。

もうじき館長のこどもクラスがはじまるし、わたしは着替えずに数分見学していた。

一旦稽古を終えたAとロシア人6人と、チリ人のUさんと、川沿いを散歩した。

 

戻り、杖道の稽古をした。

素振りをしてから、"表"の型。

『太刀落とし』から『笠の下』まで。

 

稽古が終わり、ビールを飲みはじめようとする皆の横を抜け、乾杯もせずに「帰る。」と言って、帰ってきた。

 

稽古の最中に頭に浮かんでいたのは、

『他人のふり見て我がふり直せ』という諺と、

帰宅してすぐにしたことは、

『礼』という言葉の意味を調べた。

 

道場でこれまでにたくさんの外国人に会った。

いままで会った人たちが、自然とそれをしていたから、わたしは今まで気がつかなかった。

オーストラリア人のA、G先生、

スウェーデンのT、Mさん

イタリアの免許皆伝のRさん、Mさん

チリのU、スイスのLさん、

スペインのMさん。

彼、彼女らは、自国で稽古しながら、どうやって技以前にある心の部分を学んだんだろう。

そんな疑問がはじめて沸いた。

 

今日はロシアの人と稽古をした。

型の稽古をしていて、誰とも目が合わない。

 

Aが教えるために話をしている時、ほぼ全員が、腕を組んで後ろ体重、窓枠に手をついて後ろ体重、壁にもたれてる。

自分がこれまで道場で感じてきた身体の向け方とは、とても距離があるように感じた。

 

いままで会った他の国の人は、そんなことなかった。Aに身体を向け、重心は真ん中にあった。

どうして、いままで会ってきた人は自国でそれを学べて、今日のロシア人はそこに重きを置いていないのだろう。どうして、その違いが生まれるのだろう。

 

完成されていない打ち太刀なのに、完成された側の表情をしている。そんなふうに見えてしまう。

型稽古の最中、AもG先生も、MさんもTも、彼らより上手いのに、そんな顔しない。

 

ひとつの型が未完成のまま、覚えた型の数だけが積み上がった人の状態を『初心者』と呼ばないなら、なんと呼ぶんだろう。

 

帰ってからも頭の中がぐるぐるする。

 

「わたしはあなたを見ています。」

「あなたもわたしを見ています。」

「いまお互いに型の稽古をしています。」

自分は技以前に、そういうことが面白くて、稽古に夢中になっていたんだと。

 

そんなことを思った。

2026.05.24_Sun.

今日はどうして過ごそうか。

Aは鎌倉の近くまで、昔オーストラリアで一緒に稽古していた人たちとの稽古がある。

「興味があれば来る?」と聞いてくれたけど、「ちょっと考える。」と言ったまま、

行きたいと思ったけど、行きたいと言えなかった。

 

Aのいない地元の道場は、ちっとも面白くなさそうで、サボることにした。

 

一日休みにして、本を読もうか。

取れてしまったシャツのボタンをつけようか。

本部で1時間だけ稽古してこようか。

 

起きて、珈琲をのみ、朝ごはんは食べる気がしなくて、本部道場に行くことにした。

 

4階の稽古場でI師範の稽古。

……

▪︎準備体操 ▪︎膝をついて後ろ受け身10回(中心に足をまとめるように)

 

▪︎入身転換・・相手の後ろに入り過ぎたら駄目。"自分がここにいるから"ここでガチーっと相手にはまる、ということを今日の稽古のいくつかの場面でI先生が仰った。

自分が立つ位置を意識すること。

 

▪︎手合わせから一教裏・・後ろ足の爪先を入身転換のときと同じように相手の爪先に合わせる。

正面から相手の手を受けるとぶつかる。横からとる。

 

▪︎手合わせから一教表・・肘を先に取って、横へ相手を崩す。逆の手は小指からまっすぐ。

足は開き、後ろ足がそれに従う。腰を切ると同時に手がそれに従う。次の足はまっすぐじゃない。

相手の身体の方へ斜めにくずす。

練習している最中、I先生に「そこで腰を切る。」と言われた。

その通りに腰を切ったときに、相手の肩を落としたくて手に力が入った。

その瞬間、「押さえつけたら駄目だ。」とI先生が言った。

I先生はこちらを向いて、「押さえつけたら誰でも反発するんだ。押さえつけたらいけない。

ただ腰を切ったところの前に自分の手がある。」と教えてくれた。

 

▪︎天地投げ

「投げるときは、いろんな方法の先生がいるでしょう。それは道の登り方だから。違ってていいんだ。どうやって登るか、だから。

だけど受け身は共通言語なんですよ。受け身さえ取れれば、世界中どこででも稽古ができる。」

右逆半身、前足が入る、腰回転で前足が相手の前足に揃っていた。さらに腰が動く。

相手側にある自分の足が入ってから、その後で投げる。

 

▪︎手合わせから入り身投げ

受け身のこと。腰が前に出て、頭は相手について後ろにある。そこでバランスをとる。

 

▪︎正面打ち入り身投げ

相手の手が上がる時に入るのを合わせる。

相手の手が落ちるときじゃない。

 

▪︎正面打ち小手返し

必ず後ろ足が入る。90度転換。そのあとは、その足に揃うように足を引く、スペースをつくる。

そこへ相手を落とす。

後ろ足、前足と出て、抑える。

抑えなければ、入り身投げのように足を出したほうが強い。

だけど、足を出してしまったら抑えに持っていく足捌きに工夫が必要。

だから小手返しの時は、投げる時に足を出さない。

 

▪︎座技呼吸法

「だいぶと出来てきてる。」

I先生が、わたしがするのを見て声をかけてくれた。そして真横にきて、

「ハの字に開いたあと、そのまま上にあげてごらん。」と言った。

……

 

I先生のおかげで、『一教』と『座技呼吸法』を練習することが楽しい。

 

稽古を終え、2階に下りると、今日もK(11才)が無事にひとりで到着して、稽古をしていた。

 

終わるまで待って、ふたりでドトールでミラノサンドを食べて帰ってきた。

2026.05.23_Sat.

「もう駄目だ。疲れた…。」と言って、Yに足裏を揉んでくれと言う。

 

風呂を沸かして入る。

 

身支度をして、Yと、K(11才)の小学校へ行く。

スポーツフェスティバルがある。

Kが「見てほしい。」と言ったソーラン節を見た。

皆でたくさん練習したんだろう。立派に踊っていた。

 

昨日は道場からKをひとりで帰らせたら、まだ他人に言わなくていいことまで、

洗いざらい口を滑らせて帰ってきていた。

Kの道場仲間の親から、たくさん質問をされた。

Kが立てた角を、できる限り、丸くした。

 

Kは給食を食べて帰ってくるから、

Yと帰り道に、近くの公園にある食堂に寄った。

麻婆麺とカツ丼と、生ビールふたつ。

分けて食べる。

乾杯した時、Yが

「がんばれ、というか、気を抜け。」と言った。

 

午後からは、武道館で演武大会が行われているけど、見に行く気力が湧かなかった。

 

今日は身体を休めることにした。

2026.05.22_Fri.

日が暮れ、仕事帰り。

(ちょっと一服)とスタバで珈琲を飲んだ。そして電話で父と話をした。

父は優しい人で、自分の本音を言わない。母の面倒をみながらでもふたりでいたいのか、

もう大変だからひとりで暮らして、会いたくなったら会いに行く、みたいなことにしたいのか、

腹の内が本当にわからない。親といってもそこはふたりの関係だ。

母は人のことより自分、の人だ。

だからわたしは父とだけ、こんな話がしたい。

いつも通りに本音がわからないまま電話が終わる。

 

そのまま道場に行った。

Aと稽古。

少し早く着いたら、館長(86才)のこどもクラスの最中だった。

今日はそのクラスをAがみると思ってたからK(11才)を道場に行かせていた。

それなのに、なぜこどもが思うように動かないのかを考えることもなく、Aが入れる隙間もなく、

館長が相も変わらずこどもに大声で怒鳴りつけながら、工夫のない稽古をしていた。

僅かにでも関係を残すことを考えていたけど、その光景を見たとき、これはもう駄目だと思った。

Kはもう身体ごとで、怒鳴り散らしている人間を拒絶していた。何年も堪えさせたけど、もう無理もないと思った。

こどもの稽古が終わり、館長に話をした。「休ませようと思います。」

休む、という言葉を使ったのは、辞めるけど人間の関係までもを切らないように、"僅かにでも関係を残す"最後の歩み寄りだった。

どう返してくるかと思ったら、「辞められると、今月末にある周年行事で演武をするこどもがいなくなるから困る。」だった。

そして、Kに問題があると言った。

 

武道を続けてきて、死ぬ間際の大人が、こどもひとりそのまま包めないで、何が武道だ。

 

こどもの稽古が終わり、AとUと杖道の稽古をした。館長は椅子に座り、終わるまで私たちの稽古を見ていた。

Aが今日教えてくれたことは、"相打ち"のこと。

まずやったことは、逆手打ちをして目付け→下にある手(左手)を自分の顔をカバーするように手の平を広げて右目の横に持ってくる→右手を滑らせて、右手が下、左手が上にくる。

 

そして、正面打ちをする太刀に合わせて、杖で本手打ち。相打ちの練習。

 

"表"の型を『太刀落とし』から『細道』まで。

"飾り"が上手くできなかった。

左手を杖に添えたあとは、"胴払い打ち"のような型。杖先は正中線、右手のほうが上がる。

太刀の上に杖を"のせる"こと。

 

『右貫』で入るとき、杖を長く持つこと。また間違えた。逆手打ちのあとの足の位置。

逆手打ちを普通に構えたときの足の位置になっているかどうか、確かめること。

 

演武をするつもりで型の稽古をした。

前にAが、「演武とは、神様(道場にある神棚)に、自分が稽古してきたこと、取り組んできたこと、いまの自分を見せることだ。」と教えてくれたから。

 

本部道場でI師範は、「やってやろう、と思ったらいけない。その時点でずれる。」と言っていた。

 

Aの言葉もI師範の言葉も覚えてる。

 

(演武をするつもりで…)と、心で思ったけど、今日自分は、腹の底から腹が立っていて、

見得を切ったんだと思う。

2026.05.21_Thu.

雨が降っている。

9:00から地元の道場でAとチリ人のUさんと、スペイン人のMさんと稽古。

オーストラリア人のAは英語と日本語が話せて、Mさんはスペイン語と英語と日本語が話せる。

Aが日本語で話してくれるからわたしも言葉がわかる。Aの日本語をMさんがスペイン語に直してUさんに伝える。

そうして皆で、『本手打ち』『逆手打ち』『引き落とし打ち』の打ち込みを、はじめの10回は後ろ足を残して、次の10回は足を揃えて、太刀をもつのを交代しながら、杖を持ち、練習をする。

 

"表"の型の練習。

MさんとUが打ち太刀、Aとわたしが仕太刀。

『太刀落とし』から『右貫』まで。

『着き杖』のときの、杖をすくう手は、曲線を描かず普通にとる。

『右貫』で入るときは、杖を長く出す。

逆手で打った後、右足を左足の左側に用意するとき、つま先は相手を向く。

そのとき杖は、6:4で準備する。

 

昼になり、Mさんが帰った。

外は雨降りで寒かった。傘をさして、AとUとサミットへ行った。

歩きながら、朝に話していた、型の楷書と行書のことをAに訊ねた。

「楷書を行書にすることを目標にすればいいの?」と。Aはそうじゃないと言った。

「ただそのふたつのやり方があるだけ。行書にすることが目標じゃない。原理を知ること。」

 

Aとうどんを作って、鶏やチャーシューのお惣菜、温泉たまごをのっけて食べた。

もちろん鶏を選んだのはわたしで、チャーシューを選んだのはAだ。

Uは魚のフライを食べていた。「わたしはいつも魚を探している。」と言っていたっけ。

 

3人でシエスタをした。

AとUは布団を敷き、わたしはソファで眠った。

道場でいろんな国の人たちと、わたしはいま、こうして過ごすのがとても楽しい。

合気道と杖道が間にあるから、年齢や国の違いなど、なんでもよくなるのが面白い。

目を合わせ、ただ一本の杖を持ち、僅かな角度や感覚を互いに探し続けているのが面白い。

のそのそと起き出して、インスタントコーヒーをいれて飲んだ。

 

Uが朝の稽古のメモをとっていたから、Aと合気道の稽古をした。

この間、本部道場の稽古で分かりきれなかった『正面打ち四方投げ』をAが教えてくれた。

右相半身で正面打ちを右手で受け、左手を下からクロスして当てる→左手で相手の手をとりながら→右足が斜め右前に入り、右手で横面打ち→横面打ちした右手で相手の手首の輪を握る→送り足、歩み足で四方投げに入る。

裏の場合は、同じように相手の手をとり、後ろ足(左足)が相手の前足の横に入り、転換する。

何度も何度も手の取り方を練習させてくれた。

 

Uと3人で皆、木剣を持ち、『巻き落とし』の打ち込みをした。

2種類のこと。

ひとつ目は、木剣の刃を上に受け、その場で無足を踏み、袈裟で斬る。袈裟の角度で戻る。

ふたつ目は、刃を上に受け、相手の木剣をスライドさせ、相手の喉元に入る。

そのふたつを合わせたのが『巻き落とし』だとAが言う。

ずーっとずーっとその練習をした。

 

こどもが来て、また合気道の稽古に戻る。

もう一度『正面打ち四方投げ』の練習をさせてくれた。もう出来る。

 

稽古が終わったら18:50だった。

一日よく稽古した。身体がほぐれて気持ちがいい。今夜は深く眠れそうだ。

2026.05.20_Wed.

本部道場の3階の稽古場で8:00から1時間、N師範の稽古。

Aがいるから、この稽古場に入れるけど、今日Aは別の人と組む約束があるから、わたしはAと組めない。

その代わりに、早めに来たら、誰かいい人を紹介してあげるよ。どうする?来る?来ない?

昨日Aとそんな話をして、少し考えて、行ってみることにした。

6月にひとりで京都に行くから、その練習をしようと思った。今日も相当にアウェイだけど、

京都ではそれ以上にアウェイだから。

自分に出来ることは、場には少し足りていない。だけど迷っていたら、あとで自分が困る。

 

7:30すぎに3階の稽古場に入り、ストレッチをしていたら、Aが来て、

自分達より年上のWさんという女性を紹介してくれ、

「今日組んであげられない?」と聞いてくれた。

Wさんは「今日はもう約束してる人がいるのよ。」と言い、

Aが「誰か優しい人で今日組んでくれそうな人はいない?」とさらに聞いてくれ、Wさんは「ちょっと待ってて。」とその場を離れ、すぐに向こうからOさんという、ぱっと見ただけで、絶対にいい稽古をさせてくれそうな男の人を連れてきてくれた。

歩き方というか、上手い人はもうなんとなく分かる。

Oさんは穏やかに笑いながら、「では後ほど組みましょう。」と言ってくれた。

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と頭を下げた。

 

ビギナークラスでは、ひとつの技ごとに組む人が変わる。約束なんてしなくていい。

だけど3階での上手い人達の稽古場では、先生によっては1時間の稽古中、ずっとひとりの人と組む。

 

この人たちはひとつの稽古のたびに、こんな成就したり、失恋したり、みたいなことをしてるのか。

そりゃあ、毎回こんなことしてたら心臓も強くなるよな、と思う。

 

この後、どんな稽古になるかわからないけど、出来ないことがあっても、人として向かえば、

失礼なことにはならないような気がした。

 

稽古がはじまる。

N師範はものすごく滑らかな合気道をする人だった。

そしてOさんは本当に上手くて落ち着いていて、優しかった。

 

▪︎入身転換

▪︎天地投げの3種類の入り方・・①逆半身で前足が入る②前足を後ろに下げ、下げたほうの手が天になる③転換して裏のこと。

▪︎3種類の天地投げ

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎入り身投げの3種類の入り方(上段、中段、下段)

▪︎体捌き2種類

▪︎片手取り入り身投げ

▪︎片手取り呼吸投げ

▪︎諸手取り呼吸法

▪︎座技呼吸法

 

終わってから、気になることがふたつある、と言って、掃除のあとでOさんが教えてくれた。

ひとつ目は、受け身を取る時の手をつく場所。もっと下のほうで手をつくように。

場所が上になると、脱臼することがある。

癖にならないように、いまのうちに言ってくれたんだと思う。

そしてもうひとつは、諸手取りから肘を落として入るときの、力の抜き方を教えてくれた。

「今日は組んでいただいて、ありがとうございました。またよろしくお願いします。」

Oさんに挨拶をして、稽古場を出た。

 

着替えて、Aとタリーズで珈琲をのんだ。

電車に乗り、新宿で別れ、仕事に向かう。

今日一日がまだここから始まるなんて。

不思議に思うほど、もう一日をたっぷりと過ごしたように感じる。

2026.05.19_Tue.

昨日はYにたのんで、仕事帰りに美味しそうな猫のごはんを買ってきてもらった。

今日はナリタとヒガシの誕生日だ。4才。

一緒に暮らしはじめて4年が経った。

ますます好きになってる。どんな性格か、とか。「ニャー。」だけで、目を合わせただけで、

何を言ってるのかわかるし。

 

整形外科に行って、足の甲を診てもらった。

本部道場に通いはじめたのが去年の6月。そこから半年ほど経ったあたりから、なんの凹凸もなかった足の甲に、丸くて柔らかいこぶのようなものが出来てきた。

たぶんたくさん正座してるからだと思う。

痛くなかったのだけど、この間の日曜日の稽古の終盤あたりから、左のこぶだけ正座すると痛みが走り、どうしたらいいのだろうと、診てもらってきた。

やはり正座のせいで、炎症をおこしていた。こぶに溜まったゼリーのようなものは、針をさしても抜けないらしい。

原因になることをしないのが一番の治す方法だと医者の先生が言うから、

「稽古はやめられないので、付き合っていく方法を教えてください。」と言った。

足首が硬いわけでもない。元々、今回のような症状になりやすい足の形状をしているから、仕方がない。なにかお役に立ちたいと思うけど、普通の湿布より強力な湿布があるから、それで炎症を抑える、しか方法がない。

と言われた。

 

稽古していると、出来なかったことが出来るようにもなり、こんな身体の僅かな変化で、

出来ていたことが出来なくなったりもする。

 

13:00から、Aとチリ人のUさんと杖道の稽古。

今日も打ち込みから。

右上段から、左上段から、逆手に持って右上段から、左上段から。

本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ち。

 

"表"の型の稽古。

昨日はAが打ち太刀だったけど、今日はUさんを打ち太刀に。

Aが先に仕太刀をして、次にわたしが仕太刀をする。それを繰り返す。

 

Aが教えてくれたスペイン語。

……

キエレスカフェ?(コーヒーのむ?)

ポルファボール(はい、おねがいします)

ノーグラシアス(いらない)

ウンポコ(ちょっと)

グラシアス(ありがとう)

ムーチャグラシアス(どうもありがとう)

……

2026.05.18_Mon.

早起きして、Aと本部道場で合気道の稽古。

自分だけだとまだビギナークラスの稽古にしか出られない。

だけどAが組んでくれる時だけは、有段者が稽古している3階の稽古場で上手い人の中で稽古ができる。

Aは6:30~の稽古にも出ているけど、自分は早起きしすぎたり、欲張ると体力が持たないから、

「わたしは8:00~の稽古に出るよ。」と言って、無理をしないことにした。

 

K(11才)がこの間から少年部で教わっているS師範の稽古だった。

▪︎準備体操

▪︎入身転換

▪︎正面打ち呼吸法

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎正面打ち二教(表、裏)

▪︎正面打ち三教(表、裏)

▪︎正面打ち四教(表、裏)

▪︎正面打ち入り身投げ

▪︎正面打ち四方投げ

▪︎正面打ち小手返し(飛び受け身も練習してみた。)

▪︎正面打ちから色んな呼吸投げ(相手の腹の下に入って投げるやつとか。)

▪︎正面打ちからの自由技

▪︎座技呼吸法

 

前に一度ビギナークラスでS師範の稽古を受けたことがあるし、少年部の稽古も見ているから、スピード感のある稽古だろうな、とは思っていたけれど、思ったとおりのすごいスピードで、後半で、何の技をしているときだったか、Aの正面打ちを左目で受けてしまった。

 

『正面打ち四方投げ』をしているとき、合気会のやり方の手の取り方を知らなかった。

まごついたら、すぐにS先生が教えに来てくれた。「優しいね。」とAが言った。

そして『座技呼吸法』をしているときにもS先生はこちらに来てくれて、

Aには「お久しぶりです。」と言って技を組んで、その後で、わたしとも技を組んで、

「よく来ましたね。」と声をかけてくれた。

 

稽古が終わって、着ているものすべてが汗で濡れすぎていたから、まだ冷たいしと、

浴びるつもりがなかった水シャワーを浴びた。(更衣室のシャワーは水しか出ない。)

 

本部道場を出て、Aが新宿で用事があったからそれに付き合い、電車にのって、

ここのところのあれやこれやを話しながら、地元の道場に移動した。

さっきAの手が当たった目の下が赤く内出血してきて、腕にも日頃の稽古の青アザがある。

なかなかな感じだ。

人に会ったときは、心配される前に「合気道で…」と言おう。

 

地元の道場にはチリ人のUさんがいて、3人で杖道の稽古をした。

『本手打』『逆手打ち』『引き落とし打ち』の打ち込みと、"表"の型と"特殊技"の稽古。

 

打ち込みでは、もう少し高い位置から杖を使うと、パチンという音がせず、太刀に杖を乗せられること。振り終わったときに手首を捏ねず、"くの字"をキープすること。

 

『右貫』で入り身したあとは杖の根本を自分の腰へ引きながら、相手の肘をカバーしながら袈裟に打つこと。

『笠の下』では、相手が太刀を振り上げたときに前の手を持ち替えること。相手の右腰に杖をつけるところが上手く出来なかった。

 

2時間ほど稽古して、今日は終わることにした。

Google翻訳のアプリを携帯電話に入れた。

Uさんがスペイン語で話し、AIが日本語にして喋ってくれる。

Uさんの話が聞きたくて訊ねていたら「ジャーナリストみたいだ。」と言われた。

悪い意味じゃないよ、とフォローしてくれたけど。

翻訳アプリを介さなかったら、そんなふうには感じさせないのにな。

2026.05.17_Sun.

昨日はせっかく丁寧に髪を洗ったのに、乾かさないまま、いつの間にか眠ってしまった。

朝起きてメールを開いたら、編集者のAさんとデザイナーのM君から、うれしくてたまらない言葉が届いている。

昨日はUさんからもうれしいメールをいただいた。

写真をしっかり仕上げないといけない。

ワクワクする。

 

Aがいる日だけど、地元の道場の稽古を休んだ。

今日は、K(11才)がはじめて自宅から本部道場まで、ひとりで行ってみる日。

わたしは本部道場で9:30から自分の稽古。Kは10:30から少年部の稽古に出る。

自宅にはYが居て、自分はKの目的地に居る。挟んでおけば、その間でKが道に迷おうとも、

サポートできるかな、という考え。

さぁ、どうなるか。

 

4階の稽古場でI師範の稽古。

……

▪︎準備体操 ▪︎座ったところから後ろ受け身10回

▪︎入身転換

 

▪︎座技呼吸法・・手首を動かさない。小指から肘までを刃だとする→相手に手首を掴まれたら、親指を上、小指を下にして手のひらを立てる→押さない、引かない、自分の手が相手の腕より上にくるところまで自分の肘を落とす→両手を"ハの字"に開く→小指が相手に引っかかる場所を探す→そのままの形で両手を上に上げていく。押さない、引かない。→手のひらをぐーっと返していく→刃で切り落とす→抑えるときは、踵にお尻を下ろす。手で押さえつけるんじゃない。

 

▪︎座技正面打ち一教(表、裏)・・昨日教えてもらった通り。二歩目はまっすぐ進む。

 

▪︎正面打ち一教(表、裏)・・今日はこれが一番面白かった。

【表】右相半身で正面打ちを受けたとき、前足が右へ開き、自分の左手と相手の肘が、自分の正中線にくる、だけじゃない。

前足が右へ開いたとき、後ろ足もそれに添い、相手を向くような位置へ置く(腹が相手に向く)→そこから腰を入れ、手は下まで斬り落とす。まだ二歩目(左足)は出ていない。→二歩目を出すときは左の方へ力を向ける。まっすぐではない。→三歩目は右の方へ。→抑える。

【裏】右相半身で正面打ちを受けたとき、まっすぐに取りにいかない。横から取りに行く。取る瞬間には逆半身になっていないといけない。自分の爪先のラインまで転換→目線は進行方向に向く。相手に向くんじゃない。

 

▪︎正面打ち入り身投げ

▪︎前方回転受け身

▪︎正面打ち回転投げ・・右相半身、入り身投げのように入る→右手と左手を入れ替える。

慣れてきたら、正面打ちを受けるときに、右手で相手の手を取れば、手を入れ替えなくて済む。

▪︎座技呼吸法

なぜか急に左足の甲が痛くて正座するのが辛かった。明日はまた稽古がある。それまでに治るだろうか。なぜ急に痛いのだろうか。

……

合気道をはじめたら最初に教わる"一教"という技が、もうあんまり面白く感じなくなっていた。

それなのに今日、ものすごく面白く感じるようになった。

浅いところでわかったつもりになって、勘違いしていた。

 

自分の稽古を終え、Kが稽古している2階へ下りて、稽古場を覗く。

道衣をつけたKの姿があった。

ひとりで無事に到着したんだ。ひとりで受付を通り、階段を上がり、着替えて、稽古場に入ったんだ。

 

安心した。

 

Kの稽古が終わるまで見学して、

「頑張ったからケーキおごるよ。」と言ったら、

「よっしゃー。今日はアイスコーヒー飲むから。」とKが言った。

ふたりでドトールで、パンプキンタルトとチョコレートの入ったミルクレープを食べた。

 

Kはアイスコーヒーに、ガムシロップひとつとコーヒーフレッシュひとつ。

少し飲んで、ガムシロップをもうひとつ取りにいった。

 

「帰りもひとりで帰ってみたらいい。」

駅の改札でKと別れて、Kより一本遅い電車に乗って、別々に帰った。

 

Kは家まで無事にひとりで帰れた。

2026.05.16_Sat.

アラームで目が覚めたのに、また寝てしまった。起きたかった時刻より、1時間遅れで目が覚める。

もう駄目だ、と数秒目を閉じたけど、なんとか気持ちを起こして顔を洗う。

猫に朝ごはんをあげられず、自分も朝ごはんを食べられず、急いで玄関を出る。

 

7:00から本部道場でI師範の稽古。

稽古場にトン、トンッと入ってきて、袴のサイドから手を入れ、袴を捌きながら正座して、

神前に礼をされる。

準備体操をしているときの身体の形も独特で、肩が入っているというか…。

どうなってるんだろう、あの形。

見ているだけで面白い。

……

▪︎後ろ受け身10回

▪︎入身転換・・「手を出したとき、親指が上のまま転換しないで、手のひらを下に向けるところから始める。転換しながら自分の腹の前で手を返す。そうしたほうが相手の力とぶつからない。相手の前腕に力をのせる。」

▪︎諸手取り呼吸法・・自分の肘を落とす。入身して腰回転、相手の肩と自分の肩が並ぶ。肘が相手の顎に入ってる。そのままぐーっと押していく。

▪︎座技正面打ち一教(表、裏)・・【表】右相半身のとき。右へ少し開き、相手の肘、自分の左手が自分のおでこの前(正中線)にある。そのまま腰を入れる。正中線からずらさない。

【裏】自分の外側の足で入り、相手の爪先に合わせる。膝をつき、転換はその自分の膝のラインまで。それ以上に深く転換してしまうと相手を引っ張ってしまうから、相手の身体がくずれない。どこまでも回ればいい、というものではない。

▪︎正面打ち一教(表、裏)・・正面打ちを手首で受けたらいけない。手を取り損なう。指のつけ根で受ける。そうしたら手を取り損ねない。【裏】転換するとき、相手のほうを見続けたら力がぶつかる。見るのは進行方向。そうすれば力がぶつからずに相手が落ちる。

▪︎正面打ち小手返し・・右相半身。正面打ちを打ってきた相手の手に、上から自分の薬指と小指の第一関節をかけると、相手の薬指と小指の間(つけ根)に自分の親指を入れられる。

左足で入り、転換して右足が床につき、足を引いて左足がつく。相手をうつ伏せにさせるときは、右、左、右、と自分の足が動く。

逆らわず、左→右→左→右、と、歩み続ける。宮本武蔵も「水の流るるが如く」と言っている。それと同じこと。と、I先生が言った。

▪︎座技呼吸法

……

稽古を終え、いつものホステルのカフェでアイスコーヒー。

今日はたくさん英語で話している人がいたけど、やっぱり音にしか聞こえない。

まぁ、いいか。と稽古のメモをとる。

 

開店直後の伊勢丹に寄り、来月から新生活がはじまるYちゃんに渡そうと、いい香りのバスソルトを買っておく。

 

一旦帰宅して、道衣屋に刺繍を頼んでいたKの帯とズボンを宅急便で受け取った。

13:45まで仮眠して、K(11才)が少年部の稽古に行くため、さっき行って帰ってきたばかりの

本部道場へ戻る。

 

Kは、新宿での乗り換えで一ヶ所違う方向へ歩いて行こうとしてしまっただけで、他は覚えていた。

「ひとりで行ってみたい。」と言うから、「明日やってみるか。」と言う。

 

たぶん11才になったKはもう、ひとりで自由に行きたいところに行きたいんだと思う。

 

そして、慣れきった地元の道場では、失敗してしまうかもしれない恥ずかしさの方が勝って、

わざとふざけた前方回転をしているのに、本部道場では腹をくくって、綺麗に前方回転しているみたいに。手を離せば、ひとりにさせれば、自分でやるんだろうと思う。

 

言葉も話せるんだし、目も見えるのだから。

 

H先生がいらしたから、「先週から息子がお世話になっています。よろしくお願いします。」

と挨拶する。

 

少年部では、S先生、H先生、SN先生が3人掛かりで教えてくれる。

大人の初心者クラスでも教えてもらえないことを、こどもは教わってる。

大きな道場だから、いくらやりたくても、少年部の稽古に自分は参加出来ない。見るしかない。

でも自分がこれを見られるのはKのおかげだ。

 

どうやったら早く立ち上がれるか。畳に腹這いになって、片足で立ち上がるのが早いのか、両足で立ち上がるほうが早いのか。

 

畳に背中をつけ、足の振りを使って、身体全部を畳から浮かせること。

 

畳に背中をつけ、両足を旋回させ、方向を変えること。

 

腹筋の使い方。

 

後ろ受け身、前方回転、後方回転で、どうやったら早く立ち上がれるか、早く回れるか。

 

手押し車で両足を持ってもらい進む。片足だけ持ってもらって進む。

 

こどもだから教えてもらえる。

 

その後は技の稽古をしていた。

正面打ち入り身投げ、片手取り四方投げ(表、裏)、横面打ち四方投げ(表、裏)、片手取り回転投げ、両手取り天地投げ。

 

稽古を終え、Kとドトールでひと休みした。

Kはカフェ・ラテを注文した。ガムシロップをひとつ入れていた。

「もっと甘くしなくていいの?」と聞くと、「このくらいでいい。」と言う。

 

ホットドッグも。

「マスタード抜いてもらえるよ。」と言うと、「そのままでいい。ついてていい。」とレジで言っていたし。

 

そして自宅まで。また道を覚えながら帰る。

 

夜はYが晩ごはんを作ってくれた。

ありがとうございます。

2026.05.15_Fri.

朝は洗濯をして、神戸で撮ってきた写真を整理して、粗画像をお送りする。

 

昼からは、沖縄から戻ったAさんと、稽古の日々になる。またたくさん、外国からも人がやってくる。

I先生の言葉を思い出す。

やってやろうと思うとすぐに身体は崩れる。

押さない、引かない。普通の呼吸をする。

 

ただ自分が自分のままに、すとんと立っていられたらいいのに。まっすぐ立っていられたらいいのに。

 

14:00頃道場につくと、朝からチリ人のUさんと杖道の稽古をしていたAが布団を敷いて寝ていた。

はじめて会ったUさんはピカソのような風貌で、とてもマイペース。70才くらいだろうか。

スペイン語を話しているみたい。英語も話さない。

オーストラリア人のAは英語を話し、Aの携帯電話の翻訳ソフトを真ん中に、英語、スペイン語、日本語が行き交う。Uさんが躊躇なく、堂々とスペイン語しか話さないのが潔い。

(わ、英語話せない、日本語話せない、どうしよう。)みたいな気配が全くない。

その落ち着きぶりに、興味が沸いてしまう。

生きてきた年月がそうさせるのだろうか。

武道だろうか。

珈琲を淹れて、3人で飲んだ。

飲み終わるとマイペースなUさんは、朝の稽古のメモがとりたいと、サミットにノートを買いに出ていった。

 

着替えてAと合気道の稽古をした。

入身転換。

片手取りで、一教、二教、三教、Aと木教と呼んでるやつ、四教。

館長が来たから、杖道の稽古にうつる。

本手打、逆手打ち、引き落とし打ちの打ち込み。

下の手が下がらないように。正中線にあるように。上の手を滑らせる。

肩の高さから、片手だけで杖を使う練習。杖がどんな風に動きたがっているかを感じて、それに逆らわない感覚を知るため。両手で杖を持っても、その感覚を忘れないため。

 

『飾り』をして、表の形の稽古。

『左貫』で構えるときは、手が下にあるままに身体の前で左手が杖に触れ、そこから頭上に上げる。

『右貫』で入るとき、杖を長く使う。ヘリコプターの動きの後は手で杖を振るのではなく、腰を使う。

『笠の下』で杖を合わせた後、杖を長く持って先に突く、それから腕をのばす。杖の影に入る。相手の木剣をよく見る。斬ってこられるタイミングまで待つ。相手が斬るために下がるから、右足で大きく入る。

 

制定型の打ち太刀の稽古。

特殊技の『打ち落とし』。

 

ひと通り終わって、ストレッチをしているときに、「なにかやりたいことはある?」とAが聞くから、「6月までに三教をできるようになりたいけど。上手い人とやると、ちょっと出来るようになったかな、と思う。だけど下手な人とやると、自分はまだ出来てないな、と思う。まだわかってないな、と思う。」と話す。

「そんなもんだよ。」とAが言う。

館長がいて、合気会の練習はできないから、いつもの三ヶ条のルーティンをやってみようか、と稽古する。これなら出来る。

逆半身と相半身が変わるだけ。なぜ逆半身ならできて、相半身からの技になると手が取りづらいのだろう。やっぱりまだわかっていない。

 

神前に礼をして、稽古を終えた。

2026.05.14_Thu.

朝起きて、Mとラジオ体操をした。

掃除機をかける。

10:00から撮影をはじめる。

Mさんが朝から「ちよじ。」と呼んでくれる。

 

写真を撮り続ける。

2/3ほど撮影が進んだ頃、Mさんが、

「ちよじと呼んでいるから、M君と呼んでいいよ。」と言ってくれた。

朝のことを思い出し、思い切って次に呼びかけるときからM君と呼んでみた。

M君は自分の師匠と同い年だ。

だけど、呼んでいいと言ってくれるなら呼びたいんだ。

もうこの時間が貴重なんだ。躊躇したら勿体ない。

 

最後のカットを撮るときが幸せだった。

AさんとM君と、一斉に写真の中のことに向かっていく感覚がした。

嬉しくてたまらなかった。

Mの料理が全部食卓に乗った。皆が写真の中のことに向いていた。

シャッターをきった。

 

こういうのが自分が最初に東京で見た写真の現場で、それにワクワクして、緊張もして、泣いたり、笑ったり、揺れたり、平らにしたり、色んなことをして超えながら、やっぱりこういうことに自分は興奮するんだと思った。

 

ストレートに自分が憧れたままの現場だった。

はじまりの景色と同じだった。

 

本当に嬉しかった。

2026.05.13_Wed.

5:10と5:20にアラームが鳴り、支度する。

今日と明日、神戸で撮影がある。

東京駅に向かう電車に乗っていたら、編集者のAさんが

「ちよじ、おはよう。今日からよろしくお願いします。」とLINEをくれた。

自分が若いころに憧れて見ていた人たちは、撮影当日の朝にこんなメッセージのやりとりをしていた。今日は憧れの中で撮影だ。

自分が東京に住みはじめて、はじめて写真の世界を見たときに、憧れの中で仕事をされていたAさんと、今日はじめて仕事をする。16頁もある。

遠慮なんかせず、胸を借りよう。思いきり写真を撮ってこよう。

 

編集者のAさんとUさん、デザイナーのMさんと新神戸駅で待ち合わせて現場へ。

Mのところへ行く。

 

Aさんがこの仕事の連絡をくれたときのメッセージを読んで必要に思って、この撮影のために用意したレンズが、自分の気持ちに合っている。

「ちよじが撮りたいと思ったら撮って。」

AさんもMも、今日一日の中で何度か、そんなふうに声をかけてくれる。

 

途中で見事なほど大きな音で雷鳴がした。

それを聞きもって、18時前頃まで撮り続けた。

 

一日目の撮影を終え、Uさんは東京へ戻られ、残った皆でビールを飲んだ。空が一面ピンク色だった。

 

AさんもMも「ちよじ。」と呼んでくれる中で、今日はじめてお会いしたデザイナーのMさんだけが「ちよじさん。」と声をかけてくれていた。

「"さん"は要らないです。」

そうMさんに伝えた。

 

Aさんと飲みながら話をするうちに、「ちよじ観たらいいよ。」と、いくつかの映像のことを教えてくれる。帰ったら、ひとつずつ観ていこうと思う。

 

Mさんはエニシダの香りが好きなこと。

 

AさんとMさんは今日泊まるホテルへ。

わたしはM宅に泊まる。

2026.05.10_Sun.

K(11才)が張り切って目を覚ます。

朝からふたりで本部道場へ稽古にいこうと話している。

Kは2階の稽古場で、9:30~と10:30~のふたつのクラス。

わたしは4階の稽古場で9:30~I師範のクラス。

 

こどもにとっては複雑だろうと思う、道場までの道のりを、数カ所ふわっとするだけで、

もうそのほとんどをKは覚えられていた。

こどもの脳の空き具合はすごい。

 

受付で話してみると、今日一日Kの身体に合った長さの白帯を貸してもらえた。

今日Kが教わるS先生とO先生、N先生がいらしたから挨拶をした。

 

Kと分かれ、自分の稽古がはじまる。

……

▪︎準備体操

▪︎座ったところから後ろ受身10回(人数が多くて立って出来なかったから)

 

▪︎座技呼吸法・・

近頃のI先生の稽古は『座技呼吸法』からはじまる。

「これが出来れば、他の技が要らなくなる。」

そのくらい大事なんだとI先生が言う。

「手首を動かしたらいけない。手首から肘までをひとつの刀だと思えばいい。両手は自分の身体の幅。相手の膝と自分の膝を詰めすぎないこと。やってやろう、と思うんじゃない。押さない、引かない。

抑えるときは、手で押さえつけるんじゃない。自分の踵に身体を下ろす。」

 

▪︎片手取り四方投げ(表、裏)・・

「肩と手のラインを合わせると強い。転換するとき、相手の手を動かさない。最後、投げるんじゃない。下ろせばいい。」

 

▪︎横面打ち四方投げ・・

「前足を引いて受ける。必ず当て身を入れること。

相手の手をとったとき、その手は必ず正中線の前にあること。最後は投げない。下ろす。」

 

▪︎座技一教・・

表・・「相手の肘は正中線の前で受ける。一教で相手が崩れる体勢はこうなのだから(言葉でかけない)ふたつ目の足はまっすぐ前に膝行する。」

裏・・「膝のラインより転換を大きくしない(相手をひっぱることになってしまうから)。」

 

▪︎天地投げ・・

天地投げの要点を話しながら、

『いざない あいならぶ』

I先生が植芝盛平先生の言葉を教えてくれた。

「いざないあい、ならぶ」ではなく、I先生は、「いざない、あいならぶ」と言った。

 

入り身して横を向く。地の手は相手の後ろ足の踵のあたり。

腰が動く→次に足が出る、手は最後。

手を足より先に出さないこと。

 

▪︎座技呼吸法

……

自分の稽古が終わり、更衣室へ行くとき、少年部の様子が見えた。皆の中にKがいた。

 

Kは今日も楽しそうだった。

ここでの「天地投げ」は逆半身からはじまること、「入り身投げ」は相半身ではじまること、突き方の違い。

技の入り口の違いに迷っていた。

入って2日目で「回転投げ」を教わっていた。

 

帰り道に「楽しいんだ。」というから、「なにが楽しかったんだ。」と聞いた。

「みんな優しい。」

「それと、目の前の子が、おまえ白帯だから出来ないだろうって思ってる。

だけどやってみたら白帯なのにKが出来るから驚く。その驚く顔を見るのが面白い。」

Kがそういう気持ちになれて良かったな、と思う。

行きすぎると嫌な人間だけど、いまのKに少しくらい、そんな気持ちを味わわせてやってもいいような気がする。

 

家までの帰り方を覚えながら、ふたりともお腹が空きすぎていると話す。

「ハンバーガー買って帰ろっか。」

「そうしよう。」

ケンタッキーに寄って、チキンフィレサンドふたつ、チキン6P、ポテトL、ビスケット、ちゅる~りぃ(ブルーハワイ)。

 

自分もこどもの頃、車で40分ほどの町まで、父と水泳に行っていた。

父の水泳部の後輩がコーチをしていたから、そんなに遠くまで通ったんだと思う。

練習が終わったら、いつも帰りの車の助手席でチキンフィレサンドとシンビーノだった。

そして国道沿いの本屋で漫画になった伝記を買ってくれた。

二宮金次郎、ナイチンゲール、ヘレンケラー、モーツァルト。

 

やっと水が流れた。

Kと本部道場へ行くのが、自分も楽しい。

2026.05.09_Sat.

これまでの日々から変わる日。

今日から新しいことがはじまる。

たぶん今日のようでは、自分の体力が保たない。だけどはじまりだから仕方ない。

……

4:30起床。

本部道場で7:00から、まずは自分の稽古。

I師範のクラス。

▪︎準備体操 ▪︎後ろ受身10回

▪︎入身転換

▪︎諸手取り呼吸法

肘を落とし、相手の腰の位置に自分の腰を合わせて、相手と同じ方向を向けば、自然と相手の身体が前に出てくる→入り身しながら自分が横を向けば相手の力とぶつからない。

▪︎座技一教(表、裏)

表・・一歩目は横へずらし、二歩目は足裏を畳につけ、まっすぐに膝行する。

そのときに後ろ足はしっかり引きつける。

裏・・外側の足で入り、相手の膝のラインに自分の両膝が並ぶように→僅かに位置を整えて抑える。

▪︎座技四教(表、裏)

相手の肩から肘、肘から手首の角度、そこが大事な点なのは分かる。垂直にするんだと思う。

相手の肘から手首が自分の正中線の前にまっすぐに入ればいいんだと思う。まだ上手くいかない。

▪︎正面打ち小手返し

相半身から逆半身をつくる。前足を引いて相手を崩すスペースを作る。

▪︎突きからの小手返し

相半身から逆半身で突かれる。転換しすぎない。I先生は低い位置で小手を返している。

▪︎座技呼吸法

肘を落とす。そのまま"前にならえ"のような。その時に、押さない、引かない。→そのまま自分の肘を僅かに開く。その時に呼吸法の手で小指に引っかかりを感じるところを探す。→ガチーっとはまったら、そのままの形で手を上げていく。崩せる。

I先生が横に来てそれを教えてくれた後、最後に先週の種明かしをしてくれた。

「ようし、やってやろう。」と思って、自分の膝を相手の膝に近づけすぎてしまうと、相手を崩す、

この間合いがなくなってしまうんだ。だからこの位の間隔を開ける(握り拳ひとつか、ひとつ半くらいに見えた)。

 

稽古が終わり、着替えて受付へ行き、K(11才)の入会を申し込む。

I先生がいた。

「息子を入れようと思います。」

I先生は、「うちの息子も10才までやってたんだよ。その後辞めちゃった。もう一度やれって言うんだけど(もう20何才か)…。だけど今でも難波先生が、とかって。やっぱり何か覚えてるんだよ。」と仰った。

「いいじゃないか、はじめれば。」

そして次の稽古へ向かわれた。

受付で対応してくれたF先生にKの運動歴を聞かれたから、

地元の小さな道場で合気道をしていること。養神館のことを教わっていること。

4年ほどやっているけど、稽古は養神館の基本動作が主で、技は6本しか教わっていない、と答えた。

そして、「息子は(やり方の違いに)混乱するでしょうか。」と訊ねた。

F先生は、「いや、養神館のことをしっかり教わっていれば、やっぱり役に立ちます。割と年少から始めると中学くらいで離れるお子さんは多い。でも年長から始めるとその後も続くお子さんは多い。」と仰った。

 

一旦家に戻り、稽古のメモを取って、仮眠する。

 

そして昼を過ぎ、K(11才)をはじめて本部道場へ連れていく。

家を出発して程なく、いつもの道場の館長に道でばったり出会う。

「館長!」と声をかけ、ほんの少し会話をする。

こんなタイミングで、館長に会った。

私たちはその関係を切ろうと、出発したタイミングでだ。やっぱりこの人とはなにか関係するんだと思った。これは"縁"みたいなもの?

 

そして、Kが自分の足で行けるように、ひとつずつ教える。

 

自転車で右に曲がるときは大きく曲がりなさい。そうしたら急に車が来ても、車を運転してる人がKの姿を見つけやすい。僅かな数秒でブレーキを踏める可能性がある。

逆に、左に曲がるときは小さく曲がりなさい。膨らんで道に出てはいけない。

この道はよく車が飛び出してくるから、スピードを緩めて様子を見なさい。

 

地下鉄のホームに下りたら、このベンチの前から電車に乗りなさい。そうしたら新宿で乗り換えるときの階段に迷わない。

「西新宿駅」で降りてはいけない。「新宿駅」で降りる。「新宿駅」で乗り換えるとき、次に乗る電車では、同じ場所でも「新宿西口駅」という名前に変わる。

 

空中が言葉だらけになるほど言葉を吐いた。

 

朝、F先生はそう仰ったけど、中学になれば、部活やなんやで忙しくなり、Kは合気道を続けないだろう。

後一年をどう過ごさせるか。わたしは自分の安心のために、Kの身体の中に合気道を入れておきたい。

 

Kの本部道場でのはじまりの日。

靴の置き方、入ったときの作法。着替える場所。稽古場への入り方を教える。

S師範がいらした。まだリラックスしてていいよ、と言ってくれたけど、畳の硬さや畳の色の違い、

場の大きさに、リラックスなんてできるはずがない。

Kは端っこで普段自分からはしないストレッチをはじめている。

畳の線に膝を合わせ、正座する。

はじめての稽古がはじまる。

S先生とN先生が教えてくださる。

準備体操。関節のストレッチ。緩やかに転がるような動きから、後ろ受身へ稽古が移っていく。

回転受け身、膝行。交差取りからの一教。呼吸投げ、小手返し。突きからの小手返しまで。

周りの子も優しい。Kがしだいににこにこ笑いだした。そして、はじめての場所でも、もう自分にできることがあることを、感じたと思う。

Kの膝行が綺麗だった。

 

稽古を見ていて、館長に感謝する、小さな、いくつもの箇所があった。

 

稽古が終わり、更衣室でKに、

「かか、いい場所に連れてきたでしょ。」と言った。「あたり。」とKが言った。

「めちゃくちゃ楽しかった。明日はふたつ続けて稽古したい。」

 

辛うじて結べた昔使っていた白帯が、やっぱり短すぎて、稽古の間に何度も弛んでいた。

一緒に見学していたYが「買ってやれ。」と言った。

帰りは道衣屋へ寄ることにした。

歩きながらKが「やり方が違ったけど、Aさんが教えてくれたことがあったから出来たんだ。」と言った。

これまで自分たちが出会ってきた人に、ありがとうと思いながら帰り道を歩いていることが、うれしかった。

道衣屋で、2号の白帯と2Lの胴衣のズボンを買った。

 

帰宅し、今日の一日を振り返った。

切ろうとした関係を、切っていいのだろうかと思った。僅かにでも残せないだろうか。

KとYを呼んで、「いまこんなことを思った。」と、それを話した。

「考えてみて。」とKに言った。

2026.05.08_Fri.

昨日短く切った前髪がまだ馴染んでいない。

だけど、髪が気持ちいいから、今日をひょいと越えられる。

2026.05.07_Thu.

朝、バタバタと支度して、Fさんのところへ髪を切りに行った。

 

Fさんは合気道4段だし、杖道の話をしても、写真の話をしても、本の話をしても、髪の話をしても、

家族の話をしても、山の話をしても、わたしが何の話をしても、些細なことまで全部伝わる。

 

それでいて、ちゃんと年上だから、いろんなことを経験していて、まだ知らないことを教えてくれる。貴重な人だ。

 

今日は外国人の前髪の話、サスーンカットの話、武道の話、老子の話、安岡正篤の話をしながら

髪を綺麗に整えてもらった。

 

Fさんのところを出て、新宿へ行った。

この間からレンズのことが気になっていて、店の人とあれやこれや話して、試してみて、単焦点レンズを1本買うことにした。

もっとシンプルに、身軽に、ものが見たい。

2026.05.06_Wed.

仕事が終わって、Dさん、Yちゃん、O君とシェーキーズでピザを食べた。

日頃の話を身体から外に出して、皆の真ん中に置いて、ただあった出来事と、その時どう思ったか、

なにを感じたか。

それを聞いていまなにを思うか、みたいなこと。

さよならするには早かったから、もう一軒だけBarに入った。

暗闇、と言っていいほどの店の中で、なにを飲もうかな、とメニューを見ていて、

"ニコラシカ"の文字を久しぶりに見つけて、それにする。

 

このお酒はまだ20代の頃、北九州の老舗のBarに連れてもらったときにAさんが飲んでいた。

「それはなんですか?」と真似して頼んで、どうやって飲むのか、教えてもらったお酒。

 

今日は若者に同じように聞かれて、あの日のAさんの言葉の真似をする。

「おいしいよ。」

 

この思い出は大切だから、わざわざ人に話さないけど、

自分の中にはあるから、ひとり面白い。

あの日の真似をし続け、飲み方を教えてあげた。

 

若者はあの日の自分のような反応をした。

2026.05.05_Tue.

こどもの日。

ゆっくり寝て、それでも誰も、猫も起きてこないから、ひとりで珈琲を淹れた。

そのうちに気配はするけど、部屋は静かなままだ。

「博物館にいくなら、そろそろ動かないと閉まってしまうんじゃない?」と言うYの言葉も、空中に浮かべただけのようで、音は聞こえるけど、やっぱり身体はだらだらとして、動くのをみんな辞めてしまっている。

外はもったいないくらいに穏やかに晴れている。

なんとなく葉っぱを剥いてちまきを食べて、なんとなく着替えて、なんとなく玄関を出る。

その割に、電車に乗って、両国まで行った。

 

電車に乗りながら、そういうこととは関係なく、自分はこの時期が苦手だな、と思う。

去年は去年で、今年は今年で、毎年なにかしらある。

傷つく言葉を読んだ。

 

K(11才)がよく「なぜ学校に行かないといけないの?」と聞く。

その度に、

「嫌なことにぶつかるためだよ。そうしたら本当に自分が何かやろうとして、嫌なことにぶつかったとき、それが前にもこんなことあったなって思える。1回目より2回目のほうが自分はきっと強くなってる。だからそれをしに行ってるんだよ。」

いつもそんなようなことを、偉そうに答えてる。

 

今日はその言葉が自分に返ってくる。

 

もう何回目かの経験で、自分の中で大抵のことは処理できてしまう。力技だとしても。

 

『江戸東京博物館』。

何も頭に入ってこなかったけど、途中の火消しのところと、狂歌のところだけが面白かった。

言葉が好きな書き手は、自分の身近にある些細なことを拾う。いつの時代も同じだ。

 

技のような言葉に傷つき、展示されていた大田南畝の狂歌は心だった。

 

展示室を出て、だだっ広い広場で西陽を浴びた。風が強かった。

 

駅の側でちゃんこ鍋をお腹いっぱい食べる。

2026.05.04_Mon.

みどりの日。

そのままにして、長いこと持ち続けたものに、自然とここ1~2週間で急に見切りがついた。

簡単には降りないけど、冷めたら早い。

「もういいよ」と思った。

 

新宿のK's cinemaでやってる友部さんのドキュメンタリが観たくて、「行こう。」と家にいるK(11才)を誘った。

「K はいま歌が歌いたい。」というから、1時間付き合うよ、と言って、ふたりでカラオケで1時間歌ってから電車に乗った。

 

上映時間より割と早く着いてしまったから、甘いものでも食べようか、と一旦映画館を出たけれど、町に甘いものを見つけられず、ふたりでハンバーガーを食べた。

 

『遠来~トモベのコトバ~』

映画がはじまり、Kがわたしの手を自分のほうに寄せて、べったり腕を絡ませてくるな、と思ったら、友部さんの歌はすぐに子守唄に変わり、Kの頭が揺れはじめた。

それでも良かった。Kが観ても観なくても。

わたしはKの髪の毛と肌を右腕と右肩に感じながら映画を観た。

ニューヨークにいる友部さんの顔は綺麗で、これは何歳の頃の友部さんなんだろうと思った。

渡さんの話が出てきた。

昔、渡さんがまだ生きている頃、自分はクウクウで友部さんに「ちよじ。」と呼び止められ、

たった一枚、カメラを向けられ、写真を撮られたことがある。

渡さんの話が出てきたとき、これはあの日より後のことなんだと、時間の感覚を掴んだ。

あの日のあと、友部さんはニューヨークでこんなふうに暮らしていた。

友部さんが走る姿をはじめて見た。こんな綺麗なフォームで走る人だったんだ。

もっとこの頃の友部さんのことが知りたいと思ったけど、映画は終わってしまった。

 

そそくさと新宿を離れ、自分の町に戻り、Kに家までの道を記憶しろと、目印になるものを声にしながら家に帰った。

2026.05.03_Sun.

静かなことに変わりないけど、高熱でうずくまるような状態から、携帯電話の画面を眺められるくらいには、ふたりともの寝室が凪いでいる。

 

近所の道場はGWで稽古がない。

ひとりで朝ごはんを食べた。

 

本部道場へ行って、1時間だけ稽古してこようと思う。

 

この間K(11才)に、新宿の道場に行ってみないかと誘ったことが頭にあるから、目がいろんなものを確かめる。

自宅から最寄り駅近くの駐輪場までも、ひとつの旅くらいに感じる。

そこから地下鉄までの道があり、地下鉄に降りて、乗り換えがあって、また深く地下に潜って、そこからまた歩く。

乗り換える線と線で、「西新宿駅」と「新宿駅」「新宿西口駅」の大人でも混乱する複雑なトラップがある。

果てしなく、果てしなく、遠い。

 

9:30から4階の稽古場でF先生の稽古。

▪︎準備体操  ▪︎楽な方の後ろ受け身

▪︎入身転換

▪︎座技正面打ち一教(表、裏)

▪︎正面打ち小手返し

▪︎正面打ち二教(表、裏)

▪︎正面打ち三教(表、裏)

▪︎正面打ち四教(表、裏)

▪︎座技呼吸法

 

あまりいい稽古にならない。

同じ内容でも、先生によって、いい稽古と、そうでない稽古になるのはなぜか、を時間中考えていた。

多分細かな感覚をどれだけ言語化してきたか、してこなかったか、の違い?

それによって、人に囲まれて人前に立つときの、声の大きさと、目の座り方が変わるのかもしれない。それをこちらは拾う。

 

でも、いい稽古にならないのは全部先生のせいなのか。じゃあ、自分はそんなとき、どうしたらいい。

細かい点に集中して、みたいな答えを出せばいいんだろうけど。書いてるうちに嫌になってきた。

そんな日はそんな日で、いい稽古にならなくていいのかも。

 

終わって下の階に下りると、ちょうど少年部の準備体操がはじまっていた。

着替えて受付に行って、見学できないでしょうか、と訊ねた。

稽古場の端に正座して、1時間、少年部の稽古を見学した。

自分も教わっている、S先生、O先生、まだ教わったことがない、C先生がこどもを教えていた。

自分が受けたいよ、と思うような稽古。いま自分が終えてきた稽古より、いい稽古だった。

 

最後まで見て、受付で申し込み書類を貰っておく。

2026.05.02_Sat.

4:30にアラームが鳴ったけど、止めて、眠る。

39℃を出している人を置いて、さすがに稽古には行けない。

結局8:00過ぎまで眠ってしまった。

自分の身体も疲れている。

Yのほうが先に起きていて、「36.8℃に下がった。」と言う。

 

K(11才)はKで、こどもだけで電車で吉祥寺に行く、というのが、自転車で隣町に行く、というのに変更になったと言う。

行ってもいいか?と聞くKを待たせて、Yに病院へ行ってもらった。

 

GW明けには大事な撮影が入ってる。

Yが感染症だったら、自分がどう過ごせばいいかが変わってくる。

今日、Kを行かせていいかも変わってくる。

 

Yが陰性だった、と帰ってくる。

アレルギーと疲労とウイルスがぐるぐるに絡まってる様子。無理もない。

仕事が忙しくて、ろくに寝ていないのだから。

 

Kに「行ってきていいよ。」と言う。

そして、財布の中を整える。

「2500円渡す。だけど全部使っていい訳じゃない。ゲームで使っていいのは1000円くらいまで。

あとは自分で考えて。」

「それとは別に、1000円入れておく。これは何か本当に困ったことが起きたときのため。」

「友だちにお金は借りない。そして貸さない。」

 

なんかしっかりした言葉だらけ。

整えてばっかり。

 

あとは勝手にやって、という気分になって、お風呂を沸かす。

 

そして昼ごはんをつくった。

Kが出かける前に食べさせようと、

「できたよー。」と呼んでも、返事の声がなく、階段を下りてこない。

様子を見にいったYが、

「K、熱出てる。38.7℃ 。」

 

なんてことだろう。

吉祥寺に行く練習もして、待ち合わせ場所にも辿り着いた。

Yの熱で仕方ないと、また自分の気持ちに蓋をして、朝になってまた希望が出た。

やっと友だちと遊びに行けるところまで漕ぎ着けたのに。

 

水筒にお茶を入れて、Kの部屋に持っていった。おでこに冷えピタを貼ったKが、いろいろが混ざった、わかりやすい表情をしている。

「次があるよ。」と身体を撫でた。

 

静まり返った家の中で、お風呂に入った。

あー、草臥れた。

 

いっぱい上手くいかなかったけど、私たちはみんなそれぞれに頑張ったんだと思った。

ちょっと面白くて、笑ってしまう。

 

ふたりは眠って、わたしは David Crosby のドキュメンタリをずっと観ていた。

2026.05.01_Fri.

昨夜、その後。

 

「一緒に行く友だちの顔を全員知らない。まず土曜日は、その友だち全員を家に連れてきてもいいから、Kの家で一緒に遊ぼう、ということには出来ないの?」と話す。

「出来ない。」とK(11才)。

 

Yは「いまのKだったらまだ行かせてやれない。吉祥寺へ連れて行った時も、途中にどんな駅があるかも見てないだろう?少しずつ練習していこうな。」

 

Kは「もうなんで駄目なのよ。」と涙をながす。

 

下の部屋にいたら、井の頭線の駅の名前をひとつずつ教えてるYと、暗記しようとしているKの声がする。

 

泣きやんだ。

 

こそっとYに相談してから、Kに言う。

 

「出来ても出来なくても、次の土曜日は行かせてやれない、というのは変わらない。

だけど明日吉祥寺で待っててあげるから、学校のあとで、吉祥寺までひとりで来る練習をしてみる?」

「やる!」

 

そして今日。長い長い一日になった。

 

学校から帰宅したKから、

「今から行く。」とLINEがあった。

「わかった。ゆっくり来たらいいよ。アトレの本屋さんに寄ってから来たらいい。」

「へい!(携帯電話の充電が)8%しかない。」

 

8%って…。

 

「だめじゃん。20分間充電してからおいで。」

「もう(最寄りの)駅。」

「待ち合わせの場所わかる?充電きれても来れる?」

親指を上に向けたスタンプ。

「それか、コンビニでいますぐこの携帯電話を充電できる充電器を店員さんに聞いて、買いなさい。」

「はい!」

「コンビニついた。」

「なかった。」

「店員さんにきいても?」

「うん。」

「電車に乗って、吉祥寺で困ったらまたコンビニできいてみて。」

「はい。」

 

そしてYから「もう今日はやめた方がいい。家に戻って。」とメッセージ。

Kの既読がつかない。充電がきれたんだ。

 

どれだけ知恵が使えるか。それがわかると思った。怖い思いをしてみたらいい。

 

Kは吉祥寺に着いてから、40分ほど、待ち合わせた場所を探し歩いて、辿り着いた。

「よくやった。」と声をかけた。

 

ハラハラしながら辿り着いたのかと思ったら、ちゃっかり駅ビルの本屋で、友だちに勧められたライトノベルを3冊も買っていた。

なかなかやるな、と思った。

 

デモの列が通って、なかなか信号が青にならなかったこと。

宝石店から出てきた丸刈りの男の人に、(待ち合わせの場所を)どこですかってきいたけど無視されたこと。

 

コンビニの人に0%だと充電できないと言われたこと。(モバイルバッテリーじゃなく、店員にChargeSPOTを案内されたみたい。)

 

記憶を頼りに横の道をひとつずつ歩いたこと。

 

マンゴーラッシーを飲ませてやった。

Dさんが居ないな、と思ったら、袋いっぱいにお菓子を詰めて、Kにくれた。

それを見たとき、感謝した。そして、ホッとした。

Kはマイペースに買ってきた本を読みはじめた。

 

それから。

腹ぺこのKを『まざあぐうす』に連れていって、ドリアを食べた。

かぼちゃのドリア(K)、鮭とシーフードのドリア(わたし)。

 

ロフトに行って、Kが足りないと言った、シャーペンの芯と3色ボールペンを買ってあげた。

 

「この町はこの裸のおっさんだらけなんだよ。」

歩いているとき、VICの人形を指差してKが言う。

 

「映画みよう。」

「どんな映画みるの?」

「青春映画。」

 

UPLINKで『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』を一緒に観た。

田口トモロヲが監督で、クドカンが脚本のやつ。

キャラメル味のポップコーンを食べながら。

 

表へ出て、「ここからKが先に歩いて。家まで帰れるか、やってみよう。」

ここを曲がれば井の頭線はすぐなのにな、というところも堪えて、後ろを付いていった。

『井の頭線』の前に『京王』と付いているから、それに迷っていた。

 

仕事が終わったYから「体調限界。」とメッセージが来た。

 

最寄り駅についたらKが「今日は月がまんまるだよ。」と言う。

 

サミットで、ポカリとプッチンプリンと甘酒、うどんを買う。

 

帰宅するとYが39.7℃の熱を出している。

2026.04.30_Thu.

ずっと頭の隅にあったけど、上手く流れるイメージに辿り着かず、言うに至らなかったこと。それを、朝起きる前に布団の中でもう一度考えてみて、朝ごはんのときにK(11才)に話してみる。

「新宿の道場に行ってみない?」

環境を変えてやりたい。いま目の前にあるコミューンがすべてではない。

風通しのいい場所は別にあるかもしれない。

 

そこは、小学4年生から中学3年生までのクラスがあること。きっかり1時間で稽古が終わること。

先生がふたりつくこと。週に4回クラスがあること。

それぞれに先生が違うから、自分で見てみて、誰に習うか決めてみたらいいこと。

ひとつKが堪えないといけないことは、場所が変わるから、また白帯からはじまること。

 

そこまで話すと、

「行ってみようかな。」

Kがすんなりそう言った。

 

逆を言われると思っていた。意外だった。

 

日中はPCの前に座り、写真のこと。

全部仕上げて、まだ外が明るいうちにKさんにお送りできた。

 

喜んでくれるかな。

 

学校から帰ってきたKに、昔使っていた白帯を着けさせてみる。

いま着けている紫帯より随分短いけど、まぁ、使える。

 

どうなるだろうな。

我慢しても上手くいかなかった時、自分を下げきってしまわずに、自分のままで。

場所を移して、少しでも穴が見えたら、這って外へ出られることを、見せられたら。

 

そこまでが、わたしが手を引けるところ。

それでKが「もうやらない。」と言ったときは、Kの思うまま、好きなようにやらせよう。

 

夜は夜で、晩ごはんを食べながら、「土曜日にこどもだけで吉祥寺に行きたい。」という話をされる。

Yとふたりで、どうしようかと、何度も何度も、うーん、となる。

2026.04.29_Wed.

いつもの時間に「起きてー。」とK(11才)の身体を揺さぶって、朝ごはんの支度をした。

顔を触ると、硬くなった気がする。片手ですべての頬を覆えない。

 

もうすぐパンが焼けそうなのに、まだKは下りてこない。

「(冷蔵庫から)お茶だして。水筒に入れる。」

Yにそう言ったところで、僅かに間があって、「休みだよ。」

…すっぽり頭から抜けていた。

祝日だったのか。昭和の日。

それならゆっくり寝かせてやれば良かった。

 

仕事して、帰りに家族と待ち合わせ、ごはんを食べてから小雨の中、帰宅する。

 

横になったら足首の間にヒガシが挟まりに来た。足裏に感じるヒガシの毛が気持ちいい。

2026.04.28_Tue.

寝た。

昨夜は夕飯後の記憶がない。

K(11才)を学校に送り出し、Yがお風呂を沸かしてくれた。

嗚呼、なんと気持ちの良い。

 

Kさんの写真を仕上げよう。

 

夕方になって、Yは親友と飲みに新宿へ。

今夜の晩ごはんは、冷蔵庫にある残りもので済ませよう。

 

YからLINE。親友がウィスキーを片手に、テーブルに視線を落としている。テーブルのコースターには『DUG』の文字。いいなー。

2026.04.27_Mon.

Nさんが帰る日。

K(11才)は学校があるから、まだNさんは眠っているけど朝ごはんの支度をはじめた。

「電気つけてもいいですよ。」

Nさんが目を覚ました。

Yは昼までに仕上げないといけない仕事があって、朝方に「5分だけ寝る。5分経ったら起こして。」とベッドに横になったくらいにしか、目を瞑っていない。

仕事部屋にYの朝ごはんを運んだ。

 

Kを送り出して、ゆるゆると朝を過ごした。

絵本のカバーをもう一度広げて話したり、窓の外は小雨が降っている中、

YouTubeに上がっているNさんのアニメーションを見た。

 

そんなことをしているうちに、テラスに気持ちの良い陽が射した。

 

Nさんが帰り支度をする気配を感じた頃、食卓を少しだけ傍へずらし、束の間、Nさんを誘って合気道をした。話すのと別の面白さ。

 

昼になる少し前にNさんは帰っていった。

マンションの玄関を、散歩するんだろうな、という方向へ歩いて行った。

 

昼からはパソコンの前。

次の撮影の打ち合わせを、Aさん、Mさん、Uさんと。

 

 

2026.04.26_Sun.

朝起きたけど、身体に力が入らない。

目は閉じてくるし、笑えないほどに疲れている。

珈琲を淹れて、ヨーグルトとメロンだけ。

パンが入る気がしないから辞めておく。

 

K(11才)はまだ寝ている。

Yは昨夜2時まで仕事をしていたけど起きてきた。

目を覚ましたNさんも疲れていて、

珈琲をのみながら、

「みんな疲れていますね。ゆっくり動きましょう。」と話す。

 

8:30に道場に着くと、Aさんとスペイン人のMさんが居た。

「元気?」と聞かれたから、「元気ではない。」と答える。

目を合わせることも、言葉を交わすことも、笑うことも、本当は億劫。

人に会い過ぎたし、この稽古のペースは、気をつけないと、続けることを折るかもしれない。

 

今日はそれに気づいた。

 

着替えて杖道の稽古。

素振りをして、"表"の型をすべて。

"制定型"の打ち太刀の練習、『着杖』から『霞』まで。

 

皆が来始めて、今日は合気道の稽古なしで、そのまま杖道を続ける。

館長も用があって帰っていった。

 

もう一度素振り。

そして型の練習。

 

Aさんに『太刀落とし』の杖を斜めに開いたあと、高さを下げずにそのまま入るように。

『笠の下』で入る時、手幅をそのままに、広げなければ相手に杖をつけやすいことを教わる。

 

『引っ提げ』と『霞』をして、"繰りつけ"の練習。

繰りつける時の足の位置は、どうしてこんなにも難しいのだろう。

どうしてこんなに感覚を掴めないのだろう。

 

お茶をのんで休憩。

Aさんが沖縄に発った。

 

後半は、剣術の練習。

『相摺』から『摺り込み』まで。

 

稽古を終え、数人残った人で久しぶりにゆっくり話す。

なにも食べず、なにも飲まず、話だけを挟んでいるのがいいな、と思った。

 

夜は搬出で遅くなると出かけて行ったNさんが、その通りに遅くなっているので、寝室でゴロゴロ喉を鳴らしているヒガシと、先に寝てしまうか、と思った時に、ちょうどチャイムが鳴った。

「なにか飲む?」「ぬるい珈琲がもしあれば…。」「淹れるよ。」

Yと3人で珈琲をのんだ。

あたらしく出る絵本のカバー候補を見せてもらった。

 

「ちよじはどれがいいですか?」

そんな話をしながら、おやすみを言って、布団に入ってからも、そのカバーのことが、頭から離れなかった。

2026.04.25_Sat.

朝ごはんを作ってね、と約束してベッドに入ったK(11才)だったけど、

昨夜は夜中の2時頃までアレルギーの咳と鼻水で眠れていないようだった。

深夜に帰宅したYが薬を飲ませ、「水筒にお茶を入れてきてあげて。」と言うから、

お茶を入れに台所へ下りた。

 

朝、Kは起きられないかもしれないな。

そう思いながら身支度をして、稽古に向かう。

 

7:00から本部道場。I師範の稽古を1時間。

I先生は最初の準備体操の僅かな時間だけ遅れて、バツが悪そうなあの笑顔で

「申し訳ない。」と入ってきた。

 

遅れた日は、いつも面白い稽古が、さらに面白くなる。

先生が申し訳ない分だけ、こちらが得したと思うくらいに。

▪︎後ろ受け身10回

足を真ん中にまとめる。

▪︎入身転換

自分の腹の前に手を巻くというか、何というか。前腕に乗る。

▪︎座技呼吸法

普段は稽古の最後にすることを、先生は今日のふたつ目に持ってきた。

横へきて、丁寧に教えてくれた。

自分の正座した足の幅で、手のひらを下に向ける。そこから押さずに呼吸法の手で上げる。

「そこでハの字にぐーっと開くんだ。」

何かはじめて感触が変わる瞬間を感じられた。

I先生も、この間Aさんがやっていたように、手刀で首を斬ってた。

▪︎諸手取り呼吸法

「今やった座技呼吸法と同じ手なんだ。肘と肩を落とす。」

▪︎正面打ち一教

先生が説明するときの受けをやって、と声をかけられるとき、はじめてI先生に名前を呼んでもらえた。

表・・ふたつ目の足、先生は前ではなく、しっかり相手の方へ斜め前へ出ていた。

裏・・後ろ足で入り、次の足の位置は相手と並ぶところ。腰回転。落とす。

▪︎正面打ち三教

一教でしっかり斬り下ろした後、外側の足を下げれば相手と並べる。

手首に当たっている手刀を指先まで滑らせて取る。反対の手で三教に取る。

前足、後ろ足の順に下がる。のの字を描く。

▪︎正面打ち四教

表・・一教で斬り下ろした後、三教のように相手の肘を縦に→木剣を持つように相手の腕を握る→

そのまま歩み続ける。そうすると詰まって自然に落ちていくから。抑える時は相手側の足が前。

相手の肘を曲がる方向に。肩の方向じゃない。外側に。

▪︎天地投げ(表)

▪︎座技呼吸法をもう一度

正座して相手と向かい合ったとき、少し遠い気がして、その間を詰めた。

手を動かしはじめた時、向こうに居たI先生がこちらを見て、

「やってやろう、と思ったら駄目なんだ。その時点でずれる。」と言った。

わたしの身体のどこを見たのだろう。

 

いい稽古。面白すぎる。

 

今日一緒に稽古した外国人の女性が、これからも一緒に稽古出来たらいいな、と思う人だったから、

話しかけてみた。

だけど、ふたりとも旅行者で、もう国に帰るという。フィリピンに帰る、アメリカ人のシェリルさんと、スロバキア人の女性(聞いたとき、綺麗な名前だと思ったのに、覚えられなかった)。

束の間だったけど、更衣室で、I先生が教えてくれて面白かったことを、手首を掴み合いながら

互いに話した。

今日も相変わらず英語がわからなかったけど、技のことを間に挟んだら、あまり言葉がなくても盛り上がった。

 

道場を出ると、Aさんから『諱(いみな)』のことについて書いた13頁にも及ぶPDFが送られてきている。

 

帰宅するとNさんはテラスにいた。

Kはまだ口を開けて眠っていた。Yは仕事部屋で仕事をしていた。

「お腹がペコペコだ。」と言うと、Nさんも「朝ごはん食べようかな。」と言うから、

珈琲をもう一度淹れ、パンにハムとカマンベールをのっけて焼いて、ヨーグルトにパッションフルーツ。

ふたりで朝ごはんを食べた。

 

Nさんは10:30過ぎにギャラリーへ向かうため、玄関で靴を履いた。

今日は学校より、Nさんと朝を過ごすほうが学びだろうと、学校を休ませたのに、

Kはまだ口を開けて寝ていた。

 

AさんのPDFを始めから終わりまで読んだ。

 

「本来はそんなふうに付けるものではなかったかもしれないけど、諱が、さりげなくエピタフのようであればいいのに、と思った。

 

その人が死んでからでも、説明しすぎず、何かが残るような。気配がするような。

 

(Aさんが書いた内容に触れるから、中略)

 

その漢字を見ただけで美しいし、たった2つの漢字だけなのに、広がりがある。」

 

と返事を書いた。

 

そこまでをやったら、眠たくて身体が動かなくなったから、横になる。

 

寝ながら晩ごはんのことを考えていた。

Nさんはいつ帰ってくるか、ごはんも外で食べてくるかわからないし、Yも家にいるけど仕事をし続けていて、いつ食べられるのかわからないし。KはKでよくわからないし…。

それぞれの時間に好き勝手に食べられるように、温め直せるやつがいいな。鍋になにか…。

 

ビーフシチューを作ることにした。実家から送られてきた、おいしい牛肉もあるし。

玉葱、人参、きのこ、ブロッコリー。

そして、焼き茄子を焼いて香菜とナムルにして、スナップエンドウも茹でた。

 

晩に家族でそれを食べ、ギャラリーから帰ってきたNさんが

「コンビニのおにぎりは食べました。」と言うから、ビールを飲みながら、少しだけ器に盛った。

 

「ちよじ、このお肉はすき焼きに使うようなお肉です。」

Nさんと、そんな話になる。

 

それも全部わかってたんだけど、頭の中のパーツとパーツが今日はそうしてしまったんだよ。

 

そこでビーフシチューをビーフシチューらしく、すき焼きの肉をすき焼きらしく使えたら、武道も上手くなるのかもしれないな。

 

疲れた頭でそんなことを思いながら、Nさんとウィスキーをのんだ。

2026.04.24_Fri.

仕事が終わったら、一目散に家に帰る。

兵庫からNさんが泊まりにくる。

 

Yは今夜は深夜にしか仕事から帰って来られないけど、NさんとK(11才)と3人で

たこ焼きをして遊ぶつもり。

前回の時から、KがNさんと一緒にたこ焼きがしたいと言っていたから、

今夜はKのそれを叶えてあげようと、Nさんに話しておいた。

 

夕方に帰宅して、(モップでもかけようかな…)と思った瞬間にチャイムが鳴った。

Nさんだ。

モップはもういいか、とNさんを迎える。

どんぐり舎の珈琲豆とケーキを買ってきてくれた。

 

「これを見たら今飲みたくなってきた。」

Nさんに言って、まずは珈琲を飲もう、となった。

 

そしてゆるゆる夕飯の準備をはじめる。

こどもの頃から、たこ焼きには蒟蒻が入っていた。蛸よりも先にわたしが蒟蒻を切りはじめたのを見て、Nさんが「家でたこ焼きをする時に、蒟蒻を入れたことがないです。」と言う。

「家のたこ焼きで蒟蒻が入っていなかったことがないです。」と返す。

Nさんがトマトとチーズを入れるのがおいしい、と教えてくれたから、

それもしよう、と冷蔵庫にあったプチトマトを1/4に切った。

 

いっぱい食べた。互いのやり方を交互に。

 

わたしは蛸と蒟蒻を先に焼く。そして生地を流しいれる。そして、チーズと天かす。

 

Nさんは先に生地を流しいれる。そして、蛸とトマト、チーズと天かす。

 

「蒟蒻も馴染みますね。」

「プチトマトを入れると生地がもっとおいしくなるね。」

 

ジェンガをして、勝ったKがモンブランを食べた。

わたしとNさんは、生クリームがふわふわのスポンジに巻かれたケーキを、半分こして食べた。

 

トランプもした。Nさんは見たこともないトランプの遊び方をたくさん知っていた。

そのうち、Kが明日の(小学校の)土曜日授業をお休みすることを賭けてトランプに向かいはじめた。

賭けは成功しなかったけど、見てるうちに、明日は学校に行くよりもNさんと過ごすほうが、

Kにとっての学びのように思った。

 

学校に休む連絡を送信し、Kに「明日の朝、かかは稽古でいないから、珈琲をいれてパンを焼いて、

Nさんと、ととの朝ごはんを作ってあげてね。」と約束した。

2026.04.23_Thu.

明日からまたNさんが搬出のために上京して、うちに3泊するから、朝ごはんの後でシーツを洗い、

掃除機をかけた。

 

それから、パソコンに向かい、写真の仕上げの続き。

 

ずっと前から、読むとスッとすることを鉛筆で手書きしたちいさなメモを、

仕事部屋のモニターに貼っている。

3枚あって、その中の1枚に目が留まる。

 

「わかってるけどやめられない

いつもできるのにできない

なにか気もちがわるい」

 

今日もそれを読んでスッとする。

そういうのが、人間だと思う。

 

武道を長く続けた人でも、人にきちんとすることを求めたり、人を正そうとする。

扱い易いこどもを可愛がる。

 

そういうことに、がっかりする。

技に長けた人は、人としてもあらゆるところに長けているのではないかと、つい期待してしまうから。

 

武道を続けるなら、それを許せる人になりたい。だけど、自分もまだ出来ない。

 

昼は家にひとりだったから、なにも食べたくなかったけど、お腹が減るからバナナを齧った。

 

14:00から道場でAさんと稽古。

珈琲を淹れて、チョコレートをたべた。

『諱(いみな)』の話、Photoshopの話。脳の研究(レントゲン)の話をした。

さぁ、着替えようか、となった時、Aが「やばい。」と言った。

なんだろうと思ったら、てっきり道着を道場に置いてると思って持ってこなかったら、

なかったらしい。

仕方がないから、「どのくらいのサイズを着てるの?着れるか着てみて。」と言って、

自分の道着を渡した。小さいけど、今日のところはどうにかなるかも知れない。

雨の中、家にあるもう一着の道着を取りに帰った。

 

合気道の稽古をする。

この間の『天地投げ』のことが頭にあって、それに繋がる稽古をした。

 

『片手取りからの呼吸投げ。』

入り身するやり方と、転換するやり方。

ひとつひとつ腰の動き、身体の向き、腕の伸び方をゆーっくりの速度にして、確認していった。

『片手取りからの入り身投げ』

これも同じこと。握られた手を臂力の養成の動きで上段まで上げる、切る、

自分の身体の向きは変えずに肩に相手の頭をつける。送り足で僅かに下がる。

肩に頭をつけたまま腰回転、投げる前に腕を伸ばす。いい姿勢になる。

身体ごと送り足で一歩前に出る。

『正面打ちからの一教』

表・・腰の位置を確認する。斬り下ろす手と、肘にある手で、ただ押すのではなく、

僅かにうねらせる。

裏・・後ろ足で入って、90°転換。足は動かさず腰回転。

もうひとつのやり方は、相手の動きに逆らわずに入りながら流す。

『回転投げ』

握られた手を上段まで上げ、切るほうの手は当て身するように自分の顔を守る。

腰回転しながら、手を入れ替え、ひとつは相手の首へ。ひとつは矢筈の手で手首へ。

『天地投げ(表)』

腰の向き。天の手は臂力の養成の動き。上げながら肘を若干内に入れる。地の手の位置。

 

太刀を持って、『受け流し』の練習。

oneで真っ直ぐ下まで頭を斬る→twoで相手を向きながら下段に構える→oneで受け流し→twoで斜め45°に下がる。

丸く円を描いて動いても、45°で下がれるように。

太刀を下段に持つ時、中柄が自分の正中線にあるように。

 

杖道。型の稽古。

『太刀落とし』

逆手で打つときは相手の太刀に当てたままだけど押さない。寸止めする。

『鍔割』

これも鍔に当たるとき、寸止め。

突きの練習。

突いた後、力を抜く。左足を右へ逃す。

繰り付けの練習。頭の上に担いだ時、杖先は下がる。目つけるときに上がる。

繰りつけたとき、右手は内腿にある。

『着き杖』

九州のやり方になって、難しくなった。しっかり線を外す。足の練習。

『引っ提げ』と『霞』

"体当たり"の練習。当たっているか、押してしまっているか。

"繰り付け"の練習。足は横に出す。

最終的に、足の位置を守るより、中柄に杖を当てることを意識すれば良くなった。

杖を担いだ時、杖先は下。目つけるときに上。

"引き落とし打ち"の練習。

杖が先、身体は後。

『右貫』

水月を突く。その後でしゃがむ。なんか僅かなそこの感触のこと。

 

(その後のこどもクラスのため)こどもが来始めたから稽古を終える。

 

今日はこどもクラスまでダラダラと付き合わずに帰ることにした。

 

自分のため。

2026.04.22_Wed.

このところ稽古が続いていたから、毎日まだ身体に入っていないことを

身体に覚え込ませるような毎日で、

今日は久しぶりに身体がもう覚えきっていることだけで一日を過ごせた。

会う人も柔らかくて、力が抜けた。

布団に潜ってじっとしていたいくらいに疲れている。

 

でも、帰宅してスペアリブを野菜と一緒に煮込む。こんな疲れに負けるのは嫌だ。

硬いだろうスペアリブを柔らかくできたら今日の一日が、勝ちのような気がする。

 

夜、Dさんが「がんば!!」と書いて、

ましまろの『ガランとしてる』という歌をメッセージに貼り付けて送ってきてくれた。

 

寝転がって、心臓の上に携帯電話をのせて聴いた。ありがたい。

 

……

 

『ましまろ/ガランとしてる』

 

百合だって 薔薇だって その瞳は 透き通ってはさざめく波もよう

近づいて 遠のいて 逃げだしてく

色づく鬼灯より音も立てずに

いつもはやわらかい夕暮れ時が かたまり ひびわれて ぶつかる ぶつかる

何もない 何もない ようなふり

何もない 何もない ようなふりして

いつもはやわらかい夕暮れ時が かたまり ひびわれて ぶつかる ぶつかる

何もない 何もない ようなふり

何もない 何もない ようなふりして

夏光り ひたひたと こぼれ落ちる

カーテンあけっぱなしの不在証明

……

2026.04.21_Tue.

8:30に道場に着くと、もうTの布団は綺麗に片付けられていて、スウェーデンに発った後だった。

Aと合気道の稽古をする。

横面打ちから、呼吸法、一教、二教、三教、四方投げ、小手返し、入り身投げ。

 

はじめて教わったことは、横面打ちを打たれた瞬間に相手の腹に自分の背で入り、腰回転、

そこから呼吸投げに入る。相手の手首に当たる自分の手は握らない。斬ること。

当て身をするように自分を守りながら入れば、首投げにも自然に入れる。

投げたとき、しゃくらない。ただ素直に投げるだけ。

 

天地投げも面白かった。いつものように地の手を相手の背後に崩さなくて、

自分の後ろに引いても、相手の体勢を崩すことが出来たこと。

 

最後は座技呼吸法。下の手を丸く返し、隅落としをするように斬ること。

そのちょっとした動き。それもとても面白かった。

 

合気道の稽古がちょうど終わる頃に、スペイン人のMさんもやって来て、

今日は杖ではなく、木剣を持った。

八相からの打ち込み。逆八相からの打ち込み。巻き落とし。

 

そして剣術の稽古をした。

すごく久しぶりだったから、前にせっかく覚えた『相摺』から『摺り込み』までの剣術の型を

すっかり忘れていた。

 

忘れていながら、その型の中には合気道の動きも、杖道で練習している動きも入っていることを

とてもよく感じた。

 

心技体というけれど、心を丈夫にするのが一番難しく思う。

素直になると、気付かないうちに、つい脆くなる。

 

今日はそれを守らないといけなかった。目の前のことだけを丁寧に。

あまり他が入ってこないように。

 

なぜ脆くなるのか。

 

人の気持ちは、もう少し丁寧に扱われるものだと思っている、からだと思う。

 

"受け返し"の練習をして、頭がいっぱいになった時に、稽古が終わった。

今日はよく頑張った。

 

帰宅して、Yに弱音を吐くと、

「人を信じすぎるんだよ。」と言う。

 

束の間横になって、お腹に乗ってきた猫を撫でた。

Tさんに請求書をお送りして、Kさんの写真の仕上げに取り掛かる。

2026.04.20_Mon.

朝、起き抜けに布団の中で携帯電話を見たら、

トム・クルーズのリール動画が真っ先に流れてきた。

流れてくるままに読んで、(トム・クルーズ、ありがとう…)と思う。

……

 

「怖い」自分を心配しなくていいんです

And don’t be so worried if you’re afraid.

 

「なるほど、怖いと感じるね」

It’s like, “Okay, I feel it.”

 

「それでよいよ」

That’s fine.

 

そうやって進めていくんです

Just keep working through it.

 

本当にあなたが感じてる「恐れ」は、「未知」です。

Really, the fear you feel is the unknown.

 

あなたがまだ「知らないこと」です。

It’s what you don’t know.

 

それを認めるんです。

Just kind of recognize that.

 

知らなくてもいいんだと。

That it’s okay not to know,

 

そして、「知っている」状態の方向に進むんです。

and work toward a knowingness of things.

 

そしてそれをできる唯一の方法は、

And the only way to do it

 

頭の中で考えるのではなく、

is not to be in your head on it,

 

見て、外に出て、それをやり始めるんです。

but just to start looking, go out and start doing it

 

一歩ずつ。

one step at a time.

 

私が他の人や自分をトレーニングする時は、

When I’m training people or I’m training myself,

 

いつもこう考えてます。

I’m always thinking:

 

「まず歩く前に這って進む方法を学ぼう」

“I’m gonna learn how to crawl before I walk.”

 

「ゆっくり走る前に歩こう」

“Walk before I jog.”

 

「速く走る前にゆっくり走ろう」

“Jog before I run.”

 

「疾走する前に速く走ろう」

“Run before I sprint.”

 

そして飛行機や崖から走って飛び降りるんですよ

And then I sprint out of a plane or off a cliff.

 

……

まだ昼ごはんの時に、目の前にいる3人の話す英語が分からなかったことが、ふとした時に思い出されて、そのたびに内臓がギューっと締まる。

仕方のないこと。努力しても、すぐにどうにかできることでもない。

 

「なるほど。傷ついているね。」

「それでいいよ。」

 

だ。

 

今日はTと稽古できる最後の日。

9:00にAと道場で約束している。

 

スペイン人のMさんもやってきて、練習をはじめる。

 

上段から逆手打ちを20回ずつ。みんな一回ずつ打ち太刀をするまで。

引き落とし打ちも20回ずつ。最初の10回は後ろ足を残す。次の10回は足を揃える。

 

Mさんを打ち太刀に、"表"の型を『太刀落とし』から『細道』まで。

 

Aに言われたこと。

『鍔割』のとき。

構えたときの上の手のこと。肘をもっと後方へ。杖の影に隠す。

 

『着き杖』のとき。

帯の高さまで、自分の腰に拳が当たるまで杖を引くこと。

小手だけじゃなく水月まで届くように打つこと。

前足を浮かして踏みすぎない。沈むくらい。

 

『霞』のとき。

ひとつひとつを確認しながらやること。急ぐよりも、いまはその方が大事。

 

『笠の下』のとき。

相手が斬ってくるタイミングで相手を見ながら後ろに回る。

 

『細道』のとき。

体外しは相手が斬ってくるギリギリまで待つこと。

 

昼は今日も皆でサミットへ行った。

昼ごはんを食べてMさんは帰って行った。

 

わたしたち3人は今日もシエスタをした。

Tは大きなソファをわたしに譲ってくれて、自分は座布団を枕に畳に寝転がった。

 

午後からも3人で杖道の稽古。

 

特殊技の3本

『水月』『斜面』『打ち落とし』の仕太刀と打ち太刀。

制定型の『着き杖』から『霞』までの打ち太刀。

 

Aが打ち太刀で、Tが"中段"、私が"表"を交互に。

 

AとTが『五本の乱れ』をするのを見ていた。

ふたりにはこれが出来る。身体の中に入っている。人間というのは、どれ程のことを身体の中に貯められるのだろう。

ひとつずつ重ねていけば、いつか自分の身体にも入っていくのだろうか。

とても生きられる時間が短く思える。

 

その後で制定型の『着き杖』から『霞』までと、特殊技の『打ち落とし』の仕太刀をもう一度練習した。

 

稽古を終え、Aが館長とTとわたしの身体を診てくれた。腰と首が固くなってるのを楽にしてくれた。

 

夜はTとAと、Tのスウェーデンの友だち(アナ、オリオン、ヨリゲン)と、新宿ですき焼きを食べた。

Tのスウェーデンの友だちは全く日本語が話せない。

状況を想像した。またひとりで分からない言葉を前に黙り続ける状況を想像した。

だけど、自分が想像した状況にはならなかった。

毎日続けたduolingoとLooraと、すき焼きとお箸と、杖道と、ポラロイドで撮った写真と、自分のこれまでの毎日が、今日自分を助けてくれた。

怖がらずにほんの少しの英語で、今日はじめて会う人と、たくさんの話をした。

 

ひとつだけ、ここに書いて残したくないこともある。

新宿に向かう道すがら、AとTに

"bully(ブリー/いじわる)という英語を教わった。

お返しに、"きつねにつままれる"という日本語と、

"桃"と"腿"の発音の違いを教えてあげた。

皆で食事しながら、

"appeared (アピアード/魔法のように現れる)"

という英語と、

 

"Tack för maten(タクフォワモータン/ご馳走さま)"

"kul(キュール/Tはうれしい、と教えてくれたけど、たのしい、かも。)"

というスウェーデン語を教わった。

 

明日スウェーデンへ発つTと、「また来年の春にね。」とさようならした。

 

自分は結構強いと思った。

2026.04.19_Sun.

Aと道場に8:00の約束。

6:58に「着いたよ。」とメッセージが入る。

起きてるけどまだお布団の中だよ。

これから朝ごはんだと言うから、自分のペースで支度して、バナナだけ齧って、

8:00少し前に道場につく。

珈琲を淹れる。道場で珈琲をうまく淹れられない。

ここのところ2回続けて失敗して、薄い薄い珈琲を「また失敗した。」と言いながら飲んでいた。

家だとそんなことにならないのに。

 

「今日はうまく淹れる。」

丁寧に淹れてみたけど、この間よりはマシな、だけどやっぱりいつもと違う珈琲になる。

スランプか。

 

そんなことをしていたら、道場に泊まっているTも起きてきた。

起きたばかりで、まだ声が出ていない。

 

着替えてAと少しだけ合気道をした。

天地投げ。

「昨日I先生がこうしていたよ。」

入り身して、相手と同じ方を向く。腰回転。

ひとつひとつ確認するように、ゆっくり稽古をしていった。

 

Tと杖道の稽古。

Aが「相対動作の打ち太刀をやって。」と言い、太刀を持つ。

動きの練習。掛け声の練習。

「はじめー、と言いながら太刀を振らないで。」

と、Aが面白そうに笑っている。

「はじめ」と言い終わってから、太刀を振る。

 

皆が来て、各自ストレッチを念入りに。

臂力の養成、斬り下ろし、振りかぶり。

Tと二ヶ条と三ヶ条のルーティンをひとつずつ。

自由技。

 

休憩を挟み、杖道の稽古。

打ち込みを20回ずつ。上段に構えて右と左。

本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ち。

"表"の型の練習。

 

Aに言われたこと。

▪︎"右貫"の水月を突くときのこと。

相手が斬ってくるタイミングで突く。上に突き上げすぎない。すぐに相手の太刀を落とす。

▪︎"笠の下"で相手の水月に入るときのこと。

一瞬の中のことだけど、まずは突く。それから腕を伸ばす。それを一瞬の中でする。

 

Tに言われたこと。

▪︎"右貫"の逆手打ちで相手の腕を打つときのこと。

まっすぐ打つんじゃない。右袈裟で打って、相手の左のこめかみを狙う。

▪︎"細道"の最後の本手打は、相手の目の前まで。

 

稽古が終わり、皆はお弁当を食べるとなったけど、なんとなく、今日はもう帰ろうと思った。

 

なんか自分でも分からないけど、「感じて、呼吸して。」の気分だ。

2026.04.18_Sat.

4:30起床。

もう頑張れなくて、昨日着てそのまま寝た服のままで、靴下だけ履き替えて、家を出た。

本部道場で7:00からI師範の稽古を1時間。

身体がとても疲れているのに、いつもより自分の身体がよく動く。

そしてやっぱりこの先生に教わるのが好きだと思う。

 

▪︎準備体操 ▪︎後ろ受身10回

▪︎入身転換

「転換したあと、後ろに力をのせてはいけない。体重は前の方。相手の手に自分の力がのるように、

そこにガチーッとはまれば、そのまま後ろ足からトントンと数歩、前に歩いてみて。

はまっていれば相手がついてくるから。」

▪︎諸手取り呼吸法

▪︎諸手取り一教(表)

「諸手取り呼吸法と同じように手を上げる。そのままその手の形を変えない。

自分の身体の前からその両手をずらさない。そのまま腰だけ回転する。

そうしたら相手の肘が出てくる。前足を前に出す、後ろ足を添わせる。

その後は、後ろ足前足をトントンと前に出す。」

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎正面打ち四教(表、裏)

「一教と同じ。斬り落とす。自分の身体の正面で相手の腕を縦にする。

これは三教でも四教でも取りやすい。裏の時は前足を引く。」

「抑える時、肩の方に力を向ければ、ただ肩だけが抑えられて痛いだけなんだ。外へ力を向ける。

そうしたら効くんだ。あんまりやると痛いから嫌われるよ。」

▪︎両手取り天地投げ(表)

「逆半身。前足で入り身、腰回転で相手と同じ向きになりながら、天の手は内側から呼吸法の動き、

地の手は下へ、両の手が分かれる。そのままもう一度腰回転すると相手が崩れていく。

後ろ足が前に入る。」

▪︎座技呼吸法

 

稽古が終わり、礼をした後で、「お辞儀をするこの手も、呼吸法と同じ手なんだ。」

I師範はそう言って、畳に両手をついた。腕の曲線がすごく綺麗だった。

「上からぐーっと押されても崩れない。こういうことでも意識すれば稽古に繋がる。」

 

やっぱり好きだなぁ、この人。

 

着替えて道場の玄関を出るとき、I師範と同じになった。

靴箱に入りきらない靴を置くために新聞が敷かれていて、その新聞を読んでいた。

「先生、ありがとうございました。」と挨拶をして表へ出た。

「これからあとふたつ稽古なんだよ。」

「品川ですか?」「そう。品川と横浜のほう。」

そう言ってI師範は黒い上下の服を着て、自転車に跨った。

 

わたしは今日もいつものホステルのカフェに寄り、珈琲一杯分の時間、英語を聴いていた。

でも今日は、昨日の(目の前の人の英語が)分からない悲しみがまだ胸にあって、音が聴こえるくらいにしか、何も耳に入ってこなかった。

 

帰宅して、もう目が開けていられないけど、明日着る分の道着がないから、それだけ洗濯して、干して、ベッドに横になる。

 

夜、神戸のMからゆうパックが届く。

『くんじくんのぞう』でNさんが作った、くんじくんの模型だ!

Yにはカセットテープ。

 

箱の中を覗きこんで、K(11才)がにっこにこしている。

仕事部屋のPCを貸してあげた。

Kがキーボードを打ち、お礼のメールを書いている。

 

2026.04.17_Fri.

朝の8:30から夜の8:00までAとTと稽古をした日。

 

1月から日本に住みはじめたと、イタリアのマルコスさんも途中で来て、一緒に杖道の稽古をした。

 

打ち込みをして、型の練習。

 

昼は皆でサミットまで歩いてお弁当を買って、道場で食べた。

Aが話す英語の言葉が分からない。3人が話す英語の言葉が分からない。

「なんて話したの?」と聞けるのはよっぽどの時。

それを何度も繰り返すと、話の腰を折り続けることになる。

音にしか聞こえない英語を黙って聞いていた。

身体の中に、どうしても悲しみが広がる。

悲しみだろうか。それもよく分からない。

ただ、目の前の人の言葉を知れないことが。自分の身体の中から言葉を出せないことが苦しかった。

マルコスさんが帰り、AとTが「シエスタしよう。」と言って、ソファで3人で昼寝した。

ふたりが大きなソファで横になるから、小さなソファで丸まって眠った。

Tがジャケットを掛けてくれた。

 

館長が来て、「稽古してるんじゃないのか。」と言うから、ごそごそと起き出して、

温かい緑茶を淹れた。

皆の前で淹れると急かされるから、台所で丁寧に淹れてから、皆のところに持っていった。

Aが、「おいしい。本当においしい。」と言ってくれた。

 

Tと相対動作。

太刀を持ったとき、Aに「声も出して。言ってあげるから、それを繰り返して。」と言われ、

「本手に構え。」「本手打ち用意。」「はじめ。」

「やめ。」「元へ。」「位置交代。」

ひと通りが終わったとき、館長が「1時間かかったな。」と言った。

 

その後は、型の練習をずーっと。

 

夕方になり、館長のこどもクラスがはじまる。

今日は館長は見学されて、Aが教える。

Tとわたしも参加して、少しだけAのことを手伝う。

 

こどもクラスが終わる頃、イタリアから、免許皆伝のロレンツォさんと、マリア・ローザさんが道場にいらっしゃった。

 

こどもクラスの後で少しの時間、稽古すると聞いていた。

短い時間なら、Aがすべての時間を自分の稽古のために使えばいいと思った。

「見てるよ。見学する。」

そういうとAは「参加して。」と言い、Tと一緒に稽古に加わった。

 

後になってAに、「Aが全部の時間を使えばいいと思ってたんだ。」と話すと、

「少しでも体験しておいたらいいんだ。だから参加してよかったんだ。」と言ってくれた。

 

ロレンツォさんとマリア・ローザさんを打ち太刀に、AとTとわたしは杖を持って、みっちり1時間半、型の稽古をした。

ロレンツォさんがわたしに伝えようとしてくれたこと。

"繰りつけ"の時に杖を簡単に下させてくれなかった。

格好だけじゃなく、その力が効いていないことを、流さずに示してくれた。

出来ないでいると、ロレンツォさんは、前の手の握り方を直してくれた。

きゅっとほんの少し握り方が変わると、相手の顔がよく見えた。

そして繰りつける時の力の向き。自分の前ではなく、力を相手の身体の方へ向ける。

 

そして"右貫"のヘリコプターの動きの後。手をクロスしてくっつけろ。これはAにも言われてたこと。

 

マリア・ローザさんと"鍔割"をやったときも、杖をうまく下ろせなかった。

「(手だけじゃなく)身体ごと動かすんだ。」と言うことを英語で言ってくれた。

 

最後にひとりずつ、自分がやりたい型をひとつ皆の前に出て、練習した。

マリア・ローザさんを打ち太刀に、"右貫"をやることにした。

 

最近はAに九州のスタイルでそれを習っていた。ある箇所で九州のスタイルでは"小手"を打つ。

でも、そのスタイルでなければ、その箇所では"こめかみ"を打つ。

マリア・ローザさんに「こめかみだ。」とさっき注意されていた。

だからどっちをするか迷いながら、"こめかみ"を打った。

 

Aだったら、こういう時、どうしただろう。

その場では、自分のやり方を変え、相手に従っただろうか。

それとも、自分はいまこのスタイルで練習している、と話し合うことを選んだだろうか。

 

朝からの長い稽古を終え、館長が行きつけのお寿司屋さんに連れてくれた。

 

家に帰り、もう服も脱げず、歯も磨けず、顔も洗えなかった。

 

2026.04.16_Thu.

朝、吉祥寺。

もうすぐ引っ越すKさん宅へ、撮影に。

無くなる前にその場所を、Kさんを、撮りたいと思った。

ひと通りにカメラを向けた後、ふと椅子に座ると、さっきまでは間違えていた。こっちだと思う。

たぶん残すのは、こっちの目線。

Kさんは引っ越しの準備で忙しい中、撮影のあとにお昼ごはんを食べられるように準備してくれていた。

いろんなことを話しながら、一緒に食べた。

その時間の中で、Kさんが自分の師匠から昔アドバイスされたことを、話して聞かせてくれた。

大事に両手にすくって持っていたものを、手渡してもらったような気持ちになった。

 

Kさんと別れ、駅の方へ向かう。

沖縄から戻ってきたAと待ち合わせている。

Aはまったく気配なく背後にいて、ようやく気づいたわたしに向かって笑っている。

バスにのって、道場へ行った。

公園で少し話してから、道場へ戻り、珈琲をのんで稽古をはじめる。

 

「合気道をしよう。」

入身転換。

入身転換から入り身投げの入り口まで

片手取り一教・・(右半身として)表の時は、左足が前に一歩出て、左手で相手の肘の内側を崩して右足が下が流。左足はそれに従う。

裏の時は、右に右足が出る→左足が従う→右足で下がる→左足が従う(ちょっと曖昧。)

そのまま、片手取りで二教、三教(手首の輪が大事)。四方投げ。小手返し。

入り身投げ(姿勢が大事。前傾しない)。

座技呼吸法。天地投げ。

 

 

杖を持って八方斬り。東西南北を斬るほうじゃなくて、パスカルさんのほう。

刃筋がわかっていないから、途中から刃筋杖を使った。

腰の位置を体重移動で変える→(手首のくの字がなくならない場所まで)横斬りをして、刃を反す→横斬りをする→刃を反す→繰り返す。

横斬りをするとき、上の手は滑らせる。

「この動きの中に大切なことが隠れてる。」とAは言う。

Aが時間をかけて見つけたことかも知れないから、どこにあるの?とは質問しない。

 

「型をしよう。」

"太刀落とし"から"霞"まで。

 

『引っ提げ』・・初動で杖を前に出しすぎない(姿勢を前傾させないため)。

杖は目付けだけして、そのままの位置。姿勢をまっすぐにすることがここでは大事。→その後で杖を前に出す。手幅を調整するともっと前に杖が出る。

繰りつけるとき、前の手は本手。後ろの手は逆手。杖の下に隠れたとき、杖の右側から相手を見る(いつの間にか左側から見る癖がついてた。)

 

『右貫』・・逆手打ちのあと、右足を左に置く場所のこと。左前じゃない。左足の左横に右足を置く。そうすれば下がりながら相手の小手が打てる。

手がおでこを回ってヘリコプターの動き。最後は両の手がクロスしてくっつく。

手で打つのではなく、手は固定させて腰で打つ。

Aはサンドバッグを天井につけてくれ、その動きを練習した。

 

『霞』・・体当たりの時、杖の左から相手を見る。真ん中の位置へ動いて体当たりする。下の握り拳は、相手の水月から拳ひとつぶん距離をとる。

 

夕方になり、こどもクラスがはじまる。

一緒に参加する。

 

Aとワインをのもうと話していたのに、館長が見学に来ていて、帰ろうとしないから、それが出来ず。

 

2026.04.14_Tue.

Nさんは兵庫へ帰ったのに、まだ家の中にNさんの気配がする。

 

9:00からTと稽古。

今日も湯を沸かしてくれていた。

なんか嬉しい。

 

ストレッチをしてから、神前に礼をするために正座をする。

その時にいつもTは「Are you ready?」とわたしに聞く。

頷くと、神前に向き、姿勢を正して、いつものように二礼二拍手一礼。

それがとても気持ちがいい。

 

Tはお辞儀をするとき、左手を先に畳につける。そして、姿勢を戻す時は右手から膝に戻す。

 

相対動作から稽古をはじめる。

まずはTが太刀を持って。わたしが杖を持って。

ひとつひとつ最後までやり終わって、Tが「じゃあ型をするか?」というから、

「(相対動作の)太刀を練習する。」と言う。

相対動作の打ち太刀を覚えてしまいたい。

ところどころの足の運び方、太刀の目的がどこなのか、まだおぼつかないところがある。

 

そして、表の型をひとつずつ。

「何回ずつやりたい?」とTが言うから、「10回。でも3回ずつにする。"笠の下"から後ろはもっとやりたい。」

Tはそれをやらせてくれた。

"鍔割"のとき、上段で握った手の位置をキープすること。

右手は右目の上を通ること。

"右貫"のときの水月を突くタイミング。

"霞"の体当たりした後は、杖先が最後まで相手を向いていること。

"笠の下"で相手の背に入り辛いのは、大きく相手の周りを回ってるからだ。

相手に触れながらくらいの近い位置に入れば、相手の背へ入りやすい。

"寝屋の内"の時は前足の踵を後ろ足の膝の近くに置く。

そうすれば大きく下がれる。自在に動ける。

本手に持ち替えるのを忘れずに。

"一禮"の立ち上がるタイミングは相手が太刀を抜く瞬間。

小手を打つ。

その後の逆手打ちを早く。

杖の下に隠れる。

右手を相手の身体につくまで大きくとる。

一番練習したのは"細道"。

相手の頭を狙う。

その後の逆手打ちを早く。

待つ。

返し付きの後、本手に持ち替えるのを早く。

 

ひと通りを終え、「どうする?なにかしたいことはある?終わる?」と話し、

「やりたいかと聞かれたら夜までやりたくなってしまうから、終わりにしようか。」と言って、

今日の稽古を終わりにした。

 

こんな稽古ができて、とても嬉しい。

 

2026.04.13_Mon.

朝起きて携帯電話を見ると、いまから家に伺っても大丈夫?とMからメッセージが入っている。

急に予定が変わって、泊まっていた場所を早くに出なければならなくなった様子。

 

7:20、起きた瞬間にMが玄関に到着した。

寝癖のまま、夏みかんとヨーグルト。珈琲をいれて、納豆トーストをつくり、

MとNさんとYとK(11才)と朝ごはんを食べた。

バタバタとKを学校に送り出し、自分も顔を洗い、支度する。

新しいのに替えてもうまくつかないんだと、天井のハロゲンランプをNさんに言ってもう一度触ってもらい(ついた!)、ついでに鯉のぼりも出した。

今日は10時ぴったりに来月の撮影の新幹線チケットを取らなければならない。

昨日Tにもそのことを話し、稽古の時間をずらしてもらっていた。

無事にチケットがとれた瞬間、「Did you have coffee already or shall I prepare water? 」(もう珈琲はのんだ?お湯を準備しておこうか?)とTからメッセージが入る。

今日はなんだか、いろんなことが交差して、ものすごいタイミングではまっていく。

無事にチケットが取れたことを編集者に連絡して、急いで道着を持って道場へ走る。

Tが沸かしておいてくれたお湯で珈琲をいれた。

そして、なにを練習したい?と聞いてくれたから、昨日上手く出来なかった『引き落とし打ち』の打ち太刀を練習したいのと、Aが帰ってくる前に表の型を出来るようになりたいんだ、と答える。

Tはまず、『繰りつけ』の打ち太刀をやってみるように言った。太刀は相手の頭に届くように。繰りつけられたあと、左足をひいて下がってもいい。そして次に右足を下げるとき、真ん中に戻る。

その後で『引き落とし打ち』の打ち太刀。

中段に構えるときは太刀を相手の鼻(目だったっけ…)の高さ→八相→踏み込んで相手の前の手を目掛けて、右袈裟で太刀を振り下ろす→相手の杖で太刀を打たれたら→右足を引き、右足を出して右袈裟→次に打たれたら、左足を引き、太刀は左に流されるから、左袈裟で太刀を振り下ろす。(この記憶で合ってるかどうか。)

 

そしてTは太刀と杖を交代しようと言って、わたしに杖を渡して「突き外し打ちをやってみて。」

と言った。

線を外す時は真半身、爪先の向きのこと、ほんの少し角度を持って線を外す。

相手を向く時、後ろ足が左へひらく。

次は無足。前に大きく出なくていい。

その次の足で大きく出る。

 

それから『体外し打ち』のこと。

杖は上段から振り下ろすこと。その時、右手が下に握ってるときは右目の上を通る。

左手が下だと、左目の上を通る。

 

表の型を練習する。

『太刀落とし』

『鍔割』

『右貫』

『物見』

『着き杖』

『笠の下』

『一禮』

『寝屋の内』

『細道』

 

稽古を終え、Tが「今日の予定は?」と聞くから、「今日は友だちが家にいて、わたしとTが稽古してる間に掃除機をかけて、昼ごはんを作っておいてくれるって言ってるの。…Tも来る?」

 

Tと一緒に家に帰った。

Mが冷蔵庫にあるもので昼ごはんを作ってくれている。

ケイジャンライス、こまつな、春キャベツときゅうりとトマトのサラダ。

Nさんが掃除機をかけ、目玉焼きを焼いてくれたらしい。

 

皆で円卓に座り、それをいただく。

冷蔵庫にあるものが、こんなにおいしいごはんになって、ある。かっこいいなぁ。

Nさんの『旅芸人の記録』という絵本には、英語の訳もついているから、それをTに読んで聞かせた。

Tが途中でなにか疑問を持った顔をする。

「たぶん日本語は(見開きの)右のページから左に進むけど、この英語は左から先に書かれてるんじゃないか?」

Tに言われて、あぁ、そうか!と。

Tの表情の訳がわかる。

 

たくさん話した。自分のこと、Tのこと、Mのこと、Nさんのこと、Yのこと。

 

Tの名前が"神様の息子"という意味なこと。

苗字が"雷の神の山"という意味なこと。

 

なにかの話をしていたとき、Tに「諦めないで。」と言われた。英語を勉強することを。

 

MとNさんが帰路につき、Tも帰っていった。

わたしは幸せかも知れない。

2026.04.12_Sun.

Tの具合はどうだろうと、朝は約束をしなかった。

家族もNさんもまだ寝ていたから、ひとりで珈琲をいれ、りんごを剥く。

支度をして9:00になる少し前に道場へいく。

「How are you feeling? Are you getting better?」

Tは、声が変だよ、とかすれた声で言った。

珈琲を入れているうちにMさんもやってきたから一緒にのんだ。

道着に着替えて、念入りにストレッチをした。

 

Tと二ヶ条を稽古しはじめる。

そのうちに皆の稽古がはじまった。

準備体操をして、基本動作。

そのままTと組み、斬り落とし、振りかぶり。

二ヶ条と三ヶ条。

そして自由技。

 

杖道の稽古。

太刀で抜きの稽古をしてから、杖を持ち、今日は"制定型"をひとつずつ。

 

Tが打ち太刀で、何かの時に一瞬タイミングをずらした。

わたしがそれを意識しているかどうかを見るためだ。

先へ行きかけて、"あっ"とわたしが止まったら、Tは頷いて、その先へと進めた。

 

その瞬間のことが面白かった。

2026.04.11_Sat.

4:30起床。まだNさんが眠っている地下の部屋に、そろりそろりと降りて支度する。

珈琲をひとり分いれ、昨日Nさんがお土産にくれたパンと、夏みかんとヨーグルト。

 

本部道場、7:00からI師範の稽古…

と思ったら、また今日もI師範ではなく。

F先生の稽古を1時間。

▪︎準備体操

▪︎入身転換

▪︎片手持ち四方投げ(表、裏)

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎座技正面打ち一教(表、裏)

▪︎正面打ち入り身投げ

▪︎肩持ち二教

▪︎横面打ち四方投げ

▪︎横面打ち二教

▪︎座技呼吸法

 

稽古が終わり、最寄りの駅に着き、

そのままコンビニで、コピー機と対峙。

携帯電話に転送しておいた写真データをQRで読み、次々にカラーコピーしていく。

縦の写真が思うようにいかない。簡単なことなのに、コピー機をうまく使えない。

どうすりゃいいんだ。

 

家に戻ると、まだNさんが出かけていく前で、

珈琲がのみたいと言ったら入れてくれた。

お腹がすいて、朝に食べた夏みかんとヨーグルトとパンをもう一度たべた。

 

Nさんがギャラリーへ出かけていき、そのあとで今日は家にMとKさんがやってくる。

ワインとそら豆と、立派な蕪を買ってきてくれ、Kさんは額縁に入った山の絵をプレゼントしてくれた。

Mは家にあった春巻きの皮を4つに切るように言い、K(11才)やわたしに教えながらそら豆を包んだ。ふわっと空気を含むように巻く。

 

ひき肉にコリアンダーとクミン、塩と胡椒、ヨーグルト、少しのニンニク。シガラも作る。

シガラを巻く時は、空気を抜いてキュッと巻く。

 

わたしは豆のマリネを作り、Kさんはキャロットラペを作ってくれた。

昨日作ったラタトゥイユと。

 

あっという間に食卓においしそうなものが並び、それを皆で囲んだ。

 

たくさん話して、ここのところ取り組んでいた写真の束も見てもらって、言葉をもらった。

Mはこの写真とこの写真の方向へ向かわなくても、作れることがあるんじゃないか、ということを。

Kさんはそれを見たあと、わたしに糸かがりの本の作り方をしきりにまっすぐ伝えはじめてくれた。

 

K(11才)はふと気付くと眠ってしまっている。

連日、夜遅くまでNさんが帰ってくるのを楽しみに待ち続けていたから。

 

20:30頃、ふたりは帰って行った。

目を覚ましたK(11才)は「もう皆んないっちゃった?」と夜になっていることに驚いて目を丸くしている。

 

そして、22:00を過ぎて電話が鳴って「あと15分くらいで着きます。」と言ったNさんが24:00を過ぎても一向に帰ってこない。

「(道に)迷った?」と心配になって電話すると、「キツネにつままれたようです。」と言う。

川沿いを歩き続けていると言う。

 

どうにかこうにか帰ってきたNさんは、コンビニで買った板チョコアイスを、お土産だとくれた。

2026.04.10_Fri.

Nさんがコンパスを手に到着して、昨夜は早く寝かせるつもりがつい話し込み、

写真の束まで重ねる始末。

まぁ、いいか。許してもらおう。

だって家に来たのだもの。

Nさんが到着した頃には強く吹いていた風が、Nさんがお風呂に入る頃には静まった。

もう眠れと言ってるみたいに。

 

お風呂から出て、Nさんがおならをした。

あぁ、良かった。リラックスしてくれた。

Nさんにそう伝えたら、「これは喋ってるんです。」と言う。

 

一日の中で、英語と大阪弁と標準語が、自分の口の中で渦を巻いていて、ぐちゃぐちゃに混ざって、何がなんだかわからなくなる。

この感じは初めてかもしれない。

 

ベッドで眠りはじめたNさんを、階段の上からナリタがまっすぐ覗きこんでいる。

 

今朝は皆で朝ごはんを食べ、K(11才)を学校へ送り出した。送り出した後で、「Kに、Nさんが居るから学校を休ませてほしいって言われたんだ。」とYが言う。

 

朝からテラスのタイルの件で、業者とのやりとりに疲弊していたら、Nさんがちょっと気持ちが軽くなる言葉をかけてくれる。

外にいる業者の人と話してみる。

 

10:00、傘を貸してあげて、Nさんは「Title」へ向かい、わたしは昨日Nさんに言われたことをやってみようとパソコンに向かう。

 

Kが学校から戻り、小雨が降る中、3人でNさんの展示を観に行くことにした。

『花守/中野真典展』。

ひとつずつ絵を見て、それぞれにちいさなお守りを選ぶ。

Kは自分に似た男の子が削られたのを選び、わたしは2羽の鳥が花を咥え持つのを選んだ。

双方から花を咥える力加減を想像しながら眺めるのが面白かった。

そして、"旋律"という題名のついた作品を手元に飾ろうと思った。

白い花がまっすぐ背を伸ばしている。「削られたところが光るんです。」Nさんの言葉に従って、それを窓に向けると、キラキラとして、ずっと見ていられた。

 

晩ごはんも済んだとき、ふと来週の稽古時間が気になって、沖縄にいるAにメッセージを送るうち、

6月の京都のことが頭に広がり、電話をして胸の内を全部話す。

早く帰ってきたらいいのに。

 

家から遠い方の駅から歩いて帰ったきたNさんは、足がパンパンだと言って、履いていた紫色の靴下を脱いだ。

 

寝る前に夏みかんを剥く。

2026.04.09_Thu.

昨夜、寝る前にTからのメッセージ。

風邪をひいて、喉が痛くて鼻水が出るという。わたしにうつしてしまわないかも気にしている。

 

旅先で不安かもしれないと思い、急いで日本語を英語に直して返信した。

夜のうちに熱が出なかったら明日も稽古しよう、朝にまた体調を知らせる。そういう話になった。

でも朝、「今日は稽古できる体調じゃない。」と詫びるメッセージが入る。

 

「あとで加湿器持っていくよ。」

そう言って、スーパーとコンビニに走り、

冷凍うどん、葛湯、冷えピタ、ポカリ、バナナとヨーグルト、大根と蜂蜜、ウィダーイン。

 

家に帰って、大根を賽の目に切り、蜂蜜に漬けた。家の体温計も持った。

 

道場に着くと、Tはきちんと服に着替えてテレビでニュースを見ていた。

湯を沸かし、加湿器に水をいれ、体温計を渡した。熱もなく、思ったより大丈夫そうだ。

葛湯を作ってあげた。それは何だと言うから、日本人は風邪を引いたら飲むんだ。

Magical drinkだと言った。

カリンと葛。喉にいい果物と、葛。

"葛"を説明するのが難しかった。Tが翻訳ソフトに入れると、もちろん"trash !?"となった。

 

「But I felt relieved.

I was worried I might find you lying there in your pajamas.」

(でも安心した。パジャマで倒れてると思った。)

そう伝えると、Tは笑っていた。

 

大根のシロップは、すごく喉にいいけど、お節介が過ぎるな、と思って渡さずに帰ってきた。

 

そして、家中に掃除機をかける。

今夜からNさんが泊まりに来る。

個展の為に上京して、家に4泊する。

 

今夜は搬入で遅くなると言っていたし、ぐねぐねに疲れているだろうから、早めにお風呂に入れて休んでもらおう。

 

たっぷり時間はあるんだし。

2026.04.08_Wed.

Tから「properly」を教わって、

「I’ll remember it properly.」とメッセージしたけど、送ったあとで翻訳ソフトにかけてみたら、

「ちゃんと覚えておきます。」になった。

 

「ちゃんと覚える。」とTに言いたかったのにな。

「ちゃんと覚えておきます。」じゃなくて。

 

I’ll learn it properly.(ちゃんと覚える。)

I want to learn it properly.(ちゃんと覚えたい。)

……

・learn = 習って身につける、覚えるようになる。

・remember = 覚えている、思い出せる。

……

自分が言いたかったのは、身に"入れる"ほう。

 

夕方、仕事帰りの電車の中。

編集者Aさんから撮影依頼のメッセージ。

 

文字を読んだだけでワクワクする。

 

これまでと、これからが違う気持ちになる。

 

「ぜひお引き受けさせてください。」と返事を書いた。

2026.04.07_Tue.

父の誕生日。

昨日ワインを発送したのが、午前中には届くはず。

 

今日も9:00からTと杖道の稽古がある。

道場へ向かう前に、昨日のおさらい。

 

……

【昨日の復習:相対動作の打ち太刀】

▪︎本手打ち(送り足で下がる)

・右足が前、中段に構える。

・構えを解く(太刀を下段に下す)。

・打たれる瞬間に左足から一歩後退する。

・太刀下段のまま、この動作を繰り返す。

・「やめ」の合図で、中段に構えて杖に合わせる。

(この時、どちら側から太刀をあてるかは、昨日Tが教えてくれたこと。

相手の後ろ側の腰がある方から合わせる。)

 

▪︎逆手打ち(歩み足で下がる)

・右足を前、中段に構える。

・右足を一歩後退して、太刀を立てて杖を受け止める。

・左足を一歩後退して、杖を受け止める。

・繰り返す。

 

▪︎引き落とし打ち(歩み足で下がる)

・中段に構える。

この時の間合いが、近間より一歩後ろ(畳一畳と2/3くらい)。

・杖で打ち落とされるのと同時に、右足を退いて、太刀は右後方へ。

・左足を退きながら太刀を上から中段に構える。

・打たれたら、左足より退いて太刀は左へ。

・「やめ」の合図で、左足が退き、下から杖にあわせる。

 

▪︎返し突き(歩み足で下がる)

・右足が前、中段に構える。

・右足を退いて、左上段に構える。(左手の拳が左目の上。)

・杖で水月を突かれたら、左足を退きながら中段に構える。

・さらに右足を退いて、左上段に構える。

・繰り返す。

 

▪︎逆手突き(歩み足で下がる)

・右足前、中段に構える。

・右足を一歩退いて、左上段。

・水月を突かれたら、左足を大きく退きながら、相打ちの要領で切り結ぶ。

・繰り返す。

 

▪︎巻き落とし(歩み足で下がる)

・右足前、中段に構える。

・右足から進み、両手を伸ばし正面を打った状態となる。

・右後方に巻き落とされながら、右足を退く。

・左足を退きながら、太刀を後ろ上方より「仕」の正面を打つ。

・繰り返す。

 

▪︎繰りつけ

・右足前、下段から中段、左足前で八相の構え。

・正面を打つ。

・右足から退きながら、繰りつけられ、

・さらに左、右、と退き、八相に構える。

・「やめ」の合図で左足を退きながら、構えを解き(下段にする)、正対する。

 

▪︎繰り放し

・右足前、中段に構える。

・左足前、八相に構える。

・右足前、正面を打つ。

・右、左、右足と後退して、八相に構える。

・「やめ」の合図で下段。

 

▪︎体当たり

・右足前、中段の構え。

・左足前、八相の構え。

・右足前、正面を打つ。

・右足を左足に引きつけ、太刀の先を右横にして頭の上。

・左足から交互に小さく4歩退き、八相に構える。

・繰り返す。

 

▪︎突き外し打ち

・右足前、中段→左足前、八相に構える。

・左足を出すと同時に、太刀を左腰にとり、右足を踏み込んで水月を突く。

・杖で打たれたら、右足を少し引く。

・右、左、右足と後方に退く。

・「やめ」の合図で杖に合わせる。

 

▪︎胴払い打ち

・右足前、中段に構える。

・足そのまま、左八相に構える。

・右足を一歩踏み込んで右胴を打つ。

・右、左足と退きながら

・「やめ」の合図で左足を退いて杖に合わせる。

 

▪︎右体外し打ち

・右足前、中段に構える。

・八相に構える。

・右足を踏み出して正面を打つ。

・打たれた太刀は右側に流し、さらに左足を出して八相に構える。

・繰り返す。

 

▪︎左体外し打ち

・右足前、中段に構える。

・左足前、八相に構える。

・右足を踏み出して正面を打つ。

・打たれた太刀は左側に流れる。

……

 

道場へ。

着くと鍵は開いていたけれど、Tが居なかった。湯を沸かし、珈琲をいれた。

ランドリーに居るからちょっと待ってて、とメッセージが入る。

 

Tは昨日、上野公園へ行ってきたと話した。

「犬を持った男の人の銅像を見た?」と聞くと、「馬に乗ってたよ。」と言う。

 

「I want to practice 相対動作」

そうTに伝えて、素振りから稽古をはじめる。

そして、相対動作。

まずは杖を持つ。

そして太刀を持つ。

ひとつずつ、ひとつずつ。

Tがいくつもの箇所に言葉を添えてくれる。

 

ひと通りが済んだ後、Tがこちらを改めて向きながら、ひとつのことでも、学ぶ段階によってfeelingが変わってくる、と英語で言った。

moveとは言わなかった。

「しょ、ちゅう、く。」

く、ではなく、ご、かも知れない。

意味は、"初め"はひとつひとつを確かめるような基本の動き、"中"ではそれが滑らかになる。さらに次の段階になるともっと滑らかで早くなる、ということだった。

そして『体外し打ち』をして、その3つの違いを見せてくれた。

 

『逆手打ち』の身体の向きのこと、

『巻き落とし』の杖の軌道のこと。

 

『胴払い打ち』の打ち太刀の動きのこと。

下がるより先に太刀を上げて、自分の身を守るのが先。それから下がれ、と教えてくれた。

 

そのあとで"特殊技"の3本を、杖を持って、太刀を持って、練習した。

 

今日は11:00過ぎまで稽古した。

 

別れるとき、「ちゃんと覚える。」と言いたかった。

「ちゃんと、は英語でなんていうの?」と聞くと、Tは「thoroughlyかな…。」と言った。

 

帰り道、歩いていると、Tから「properly」とメッセージ。

自分も英単語をひとつ新しく覚えたよ、と優しい言葉を添えてくれている。

2026.04.06_Mon.

始業式。K(11才)が6年生になる。

数日前からそわそわして、「顔が乾燥するから洗顔フォームを買ってほしい。」と言われた。

自分でネットで調べて、768円、Doveの"低刺激、敏感肌用"の洗顔フォームを携帯電話の画面に

表示させ、それを見せられた。

Yには、洗顔フォームより保湿だと言われていた。

 

昨夜は泡立てネットでボディソープをもこもこにして身体を洗っていた。

普段身体なんていくら言っても洗わないのに。

 

昨日Yとふたりの時に、「垢抜けたいんだ。」と漏らしていたらしい。

そんな言葉を覚えたんだ。

垢抜けたくて、身体を洗っている。

 

夜、隣の部屋からKがきて、「眠れないからこっちで寝てもいい?」と言う。

よくよく話を聞いてみたら、クラス替えで仲のいい友だちと同じクラスになれなかったら、

いま友だちじゃない子と友だちにならないといけない。

たくさん友だちがほしいから垢抜けたい。

 

考えた道を知ると、Doveくらい買ってあげたくなる。

 

朝は階段を下りるといい匂いがした。

随分早くに起きたKが、なにかしているな、と思ったら、朝ごはんを作ってくれていた。

りんごを薄く切ってパンにのせ、きび砂糖とメイプルシロップをかけて焼いたんだと言う。

 

Kを学校へ送り出し、道場へ行った。

9:00からTと杖道の稽古。

着くとTは歯を磨いていた。昨日は夜中まで友だちと会っていたらしい。

そしてTは珈琲を飲まない。お菓子に入ってるのは大丈夫。

スウェーデンでも焙じ茶か煎茶を飲んでいると話した。

Tが着替えている間、ひとり分の珈琲をいれた。

Tの普段通っている道場のweb siteを見せてもらった。すごく綺麗で大きな道場。

200人くらいの生徒がいるという。

 

紺色の道着を着た。"今日は杖道の稽古をする"と背筋を伸ばす日、Aがそうしている。

「色が変わった!」と同じく紺色の道着を着たTが言った。

 

本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ちの素振りから稽古をはじめる。

引き落とし打ちの時は、昨日練習したことをゆっくり確認しながらやろうとTが言った。

 

そして、基本の単独動作を一通り。

続けて相対動作。まずは杖を持って一通り。

まだ覚えきれていない相対動作の打ち太刀をひとつずつ。Tは根気よく教えてくれた。

途中、"繰りつけ"と、"繰り放し"の動作を教えてくれている時だけ、言葉を全部理解できなかった。

Tは少し考えて、何度もゆっくり動いてみせてくれた。

 

Tが伝えようとしてくれている事をわかった時、ホッとした。

 

10時半頃に稽古を終える。

「メモをとる?」と聞いてくれたけど、「たぶん覚えてるから、後で帰ってからメモするよ。」

と言った。半分嘘で半分本当。

 

頭がいっぱいで、またイチから戻る集中力が保てなかった。

動き出せば、細かいことを覚えている。

でも全体を俯瞰したとき、すべてがまた曖昧になる。

曖昧を確認するのに、長い時間がかかる。

Tの日本に滞在している貴重な時間を、そのことに奪うのが嫌だった。

「また明日練習する。」そうTに答えて、畳を出た。

 

帰宅すると、Kがベッドに突っ伏して眠っていた。

「HとM(Kが仲良い友だち)と、同じクラスになれなかったんだって。」

寝ている姿を見ながらYが言う。

Kはそのまま6時間眠り続けた。

 

【忘れそうなことをメモ】

▪︎太刀と杖を合わせて構えるとき。

仕立ち(杖を持ってるほう)が半身を取っているのが左半身だったら、自分から見て左側から太刀を触れる。相手が右半身だったら、自分から見て右側から太刀を触れる。

(相手の後ろの腰がある方に太刀がくる。)

▪︎一番最後「やめ」のあと。足を揃えるとき。

太刀は下がって足を揃える。杖は前に出て揃える。

▪︎引き落とし打ちの打ち太刀。

近間から1歩多く間合いをとる。(たぶん1畳と2/3くらい。)

右足を前に出して中段に構える→左足を前に出して八相に構える→そこから右足を踏み込んで斬るから。

▪︎体外し打ちのとき。

おでこの前に自分の腕が来たあと、杖を握っている拳の位置を下げずに上段から斬る。そのとき、下にある方の手が右手だったら自分の拳は自分の右目の上。左手だったら左目の上。

▪︎繰りつけ

繰りつけるとき、意識はどこに向いていて、爪先はどこを向いているか。目付けるときに前足の爪先は相手に向き、後ろ足は若干左へ開いた位置に置く。まだ逆手のまま。

次のタイミングで本手に持ち替える。半身をとる。

▪︎繰り放し

繰り放した後で打ち太刀はどう動き、どのタイミングで杖は目付けをするのか。前に出るのかを考えること。

2026.04.05_Sun.

1年ぶりにTと稽古をする日。

パンも喉を通らない。

去年も来て、今年も来たから、来年も来るとは限らない。10年会えなくても、死ぬまで会えなくても不思議じゃない。

 

皆が来る前に少しだけでも稽古しようと、8:30に約束した。

道場に着くと、Tはもうばっちり道着に着替えていて、杖を持って素振りをしていた。

 

元気か?と聞くから、元気だと答えて、

「I remember…」と言って、Rummyをあげた。

去年、Tが好きだと言って探し回っていたロッテのチョコレート。

去年までは冬季限定で、4月に探すのは大変だった。

Tが今年も来ると分かったとき、それをぎりぎり冬のうちに買っておいた。

気にしているとそればかりが目に入った。

今年からは新しく春夏バージョンのRummyも売られることになって、それもひとつ買っておいた。

Tはとても喜んでくれた。

 

不思議と言葉にはまったく困らなかった。

昨日と何が違うのだろう。

人の違い、関係の違いかも知れない。

 

引き落とし打ちを片手でやることから、Tは稽古をはじめた。

杖が不安定になって、とても難しかった。

 

そして打ち込みをした。

本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ち。

引き落とし打ちのときに、前の手の位置がキープ出来ずに下がってしまうことを注意された。

水月の前、帯あたりの位置。脇をしめること。

 

緊張してるつもりはなかったのに、下の手を開きながら引き落としてなかった。

ぽっかり初歩的なことを間違えた。

 

そして、両手を後ろに組んで棒立ちになったところに、本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ちをして、相手のこめかみに寸止めする練習。

 

皆が来始めて、ストレッチをした。

追い突き、逆突き、三段突き。

そしていつものように合気道の稽古。

足捌き、基本動作、臂力の養成、振りかぶり、切り落とし。

二ヶ条と三ヶ条のルーティン。

館長に関節を折られて、Tが嬉しそうに受け身をとっていた。

小手返し。

休憩を挟んで、自由技。

 

杖道の稽古。

MさんとTが打ち太刀で、表の型を一通り。

何度か納杖の前、Tに「半身。」と言われた。

そして、型が後半に向かうにつれ、まだ上手くできないことが増えてくる。

最後の『細道』のとき、Tが日本語で「目的は?」と言った。その動作はいま、何の為なのか。

Tはわたしにそれを伝えて、だからこのタイミングでこう動くんだ、ということを教えてくれた。

 

杖を肩に担いで相手に歩んでいく。

左足を前に杖を振る。そのときは相手の頭を狙う。相手はそれを避ける。

自分はすぐに次の構えをして待つ。相手が斬ってくるのと同時に、自分の杖も相手の小手へ向かう。

次に相手が振りかぶったときに"返し突き"、間髪入れずに杖を引き、本手に持って、"本手打ち"。

納杖。

 

稽古を終え、館長とTとMさん、Kさんと花見をした。

雨の予報だったから門人皆が集まる花見は中止になったけど、結局降らなかったから。

ビールと紙コップと敷物を道場から持ち出して、館長がミニストップでおにぎりと唐揚げとポテトフライを買ってくれた。

 

Tの住む町には桜の木が1本だけあること。

スウェーデンを出る時はマイナス2℃だったけど、Aの居る沖縄に着いたら25℃だったこと。

マイナス2℃でも桜が咲くこと。

ビールは飲むけど、ウィスキーと焼酎が苦手なこと。

飼っていた猫は亡くなってしまったこと。名前はピクセルということ。

 

いい時間だった。

2026.04.04_Sat.

いつも通り7時からのI師範の稽古に出たかった。

でも昨夜はうまく眠れなくて、4:30のアラームで目は開いたのに、気がついたら5:30。

急げばどうにか、と階段を走ったけど、階段の下で(もういいか…夜のクラスにしようか…)

頑張れなかった。

 

朝ごはんを食べ、使う写真の番号が戻ってきているから、その仕上げ作業。

 

自分は撮影をすること。仕上げる作業をすること。それをアウトプットすること。日記を書くこと。

合気道と杖道をすること。移動すること。特にいまは、国の境なく話せること。

人と猫の体温。ドミトリーに泊まること。

それが日常の中にあれば、機嫌良く過ごせるような気がする。

わかるまでに長く時間がかかったけど、つい最近になってようやくわかってきた。

 

どれかが欠けると駄目なことも。

 

夜、本部道場へ行った。

O師範の稽古を1時間。

Tと同じスウェーデンから男女が稽古に来ていた。

あとで話しかけてみよう。

……

▪︎準備体操

▪︎片手持ち呼吸法

▪︎横面打ち四方投げ(表、裏)・・表は転換、裏は前に出て受ける。

▪︎正面打ち一教(表、裏)

▪︎片手取り入り身投げ・・(下段で手をはずすか、上段ではずすか)上段ではずす場合は、自分の肩のあたり。転換を急がず、相手の背へ深く入り身すること。

O師範が来て、片手を取りにいくときに身体が前傾しすぎだ、と注意された。

▪︎横面打ち二教(表、裏)・・相手に届く位置から横面を打つように。しっかりこめかみを打つようにとO師範に言われる。距離感や位置がずれている。

▪︎横面打ち三教(表、裏)

▪︎横面打ち五教(表、裏)・・五教のときは表も裏も前に出て受ける。O師範が来て、横面打ちを打つときは、頭で予測してしまって、つい外側から打ってしまう。正しい足の位置で横面を打たないと(外に足が出過ぎると)、踏み込んできた相手の足とぶつかって小指を脱臼する。今のそれは危険な位置だと教えてくれた。

五教の手をとるときは、一教のように取ってしまわずに、それと逆側から手を取る。抑える時は、相手の肘を上から掴み、上げる。手首を折って抑える。

▪︎座技呼吸法

……

稽古が足りていない。

3月は稽古以外のことを詰め込んだ。

4月はTと稽古がある。Aも帰ってくる。

5月はチリからとロシアからも人が来る。

杖道の稽古が多くなる。

今日の感じだったら、6月の京都には、合気道の稽古が全然足りない。

 

稽古が終わり、掃除した雑巾を洗いながら、着替えながら、スウェーデンの女の子と話してみた。

わたしの友だちもスウェーデンから2日前に来たところなんだと伝えて、彼はスウェーデンのこの町から来て、私たちは杖道の稽古をするんだと言った。

彼女はイェーテボリという町から来ていた。Tの町とは随分離れている。

今日が最後の稽古だとか、どのくらい稽古してるんだとか、最後は高い塔の上から景色を見たらhugeだった、みたいな話。なにが?なんでその話になった?

話が進むにつれて、どんどん話す速度が加速していく。

ここは日本で日本人に向かって話しているのに容赦がない。若いとは。痛みを知らないのだろうか。

昨日Tがどれほどゆっくり話してくれていたのかが身に沁みる。

 

帰り道にいつものホステルのカフェに寄った。

右からは英語が聞こえ、左からは日本語が聞こえた。そうなると日本語しか聞こえなくなる。

 

珈琲は一杯だけにして、帰路につく。

 

2026.04.03_Fri.

今日は新入生を迎える準備があるとかで登校して行ったけど、春休みの間、ずっと家にいるK(11才)が、昨夜も諦めずに「一緒に桃鉄やろう!」と言ってくるから、「どうしても好きじゃないから、短い時間だったらいいよ。」と数十分付き合う。

 

案の定、楽しめなくて、「これのどういうところが面白いの?」と聞くと、

「地理と投資だよ。」と言う。

 

「ゲームの代わりにこの間インフルエンザのときにYとKがふたりでハマったと言ってたアニメ、なんだったっけ。それ観てみるよ。」

 

そしてNetflixで1話から『ゴールデンカムイ』を見始めた。アイヌの話だ。

民映研の映像で観た『イヨマンテ 熊おくり』のことが話に出てきた。

出てくるごはんもいちいちおいしそう。

 

「こっちはハマった!」と言うと、Kがうれしい顔をする。

 

こういうときに、一緒に旅をしたくなる。画面の中ではなくて。その土地はあるのだから。

 

夕方、仕事帰りに西荻窪に寄る。

どんぐり舎で珈琲豆を買うついでに、一杯だけ席に座って珈琲をたのむ。

Kもまだ道場に行ってるし。

 

迎えがてら道場に寄って、Tに会えた。

自然と英語で話が出来た。ちょっと嬉しかった。

私たちの間には杖道があるから話せたのかも知れない。

2026.04.02_Thu.

昨夜はお風呂あがりにはじめたweb siteの更新に、夜中までかかった。

寝ようかな、とふと携帯電話で時刻を見ると、朝に送ったメールの返信が届いていた。

 

わたしの(送るときに書き添えた)問いかけには、一切答えのない、

 

「全クラスの参加を承りました。

参加費は12,000円。

初日、受付にて現金払い。

京都 武徳殿でお待ちしております。」

 

という内容のメッセージ。

 

ちっとも体温を感じない。

行ってみて、場がこういうのだったら嫌だなぁ…。

 

窓の外の雨音と、猫の鳴らす喉の音を聞きながら、もう寝ようと思った。

 

また猫のゴロゴロが聴こえると思ったら朝だった。9:12。今日はまだ眠れる。まだ眠い。

 

10:37、近所の道場の写真に「ただいまー」のメッセージ。スウェーデンのTからだ。

どれだけ早朝に沖縄を出たんだろう。不思議な時間に、待っていた人がやってきた。

2026.04.01_Wed.

「稽古"しましょう"。」じゃなく「稽古"しよう"。」と言いたいんだとか。そういうことが気になる。果てしない。

細部を気にする前に、まだ見えていない大枠でしょう?と思う。

 

どうしてその土地その土地でここまで使う言葉が離れたんだ、とか幼稚な疑問も頭に出てくる。

その割に「」(カギ括弧)はどうしてどこの国でも共通なんだとか。

訳がわからない。

 

中学英語の分厚い本を買った。

今日は開いて、閉じただけ。

 

昨日準備したメールを、えいっと送った。

「現在4級ですが、参加可能でしょうか。難しい場合、見学させてもらうことは可能でしょうか。」

と書き添えた。

ディズニーランドのアトラクションと同じで、なるようになって、通り過ぎるはず。

あの時のK(11才)の気持ちがよく分かる。

 

ジャケットなしではじめて外に出たら、帰りはしっかりと雨に降られて、とても寒かった。

持っていたスヌードを肩まで覆い、暖をとる。

2026.03.31_Tue.

朝ごはんを食べ終わり、「お風呂に入る。」と言うと、Yが「クナイプしな。」と言う。

風呂をいい匂いにして、リラックスしろと言っている。

今日はテラスのタイルの件で業者の人が来て、その場で判断して、言うことは言うということをしなければならない。

こんな真っ暗な曇天の日に。春の嵐まで吹いている。

 

厄介なことがはじまる前に、昨日の粗画像をTさんにお送りする。

 

明日、合気道のことで少し勇気のいることに申し込もうと、すぐに送信できるように準備をする。

そして、今度Aに会ったら受け身を教えてもらえないか相談してみようと思う。

 

6月に京都に行こうと思う。

白帯で参加する人は少ないと思う。

組んでもらえないと思う。

その場合は見学しようと思う。

だけどもし組んでもらえたときに、迷惑がかからないように、受け身が取れるようにしておきたい。

教えてもらえないだろうか。

 

そんなことをしながら、考えながら、仕事部屋の掃除をする。いらないものを捨てて、整理してすっきりしたい。

 

K(11才)が桃鉄を買って、「一緒にやろう。」と何度も言われるけど断る。

どんなゲームも楽しめたことがない。

2026.03.30_Mon.

あたらしい靴下を履く。

ロケで三重県の四日市へ行く。

名古屋で編集者Tさんと待ち合わせ。

 

家族の写真を撮りに行く。

現場にいくと、3世代が時間を合わせ待ってくれている。

家族の写真を撮る時は、その家族にとって残るものだと思って場所に入る。

何年経って、今日の写真を見返しても、それがいい写真であるようにしたい。

前よりも、自分が今の年齢になったからか、家族に向くときは、集合した写真でも、

その夫婦の写真でも、ひとりの写真でも、"残るもの"、"見返すもの"という意識が強くなる。

今日は撮ってこれたんじゃないかと思う。

 

行きも帰りも、新幹線の特大荷物置き場のやりとりがめんどくさい。

予約してない奴がスーツケースを置いている。

どこの国の人かは知らないけれど、どこの国でも迷惑な奴は迷惑なことをする。

Reservatin Required(要予約)と床に英語で書いてある。

もっと英語が話せたら、「見えてないはずないだろう?」と言いたい。

 

行きは通路を挟んで隣の夫婦がそのことで荷物を置けずに困っていたから、

置いたのはあいつだ、とたまたま男の子ふたりが置くのを見ていたから教えてあげた。

 

帰りは自分が同じ目にあった。

朝に自分がそうしたように、隣の席の男の人が、置いたのはあの女の人だと教えてくれた。

 

柔らかい表情を作るのが面倒で、真顔でその女の人に「This space is mine.」と言ったら、

女は何か言いたそうだったけど、すぐに連れの男性がスーツケースをどかしてくれた。

 

次に同じことがあった時は、

Excuse me, this is my space.

(すみません、ここは私のスペースです。)

 

Excuse me, I reserved this space.

(すみません、ここ予約しています。)

 

と言えるようになっていたい。

 

そして、「見えてないはずないだろう?」は、

「You can see it, can’t you?」

上手く言わないと強い言葉になるかも知れない。

 

K(11才)がわたしの真似をしてはじめたDuolingoが今日で100日目だったから、東京駅で甘いものを買う。

最寄りの駅で家族と待ち合わせて晩ごはんを食べて帰る。

 

歯を磨いて顔を洗って、寝る。

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上山知代子

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