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2023.03.29_wed.

桜が満開になったら雨の日が続いて、ようやく降り止んだとき、10年ぶりにスタイリストのYさんにお会いできた。

「お花見しませんか?」と年賀状のお返事をいただいて、正月から桜が咲くのを待ち構えていた。朝に待ち合わせて、川沿いをお散歩した。雨の隙間に陽が差したときだった。別れ際、桜とYさんの写真を撮った。

2023.04.02_sun.

この町に住みはじめてからよく使うようになったバス停の向かいに、合気道道場の大きな看板があった。気になって想像しながらバスを待つけど、想像がつかないからもっと気になった。

心に湧いてから1年ほどかかったけど、今日が初稽古の日。

やるか決めるまでの間は、それについて考えると「恥ずかしい」が湧いてきて、なぜここまで「恥ずかしい」というのが湧いてくるのかが解らなかったけれど、目的がないからだ、ということが終わり頃に解った。それでもまぁ、はじめてみることにする。

初稽古の道場にて。まっさらな状態でストンと自分の身体だけで立っているのに、83才の大先生に自分の名前ではなく「おかあさん」と呼びかけられて堪えたけど、不感にしてじーっと様子を見ていたら、外国人の方を呼ぶときだけ名前で呼び、他の男性には「おとうさん」同じく女性には「おかあさん」と呼びかけていた。とっさに名前を出せないだけか。

今日は「体の変更(たいのへんこう)」と「構え左右」を習う。

合気道だけ習うのだと思っていたら、お茶の時間を挟んで後半は杖道(じょうどう)の稽古だった。棒を振ったのは幼い頃に習っていたバトントワリング以来。

2時間半の稽古を終えて外に出ると、身体が軽くて気持ちが良くて仕方なかった。身体が起きたのか、1時間ほど歩いてから家に帰る。

2023.04.04_tue

今年は花の咲くのも早いかと思ったのと、週末は天気が崩れそうだから

毎年よりほんの数日早く、桃の花の摘むのを撮りに。

去年教わったいつもと違う場所からはじめて、やっぱりいつもの大菩薩に繋がる道と

鬢櫛川から上った辺りと。充分に咲いているように見えるのに、出会う農家の方々は口々に

摘む作業にはまだ早いと言って、花粉をつける作業をされている。

2023.04.08_sat.

有明アリーナへ。ボクシングの試合を観に。

那須川天心のプロデビュー戦。はじめて肉眼で見る体験をさせてもらう。

2023.04.09_sun.

朝起きて合気道の稽古へ。準備体操をして、独特の手首のストレッチをして、

正座したままへその前で両方の手をおにぎりを結ぶような形にして、空洞の中に鈴があると思って100回ほど振ることをする。大先生が「栗玉」と言ったように聞こえたから、鈴とか栗とかを頭に浮かべながら振っていたけれど、帰ってから調べたら、どうやら「振り魂」のよう。今日は「体の変更(たいのへんこう)」「臂力の養成(ひりきのようせい)」などの基本動作と、あとは木剣のこと。生命線を上にして握ること、目の位置で構えること、全部の名前は覚えられなかったけど、斬り方を4つ。

3時間稽古して、外で家族とランチして家に戻ったら目を開けていられなくなって布団に入る。

2023.04.12_wed.

猫が朝から甘えてくる。体重を預けてくるから、少しも動かないようにして、猫の気が変わらないように、少しでも長くこの時間があるように。

日中は先日撮ってきた写真をいくつか選んで仕上げはじめてみる。

夕方、道場へ。1時間だけ形の稽古。

2023.04.16_sun.

朝、合気道へ。

横面打ちの稽古をしていたら、左手の場所が何故ここでないといけないのかをオーストラリア人のAさんが向かいに立って教えてくれた。右手は刀、左手は身を守るための位置。

今日はAさんの友だちのフランス人の女性も来ていて、名前を聞いてKさんが「ナポレオンの奥さんも同じ名前だったんじゃないかな」と言った。女性は笑顔で頷いていた。どんな毎日を過ごしてきて、ナポレオンの奥さんの名前が咄嗟に出てくるのだろう。

人の中にはこちらが思いも寄らないものが入っている。

後半は杖道の稽古。上段に構えたときは柄頭の前ではなく、下に顔がくること。柄頭は顔の中心からずれないこと。

3時間の稽古を終えて、家に帰って昼ごはんを食べていると、お椀を持つ手が揺れていた。今日もまた布団に沈んで寝てしまった。

2023.04.17_mon.

月曜日は全身が筋肉痛。普段使えていないところの筋肉が動いたのならうれしい。

2023.04.19_wed.

外から帰ってきて、1時間だけ道場へ。

基本動作と、座受身、中腰受身、立受身を稽古。

自分から地面に倒れ込もうと思ったことは、これまで一度もなかったなぁ。

立つほどに地面との距離がある。

それぞれ10回ずつやったくらいで、自分の体重が全部腕にきて、

稽古が終わったとき、腕も手もふわふわして力が入らない。

帰ってお風呂に入りながら、これを続けたら自分の体重をどこかに逃がせて腕に負担がこなくなるのか、腕が丈夫になって自分の体重を感じなくなるのか、どっちなんだろうなぁ、と考えたけど解らない。

2023.04.23_sun.

昨晩はAとKちゃんとたくさん泡盛をのんで、帰り道に座って白い花の蜜を吸った。

今朝は8時半に起きられた。ザブンとお風呂に入ってから道場へ。今日は大先生がお休みだった。いつも大きな笑顔のKさんが、普段大先生が擬音で表すところを細やかな言葉で説明して下さった。全部を記憶出来ないことがもったいなかった。重心の移動のこと、送り足、歩み足、継ぎ足のこと、合気道は身体を武器ではなく道具と考えること。Kさんはそう言いながら黒板に缶切りの絵を描いた。

後半は杖道。杖を持つ手の動きを頑張ると、左右どちらの足を出すのかが分からなくなる。今日はポーグスのツアーTシャツを着て稽古していたけれど、道場にあった道着のカタログをついにめくりはじめる。これを買ってしまうと、もう後に引けない。

2023.04.26_wed.

カントリーロードで隠れたくなって、駅の本屋に平積みされていた西加奈子の「くもをさがす」を買って、スターバックスの空いた席で1時間読んでから電車にのった。

夜は1時間だけ合気道の稽古をした。

正座の仕方、立ち上がり方、基本動作、正面打ち1ヶ条抑え、今日は新しく受身の前方回転を教わる。回転するのは割と得意で難なく出来たけど、83才の大先生が目の前でやってくれたような力強い音がしない。ただ綺麗に回転しただけだなぁ。受身ではなく。先週は受身のあと筋肉痛になったけど、今日はならない。

2023.04.27_thu.

恵比寿。Yと「深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ」展へ。

見終わって近くのカフェに入ったら、丁寧な食事が出てきて、とてもいい時間になった。話すうちに、ChatGPTの話になって、カフェを出てもう一度美術館の本屋に戻ることにした。さっき一度手にとってやめた賢い言葉が載った本をもう一度手にとって、買って、家に帰ってChatGPTに入れてみた。「解り易い言葉にして下さい。」それでも難しかったから、「小学生にでも分かる言葉にしてください。」

2023.04.30_sun.

朝ごはんの後、道着のカタログに付箋をつけて合気道へ。準備体操のあと、少し受身をやっておこうということになって、皆がやりはじめたから、数日前に習ったばかりの前方回転もやりたいと言ってみてもらう。そこに居た人たちが寄り集まって教えてくれた。転がってから見上げた人たちの顔は柔らかくて、なんだろう、この感じ。

今日はずっと笑顔の大きなKさんが向かいに立ってくれた。二ヶ条の片手持ち、両手持ち、正面打ち、横面打ちを、やりながら教えてくれた。仕手(技をかける方)のときは、手の平を鏡のようにして、最後に相手の手首より少し上の、親指のあたりを握り、絞めて、言われた方向に力を入れると相手が動けなくなる。受け手のときは、手しか握られてないのに膝が落ちてしまう。何度も驚く。

間の休憩時間に、もう来なくなった人の道着と袴がロッカーにあると言って持ってきて下さった。着方を教わりながら着てみたら、サイズがぴったりだったから貰うことになった。白ではなく、憧れの藍染のやつ。後半はその道着と袴をつけたまま、大先生が準備体操でも何でもいいから動いてみろとおっしゃる。思ったよりも、モソモソしない。

今日はそのまま杖道はやらずに合気道のこと。道着を着て襟が出来たので、二ヶ条の胸持を教わりながらやってみる。

稽古が終わると、Kさんの息子のAさんが当たり前のように私のところへ来て、袴の畳み方を教えて下さった。「道」をやっている人は皆がそうなのだろうか。何も当たり前のことではないのに。

2023.05.01_mon.

昨日は道場からの帰り道、右足の付け根が痛かった。家に帰って気がついたら、右肩の全部が青アザになっていた。帰り際にもう一度やった前方回転のせい。今日も全身が痛くて、薬箱にあったバンテリンを塗った。

日中は写真のことをして、今週は祝日で道場が休みになるから、夜に1時間だけ基本動作の稽古。終わると朝の筋肉痛が消えている。

2023.05.04_thu.

GW。息子(8才)に携帯電話を持たせた初日。家族の休みが合ったので、御嶽の川沿いを歩こうとなって、朝におにぎりを握って電車にのった。電車はたっぷりと遅れたし混んでいたから、御嶽の手前の軍畑で降りて、思っていたルートの逆から歩くことにする。いい天気で半袖でも暑かったけど、風が涼しい。目の前には綺麗な川がある。歩きはじめるとすぐにお腹がすいて、沢井の手前でおにぎりを食べた。靴下を脱いで川で石を拾った。そこからまた川を左に見ながら歩いて、歩き疲れたらチョコレートのケーキを食べて、また川で砂を掘って道をつくって遊んで、御嶽まで歩く。

2023.05.07_sun.

雨降り。傘をさして、携帯電話で袴の着方を検索して、YouTubeで見ながら道場まで歩いた。

着くとKさんが、家でまだ使ってないのがあったから、と袴の下につける(上着の下の方をとめる)平たい帯をくださった。

各々柔軟体操のあと、皆でラジオ体操をして、手首や足首や膝や、身体のあらゆるところを丁寧にストレッチして、今日は正座したまま、目の前に鏡があると思って、両方の手で丸く拭くような動作をする。そのあとで振り魂。

鏡を拭く動作は、その動作そのままに、心の曇りをとるような意味合いのよう。

鏡とか鈴とか。準備体操の中でよく耳にする。自在に思い浮かべて次へのとっかかりにして、自分で自分をどうにかする準備体操をラジオ体操の続きに全員がやっている。

今日は基本動作と、正面打ち一ヶ条抑え、急にはじめてやることになった四方投げ。何が何やら。上手くて堂々とした人が相手してくれた時だけ、分かるかも知れない気持ちが沸く。

後半は木剣と杖。四方切りと八方切り。覚えきれない色々のこと。相手の頭の上で寸止めの練習。木剣は身体より先に出ること。常に身体は杖の影に隠れるように。最後は制定形の「着き杖(つきづえ)」というのを教わる。短い物語のよう。何度も何度もMさんが相手してくださった。

終わってから帰ろうとした時にテーブルの前で「一緒にどうですか」と大先生。そのタイミングで杖道を教えてくれているオーストラリア人のAさんが『守破離』という言葉をどう解釈しているか(身体に入れているか)と大先生に問うて、男の人が作った炊き込みごはん(ワカメと桜海老が入っている)を『守破離』の話を聞きながらいただいた。分厚く切った沢庵と。

2023.05.10_wed.

朝はいつもよりほんの少し早く起きて、Kの小学校に持っていく検尿のことをして、朝ごはんを皆で食べて送り出した。昼に編集のCちゃんと来週の撮影の打ち合わせをした前後は夕方まで写真のことをして、Kが帰ってきて宿題をしているときに、朝に持たせた検尿をランドセルの中で見つけられずに提出していないと言うので、小学校に電話をして、明日再提出するための新しい検尿キットを職員室まで貰いに行った。あっという間に夜になって、1時間だけ合気道の稽古。縄跳びをした後、正座をしながら大先生に呼吸を習う。吸うより吐くを長く。7秒吐いて5秒吸う、を繰り返す。基本動作を一通り。追い突き逆突きで、振り返るときの下段払いがよく分からない。正面打ち一ヶ条抑えの1人型を今日は帯に色のついた中学生(高校生?)に習うが、思春期とぶつかっている為、大人に教わるより怠そうでそっけなくて怖い。帰宅後、フテ寝してしまいたいのを堪えて晩ごはんを作る。

2023.05.12_fri.

ようやく金曜日。今週は雨が降ったり、寒い日があったりして、週の後半は家族の体調が崩れた。YとKはよく似ていて、疲れがたまると唇の周りが荒れてくる。食欲もないみたいだから、今夜は生姜を入れて鶏粥を炊いている。

猫がふたりの側から離れない。

2023.05.14_sun.

朝ごはんの支度をしていると、めずらしくKがさっと隣にきてトーストを運んでくれる。今日が母の日だから、手伝ってくれている様子。

道場へ。はじめてひとりで袴を履いてみたけど、いつもより裾が長くてゴソゴソする。

ラジオ体操、手首のストレッチ、膝と足首のストレッチの後、7秒で吐いて5秒で吸うを繰り返す。合気道の基本動作と受身をした後は、対面して、正面打ち一ヶ条抑え、片手持ち四方投げ、正面打ち一ヶ条(ニ)。気持ちが良くて、面白い。上手く足を運べてその場所に入れたら、ところどころにひとりで繰り返した基本動作のことが入っていて、それをその通りにしてみると相手の体重が動いていく。膝を着く場所は、ピンポイントに教わった場所(相手の脇の下と手首の内側)でないと、他の場所では効かない。今日は受けるのも難しかった。後ろに倒れられない時は、1歩足を後ろに引いて、その足の近くにお尻を持っていけば倒れられる。休憩を挟まず、木剣と杖のこと。正眼(せいがん)の構えと八相(はっそう)の構え。先週教わった『着き杖』と、新しく『水月』を習う。合気道でもよく耳にする水月(すいげつ)という言葉は、へその上あたり、みぞおちのこと。

帰宅するとKが米をといで、炊いてくれていた。うれしそうな笑顔があって、おいしく炊けたから食べてみて!と言う。Yが作ってくれたスープといただいた。おやつの時間には、一緒にパンケーキを焼いた。張り切ってほとんどKがやってくれた。

2023.05.19_fri.

産まれて3ヶ月半の仔猫だったナリタ(兄猫)とヒガシ(妹猫)と一緒に住むようになってから1年が経った日。今日は撮影で神戸に向かう。玄関でナリタとヒガシを隅々まで撫でて家を出た。

東京駅6時51分発の新幹線。途中から雨が降り出す。神戸も雨が降っている。

16時半頃撮影が終わって、そのままMのところへ泊めてもらう。

思いがけなくNさんの姿が現れて、3人で廊下に座ってビールをのんだ。

ウィスキーと酎ハイとバジルのちぎったのが入ったお酒と柴漬けがのった冷奴。

身体や呼吸の話をしながら、ここでは小さな味まで感じるなぁと思う。家に居るときよりも。

それも呼吸なのかも知れない。

窓辺のテーブルに移ると、Nさんがズッキーニとおいしそうなお肉を焼いてくれた。

「Can I have the last one?」(最後の1個食べてもいい?)という言葉を教わった。

わたしは英語が話せない。でも「Can I have the last one?」の言葉から英語の穴の中に入っていくことばかりが頭に浮かぶ。

3人で身体を伸ばした後、きれいなお布団で寝かせてもらう。

2023.05.20_sat.

8時過ぎに目が覚めた。晴れている。

ラジオから好きな笛の音がしている。アイルランドでもない。どこの国の民謡だろう。

降りていって白いラグの上で身体を伸ばしていると、葡萄を渡してくれた。一粒一粒剥いてくれている。昨日の雨で翌日にまわしたカットを撮りに行って、Nさんが作ってくれた炒飯をお昼にいただいた。それを食べたらふたりともう少し一緒に居たくなってしまったけど、タクシーで新神戸駅へ。

見送りに来てくれたMとNさんに教わって駅の売店にあったナダシンの柏餅を家族へのお土産にした。帰宅すると「柏餅だったら何個でも食べられるの~。」と言って、Kが5個のうち3個を食べた。食べながら嬉しくなった様子。踊っている。

2023.05.21_sun.

道場へ。午前中は中学生以下の人の審査会だった。年に2度あるらしい。

大先生にどのくらい上達したのかを見てもらう会のよう。とはいえ、日頃教えているのも大先生で、なにか正月のような区切りを作っているようにも感じる。

わたしは座ってその様子を見学していた。見ていると、これから覚えることがよくわかる。

審査会が昼頃終わって、大人だけになってから、1時間ほど稽古した。今日は時間もないので杖道だけ。Aさんがオーストラリアで一緒に稽古されていた、お友だちのEさん(ブルース・ウィリスのよう)が日本へ出張で来られてて、『着き杖』と『水月』を相手してもらった。

はじまりの、ただふたりで向かい合っているとき、相手の目を見つめていたら身体がうまく動かなくて、Aさんに「はじまりの時、相手のどこを見ていますか?」と聞いてみた。

Aさんは「目を見ると怖いでしょ。初心者のうちは、喉元を見てればいいよ。」

と教えてくれた。

2023.05.24_wed.

夜に1時間だけ道場で稽古。

今日は大先生がいつもより私に教えてくれようとしている気配がする。

木剣を振ることから稽古が始まる。腕が伸びきってしまうから、振ったあとの柄頭と自分との距離が遠くなってしまっていること。もっと柄頭を引き寄せること。

合気道の基本動作のあと、対面して、ひたすらに何度も何度も正面打ち一ヶ条抑え。

仕手と受け手を交代しながら何度も何度も何度も。

2023.05.25_thu.

羽田空港で編集者Tさんと待ち合わせて、7:40発の飛行機で鹿児島へ。

鹿児島空港からレンタカーで鹿屋市に向かう。『とんかつ竹亭』でお昼ごはんを食べてから取材相手のTさん宅へ。今日ここへ来られてよかった。それはすぐに感じたけれど、夕方に1日目の撮影を終えたとき、その気持ちが更に大きくなっている。

2023.05.26_fri.

昨晩は『黒ぢょか』でおいしいおでんをいただいた後、『KOTOBUKI HOTEL』泊。

2日目の撮影。今日はしっかりTさんのポートレイトを撮ろう。

撮影を終えて、海沿いの道をドライブして空港まで。桜島が美しかった。Tさんとも、編集Tさんとも、このロケでたくさん話せたことが良かったこと。

2023.05.28_sun.

道場へ。今日もまた袴がゴソゴソする。ひもだらけ。

ストレッチをしていたら稽古がはじまる。今日は杖道から。『本手打』『逆手打』『引落し打』『巻き落し』。普段稽古に来なかったひとりの上段者が今日は来たから、いつもよりスピードが早い。ついていけたのは逆手打まで。『着き杖』を相手してもらった後は、日本に出張で来ているオーストラリア人のEさんが、『逆手突き』『繰付け』『繰放し』を教えてくださる。

足を寄せた時の形が面白くて、杖も今までにない角度から。相手の袴のウエスト辺りを目がけて突く。

お茶を飲んだら合気道の稽古。

『正面打ち一ヶ条抑え(表・裏)』『片手持ち四方投げ(表・裏)』をKさんに教わる。

Aさんが相手だったから、1人型(素振りのようなこと)の時にはわからない、手首のどこをどう掴めばいいのか、抑えたときに相手の肩の位置を低くした方が効くことなど、教えてもらう。

来週は稽古に行けないから、今だ!と思って袴をクリーニング店に持っていくと、「袴専門のクリーニング店に出して下さい。」と申し訳なさそうに断られた。

藍が落ちやすいからもあるみたい。検索したけど、家から近いところでは見つけられず。

2023.05.31_wed.

明日からの撮影の準備をして、夜は1時間だけ合気道の稽古。正座の仕方、立ち上がり方、まっすぐに足踏みが出来るか。足踏みしてまっすぐに進めるか。まっすぐに下がれるか。

大先生は正座を見ただけで、どのくらい稽古を重ねているかが分かると言った。そうなんだろうなぁ、と思った。

正面打ちと横面打ち。後ろの足は45度。

体の変更の(一)と(ニ)、体の変更の(一のニ)。一のニは、右半身に構えたとき、左手と左足が大きく前に出る。前に出す手は、まっすぐに突き差す。

騎馬立ちは足を肩幅より少し広く開いて爪先はまっすぐか、少し内側に。膝を落として内腿に力を入れる。3段突きは上段は頭の上、中段は肩の高さ、下段は水月。

終末動作の(一)と(ニ)をした後は、膝行(しっこう)で畳を往復して、今日の稽古を終える。

2023.06.02_fri.

4日続きの撮影で、今日はYも仕事を自宅での作業にすることが出来ず、昼から夜中まで出社する日。

はじめてK(8才・小3)に家の鍵を持たせて、ひとりで家で留守番させる。18時までは学童でみてもらって、遅くても18時半には家に着いているから、そのくらいの時間になったらKに電話をしてほしい、と大阪に居る実家の両親に頼む。Kの夜ごはんは午前中にYが用意してくれる予定。

朝、家を出るのが、Kが小学校へ出る時刻と同じだったから、通学路の途中まで一緒に歩いて、「じゃあ、よろしくね。」と言って握手をして分かれた。

夕方頃、台風の影響で大雨になった。

心配していたら、「帰ってきたよー」とLINEが入って、ずぶ濡れの写真が添えられてあった。

19時半に撮影が終わり、帰宅途中にビデオ通話をかけて「ひとりで怖かった?」と聞くと「むしろ楽しかった!」とKが言う。あー、大きくなったんだなぁ。

20時半過ぎに家に着くと、Kはベッドにくつろいで、iPadでマインクラフトの動画を見てケラケラ笑っていた。自由を満喫した顔をしている。

机の上にYが書き残したメモがあった。

①手洗い・うがい

②じいちゃんとばぁちゃんにLINEする

③漢字ノート

④お弁当をたべる

⑤ねこにカリカリあげる

⑥お風呂にはいる

そのすべてに「やった!」のチェックマークが入っていた。

実家にビデオ通話して、「ありがとう。帰ってきたよ。」と伝えた。母は、チームでいい仕事をした後のような顔をしていた。

Yと「今日はみんな大冒険。」「だなー。」という会話をした。

2023.06.06_tue.

先輩の写真家Mさんに会いに行った日。

マスクをする生活になってからは会えていなかったから何年ぶりになるだろう。

少し前にショートメールでやりとりをした別れ際に、「今度写真みてください」と書いてくださった。「みせてください」ではなく「みてください」。その言葉に驚いてしまった。自分はそんな言葉をかけられるだろうか。すぐに空いている日を尋ねて、昼ごはんを食べる約束をしてもらった。自分の写真も鞄に入れて会いに行った。5時間喋り続けた。

写真家に写真をみてもらう経験ははじめてだった。一枚一枚みて、思ったことを言ってくれる言葉が、どれも核の方にあって、写真を撮ってきた人の言葉だった。

すごい姿をみせてもらった。

2023.06.11_sun.

雨降り。稽古をしに道場へ。

いままでの中では一番いい具合に袴が履けた。

前の帯を腰骨に巻いていたのを、ウエストで巻いてみたら上手くいった。

準備体操の後、足踏みしてまっすぐ進めるか、下がれるか。回れ右の時の足の運び方。

手を持ってもらって、臂力の養成(ひりきのようせい)の(一)と(ニ)。

その後にしたことは全て名前が分からない。何種類もの、全部手首あたりのこと。

ちょっとした手の平の開き方で相手の手首を握り込めて、ちょっと腰を入れたり、ちょっとした場所や持ち方。本当にちょっとした事で相手の体勢が崩れる。

教わりながらやっているとなんとか出来るのだけど、そのちょっとした事が大切なのに、いくつもいくつもちょっとした事があって、とても覚えていられない。

覚えていられないからひとりで復習ができない。

こんなに複雑ないくつもの事をどうやったら覚えられるのだろう。

ちょっとしたことばかりが集まって、ひとつの事になっている。

ずっと合気道のことをしていたかったけど、後半は杖のこと。

『本手打』『逆手打』『引落し打』『巻き落し』。上段に構えて袈裟切り。上段に構えた時は、柄頭は目より上にあるように。野球のバットを持ったときのような角度にならないこと。杖の刃の向きを意識すること。振り下ろす時、肘を後ろに引いてしまわないこと。ここでも手首の角度が難しくて仕方ない。

最後は『着き杖』と『水月』。これだけは物語りを読むように思うから面白い。

『水月』のときは、二足一刀(にそくいっとう)の間合い。二足一刀とは、二歩で刀を振りおろせるということ。納杖のときは、杖先は相手の目に向けたまま引いていく。杖が動くのは、木剣の動きを待った後。

2023.06.15_thu.

朝一で根津の弥生美術館へ。

桜のころにスタイリストYさんに教わった『森本美由紀展』を観るため。

建物に入ると歳月の匂いがして、しばらく嗅いでいた。いい展示の予感がした。

白地に墨で描かれた絵をひとつずつ観てまわった。

線と面だけで生地を透けさせ、風を吹かせ、布の硬さまでわかる。

ここまで削ぐために、どのくらい手を動かし続けたのだろう。

そんなことを思いながら2階へ上がると、海外の仕事に挑戦した時の担当者とのFAXが

展示されていて、端から端まで読んだら、そのやりとりの状況も、人となりも、熱量も、

全部のことが一気に伝わって、いっぱいになった。10年前にご病気で亡くなられていることもこの展示で知った。きっとこの熱量のまま生ききられた方なのだろう。

隣の喫茶店で一息ついてから外に出た。歩いているとクチナシの匂いがして、

今日誘えばよかった友だちの顔が浮かんだ。

古書ほうろうに寄ってから帰宅する。

2023.06.16_fri.

外から帰宅して、夜に1時間ほど合気道の稽古。

はじめは木剣を持って、正面打ちと袈裟切りから。木剣を持ったときは、肩幅に立って角度をつけずまっすぐに足を引く。袈裟切りの時、袈裟に沿って振り抜いた木剣は膝の高さまで。

正座の仕方、立ち上がり方、足踏み、右向け右、左向け左、回れ右の時の足の動かし方。

後は基本動作(体の変更・臂力の養成・終末動作)と受け身。

最後は正面打ち膝行で畳を2往復。ハイハイで2往復。膝を着かないハイハイで2往復。

一旦稽古を終わらせた後で、大先生が正面打ち一ヶ条と、新しく片手持ち入り身投げの1人型を指導してくださった。

新しいことを教わるのは芽が伸びるようにうれしい。

2023.06.18_sun.

朝から道場で2時間半ほど稽古。

準備体操、手首、膝、臂のストレッチ、正座をしたまま膝を開き、上半身だけ臂力の養成(呼吸のこと)、正面打ち一ヶ条の臂を押し上げる動き等。立ち上がって基本動作を一通り。

その後のことは今日も難しくて分からない。

象の鼻のように手を引かれたら、もう受け身をとるしかなくなる。

後半は杖道の稽古で基本のことを丁寧に教えてもらったけれど、心は合気道に向いていて、

時間の全部を合気道の稽古にしたい気持ちが出てきて、我慢する時間が長く感じる。

2023.06.19_mon.

世田谷で撮影。車でナビの指す方へ向かっていたら、思い出のある道を通った。

Mちゃんが住んでいた家の前に出た。6月。3年振りに通る道。

今日の撮影をしっかりやってきます。

現場。編集長Kさんと尾道ロケ以来の再会。久しぶりの感じが全くしない。

スタイリストのSさんとも、編集のOさんとも、今日がはじめましてなのに、

それもまたそんな感じが全くしない。こういうのがうれしい。皆が同じ方を向いているから。

夕方に撮影が終わって、また同じ道を通るようにして帰ってきた。

Mちゃんがたまに撮影のおやつに買ってきてくれていたベーグル屋の前も通ったけど、

今日はもう閉まっていた。今日の終わりに食べたかった。

2023.06.24_sat.

今週は写真の仕上げ作業をしていた。

そんな中で、6月の後半は自分の誕生日とYの誕生日が1週間違いであるので、

友人が朝採れのとうもろこしと枝豆を送ってくれたり、ケーキをくれたり、ワインをくれた

仕事仲間がいたりして、それらの贈り物を、家に籠りながら有難くいただき続けていた。

とうもろこしは蒸したり、揚げたり、ヌクマムとバターソテーにしていただいた。(とうもろこしごはんにする分はまだとってある。)

贅沢な一週間を過ごさせてもらった。

道場には行けなかったから、今日は近所の図書館に本を返却に行ったついでに、合気道と杖道の本を借りて帰ってきた。この数ヶ月で教わったことが文字になっている。まだ知らない歴史まで載っている。

2023.06.25_sun.

今日は午前中、道場の周年行事に行く予定だったけど、Kが週の途中から胃腸風邪なこともあって、もう治りそうだけど、行かずに家で過ごすことにした。

夕方、スタイリストのYさんが、山形のさくらんぼが届いたからと、わざわざ車で届けにきてくださった。喋りつづけていたかったけど、忙しい中、来てくださったようで(気を遣ってくださったのかも)立ち話だけで、爽やかに帰っていかれた。

玄関で、「さくらんぼをいただいたよー」と声をかけると、わらわらと家族が部屋から出てきて、「もう食べてもいいの?」とKがいう。

洗ってお皿に移すまで待てをして、早速皆でいただいた。

綺麗なさくらんぼ。甘くてやさしい。

2023.06.30_fri.

蒸し暑い。サンダルを履いて外で一日過ごした初日。

案の定、靴擦れ。

夜に道場で1時間半稽古。83才の大先生は、いまこの場所に居ることと、

ここに居る時間のことを意識して稽古しようとおっしゃった。

木剣を持って、正面打ち100回(ヘソまで振り下ろす。)、切り返し20回、袈裟斬り20回、回し打ち20回、騎馬立ちして畳の線に沿って木剣を振り下ろすのを20回。

木剣を置いて、正面打ちを左右10回ずつ、横面打ちを左右10回ずつ。横面打ちの手刀は頭から鼻まで。

正座の仕方(座るときは左膝から)、立ち上がり方(まず指を立てて、立ち上がるときは右足から。左膝のラインに右の爪先を合わせると綺麗に立てる。)、構えながらの立ち上がり方(左右)、右半身と左半身の構え方(足幅は一足丁半、手は肩の高さ、指は開く。)、起立の仕方(足は踵をつけて90度)。足踏み。まっすぐ進む、まっすぐ下がる。

あとは基本動作のこと。体の変更(大きく前に出る。重心を前に。)、臂力の養成(出るときに息を吐く、下がるときに吸う。臂は曲げない。)、終末動作。

正面打ち膝行で畳を往復。ハイハイで往復。

稽古を一旦終わらせてから、大先生が片手持ち入身投げと正面打ち入身投げの1人型を見てくださった。その後は、ちょうど帰ろうとして横を通った小学6年生の男の子を大先生がつかまえてくれて、稽古に付き合ってもらう。仕手と受けを交代しながら正面打ち入身投げを何度も。最後は両手持ち四方投げの受けだけやらせてもらって今日の稽古を終える。人が前に立ってくれると、1人型で何をやっているのかがよく分かる。

2023.07.02_sun.

暑いのを覚悟して、家の中で一番大きな水筒(500mlだった。)にお茶をいれて、

それと別に、イオンウォーターの300mlのペットボトルを2本。

手ぬぐいと道着を鞄に入れて道場へ。

今日は袴の前側を内に折って履いてみた。高校生の頃、制服のスカートを短くするためにやっていたみたいに。いつも稽古中に裾を踏んでしまうから。今日はたぶん大丈夫。

はじまりに、居合道で使う鋼の色をした剣を振らせてもらう。いつもの木剣だと『さや』が無いから、それがあることを忘れずに頭に置いておけ、ということなのだと思う。

木剣に持ち替えて、今日は抜刀のこと。いつもの抜き方と別に、横へ抜くやり方と、相手との間合いが詰まっているときの、上への抜き方。

その後は準備体操、上半身だけ技の動き、振り魂、手首と足首と膝のストレッチをしてから合気道の稽古に入る。

2ヶ条、3ヶ条、4ヶ条のこと。(全部は追いつけなかった。)

稽古の間中、人の手をこんなにも触ったことがないくらいに触り続ける。

コロナ禍で極端に人に触れなかった反動のように。数年を取り戻しているみたい。

後半。前回の稽古のとき、もっと合気道の稽古がしたいことを漏らしていたら、今日は後半も合気道が出来るように、Kさんが大先生に話を通してくださっていた。

他の人が杖道をする傍らで、ずっとKさんが合気道を教えてくださった。

構え方から、臂力の養成。前から強い力がきて動けないときにどの方向に重心を動かせばその力が逃がせるか。腕を掴まれたときの外し方。2ヶ条と3ヶ条のこと。1ヶ条の受け方で覚えておいたらいい3通りのこと。座った位置からの1ヶ条抑え。

今日は終わってみたら4時間経っていた。持ってきた水筒の中身もペットボトルも空になっている。

2023.07.06_thu.

西荻窪で用があって、中央線にのった。

高円寺の次が中野。あれ?西荻窪がない。今日は平日だから停まるはずで、快速に乗ってしまったのかな、でも快速でも停まるはずなのに、と戸惑ったまま、中野から総武線で引き返す。

また高円寺。あれ?西荻窪がない。キツネにつままれたようになって扉の上の路線図を見たら、自分のしていることがわかって、やれやれ、と落ち着いた。

高円寺と中野の間に西荻窪があるはずもなく。早めに家を出ておいて本当に良かった。今更この間違いは驚く。ぼんやりしていた訳でもない。なにがあったんだ。やっぱりキツネか。

約束の時刻には間に合って、用を済ませ、珈琲豆が欲しかったのとお昼がまだだったから、

どんぐり舎に寄った。ほろ苦blendとチーズマフィンを頼むと、タバスコの瓶が出てきた。

チーズマフィンにタバスコ。これがとても良かった。どんぐり舎で過ごす時間にしてはとても短く店を出る。

帰宅して写真の仕上げの続き。

2023.07.07_fri.

七夕。今年は一度も笹を見なかった。

夜、道場に着くと、大先生が道着のたたみ方を教えてくださった。平日は徹底して基本を教えてくれる。すごい人だなぁ。

1時間程稽古。正面打ちと横面打ち。騎馬立ちして3本突き。追い突きで振り返るときは下段払いで畳を往復。追い突き逆突き、逆突き追い突きで往復。

基本動作を一通り。座受け身、中腰受け身、立ち受け身(前方・後方・側方)。

稽古が終わってから、日曜日に何度も教わっているのにまだ覚えられない二ヶ条のことを、大先生に頼んで教えてもらう。

右半身のとき、相手の左手で自分の右手首を持たれたら、左手で当て身を入れて、自分の身体は右に動きながら、右手は親指をひらいて外側から相手の手を包むように持っていく。盆踊りのような手の軌道。

相手に両方の手首を持たれたとき。右手は親指をひらいて外から相手の手を包む。左手は相手の手の内側から自分の手を返す。盆踊りのような手の軌道。

教わってすぐ、後で思い出せるようにメモをとった。帰宅後、思い出しながらK(8才)に手を貸してもらってやってみたけど、Kの手は小さくて、大先生の分厚い手の感触と違いすぎて、またあやふやになる。Yは今夜は親友と飲みに行ってて家に居ない。大先生の手の感触が残ってるうちに帰ってこないかなー、と思っていたところに帰ってきたので手を借りる。なんとなく復習が出来る。

2023.07.09_sun.

上だけ白い道着を買ったから、今日からそれを着る。

あたらしくて布が分厚くて、一度洗ったのだけど、まだ固くてバリバリする。

先週の稽古で藍染の道着を着ていたら、教えてくれていたKさんの白い道着が藍色に染まってしまった。汗をかかない季節だとそうはならなかったから、汗で道着が濡れていたからだと思う。

あたらしい道着は一度柔軟剤で洗ってみるといいことを教えてもらう。

今日は1人型を一通りやって、その後はひとつの技で効ききらなかった場合のいくつかの難しいこと。(とても覚えられなかった。)

後半はまたKさんが付ききりで教えて下さった。

まずはまだ出来ない受け身の前方回転を習う。

普通に前転してみるところから。右手のつき方(手を軽く握って親指を自分に向ける)、その右手のつき方のまま両手をついて前転。その次は左手を使わないで右手だけで前転。その次は左足を後ろに伸ばして、そのまま前転。その次は転がった後で左手をつく。その次は中腰から同じように。技をゆっくりかけてもらって同じことが出来るか。(出来ない。)

受け身の稽古の後は、両手持ち四方投げ。

右半身で構えたとき、左手で相手の手を挟む。送り足(前に出てる足をそのままもう一歩前に出すこと)で押したら手をおでこにつけて歩み足(後ろにある左足を前に出す)。

手をおでこにつけたまま反対を向いて継ぎ足から送り足。

相手が受け身をとった後は、コップを持つような手で相手の手を握っていること。

当て身をして終わり。

継ぎ足はジャンプしてみること(たぶん相手との距離のことだと思う)。もう少し相手を(離れたところではなくて)下に落としてみること。

次は一ヶ条のこと。

抑える時に自分の身体に手をつけて相手に体重を伝えてみる(腰を入れる、腰を切る、胸を張る)練習。前かがみではなく、胸を張って前に重心を置くように。

最後は、『受け返し(上・下)』と『受け流し』。

これは名前のない動きに、(わたしが覚え易いように)Kさんが名前をつけてくださった。

『受け返し』のときは相半身(右半身と右半身、左半身と左半身のこと)で構えて、その時の足の運び方は、後ろの足を踵の方向に回転させて、前の足をU字を描いて前へ送る。

右半身で受けた右手は手刀だから、手刀のまま(相手の腕を握ってしまわない)。

『受け流し』は逆半身で構える。(その後のことはもう記憶できない。)

稽古が終わり、もうすぐスイスに帰るLさんのお別れの会。

Lさんとは、1カ月間一緒に稽古した。先週は帰り際に袴の洗い方を教えてくれた。

会が始まる前にLさんと横に並んで一緒にシャワーを浴びたのが夏の部活みたいで、今日の楽しかったこと。皆で鰻の釜飯(ひつまぶし)をいただく。

2023.07.15_sat.

今週は仕上げ作業が重なっていて、全て無事に納品が済んでホッとしていたら、

その翌日からK(8才)が高熱を出した。

次の日もまだ高熱のままだったから、診察と検査をしてもらい、ただの夏風邪でしょう、との事。リンゴを半分切ってやると、「旨い」としきりに声に出して食べている。

解熱シロップを飲ませて様子をみている。

リンゴとバナナジュースと、冷凍のマンゴーは口に入れられる様子。数日そんな具合。

猫のように側に来て、いまは私の股の間で内腿を枕にして眠ってしまった。猫の倍ほどまだ熱い。

2023.07.16_sun.

起きると、K(8才)の熱が下がっていた。

朝はパンが食べたいと言ったけど、うどんにした。

「冷たいのか温かいのかどっちがいい?」と聞くと「温かいの!」と言った。

いつもなら「冷たいの!」と答える。いつもは出汁を沢山いれると嫌がるけど、今日は出汁を欲しがっている。

道場に行く。今日は大先生以外の上手い人が皆休みの日。

人が少なかったのと、扇風機は回っているけど、道場の温度計が36℃だったから

軽い稽古をしよう、ということになる。

いつものように準備体操をして、正座をして鏡を拭くような動作から、振り魂。

正座をしたまま上半身だけ技の動きをして、体重の移動を意識して覚える。

基本動作からはじまり、技の1人型を習う。

習っているとき、大先生より年上の婆さんが、「違う、そうじゃない。」と間違っているところを大先生に指導され、何度か同じところで間違いを指摘されたら、何かの拍子に合っていることをして「さっきから私はこうしていたのに、間違っていると指摘された。」と逆ギレした。

さっきから何度も婆さんが間違っていて、もちろん大先生が合っている。

だけど婆さんにはそれが分からない。

今日は合気道というより、人間劇場。

自分が正しい!はとても醜く見えて、自信があって堂々としている、とは違う。

それを振り分けるラインはどこだろうと、それを見ながら考えていた。

醜い婆さんのお陰で、技を受ける方の手を覚えられた。

今までで最短の、1時間半で稽古が終わり、家に帰ってシャワーを浴びた。

Yがサンドイッチを作ってくれて、Kと3人で食べた。

2023.07.18_tue.

郵便局に請求書を出しに行ったり、ようやく出版社から届いているインボイスの書類に手を触れる。webサイトでもアプリでも何やらうまくいかなくて、用紙をダウンロードして、書いて、税務署に出しにいく。場所への苦手意識が強くて、昼ごはんをおごるから、と言ってYに付き添ってもらう。牛タンと麦とろごはんと生卵と漬け物と、テールスープをおごって、ひと仕事終える。

2023.07.19_wed.

朝に動物病院の予約状況を見たら午前中に空きがあったので、ナリタ(1才・兄)とヒガシ(1才・妹)をワクチン接種に連れていく。

午前中といっても外は暑くて、ちょうど氷枕が冷凍庫にあったからバスタオルで巻いてキャリーバッグに敷いた。

診察室で獣医さんの話を聞いて、今日のところはワクチン接種はせずに、抗体検査をすることに切り替える。その結果をみて、ワクチンの接種が必要か否かを判断しましょう、との事。

血液をみてもらうから、健康診断も兼ねられる。

ナリタが4.5kg、ヒガシが4.7kgになっている。ヒガシの方が小顔だから、ナリタの体重を越しているように見えない。爪も短く切ってもらったし、昨日と今日で気になっていた事を済ませられた。すっとした。

2023.07.21_fri.

K(8才・小3)の夏休みがはじまる。

初日からお弁当を持たせて学童に行かせる。

出来る限りは夏休みらしく過ごさせてやりたい。どうにもならない日はどうにもならない。

そういえば、昨日の夜中は、Kの「足が痛いー!」という声で起こされた。

寝言かと思ったけどそうではなく、本当に膝が痛いと泣いている。マッサージしたり冷やしたり、どうすることも出来ずにさすったり。しばらく痛がってから落ち着いて、また眠りについた。

Yはその様子を見て「たぶんこれ成長痛。」と言った。

身体はいつも勝手に前へ進む。夏の夜に成長痛。自分には経験がないこと。記憶にないだけだろうか。朝には普通にしている。

夜に道場へ行った。

小学生と大先生がソファに集まって相撲中継を観ている。

大先生は「相撲なんて一瞬で勝負がつくんだからしっかり見ろ!技をみるんだ。」と小学生に言い、小学生は「このお相撲さんと宇宙人はどっちが強い?」と大先生に聞いている。

ある種どちらもピュアで、その中間の年齢の自分から見ると、ちぐはぐな会話のあるこの場がかけがえなく思う。

今日は木剣を持って、刀礼を習う。

正座して、木剣を右に置くときは峰が外側、刃が身体側。柄頭は膝のラインから出ないように。

自分の前に木剣を置くときは、刃が外側、峰が身体側。自分と木剣を置く距離は『ワン関節分』と大先生が言った。その場では(one関節?)と思って、見てだいたいの距離を真似したけれど、寝る前に言葉を反芻すると、『腕関節』かも知れなかった。正座をして礼をするときは、両手で三角をつくり、その三角の中に鼻を入れる。

2023.07.23_sun.

汗をふく手拭いが1枚では足りなくて、稽古中に使う2枚と、終わってからの1枚を持って道場へ。着くとスイス人のLさんが居た。明日スイスへ帰るから、最後に稽古しにきたそう。

ふたりで組んでいいことになって、仕手と受け手を交代しながら基本の技を稽古した。

Lさんとはもっと仲良くなれただろうな。なりたかった。またいつか会いたい。

今日も後半はKさんに合気道を教わった。

端っこで前方回転受け身の練習から。身体はすごい。頭よりすごい。2週間前よりも形を覚えている。

ゆっくり技をかけるように動いてもらって、辛うじて回る行為に入れるようになった。

相手が居る方の足が伸びる、とメモをとった。

冬は寒さで畳が固くなると聞いたから、そうなる前に前方回転が出来るようになりたい。

その後は、『(受け流して)正面入身投げ』『(下に受け返して)側面入身投げ』『(上に受け返して)一ヶ条投げ』の3つを習う。この3つを覚えれば、正面打ちの場合の自由技(次々に相手が向かってくるやつ)がしのげるから、と先に教えてくださった。

相手と向かい合う際、『受け流す』時は逆半身(自分が右半身の時、相手が左半身)。『受け返す』時は相半身(自分が右半身だったら相手も右半身)。

正面入身投げの最後は(水泳の)クロールの時のような体重の乗せ方。

難しかった側面入身投げは、右半身で構えた時、後ろ足が回転したあと、前の足をU字に前に送って、最後は体の変更(一のニ)の形になる。

終わりにKさんが黒板に、地球と月と天使の絵を描いて説明してくれる。

天使が地球に沿って月を押すよりも、天使が地球に向かって(中心に向かって)月を押すほうが回転が速くなる。合気道でも同じで、相手の首の後ろの襟をつかんだ時、僅かに自分の方に引き寄せると相手が速く回転する。わたし相手に実際にやってみせてくれて、身体では体感したけど、言葉で書けるほどにはまだわからない。

今日も肩に青アザが出来た。痛いのに、嬉しいと思っている。

2023.07.24_mon.

新宿の映画館に『君たちはどう生きるか』を観に行く。

映画の中でどんな風にそれを聞いてこられるんだろう、なんてことを思いながら観ていたけれど、承から転に向かうとき、ポスターの青鷺がベロンとめくれて人面が出てきたのを観たら、もうそれだけで嬉しくなってしまった。もっと説教くさいことを言われるんだろうと思っていたら、最後(かも知れない)の作品で、そんなことをしなかった。

えぐってやろうとおもえば、いくらでも私たちをえぐることが出来たのに。

2023.07.30_sun.

朝から合気道の稽古。大先生は用事でお休み。道着に着替えるだけで、大きな汗が流れる。

身体を伸ばして準備して、いつものように神前に礼をして稽古がはじまる。

今日はオーストラリア人のAさんと稽古してもらえた。

『正面打ち一ヶ条抑え』と『正面打ち入身投げ』。前に出て1組ずつ皆の前でやってみて、Kさんに出来ていないところを指摘してもらう。わたしが言われたのは重心の場所のこと。

入り身投げで受けているとき、うまく後ろへ倒れられなかったら、Aさんが自分がやっている方法を教えてくれた。Aさんは膝を折って後ろに倒れていた。

踵にお尻を持っていって倒れるよりも、膝を折ってからそれをするほうが、後ろに倒れるのが怖くなかった。後頭部を打たないように、ヘソを見ること。

その流れで、後ろにでんぐり返りするのと(前方回転の逆)、前方回転のことと、横で一緒に回りながら教えてくださった。

後半は今日もKさんと1対1で合気道を習う。

引き続き前方回転から。今日もしっかり両肩に青アザが出来る。

これが出来なくなるときに、(前方回転受身が)出来ているのかも知れない。

技の稽古に入る前に『撞木(しゅもく)の足』の話をしてくださった。撞木とは木魚を作る木のこと。『撞木の足』とは前足の踵と後ろ足の爪先が常に直角に交わるように足の位置を決めること。

その後は、『正面入身投げ』(逆半身、受け流しから)踵の方へ回転→煽り足(両足首を回して両膝を煽って振り向く)→煽り足(逆)→歩み足。

『側面入身投げ』(相半身、受け返し下の床を拭く動作から)踵の方へ回転→方違え(前足をU字で開く)→歩み足。

『一ヶ条投げ』(相半身、受け返し上の万歳の動作から)踵の方へ回転→方違え→歩み足。

覚えたい。覚えたい。覚えたい。

終わりに『中心力』の話。両手を肩の幅から出さないこと。自分は正中線をとる。相手は正中線を外させる。

2時間半の稽古が終わる。道場の温度計は39℃になっている。「暑い。」と声に出てしまうけど、暑いのは割と平気。

2023.08.01_tue.

東京駅でホールのケーキを探して新幹線にのった。

『7』と『9』のローソクも。昨日が母の誕生日だったから。

実家まで4時間平らに運ばれたケーキを「何年ぶりやろなぁ!」と言って喜んでくれた。

この町で空に花火がない8月1日をはじめて過ごす。

2023.08.02_wed.

両親がサーカスに連れてくれた。

K(8才)のために調べておいてくれていた。

炎天下の広い公園の中、サーカスのテントの裏側に出てしまって、

表に回る為に、ところどころ木の根っこのある土の道を行くしかなくなって、

怖がる母を乗せて車椅子を押した。

表にようやく出られたときの、サーカステントの派手なピンクの縞々が、

どうしようもなくサーカスだった。

Kにも怖いことがあった。ホアキン・フェニックスの『JOKER』を何かで目にしてしまって以来、長いことピエロが怖かった。だけど今日のピエロは大根を投げていて、Kは気持ちが凪いだかも知れない。いくつもの芸のあいだ、力いっぱい手拍子をしていたから。

帰りに母の服を選びにショッピングモールに寄った。車椅子を押しながらの服選びは、さすがに父が付き合いきれない。日頃の我慢していたことをやる日。

とびきり気に入ったものは見つけられなかったけど、少し気に入ったものを買って帰る。

夜、湯船は無理だけど、父とふたりで身体を支えて、母のシャワーを手伝う。

2023.08.03_thu.

今日は掃除の日。

冷蔵庫と台所。

わたしが一緒に遊ばないから、KはずーっとゲームとYouTube。

加工された声が耳障りで、堪えられなくなってくる。

ここに居るのだから、いつでも出来ることではなくて、顔を見て人と話すことをして欲しい。

記憶に残して欲しい。見てて欲しい。

Kにとっては普段と違う土地で、かまっていないのを棚に上げて叱ってしまった。

両親の年齢を感じている自分の余裕の無さ。

2023.08.04_fri.

早くに起きて身支度して、1時間だけカメラを持ってひとりで外に出る。

知った道を歩いてまわる。

食事の用意と、母の部屋の片付け。

今日母はお風呂に入れてもらいに介護施設へ行く日。

父とKと、お墓参りをして、叔母の家へ。いとこの娘が都会でのバイト帰りに会いに寄ってくれた。

生まれたときから会い続けているのに、遠目にわからないくらい大学生になっている。

Kはようやく会えた若者に照れながらスキップしている。

叔母は私たちが帰宅したらすぐに晩ごはんが食べられるように、たくさんの煮ものや混ぜ寿司を持って帰れるようにして、待っていてくれた。近況をお互いに話して、Kと『正面打ち一ヶ条抑え』を披露する。

2023.08.05_sat.

東京に戻る日。あっという間の数日だった。

病院に定期検査に行く父を見送って、昼になる前に実家を出た。

長旅で最寄りの駅に着く直前に寝そうになったKをタクシーにのせて帰宅した。

町は七夕祭りで賑わっている。

家には在宅で仕事をしていたYとナリタとヒガシが居た。顔を見てうれしかった。

2023.08.06_sun.

起きてハムと玉葱が挟まったカルネを食べてから、合気道の稽古へ。

道場は夏休みに入っていて、今日はやりたい人だけが来て稽古をする日。人数が少なくて上手い人が来ている。今日はいい日だと思う。

入り身の、合気会の動き方にはこういうのがあるからやってみよう、とAさんが言い、

普段稽古している養神館の動き方だとこうなる、とKさんがやってみせてくれる。

どちらも見ておくのはいいことだ、と皆で色々やってみながら、その話を聞くのが、違いを感じるのが、面白くてたまらない。

合気道はいつも向かってくる相手から逃げながら技をかける。技をかけづらいのは向かってこない人。そもそも向かってきていないのだから、その人はそっとしておいたらいい。

後半はKさんに教わる。

先週の復習をたっぷりやって(また忘れてるから)、今日は手のこと。

指をひらく(歌舞伎くらい)。サッカーボールを持って、手をサッカーボールに沿わせて、

技を受けたときにつき指になりにくい手の角度を教わる。

いつも大先生が準備体操するときの手の角度だった。

相手の手を挟むときの手も、ボールを持って教わる。最後にほんの少しだけ前方回転。

一旦帰宅してから、Yが音を聴きにいきたいと言ったので、

西新宿でやっている『ケチャまつり』へ。

ここで歌ったり、音を出している人たちも、近所のサミットで見かけた時の大先生があんなふうに動く人だとは想像ができないように、この場でなければ、身体の中からこんな声が出せるなんて、こんな音を鳴らせる手を持っているなんて、外側からは想像もできない。

『なんとかふう』をまとっていないというか。

Yはわたしが考えているようなことにはたぶん興味がなく、目を瞑って音だけ聴いている。

2023.08.09_wed.

一日を過ごしながら、頭の中はずっと台風のことばかり。週末から山登りを考えている。

テントとシュラフと着るもの、食べるものの準備、ガスボンベの残量、山小屋の予約、車のこと、家の鍵ももうキャットシッターに渡っている。そこへ台風がやってこようとしている。

行ったことのある山で、歩く時間もかなり余裕を見ている。多少の雨なら。

アウトドアショップで一番防水の効くスタッフバッグも買い足して最寄りの駅に着いたら、ポツポツと雨が降り出して、次の瞬間には大量の雨粒が一気に落ちてきた。髪も服も下着も革の鞄もスニーカーも、水浸し。濡れた服が重たくて、ここは東京なのに。山じゃないのに。服が水浸しになると急に体温を持っていかれる。寒い。ここは糞暑い東京なのに。

「Don't think.Feel.」「思い知ったか!」という雨。濡れすぎてて玄関で服を脱いだ。

2023.08.10_thu.

夕方にようやく決心がついて、涸沢ヒュッテにキャンセルの電話を入れた。無理をしたところで、台風には敵わない。ザックにパンパンにつめた道具はまだ片付ける気にならない。

2023.08.12_sat.

Yの夏休みが台風7号のせいで、全日雨の予報。まとまった休みに家から出られないのなら、晴れてるうちに少し外に出よう、となって電車にのった。

神田明神を通って、燕湯に。タブレット純のラジオで聴いてからずっと行ってみたかった。

山に行けなかった夏休み、燕湯で富士見。天女も舞っている。

角を曲がって、羊香味坊。風呂上がりのラム。

夜遅い時刻に家族皆でテレビの前に座り、録画しておいた1時間半の戦争特番を観る。

Yが効果音をつけた番組。K(8才)も24時を過ぎたのに、最後まで観ていた。思ったことを喋りながら眠る。

2023.08.13_sun.

今日は山に登っていたはずの日で、休むことも伝えていて、袴もクリーニングに出していて。

道場も夏休みでさすがに自由練習も誰も来ていないかと思いながら、閉まっていたら帰るつもりで道場へ。扉が開いていて、覗くと全員来ていて、休むと言っていた大先生までも、ばっちり道着を身につけている。大人の夢中はすごい。

訳を話すと、道着なんていくらでもあるからどれでも着たらいいと言って、随分年季の入った道着を貸してくださった。はじめて白い道着のズボンを履いたらいつもの袴より涼しかった。

二ヶ条はあやふや。三ヶ条も小手返しも。

Kさんに今日も『正面入身投げ』『側面入身投げ』『一ヶ条投げ』と前方回転受け身を習う。

前方回転受け身は出来ていると言われる。何度もゆっくり技をかけてもらって回ることをする。

肩も今日は打ち身の痛さがない。

夕方、2日続きの銭湯。高円寺の小杉湯で富士見。ミッケラーをはんぶんこしながら銭湯の本棚にあった『水は海に向かって流れる』(わたし)、長田弘の詩集(Y)、Kはメロンボールシャーベットと携帯電話で漫画。

移動して、高架下の母の味でタッカルビ。

2023.08.16_wed.

筑波山にのぼる。

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4:30 起床、おにぎりと鶏唐揚げと青海苔を入れて卵焼きを作る。

6:30 車出発、おにぎり

9:17 市営第3駐車場(トイレ有)歩きはじめる

9:32 筑波山神社

9:49 橋を渡って左

9:53 鳥居、白雲橋(しらくもばし)コース

10:06 分岐、迎場(むかえば)コースへ

10:36 東屋、唐揚げ

10:56 ふたつめの東屋

11:20 つつじヶ丘(トイレ有)休憩、おにぎり

11:45 出る、おたつ石コースへ

12:07 東屋、つつじヶ丘高原 休憩

12:15 出る

12:47 弁慶茶屋跡 休憩、おにぎり、唐揚げ、卵焼き

13:04 出る、弁慶七戻り

13:14 高天ヶ原、胎内くぐり

13:23 国割り石、出舟入船、裏面大黒

13:34 北斗岩

13:47 屏風岩

14:03 女体山頂(877m)

14:13 出る

14:21 ガマ石

14:26 せきれい茶屋、せきれい石、かき氷ブルーハワイ(K)

14:35 出る

14:50 御幸ヶ原(みゆきがはら)、ソフトクリーム(私)、アサヒスーパードライ(Y)、山のタオルとピンバッジ

15:20発 ケーブルカー

15:28 宮脇駅

15:58 市営第3駐車場

16:14 筑波山温泉つくばの湯

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帰り道、メヒコ(シーフードレストラン)でフラミンゴ側の窓際の席が空くのを待って、カニピラフとミックスフライ。K(8才)はどうしてもソフトシェルクラブの唐揚げが食べたいと言った。

カニを割って食べるのは、Kははじめてかも知れないから、それも注文することにした。

この場所のことがKの記憶にわずかに残ったら、思い出す時にうなされるかも知れない。あれは夢かうつつかと混乱して。父の世代の優しさに触れたような気持ちになるレストランだった。

2023.08.17_thu.

昨日Yが「夜に『明鏡止水』やるよー。」と教えてくれた。

岡田君とケンドーコバヤシが司会のNHKの番組。録画しておいたのをみたら案の定、面白くて仕方ない。前にUさんと話しているときに勧めてもらった番組。たまにしかやらないから、待っていた。見逃さないで良かった。

近ごろは周りに武道の話が寄ってくる。

自分が寄せてるんだろうけど、会う人、会う人が囁いてくる感じ。

2023.08.20_sun.

クリーニングしてプリーツが綺麗に戻った袴を鞄に入れて道場へ。

剣道袴を受け付けてくれるクリーニング店が武蔵境にあったから遠かったけど出しに行っていた。稽古と稽古の間、どうやって置いておくのが一番プリーツが保てるのか聞いてみたら、綺麗に畳んで風呂敷に包んでおくのがいい、との事。

今日の稽古は丁寧にストレッチすることから。大先生が、「年をとると、どんどん身体が硬くなってくるんだ。」「ここからがもう曲がらない。」とか、しきりに言いながら一箇所一箇所を伸ばしている。なのに、合気道の準備体操に移ったところから、途端に動きがガラッと変わる。腕の線、手首の角度から指先まで。綺麗だなぁ、と見惚れてしまった。反復してもう迷うことのない線。

Mさんと組ませてもらって、教わりながら二ヶ条の何種類ものこと。片手を持たれたとき、両手を持たれたとき、正面打ちの場合、横面打ちの場合、身体の後ろで両手を持たれたとき、胸(襟)を掴まれたとき、そのそれぞれからの二ヶ条のかけ方。

同じように三ヶ条の何種類ものこと。その後は小手返しだったか。もう覚えていられない。

途中からの事だったら手の感触が前にもやったことがある感触だということが分かるのだけど、初動の手の持っていき方、掴み方が覚えきれない。

それでも、こんなに出来ないことでもいつかは出来るようになるのだから、今日もその過程のレイヤーのひとつ。

後半はKさんに教わる。『正面入身投げ』『側面入身投げ』『一ヶ条投げ』。

はじめて教わってから1ヶ月ほど経つかも知れないから、そろそろ出来るようになりたい。

稽古に来る前に思い出しながらひとりでやってみるのだけど、これも初動のことがふわふわする。それをKさんに伝えて、やらせてもらう。『正面打ち一ヶ条抑え』の時のように自分から受けに向かうのではなくて、相手が打ってくるのを待って流すこと。今までの中では、今日が一番出来たかも知れない。繰り返さないと消えてしまいそう。

次は前方回転受け身。今日も出来ていると言われる。何度も次々にゆっくり技をかけてもらって、回ることを繰り返す。「上手く回してもらってる気がします(自分から受け身をとっているのではなくて)。」と言うと、「それでいいんだ。」とKさんが言った。

これを繰り返していると、いつの間にか『飛び受け身』も出来るようになってくるらしい。今は想像が出来ない。

その後は前半の稽古で覚えきれなかった二ヶ条と三ヶ条のことを、Kさんに教えて欲しいと頼んで教えてもらう。覚えたい覚えたい覚えたい。

稽古が終わったとき、この夏はじめて立ちくらみがした。倒れたらいけないからゆっくり膝をついてじっとした。道場の温度計を見たら38℃だった。(そら、そうなるわな。)と思った。

2023.08.22_tue.

朝、駅まで向かうときに家から坂を下ったところで自転車で転んだ。

前から車が来ていたから道の端に寄ったとき、前の晩の雨で泥がたまっていて、そこに前輪が入ってしまった。擦りむいて血が出ていたし、人に会うのに泥んこになったから一旦家に帰って着替えた。気に入っていた白いシャツが破れていた。

他の服をお直しに出しているときに、またひとつ服が破れた。

今日はこの白いシャツを着て、一日過ごしたかった。

2023.08.23_wed.

夜、道場で稽古を見学した。

大先生の言葉だけ記憶しておけば、ある程度いまより色々が分かってきたときにいいと思った。

『体の変更』・・・右半身のとき。右手は突く。左手は当て身。前足はほんの少し外側へ向ける(腰がきれるから)。

『体の変更(一のニ)』・・・最後の後ろ足は広すぎないように引きつける。左手はまっすぐに突く。

『臂力の養成(ニ)』・・・爪先でまわる。

『終末動作(ニ)』・・・手は上にあったのが下。下にあったのが上。しっかり振りかぶってから(その後で)回転する。

2023.08.27_sun.

早めに道場に着いて落ち着いてからはじめたいのに、今日もいつもの時間になる。

朝ごはんを片付けたあとに、剣道袴の着方のYouTubeを見ていた。未だにしっくりいかないから今日は先週より上手く着たい。

動いてるうちに下がってくる(丈が長くなってくる)のが一番困っていること。

今日は前を折り返さずにそのままにして、YouTubeで見たように帯をクロスする位置を変えてみる。着るのに時間がかかる。

少し身体を伸ばしはじめたところで稽古がはじまる。

丁寧にひとつひとつストレッチすることから。ラジオ体操の第2。正座して体重移動しながら技の動き。立ち上がって足踏みと、正面打ちしながらいくつかの足の捌き方。正面打ちしながら八方斬り。北→南→東→西→南西→北東→北西→南東の順。順番を覚えたい。足を覚えたい。体の変更と臂力の養成。二ヶ条と三ヶ条のこと。大先生が握る箇所を教えて下さった。

後半。Kさんに「何か聞きたいことはある?」と聞かれ、聞きたいことだらけで言葉につまった。

今日のことだけでもいくつもあって、それを先に聞いてしまうと、次のまだ知らないことを聞く時間がなくなってしまう。

「海が広すぎます。」と言葉が出て、伝わったのか、「そうだよね。」とKさんが言った。

Kさんは毎回稽古の動画を撮っていて、前回のを見て気になったところ、と言って

『側面入身投げ』の方違え(足捌き)のところをもう一度おさらいして下さった。

その後は、『飛び受け身』を練習することになった。前方回転がもっと様になった後にはじまることだと思っていたから、今日はじまることにとても驚いた。

道場にあったサンドバッグを横倒しに床に置いて、その奥に座布団を敷いて。サンドバッグに片手をついて前に回るところから。なんて怖いんだろう。頭をつく場所が見当たらない。頭をつかないのが飛び受け身なのだから、当たり前といえば当たり前なのはわかる。

やるしかないからやってみる。座布団のおかげで、打っているけどどこも痛くはない。腰から落ちるのがとにかく危険だと伝えられる。頭を入れて(顎を引いて)身体より先に、伸ばした方の手が床につくのが大事なこと。手のことだけを考えて回りはじめないと、自分の脳の信号は遅くて、回りはじめてから手!と思っても身体が先に落ちている。左右交互に何度も回る。

その後は『天地投げ』を新しく教わりはじめたところで稽古が終わった。

稽古後、Kさんが熱中症になった。なにか変だな、と言ってから座っていたけれど、次に目をやった時には、こちらにもなにか変なことがわかった。皆で氷をあてて、扇風機の風を集めた。しばらくすると回復して、大先生の甲府土産のシャインマスカットを皆で食べた。

2023.08.28_mon.

痛みで夜中に目が覚める。

背中の半分から上と、首の後ろが痛くて仕方ない。湿布は家にないから、氷枕を取りに階段を降りた。冷やすと痛みが少しなくなる。寝返りは打てない。座布団のおかげで青アザは出来ていないけど、身体を打っていたということがよく分かる。手が遅いんだろうなぁ。

朝、Yに「ちよじは怖がりだからね。」と言われる。怖がるから力が入って怪我するんだ、とYは言っている。その通りだと思う。

頭を置き去りにできたら。身体は可能性があると言っているのに、頭がストップをかける。

Kがお腹に居るときも、頭は何の役にも立たなかった。頭を置き去りにして、知らないことなのに身体が先へ先へ勝手に進んでいった。そのことがあってから、身体の方を信じている。それなのにまだ頭を置き去りにできない。頭なんてストップをかけることと、ナーバスなことしか言わない。頭なんかなくなればいいのに。大嫌いだ。

2023.09.03_sun.

道場へ。今日も身体を伸ばして、いつもの準備をして、はじまる。

基本動作を反復して、二ヶ条と三ヶ条。時間がなくなって、小手返しの稽古まで届かない。

後半。Kさんに『二ヶ条抑え』を教わる。新しいこと。

足捌きは、二ヶ条で締めたあと、踵の方へ回転→煽り足→後ろ足の膝をつく。

手捌きは、また大事なちょっとしたことがいくつも連なる。特に難しく感じるのは、相手がうつ伏せになった後。右手で相手の道着の肘の少し上あたりを掴んで引き寄せ、自分の首の左側につけて、もう片方の手で手刀を当て、少しの身体の振りで締める。それが上手く締まらない。

その後は先週から稽古している『飛び受け身』のつづき。

サンドバッグと座布団を敷いて、何度も回る。怖くて目を瞑ってしまっていて、それを見てKさんが笑っている。怖い、を知っている人だから、温かい方の笑いだ。

慣れてきたら次はサンドバッグの上にKさんが手の平を置いてくれて、その手の平の上に片方の手を握りこぶしにして置いて回ることを練習する。その後はついにサンドバッグをなくして、Kさんに小手返しをかけてもらって、手を使えない状態で頭を浮かせて回る。やっているうちに、後ろ足で地面を蹴れば、痛みなく回れることに気づく。こんなに怖いことも、目は瞑っていようとも、やればやれるものなんだな。

何度も何度も何度も回る。次の稽古の時はもしかしたら座布団もなしに出来るかもしれないね、と言われる。後は目を開けるだけ。

『飛び受け身』の次は『天地投げ』を習う。今まで習った中で一番シンプルに感じ、胸を開くからか、心許なくてふわふわする。一番難しい技なのかも知れない。

今日の稽古が終わる。大先生がカップヌードルのカレー味をたべていきなさいよ、と声をかけてくれ、ウィスキーの瓶も出てきた。

大量の汗を流した後だから、水で割ったウィスキーがお酒じゃないペースで飲める。調子にのってはいけない。

帰宅後、背中の上半分と、二の腕の表側が痛む。なぜ前回と違うところが痛む?

2023.09.09_sat.

週末は近所の神社のお祭り。

神輿が出るのは2年に1度。コロナのこともあったから今年は4年ぶりの神輿のよう。

「今日と明日で好きに使ったらいいよ。」とKに500円玉をふたつ渡す。

うれしい!の形に背筋がのびている。

K(8才)は道場の皆と神輿を担ぐ。昼に集合したら、神社では神輿の土台をさらしで結んで固定している最中。大先生が「(結ぶのを)やったことないだろう。やってみなさい。」と言うからやらせてもらう。

Kは、用意してもらった半被を身につけ、豆絞りを頭に巻いた。そして背の順に神輿につく。

親もこどもの脇で支える。東京に住んでから長く経つけど、神輿を担ぐのは自分もはじめてのこと。想像していたより随分重たい。掛け声は「わっしょい、わっしょい」。

実家のあたりはだんじりだったから、こどもの頃は綱をひいた。

交番の裏手にざくろの木があって、その実を食べて種を飛ばしながら、「ちょーさんじゃ、どっこいこーら」と言いながら歩くのが毎年のことだった。

Kはどんなことが記憶に残るだろう。

肩にあたる四角い木の重たさと、道道の休憩の時にもらったパピコの味だろうか。大きな大きな赤いうちわで仰いでもらった風だろうか。

休憩も入れて2時間ほど歩き、神社に戻った。こどもたちは頭に巻いていた豆絞りと引き換えにお菓子をいただいた。

Kは朝に渡したお小遣いを握って、さっそく綿菓子の屋台へ走っていった。

今日みたいなことは、家族だけでは叶えられないことだなぁ。息子に秋の祭りを体験させてもらったことが有難かった。

2023.09.10_sun.

今日は神輿が出るのが12時。11時半に神社に集合だから、ろくに稽古をする時間がないと思って、いつもより30分早く道場へ。

着いたらAさんが先に来ていて、挨拶すると、「袴の履き方、わかりますか?」と聞いてくださった。いやそれが、かくかくしかじかで、と話すと、「わかってないかなぁ、と思った。一緒に教えながら履きましょうか」と。早くに着くといい事がある。

Aさんと横に並んで袴を履く。まずはどの丈にしたいか、で紐の位置を決める。

いままで前の紐は後ろで蝶々結びしていたけど、合気道をするなら全部の結び目を前に持ってくるといいと教わる(後ろに受け身をとる時のことを考えて?)。

Aさんの袴の紐より、わたしの袴の紐は随分短かった。袴も同じように見えて、合気道用とか、剣道用とかで色々が違う。

「短いね。どうしようか。」と言って、どうするのがいいか考えてくださった。

前の紐は一周紐をまわして、いつもより目一杯きつく紐を引っ張って締めてから身体の前、斜め下の方で2回結ぶ。余った紐は袴の後ろへ。後ろの紐は1度結んで、脇の前紐の下にくぐらす。

袴を履くと、Kさんが短い棒を持ってきて、先週難しかった二ヶ条抑えの最後の部分を棒を手に見立てて教えてくださった。

その後は座布団を6枚並べて『飛び受け身』の練習。

受け身が出来ているかは別として、ひとりで手を使わないで頭を浮かせて回ることが出来た。

はじまりの太鼓が鳴り、神前に礼をして、基本動作と2ヶ条、3ヶ条。

また時間内に最後まで届かない。

自由技(次々に人が向かってくるやつ)で、小手返しをやってみなさいと大先生が私に言って、一度見本を見せてくれて、さぁ!なんてはじまるけど、そんなに簡単に上手くはいかない。

稽古が終わり、急いで帰宅してシャワーを浴びて家族と神社へ。今日も神輿がはじまる。

2023.09.11_mon.

「山梨でやってる原マスミさんの展示、まだ観てなかったら観に行かない?」とNちゃんから連絡をもらい、どこでやっているのだろうと調べたら、小淵沢のフィリア美術館というところだった。

グーグルマップを見たら、そこから近いところにもうひとつ印がある。

清里にある『キャロル』という喫茶店だった。Mにいつか行ってみてね、と言われていた場所。

その地図を見たら、もう行くことが自然のことのように思う。

Nちゃんは昼からしか動けなかったから、行きは電車を乗り継いでひとりで向かってみることにする。

小淵沢に降り立ったところで空気がひんやりする。

清里の駅から少し歩いたところに『キャロル』はあった。お店の人に話しかけてみたら、奥の厨房から作る手をとめて、Mさんが出てきてくださった。

この方が。ようやくお会いできた。

なぜここへ訪ねてきたのかをひとしきり話すと、Mさんもたくさん話しかけてくださった。

週末に神戸のM宅へ行くことも話したから、言伝もたくさん預かった。

必ず伝えなければいけないことのように感じて、しかも声で伝えることのような気がして、聞いたことを一生懸命に覚えた。

ちょうど9才のお孫さんが来ていて、お手伝いをしていたのか腕に小麦粉がついている。

わたしの顔をみて何度も顔を見たことがあるような気がすると言った。

Mさんとお孫さんの写真を撮った。チーズケーキ(キウイが挟まっている)と紅茶をいただいた。「焼きたてなの。」とクッキーも持ってきてくださった。

これからフィリア美術館へ行くことを話すと、その美術館を作ったのはMさんのお友だちだった。いまはその娘さんが継がれているそう。

お礼とさよならを言って、お店を後にする。

貴重な本数の小海線にのって、小淵沢に戻る。駅前には何台もタクシーが停まっていたけれど、乗ってしまうと記憶になにも残らないかもしれないから、美術館まで30分歩くことにした。あんまり車が通らないのどかな道。

美術館に着くと、同時にNちゃんも向こうから車でやってきた。

原さんの絵をひとつずつ。絵をみて、タイトルをみて、ひとつずつ。原さんの絵は詩のように気になるタイトルがついている。

途中、ひとりの女性が美術館にはいってきて、「あれ?どこかでお会いしたことありませんか?」とNちゃんが話しかけた。

そのうちに、受付の女性も入って4人で話がとまらなくなる。話しているといくつも糸が交差するからだ。

美術館に入ってきた女性は画家のKさんで、美術館の受付の女性はキャロルのMさんのお友だちの娘さんだった。

今日はそんな一日。交差の一日。また必ず会えそうだと言い合って手を振り分かれた。こういうのはまた本当に会えるから面白い。

2023.09.15_fri.

予約しておいたタクシーが5:30に来て、今日は撮影で神戸に向かう。

東京駅から新幹線。新横浜駅で編集者のCちゃんと合流する。

9:50にM宅に着く。

今回は作るのに時間のかかる料理が2品入っている。ずっと火を使っているのと、扇風機を回してくれているけど今日は暑くて湿度がすごいから、3人で手ぬぐいの中に保冷剤を入れて首に巻きながら撮影をした。

12月号だから、この暑いのに数カットは冬のカーディガンを羽織ってもらわないといけない。

あと数カットを残して、暑さが身体にきて皆で一旦休憩したけれど、どうにか夕方には無事撮り終える。

今夜はM宅に泊めてもらう。北九州からAさんとT君もやって来た。

念願の6階の住人、F子さんとFにもようやく会えて、家に入れてもらい、Fの故郷のごはんをご馳走になる。ゼッポレというおいしい食べもの(青海苔が入ったのと、桜エビが入ったの)、ニョッコフリッドというおいしそうな形(中が空洞になっている!)の揚げ物はプロシュートと一緒に食べる。明日からの個展の搬入からNさんも帰ってきて皆で乾杯をした。

2023.09.16_sat.

朝起きて顔を洗って、ヨーグルトと珈琲を淹れてもらった後、皆で撮影のボルシチや、ズッキーニのマリネや蒸し鶏を囲んで朝ごはんをいただく。

しばらくするとF子さんが玄関の網戸越しに立っているのが見えて、合気道の本を2冊腕に抱えている。昨晩はM宅に戻る別れ際に、やっぱり合気道の話をしてしまって、そうしたらF子さんの通っている整体の先生が合気道をされているようで、「合気道をやるのはいいよー」と言ってくれて、おやすみなさい、と別れたのだった。

それで朝、F子さんが本を持って立っている。

1冊はもう自分は読んだからくれると言う。

こんなことが朝のはじまりから起こって、あまりのことにその後は、F子さんに返さないといけない方の本をただひたすらに見て、読むことをする。

昼過ぎ、『中野真典展×宮沢賢治「かしわばやしの夜」絵本原画展』を観るため、三ノ宮へ。

Nさんに展示風景の撮影を頼まれて機材があったからF子さんとFがギャラリーまで車で送ってくださった。

白い綺麗なシャツとサルエル姿のNさんが居る。わたしには途方もない数に感じるこのすべての作品は、このいま目の前にいるひとりの人が描いたもの。

撮影して、ギャラリーを出て、Mがスパイス屋に連れてくれた。東京に戻ってすぐにボルシチが作れるように、フェンネルシードとキャラウェイを買う。前にも買ったことのある、兎と女の顔が描かれた袋に入ったパパドも。

FARMSTANDに寄って、新幹線で食べるおにぎりを買って、神戸の終わりにする。

2023.09.17_sun.

朝に道場へ。

大先生を囲んで男の人たちが話し合いをしている。着替えて出て行くと、それに加わるように言われて感想を求められて、思ったことをそのまま言葉にできたことが良かったこと。

少しの準備体操をして、基本動作と二ヶ条。

胸持ちのときに大先生が教えてくれた文字に書けないちょっとしたことを来週まで覚えておけたらいいのに。

自由技のとき、相手がAさんだったから初めて前方回転受け身が成功した。流れについていくのに一生懸命で、自分がまだそれが出来たことに気づかないうちに、大先生が「おぉ!前方回転!」と声を出してくれたことがうれしかった。Kさんのおかげだ。

自由技で小手返しをしてみろと今日も言われた。何度かに一度上手くいって、何度も失敗する。

休憩に入るとき、Aさんが寄ってきてくれて、技がかからない相手との距離と、技がかかりやすい距離のことを教えてくれた。

休憩のあと、Kさんに習う。『二ヶ条抑え』の復習、『正面入り身投げ』『側面入り身投げ』『一ヶ条投げ』の復習。

座布団を敷いて『飛び受け身』の練習。片手の手首を握ってもらって、手と頭が床につかないようにして何度も何度も回る。

利き手は右なのに、左の方が上手くできる。

ついにすべての座布団をなくしてみて、道場の床の上でやってみる。足で床を蹴って回転を早くして回れば、変な痛みの着地にならない。

力の弱い相手や、すぐに手を離す人と当たった時に上手く回れずに怪我になりやすいと教わる。たくさん回った後、暑いからか、頭が振られるからか、ほんのりしんどい。

前半にやった『小手返し』をもう一度教わる。

自分が右半身で構えているとして、相手に逆半身で突いてこられたら、右手で小さくクロールするように相手の手首をつかみ、煽り足をしてから送り足(前足が先に出て、後ろ足が続く)で相手の手をひいて、右手で相手の手首を返して、自分の右手の親指に左手を重ねる。

この文字を頼りに、次の稽古まで覚えていられるように。

帰宅後、今日は夕飯の時刻まで起き上がれない。

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