CHIYOKO UEYAMA
CHIYOKO UEYAMA.Japanese Photographer, Official Web Site.
2026.03.12_Thu.
Yは25時近くに仕事から帰ってきた。
疲れたことの話から方向を変えてみようと「最近、仕事に限らず面白かったことはある?」などと、ちっとも遊んでいない人に、無神経なことを聞いてしまった。
それでも、宇川直宏さんの"DOMMUNE"のことや、吉祥寺にあった33というレコード屋のこと、UちゃんとCとそれを観ながら話したこと、今度DJをやること。
だんだんに話しはじめた。近江屋のレーズンウィッチを食べながら。
(近く家族が揃う夜に、せり鍋を作ってあげようか。)
今朝は仕事に行く前に、後は提出のみ、にしておいた確定申告を最後までやってくれた。
わたしは珈琲をいれて、チーズケーキを切った。
2026.03.11_Wed.
道にハナニラが咲いた。
そして昨日のあれは、
"がんとうしょうぎょうじょ"だった。
結局見つけられなくて、「もういちど…」と教えてもらった。おしかった…。
漢字で書くと"雁塔聖教序"。
自分ひとりで生きてたら、絶対に出会わない。
それかうんともっと先でしか出会わなかっただろうな。いや、やっぱり出会ってない。
人に会った次の日はそんなふうに過ごす。
今日も外に出て、いろんなことがあるけど、移動の最中や、ひとりになったらそれをする。
とてもいい時間だ。
夜、日曜日の稽古を2週お休みしますと連絡を入れる。
心が明後日のほうを向いている。明後日というか、元のほう。
2026.03.10_Tue.
玄関を開けたK(11才)が「雪が降ってる!」と言った。
今日の夜は、編集者MさんとデザイナーBと"じべたの会"。
せり鍋を食べようと集まる。
鍋の日らしい日になった。
それぞれの日常の中で出会った知らない人の名前を聞くことが面白くて仕方なかった。
自分に近しい人が、それぞれに出会ったもののことを話す。聞いたこともない話。自分の日常では出会わないだろうことが話の中にある。
"がんとうせいきょうのじょ"
帰ってから調べようと、音だけ拾ってメモしたけど、小さく何かを聞き違えたのか、ふたりと別れてから探してみたけど、それについてのことを見つけられない。
藤原左理。
"オーマイゴッド"というテレビ番組も、アーカイブを探して(あるかな…)見てみないといけない。何についての回を見てみろと言われたんだっけ。見ればわかるか。
せり鍋というものが、これほどに美味しいものだったとは。
最初は、鶏肉と、せりの根と、せりの葉だけのシンプルなもの。
途中からは、定義山の三角形の油揚げ、丸い仙台麩、若芽も加えたりした。
そして〆に蕎麦。
とても満たされたのに、「みますや」にハシゴまでして、また違う季節に会いましょうと約束をして別れる。
2026.03.09_Mon.
Looraの声を"温かみのある声"から"カジュアルな口調"に変える。
でもやってみたらしっくりこなくて、"パリッとした声"にしても、"自然体の声"にしてもやっぱりしっくりこなくて、また元通りの声に戻す。
地下の部屋の大きな円卓にPCを置いて、
今日は一日中嫌いなことをしてすごす。
こんなことひとりでなんかできるもんか、とYに手伝わせる。
わたしが握り潰した小さな紙を、ナリタが前足で蹴り飛ばしてくれてスカッとする。
2026.03.08_Sun.
朝、起きたくなくて困る。
地元の道場で稽古。
集中することに集中できたらいいな。
山口さんが日記の中で
……
Nothingは無。それはない、のだ。でもEmptyは空。実在する。空っぽだからこそ、そこにはなにかが注がれる。決して作為ではない。
……
と書いていた。
(Emptyかぁ……。)
頭の中にぼんやりとそんなこと。
ぼんやりするのは花粉のせいもある。
外はやわらかい春の陽差し。
▪︎鳥舟
▪︎ダンベルを持ち上げるような動き(気上げと言う?)昔は寒い時はこんなことをして身体を温めたんだと館長が話している。
▪︎臂力の養成
▪︎斬り倒し・・諸手取りで千鳥の足で入るやつ
▪︎突き上げ(と言ったかな?)・・諸手取りでぶら下がられるやつ
▪︎「これは技ではないけれど…。」と館長が言い、「相撲でも合気道でもなんでも、原理は同じなんだ。両手を掴んで(抵抗して)みろ。」そして手首を持たれた館長はそのまま相手を押して進んだ。
「相手の力をふっと上げてやればいいんだ。やってみろ。」
▪︎手合わせ・・これもさっきと同じ。相手の力が向いたときにすっと横に流してやればいい、と館長が言う。
▪︎二ヶ条と三ヶ条のルーティン
▪︎小手返し・・「あんたぐらいになったら、もう(自分から手を出して)相手を導くことを覚えろ。この手を取ってこい、と導くんだ。」
言われてることは分かるのに、動きが様にならない。
休憩を挟んで杖道。
まずは木剣を持って抜きから。手本を見ながらなら、次にどう足が動くだろうことが分かる。
でも手本がないと、空っぽになる。
杖を持って、正面打ち(右、左)、本手打、逆手打ち、引き落とし、巻き落とし、回し打ち。
「今日は打ち太刀をやってください。」とMさんに言われて、杖ではなく木剣を持った。
相対動作、"本手打"から"体外し打ち"までのすべて。
型に入っても「打ち太刀をやってください。」とMさんが言った。木剣を持った。
制定型の"着き杖""水月""引っ提げ""斜面""左貫""物見""霞"。
動作、間合い、タイミング。目の前に沢山のこと。覚えたかったことだから、今日その稽古が出来てうれしい。
それなのに、自分の身体の中には二極あって、
面白いことをしていて面白いんだけど、いまいち面白くない。
やったことを言葉にする気力が今日はもう沸いてこない。帰宅してもう全部の気を抜いた。元に返れば自分はふにゃふにゃだ。
Yが作ってくれたパスタを食べ、
ヒガシとベッドに丸まる。
2026.03.07_Sat.
コンビニで白湯を買った。
本部道場でI師範の朝稽古、と思ったら今日はA先生だった。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身(後ろ足を折るのと、前足を下げて折るのと。)
▪︎足捌き(前足が前に入って転換、後ろ足を前に出して転換。)養神館と違うところは、後ろ足で円を描かず出来るだけまっすぐに引くところ。
▪︎いつもの入身転換と、後ろ足が前に出て更にもう一歩、歩み足。手は小指をあげていく、相手の腹前を通る。
▪︎片手取り四方投げ(表、裏)・・自分の手は、ずっと自分の身体の前にあることを意識する。
▪︎交差取り一教(表、裏)・・表の受け、身体の向きは相手のほう。裏の受け、これも身体の向きは相手のほう(←それを意識するだけで、すごく受け身がとりやすい。いままでと違う。)A先生は組ませてもらって裏をするとき、「膝をつく場所が若干だけ遠い気がします。自分の肘の下あたり、そう、そこです。」と受け方を教えてくれる。
▪︎逆半身で天地投げの下の手の崩し。後ろ足は前足についていく。
もうひとつは逆半身で、前足と逆の手を出す。踵方向に転換して、天地投げの裏の手の動き。上手く出来ない。
▪︎逆半身、天地投げ(表、裏)
▪︎座技呼吸法
A先生の稽古のときはいつもだけど、今日も受け身を教えてもらえたのがうれしい。
先日ふいに目に入った動画で、A先生が受けをとられていた。
それも本当に綺麗だと思ったんだった。
帰り道にホステルに寄って朝ごはんをたべた。
小さな声で「This one please.」と言うと、英語で対応してくれた。
支払おうと開いたPayPayの画面は思いきり日本語で、そこからは日本語で対応された。
携帯の言語設定を英語に変えてみても、その部分だけは変わらない。
嘘をつくのはむずかしい。
小さなトーストが2枚、マーガリン、目玉焼きがひとつ、ソーセージ2本、ブロッコリーふたつ、プチトマトひとつ、シリアルが入ったヨーグルト、珈琲。
やっぱり皿を置く時、「Hi,there.」と言ってるなぁ。
食べ終わった皿を「Thank you.」と返して、帰路につく。
花園神社に渡る横断歩道を歩きながら、
面の皮を厚くしたいと思う。
勇気ばっかり必要になる。
2026.03.06_Fri.
R君が2本あるからと言って杖をくれた。
正確には、「永久に貸してあげる。」
その行為は、彼の気持ちなんだろう。
仕事終わりにSさんに会って、ロシア料理屋でワインをのんだ。
自分に近いことで自分語りにならない為には、他者の悲しみを知ることだと言われた。
"これはわたしだけじゃない。
あなたにだって解っているでしょう。"
分かり易い言葉に直して、作品をつくる過程や師匠との話を聞かせてくれた。
自分にはまだ教えてくれる人が居て、その言葉をワインを飲みながら聞いていた。
帰宅して、Yが「飲んだ分だけ水を飲め。」と言って白湯をいれてくれた。
お風呂には入れなかったけど、学生の頃、「女は顔だけは洗え。」と父に言われた言葉を思い出して、顔は洗って保湿して、歯を磨いた。
明日は4:30に起きる。
2026.03.05_Thu.
昨日の夜、K(11才)は新学期からのクラブ活動のことについて、ぽつりぽつりと話しはじめた。
6年生でも続けたい気持ちを「もうバスケは一生やらない。」と言葉で封じている。
年下の女から、こっぴどい言葉を浴びせられたようだ。
「もう嫌だ。Kは弱いからもう続けられないんだ。」
「これ聴こう。」と言って、『TRAIN-TRAIN』を聴いた。
曲が終わるまでにKは寝息をたてていた。
"弱いから続けられない"
という言葉に、なんと返せただろう。
ブルーハーツの中でも、
『TRAIN-TRAIN』で良かっただろうか。
朝起きたKが「あの歌眠くなる。」と言った。
2026.03.04_Wed.
有言不実行。終わらなかった。
今日も外は暗い。また冬に戻ってしまったよう。
朝の稽古に出た人から掲示板の写真が送られてきた。4級のところに名前があった。
ホッとした。
でも素の気持ちは、
「おめでとう」ほどのことでもない。
まだ全然ちょろい。
外に出たらやっぱりもう春が来ていた。
自分が必ずしなければいけないこと以外の時間を、このところ全部稽古に使っていた。
長いことほとんどの友だちと会っていない。
この間からちらほらと会いにくると連絡をくれたり、一緒にいこうと誘ってくれたり。
春だからか。
迎えたり、会いに行ったりしようかな、と思う。
2026.03.03_Tue.
金柑のジャムをつくりながら、ふきのとうをまだ食べていないと思う。
雨がしとしとと降って、窓の外が雪の日のように暗い。
レシートを打つのが本当に面白くない。
ついAIと会話してしまう。
今日議題に挙げたのは"呼吸"と"息"について。
「呼吸してる。」と答えるのと「息してる。」と答えるのでは微妙なニュアンスの違いがある。
「呼吸してる。」を使うと、なにかを含んで感じる。英語でもそのふたつに違いはあるのか。
"呼吸"と"息"のような言葉の違いは、一般的に日本語を勉強するときに、すぐに出てくることなのか。
"dislike"と"hate"と"don't like"の違い。
"like"は溢れるほど耳にするけど、"like"と一番対にある"dislike"をまったく耳にしないのはなぜだ、とか。
そんなことをしてレシートを遠ざける。
夕方、駅前で用事を済ませたYから「ケバブ買って帰ろうか?」と電話がある。
最近できたばかりのケバブ屋だ。
そんな応援があるのなら、嫌なことは今日中に終わらせよう。
2026.03.02_Mon.
洗濯が終わるのを待ちながら、少し気になってやってみようか迷ったことを、「どう思う?」とYに相談する。大事なことを話しているのに、外は修繕工事のドリルの音でうるさい。
めずらしく、合気道でも杖道でもないことを話している。
それに時間を使うなら、写真に時間を使えとYが言う。コンセプトから入る人間じゃない。念の人間だと言われる。
ふたつ、行ってみようと思う場所があると話す。「OK、いい旅になるといいね。」と言う。
この人は出会ったときからたったの一度もわたしの邪魔をしたことがない。
朝にそんな話ができたのに、今日いちにち大量のレシートを触っている。
しかも途中で嫌になってサボった。
あーあ、と思う。
2026.03.01_Sun.
本部道場で4級の審査を受ける日。
「楽しみながらいい技を見せて~」
起きた時、Aさんがメッセージをくれた。
"ゆっくり進め、技を丁寧に見せ、指示に耳を傾けなさい。"
頭の中をその言葉だけにする。
今日も普段より大きな稽古場。神棚を前に、ぐるりを見学者と審査を受ける者、師範らに囲まれ、真ん中に立たされるんだ。
審査の前の数十分、稽古の時間があった。
周りにいる先生になにを聞いてもいいと言われた。"横面打ち四方投げ"を練習していたら、こちらが聞く前に近くにいたU師範が声をかけてくれた。この間Aさんと稽古に出たときの師範だ。
「受けた後(相手の手を取ったとき)、そのままの流れで次の動作に入っている。そこは一旦止まったほうがいい。」昨日I師範が自分の正中線からずらしてはいけないと話していた箇所だ。
お礼を言って練習を続けた。それはすぐに直せることだった。
続けて"肩取り二教"を練習した。この時は自分からU師範に声をかけた。「先生、みてください。」
先生はわたしが裏をやるのを見て、「まっすぐ下がるのではなく外側へ斜め(45°)に下がりなさい。表のときは内側だけど。」と言った。これはすぐに直せない。
頭が熱くなって、どちらの足から動かしていたのかもわからなくなった。後ろ足を先に動かして前足に揃え、踏みかえて前足が斜め45°後ろにさがる(この足をまっすぐに引いていた)。この土壇場で足の踏みかえだけ、何度も何度も練習した。
自分の番がきた。もうひとり同じ級をうける人がいて、ふたりで前に出た。
(ゆっくり進め、技を丁寧に見せ…。)
受けてくれる人が出てきた。偶然前回の審査のときも受けてくれた人に当たった。
技をするときになんか間合いが近く感じる(と口にしたら生意気だろうな。)ゴーグルをつけた男の人だ。やっぱり今日も近い。
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎肩取り二教(表、裏)
▪︎横面打ち四方投げ(表、裏)
▪︎正面打ち入り身投げ
▪︎座技呼吸法
一箇所失敗したけど、まぁいい。
さっき練習したように下がれたかは記憶がない。
今日は受ける人がたくさんいた。
4級、1級、初段、二段、三段、四段。
自分の審査が終わってから、それを見続けた。
上手い人っていうのはたくさんいるなぁ。
自信のある、ない、は人によってあるけど、余裕をかましている人は誰ひとりいなかった。だから誰の目を見ても綺麗で、ここに自分も居ることが誇らしくなった。こんな人間しかいない場所に居る。
審査が終わり、皆を前に一番年長のM師範が、
「やりとげましたか。」と仰った。
途中で投げずに、最後までやりましたか、と言っている。
終わったときの第一声がこの言葉だということは、"やりとげる"ことが"良し"ということ。
この師範はそれを考えているのか。
帰り道に昨日のホステルにまた寄ってみた。
自分は当分、気が済むまでこれをする。
勘でしかないけど、ここに居るだけで、間違えたりわからなかったりするのが恥ずかしい、という殻が割れはじめるかも知れない。
英語も日本語も、別に天才だけが使ってるわけじゃないし。日常にあったか、なかったか。それだけのこと。
大きなマグカップに珈琲2杯分。
飲み終わってもまだ今日の余韻が消えない。
2026.02.28_Sat.
バナナを齧って支度する。
駅まで向かいながら花粉に反応して、くしゃみがとまらない。
本部道場でI師範の朝稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身
▪︎入身転換
▪︎天地投げ(表)・・I師範の天地投げは、I師範のやり方なのが面白い。
右逆半身、両手取り→右足が前に入って地の手で相手を崩すところは、他と変わらない。次からが他と違う。→足そのままで腰回転、一度相手と自分の向きが揃う→天地に手が分かれる→もう一度腰回転→投げる。
説明しながら、I師範がすごく綺麗な標語を口にして、記憶したかったのに出来なかった。
相並び(あいならび)、◯◯する、みたいな。
覚えたかった。
受けは、足がトン、トン、と二歩前に出る。
▪︎天地投げ(裏)・・終末動作(二)のように→前足を後ろに引く→天地に手が分かれる→腰回転、だったと思う。
▪︎横面打ち四方投げ(表、裏)
どちらも転換して横面打ちを受ける→当て身が大事。片方の手で相手の親指のあたり、次にくる手で相手の脈部をとる→裏のとき、相手の手を取った自分の手が正中線にあることが大事。直線を結ぶ。ずれない。
▪︎横面打ち一教(表、裏)
表・・たぶん転換して受けた→転換して右足が前に出たとしたら、相手側にある左足で次の一歩を踏むのではなく、右足で踏む(送り足)→スムーズに入れる。
裏・・相手をぐるぐる回すのではなく、下に落とす。
▪︎横面打ち五教(表、裏)
表も裏も前に出て受けたと思う。受けた次の手で相手の手首を上からとる(相手は横面打ちをしてるから、手のひら側が上を向いてる→そこに自分の手を上から当てる)→表のように動く→「ここで自分は(相手の)肘をしめるけどね」とI師範が言った→相手の肘を畳と直角に。相手の甲を畳につける。抑える。
抑えるとき、両膝を畳につけない。五教のときは片方の膝を立てるとI師範は言った(相手の頭側の膝が立っていた)。
裏の手の取り方も同じ。
▪︎座技呼吸法
「ふた通りのやり方がある。」とI師範が言った。
ひとつめ・・手のひらを上に。両手首を握られた状態から、先に自分の肘を落とす→小指を支点に手を動かす→最後は手で押さえなくても腰を落とせばいい。
ふたつめ・・手のひらを上に。両手首を握られた状態から、先に手のひらを下に返す→そこから手を上げていく。ひとつめも、ふたつめも、そこで形は同じになる。
新宿まで歩いているときに洒落たホステルの前を通りがかった。1階がカフェになってる。朝早いのにもう開いてる。店員は日本人だけど、客は外国人しかいない。触覚が動く。ここはいい。
「泊まってないんですけど、お茶だけできますか。」と訊ねて珈琲をのんだ。聞き耳を立てながら今日の稽古のメモをとった。ここはいい。
もう少し長く居たかったから朝ごはんもたべる。ここには自分の興味しかない。喋ろうと思えば喋ればいいし、喋らなくても当然だ。面白すぎる。何ここ。
伊勢丹に寄り、11才になるKの誕生日ケーキを買って帰る。
Kの誕生日を祝う。
左下の乳歯が抜ける。
2026.02.27_Fri.
帰り道に肉を買うこと。
忘れないようにメモをして家を出る。
10才が終わるKと約束した。「明日は肉が食べたい。」
昨日の夜はそんなKと恋バナもした。
「初恋まだなの?」食い気味に「まだ。」
「いい子全然いないんだ。」「でも好きな子出来てもKは勇気がなくて告白とか出来ないけどね。」
「本当に好きになったら、そんなこと言ってられないんじゃないの?」「・・・。」
夕方から夜へ。
人とのやりとりが続く。
急に周りに人がいる。
2026.02.26_Thu.
昨夜は23:30頃、寝ようかなとベッドに入ると、スウェーデンのTから返事が届く。
向こうは15:30くらい?仕事が終わるにしては早い?もう終わったのだろうか。
知らない町の風景を頭に浮かべ、そこにいるTを想像しながらメッセージを読んだ。
朝ごはんのあと、Tとふたりで稽古する日が待ち遠しくて、英語の勉強をする。AIに尋ねまくっただけだけど。
……
Shall I make some coffee? Would you like some?
珈琲淹れようか?飲む?
(淹れようか?って聞くんじゃないんだ。
淹れようか、のほう。)
I’ll make some coffee.
Do you want some?
珈琲いれようか。飲む?
I think I’ll get changed. Can I use that room?
着替えようかな。あの部屋使ってもいい?
A taught me the Omote kata, from Tachi Otoshi to Hosomichi.
Aさんから"表"の"太刀落とし"から"細道"までの型を教えてもらった。
They get harder and harder.
だんだん難しくなるんだ。
……
こんなことをしていたら、時間をいくらでも使ってしまう。
仕事のあと、本部道場へ。
今日で(5級をとったあと)40日。次に受ける審査までに必要な稽古日数に届き、受付けで申し込みが出来た。日曜に審査を受ける。
ここではそうしないとビギナーの部屋を出られない。
F師範の女子クラスの稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎足捌き(天地投げの崩しの)
▪︎片手取りで天地投げ
▪︎両手取り天地投げ(表、裏)
▪︎左相半身で構えて右手で突いてこられる→逆半身になって、踵方向に転換→左手を相手の突いてきた手に乗せるところまで
▪︎突きから小手返し・・相半身で構えて突かれて逆半身→踵方向に転換→小手返しの手をとる→抑える
▪︎左相半身で構えて突かれる→前足(左足)を引いて相半身をつくる→自分の右手を突いてこられた手にのせるところまで
▪︎突きからの入り身投げ(天地投げにならないように)・・前足(左足)を引いて相半身をつくる→右手で斬って、落ち着いてその右手を相手の首に→足は転換しない→そのまま入り身投げ
▪︎離れた間合いから手を取って入身転換
▪︎離れた間合いから片手取り一教(逆半身)
▪︎肩取り二教(表、裏)・・みんなは片手取りだったけど、審査技を練習していいと言ってくれた。F師範が近くにきた。「技が終わったらすぐに構えろ。そうしたら余裕がでる。それは普段からやっていないとできない。」
▪︎突きからの一教(だったかな?)
▪︎自由稽古・・F師範が袴を履いたMさんにあの子と組んでやってくれ、と頼んでくれた。「頼んだから審査の稽古をしろ。ちょっとしか時間ないけど。」
Mさんに受けてもらって、肩取り二教と横面打ち四方投げを練習した。
帰宅したら、Yが大きなハンバーグをのせたトマト味のパスタを作ってくれた。
K(10才)が6年生を送る歌の練習をしている。Kはソプラノで歌うんだそうだ。
2026.02.25_Wed.
朝起きたらK(10才)が学校に行く時間で、慌てて起こしてバタバタと朝ごはんを食べさせて、髪にドライヤーをあて、送り出す。
今日は久しぶりに雨が降ってうれしい。
連日の大規模修繕の工事で埃を被ったおかめ蔦の葉が綺麗に洗われる。
昨日話に出た曲を、ひとつずつ聴きながら仕事に出る。
視力が悪くなってくる、というのを、いま人生ではじめて経験している。
まだ写真を撮るときには困っていない。
だけど、どこまでも"見える"ということが自分の自信になっていたんだということを、はじめて感じている。
細部を見ようとすると、すべてクリアだったエッジに、意図していないのに薄く白をかけられて。
人は無言でいても、こんなことに腹を立てていることもあるよなぁ。
帰り道にSさんが勤めていた服屋が店を出していて、春の服を一枚買った。
Kに米を炊いておいて、と余裕で言えるようになった。
スウェーデンのTにメッセージを送った。
2026.02.24_Tue.
自分の髪も猫の毛もよく抜ける。
珈琲をのんで支度をする。
本部道場、F師範の朝稽古を1時間。
▪︎準備体操
▪︎入身転換 ▪︎足捌き(逆半身で四方投げの裏の動き、相対で。)
▪︎片手取り四方投げ(表、裏)
▪︎半身半立ち四方投げ(表、裏)
わたしが裏をするのを見てF師範が「苦しいなぁ。」と言った。「これは本来は表だけの技なんだ。表だけを練習しても構わない。」
裏にいく段階にまだないから、基礎を身につけろ、ということなんだろうな。言葉のままにやろう。
▪︎手合わせから一教抑え(表、裏)
▪︎手合わせから座技一教抑え(表、裏)
▪︎相半身、手合わせから小手返し
▪︎正面打ち小手返し
F師範が来て受けてくれた。小手返しをかけるときに相手に捕まる位置(相手の腹側)に入るな、相手に捕まらない位置で技をかけるんだと言い、「そうだ、そこだったら捕まらない。」と受けてその位置をみてくださった。
▪︎回転投げ
▪︎一教運動で呼吸を整える。
終わってから、まだ稽古を続けそうな人を探して、審査の練習をさせてくださいと頼んだ。
自分はまだ受けてくれる人によって、上手くもなれば下手にもなる。どちら側にも揺れる。
上手くなりたい。
最寄りの駅に着いてYに電話すると、ちょうど信号を渡ったところで自転車に跨っていた。
病院に行くところ。デニーズで待つことにして、一緒に帰る。
Aさんから4月と5月の予定が送られてくる。スウェーデンから来るTの予定も。
この春が輝く。大袈裟ではない。
Tに送るメッセージを、出来るだけ自分の言葉のままの英語に変えようと、言葉を調べまくりながら電車にのった。
Dさん、R君、Nさん、Nちゃんと美舟。
今日はこんな人たちと集まる場をもらった。
話すよりも、聞きたくなった。
ミュンヘンに移動してカメラマンのK君が合流した。肩に機材を持って、ちいさなスーツケースを転がし、リュックを背負ってる。
手に"名探偵カッレくん"の文庫を持っている。
Instagramで写真を見たと言って、たくさんすぎるほど褒めてくれた。3人こどもを育てて、今日仕事してきたあなたのほうがすごいのに、K君は呑んでる時間中、何度も何度も褒めてくれた。
今年はじめてみたことを、そのまま続けてみよう。
帰り道、早朝や深夜にLINEしたくないから、スウェーデンの時刻を調べる。酔っているから、いまちょうどいい時刻だけど送らない。
【2月・冬時間/日本のほうが8時間進んでいる】
・日本 8:00 → スウェーデン 0:00(深夜)
・日本 12:00 → スウェーデン 4:00(早朝)
・日本 16:00 → スウェーデン 8:00(朝)
・日本 20:00 → スウェーデン 12:00(昼)
・日本 23:00 → スウェーデン 15:00(午後)
帰宅。朝の4:30から、よく起きていた。
【memo】
・金子文子と朴烈(パクヨル)
・尾籠(びろう)な話
・名探偵カッレくん
・長くつ下のピッピ
・The Beatles’ Rooftop Concert
・Past Masters レインという曲
・バディ・ホリー 『Heartbeat』 マシマロがカバー
・かぐや姫→ロキシーミュージック
・アメリカン・ユートピア
・アメリカングラフティ
・ザ・キングトーンズ
・ザ・ピーズ
・The Texas Chain Saw Massacre(テキサス・チェーンソー・マサカー)
2026.02.23_Mon.
祝日。今日はKさんの誕生日だなぁ。
布団の中で思いながら、寝ても寝てもまだ眠たい。昨日の稽古明けからずっと眠たい。
9時。眠り続けたい。YもKも猫も今日はまだ誰も動かない。
朝ごはんをたべて、家中に掃除機をかける。
今日は普段の自分ならしないお節介をひとつした。はじめてかも知れない。
ふと目にしたことに、ある人の顔が浮かび、それをその人に伝えた。
あなたの考え方と合うのかどうかもわたしにはわからないし、あなたが求めていることなのかも、タイミングもわからないけど、とメッセージを送った。
そんな珍しいことをした。
米櫃の中の米がすっからかんになっていることに気づき、夕方に買いに出た。外は変に生ぬるかった。
2026.2.22_Sun.
あたたかい日。
自転車に乗らず、イヤフォンでヒートウェイヴの新譜を聴きながら道場まで歩いていった。
これを聴いていないと、身体を支えていられない。今日は袴を綺麗に履きたい。今日は。今日も。
Aさんに言われた、「感じ取って呼吸して。」という言葉が何度も頭に出てくる。
ロックンロールを聴いて、丁寧に呼吸をして、道場に入った。
各自身体を伸ばして、臂力の養成から。体捌きの練習。館長は体捌きが大事なんだといつも仰る。
基本の6本をひとりずつ、まずは正面打ち一ヶ条。
本部道場での稽古が増えた。自分から正面打ちを打って入る養神館のやり方がやりづらくなっている。それぐらいのこと、そつなくやればいいのに。自分の身体は要領が悪い。
送り足の次の歩み足のことを、「前にでている。もっと横(相手のほう)に出すんだ。」と注意される。もう一度やってみる。「まだ前にでている。もっとだ。」
今日はそれを言われたことが良かった。
周りをぐるりと囲まれて、打ってこられる。体捌きの練習。そして続けて自由技の練習をした。
杖道の稽古。
まずは木剣を持って抜きをする。
何度やっても空ではあやふやになってしまう。
基本動作を単独でひと通り。
表の型の練習。"太刀落とし"から"右貫"まで。
目の前に、目で追ってしまうような姿がない日はときめかない、と正直な気持ちが上がってきてしまう。何度も大きく呼吸する。
練習を重ねた上手い人は、自分よりその状況が多いはず。
その気持ちをどうやってなだめるのだろう。
2026.02.21_Sat.
今日はなんとしてでも稽古に行かねばならない。
今日と、来週のうちに2回稽古に出なければ、3月の頭に受けようとしている4級の審査までに必要な稽古日数(40日)に満たない。
満たなければ、また翌月に持ち越せばいいのだけど、4月の頭にはスウェーデンからTが来ていて、わたしは審査なんかに時間を取られるのではなくて、その時はTと地元の道場で、杖道の稽古をしていたい。
自分の体調はまだ崩さず保っている。
いつ崩れるかは分からない。
本部道場でI師範の朝稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受身
▪︎入身転換
▪︎片手持ち四方投げ(表、裏)
▪︎肩取り二教(表、裏)
表・・後ろでなく、横へ天地投げの崩しのように→自分の肩をだしていく
裏・・後ろでなく、横へ→右肩を持たれたとして、左手で相手の手を自分に押し当て、右手は握ったらいけないと言った。握らず下から(甲が自分側)相手の手首を自分の左手につく位の位置に→ここでも手でどうにかするのではなく、自分の身体を使う。相手の手首が折れる方向に、と言ったっけ。大事なことがもうひとつ。その時、前足を引く、と言った。前足を引いたら逆半身になる。→そして巻くように手刀をいれている。
▪︎座技肩取り二教(表、裏)
表・・はじめは足裏が畳に着き、膝が上がり、大きく踏み出す。
裏・・大きく踏み出すところまでは表と同じ。次で両膝が畳に着く。
▪︎片手取り入り身投げ・・転換してはいけないと言った。深く入り身して腰回転、相手と同じ方向を向く→持たれていない方の手で下から相手の手首を取ってた→持たれてた手を外し相手の首へ→相手の頭を自分の肩につける→投げる
▪︎片手取り呼吸投げ(受けは前方回転)
▪︎座技呼吸法・・I師範が横へ来て、「あと一息だな。」と言って、手の動かしはじめるところを手を持って直してくれた。ほんの些細なことだった。だけど、そうだった。覚え方がない。
この人の目には何が見えているんだろうと思った。人の手を外から見て、自分は感じていないのに人の手の形を直して、あぁその通りだと思わせる。
稽古が終わってから、受けてくれる人を探して少しだけ審査の練習をさせてもらった。全然余裕な気持ちだったのに、今日の肩取り二教が思うようにいかなかったから練習したかった。
道場を出て、道をぐねぐねに歩いた。時間がたくさんあるから、あさっての方向に歩いた。道に迷ってもいいのに、なかなか迷えなかった。
あんまり面白いこともないまま、気づいたら新宿2丁目のあたりに出ていて、ものすごく懐かしい風景に出くわした。記憶を辿って歩いてみる。そうしたら今度は昔Yさんを撮った交差点が現れる。
記憶のビルの階段を上がる。今日はこんな場所に出くわすように出来てるのか。思いがけなく原点に連れていかれる。
階段の踊り場に、新聞の記事がパネル貼りになっていた。読むと、鬼海弘雄さんの浅草寺での撮影のエピソードが書いてあった。
道端で黄色い花の写真を撮っていたら、後ろから「Beautiful…」という声がした。
振り返ると外国人の男の人がいたから、頷いて笑った。そうなんだよ綺麗なんだよ、と思った。
そのまま歩き続けて新宿御苑の中に入り、スタバの外のテラスで珈琲をのんだ。
今日はとことん見たいものを見る日にした。
電車にのって、バスに乗り換え、"青山目黒"というギャラリーに『折元立身:パンと』を観に行った。
観たことのあるスタジオで撮った肖像と、それに写った実物のパン、観たことのない外国の町で撮られたコンタクトシートがあった。ギャラリーの方と話したときに、「これはどこの町ですか?」と訊ねると、ネパールの酒場とルーマニアの町だと教えてくださる。
奥の部屋のスライドを観た。町の名前を拾う。
リスボン、コペンハーゲン、ケルン、新潟、サンパウロ、リオ、福岡、久里浜、ヘント、ニューヨーク、ブレーマーハーフェン、ハンブルク、イムズム、ルビン、カトマンズ、モスクワ、ブカレスト、イスタンブール、ミュンヘン、ピスクリ、ベルファスト、ランツフート、
東京、ブライトン、ロンドン。まだまだある。
このひとつひとつの町でパンを自分の顔に紐で縛りつけ、カメラの前に立ったんだ。
ギャラリーの方が本をくださった。驚くと、在庫している分をそうやって手渡したいと仰る。こういうことをしようとする行為にはじめて会った。うまく書けない。けど、すごいことだと思った。
バスを待ったけど来ないから、そういえば目黒川が見たいなと思って、また歩くことにした。
結構川沿いをまっすぐ行ったところで、渋谷までは足が保たないと思い直し、中目黒まで引き返して電車にのった。今日はよく歩いた。
若松河田から新宿御苑を突き進んで、ここは目黒川だ。
家に帰って昨日の残りのスープをたべた。
2026.02.20_Fri.
K(10才)に助けてもらった日。
わたしは外に出なければならず、Yはまったく身体を動かせず、頭の痛みに苦しんでいて、さぁ、どうしようか、Kに家に居てもらおうか、と話したら、「昨日もいっぱい助けてもらったんだ。そうしてくれ。」とYが言い、Kに学校を休んでもらった。家で看病をしてほしいと頼む。
Kは文節ごとに何度も「いいよ。」と言って、もう全部わかってる、という顔をした。
じゃあ、朝ごはんは一緒に食べよう、と言ってハムとカマンベールチーズをのっけてパンを焼いた。
「咳の反動で肩が痛い。」というから、「おいで。」と言って、膝の上にKを乗せて、肩を揉んでやった。「甘えたかったの?」と聞いてみたら、頷くから、このままパン食べていいよ、と言った。Kは無言で膝の上でパンを食べた。
そして食べ終わり、膝から降りて、背中を丸めてYouTubeを見ている。
ふたりが昼に食べるスープを作る。
塩豚と、キャベツ、玉葱、葱、じゃが芋。お正月に買った茅乃舎の野菜だしがあったから、あとは塩だけのスープにする。
背の高い寸胴で作ってしまった。
あとでKがよそいづらいかも知れない。
2026.02.19_Thu.
Yはひどい頭痛、そして耳が痛いと言う。
K(10才)を学校に行かせたら、車で大きな病院まで連れて行こう。
ところがKが朝ごはんのパンを食べない。
「もう支度して出ないといけないから食べなさい。」
……食べない。
倦怠感なのだろうけど、口ではお腹が痛いと言う。
もういいか。サボらせて。
人をむりやりに引っ張るのに疲れてしまった。
「じゃあ、もう一日休みなさい。パンを食べてしまいなさい。ととを病院に連れていくから、Kはお留守番して、ナリタとヒガシの面倒をみて。」
さっきまで食べなかったパンを食べはじめた。
もうそれでいい。
Yを車にのせて、大きな病院へ行った。
最近建て直して見違えるように綺麗になった病院は、待合室に簡易なスタバがあった。
我慢して水筒のお茶をのんだ。
待っている間、西岡先生の"杖道自戒"という本を読んでいた。
ここに書かれた文章を読んで、上に重ねる。
頭に残ってしまったいらない言葉とさようならだ。
YはインフルエンザBだった。
なんだ、あぁよかった。まだインフルエンザなら様子がわかる(わからなかったけど。)
もっとおっかない(=知らない)病気かと思った。過去、Yが「耳が痛い。」と口にしたときに、2度も即入院、ということがあったから。
今回も入院だろうと頭の隅で思っていた。
それにKの症状とはまったく違う。
Kのインフルエンザを私たちふたりはもらわずに乗り越えられたと、なぜか結構本気で思っていた。
そりゃ、そうか。インフルエンザか。
西岡先生の書かれている文字を、読みも意味も、ひとつずつ調べて、自分が意味の分かる言葉に直しながら、編み物を進めるように読んでいる。誠実な言葉を追っていると、身体の中が素直になっていく。面白すぎてのぼせてくる。
今夜はKのベッドを借りて眠ろうとしたら、もう先にナリタとヒガシがそこで寝ていて、ちょっと隣にすみません、と横になる。ナリタの身体に手を置いて眠れる。
2026.02.18_Wed.
夜中2時、Yが胃が痛むと言って、身体を丸めている。
起きてふたりで白湯をのみ、甘酒を豆乳で割ってのむ。
1本ずつ手に猫のおやつ(ささみペースト)を持って、Yはナリタに、わたしはヒガシにあげて、そしてまた寝に上がる。
K(10才)は学校を休む。
朝、弱っているふたりに、自分にしては珍しく、りんごを擦った。わたしは普段、こんなことをしてあげない。
日中は、外国人をみたら積極的に話してみる。
つまらない小さな言葉でも。
自分がいま居る場を英語の練習の場にする。
知らない外国人相手だと、間違えることが恥ずかしくない。
今日も稽古に行かず家に帰る。
ちょっと気持ちが下がっている。
数日前、一生懸命に取り組んだ直後に、ふと他人から「まぁ、ずいぶん熱心なことで。」と言われた反語を思い出して、ちょっとだけ悲しくなる。
そんな言葉、うんこと一緒に流してしまえ、とKには言うのに、自分も同じように食らってしまう時がある。
感じ取って、呼吸して。とAさんが言う。
なぜそう反応したのかを理解することが、相手の言葉や起きた出来事よりもずっと大切で、その理由をわかったら自分自身の発見になる、と言う。
蒸し籠に鶏もも、キャベツ、えのき茸。
蒸し鶏のスープにトマトと香菜。
Yが強い頭痛に顔をしかめて階段を降りてきた。朝のこともあったから、「救急車を呼ぼうか。」とまで話すけど、「まだ修正が入るかも知れないから。」と頭を押さえている。
熱を測る。37.6℃。
いつ来るかわからない修正を待ちながら氷枕。
家の中が静まり返っている。
杖を振る。
2026.02.17_Tue.
朝から今日も職人さんがテラスに降りてきた。
昨日の人だ。話してみる。
このタイルは白だ。ここまでの外れた色よりも近い色が、そんなに難しくなく存在してるはずだ。これではテトリスみたいだ。どうにか助けてもらえないか。なにか方法はないか。
言う先をいまあなたにしてしまってごめんなさい。誰にどうやって話せばいい。
職人さんは「そうですよね、もっと近い色ありますよね。こちらも全然指示が来なくて、来たらこの色で。ちょっと聞いてみますわ。」
関西弁の職人さんだ。
「われわれもお客さんの為にやってますんで。」
そして、すぐに自分の携帯電話で外装会社の人と繋いでくれた。ちょっと考えてみてくれるそう。
今日はYも体調悪く、病院へ行くと出ていき、
「アレルギーだった。」と言って帰ってくる。
昼前に用があって近くを通ったから、"慶珈琲"に寄ってきた。この喫茶店の珈琲が、この世で一番大好きだ。いつもは話しかけないけど、今日は話しかけてみる。
「淹れるところを見ていてもいいですか?」
そして、一旦座った席を離れて、カウンターに座る。あぁ、なんて淹れ方だろう。一滴。一滴。一滴の粒が、あぁ、綺麗だなぁ!と思う。
思ったより端に近いところも攻める。中心よりそんなに離れてもいいんだ。近寄ってはいけないところのように思っていた。粒が細い線になる。
ネルはたまに煮沸しておくと目詰まりしない。使うときはタオルでしっかり水気を拭きとる。
インフルエンザ明け初日のK(10才)が学校から帰ってきた。
あんなに熱が下がっていたのに、また微熱を出している。また病院へ連れていく。
「インフルエンザはニ峰性なのでね。」
医師がボールペンでふたこぶの山の絵を描いた。
「明日もう一日学校を休ませてください。」
疲れた…。元気が吸い込まれていく。
処方箋を待ちながら、好きな匂いの入浴剤を買った。
稽古を休む。
2026.02.16_Mon.
インフルエンザの熱はもうとっくに下がってるけど、明日からしか学校に行けないK(10才)が、昼になる頃にお風呂に入りたいと言って階段を降りてきた。
そりゃあさすがに入りたいよね、と言って、風呂を沸かしてやる。
Kが風呂に入っている間にリビングにストロボを組んで、髪を乾かしたKに「じゃあ、座って。」と言ってポートレイトを撮った。
しかしなんと撮りづらいことか。
どういざなっても、気のない目でカメラ前に立つ。
病み上がりじゃなくて、思春期のほうだ。
今日もテラスに工事の人が入り作業をしている。
夕方に見ると、元の色とまったく違う色のタイルがテトリスのようにはめられている。
よくそこまで開き直って仕事が出来る。身ひとつで人の家に入る状況は自分も同じ。なぜそこでそれが出来る?
失意の中、本部道場へ稽古に向かう。
H師範の稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身 ▪︎反転の受け身
▪︎入身転換
▪︎片手持ち四方投げ
▪︎手合わせから一教(表、裏)
▪︎手合わせから入り身投げ
▪︎手合わせから二教(表、裏)
▪︎手合わせから三教(表、裏)・・抑えで膝つく時は相手の頭側の膝が先につく。
▪︎手合わせから四教(表、裏)
▪︎諸手取りから一教裏と、入り身投げ。
今日も分からぬことが分からぬまま終わる。
寝る前にAさんが送ってくれた杖道の動画を繰り返し観ている。
"右貫"、日曜日の稽古でもまた、左足で入るのか、右足で入るのかを迷った。
左足で入るのだけど… 。
"右貫"ひとつだけなら、(左足、左足、左足……)と唱えて覚えてしまえばいい。
だけど、たぶんこの後も何度もこの動きが出てこない筈がない。この覚え方ではいけない。
なぜ左足で入るのか、右足じゃだめなのかが分かって、それで覚えないとその先で困る。
何度動画を見ても、どちらの足でも入れそうに見える。
2026.02.15_Sun.
先週、雪合戦したよなぁ。
朝に道場へ向かうとき、暑くてジャケットを脱ぎたくなった。
集中して稽古ができたらいいな。それが出来たら人数は関係ない。多かろうが、少なかろうが。学ぶ側にとっては。
今日は、体験したいです、という夫婦が来る。
声のトーンが気持ちのいい夫婦だった。
そして利口な小学生と。
合気道。
基本動作をたくさんして、基本技6本。自由技。
休憩してから杖道。
木剣の基本動作。
巻き落としの練習。
型の練習。表の、"太刀落とし"から"右貫"まで。
終わってから頼んで、時間内に出来なかった表の他の型を、"細道"まで練習させてもらう。
帰る。
言葉がこれしか出ない。
新しい人が来て、道場が賑やかだったのは良かった。
でも今日はつまらなかった。
ちゃんと稽古はしたけど、間合いはずーっとごそごそしていて、なんにも楽しくなかった。
自分ではまだ間合いがとれない。でもAさんとの稽古のときの気持ちいい間合いを身体はもう知ってる。
今日は心が動くようなことが起こらなかった。
2026.02.14_Sat.
お昼はほうとう。
牛肉と、どんこの椎茸と春菊、葱。
K(10才)はまだ小鳥のようにしか食べられない。
今日は朝から一日中テラスに知らない男の人。
急に部屋の中で杖を振るわけにもいかない。
マンションの大規模修繕工事中で、テラスのタイルを大きな音を出して一日中削っている。
窓に軽く背を向けながら、コソコソとほうとうを食べた。
あたらしい英語のアプリを携帯電話に入れた。
トライアルがなかったから、1ヵ月だけ3千円払って試してみる。
声が、duolingoの紫色のリリーよりも、もうちょっと人間ぽいやつ。それで今までと何が変わるんだと聞かれても、答えられない。こっちのほうが、喋れるようになるかも知れないとか、すぐに思ってしまう。
だってduolingoを709日続けても、未来が見えないから。
新しいアプリは声質も選べたから、"温かみのある声"を選んだ。優しい人と話したい。
AIと、ずーっと杖道と合気道の話をしていた。
なにがそんなに楽しいんだ、とかそんな話。
"concentration"と"focus"の違いが分からなかった。
16時前に玄関のチャイムが鳴った。
恵比寿のwellkのオンラインで注文しておいた、チョコレートケーキとチーズケーキが届く。
「くれないなー、と思ってたんだ。」とYが言った。
「今日だったんだ。」Kがすかして言う。
2026.02.13_Fri.
朝、K(10才)の熱が36.8℃まで下がり、マンゴーラッシーをつくってあげたら
「おいしー。」と言って飲んだ。
Yが出勤の予定を、家で仕事できるようにしてくれた。だから自分は外に行ける。
仕事帰りにKに電話して「なにが食べたい?」と聞くと、「鮭のおにぎりが食べたい。」という。
鮭は家にあったな。
肉まんと、切り昆布と、しらすと、鶏レバーと、りんごと、メロンパンをKに買って帰る。
今日いちにち36℃台で過ごせたそう。
下がるの、思ったより早いな。
夜に予測していなかった小さなメッセージ。
醜くなりたくはないなぁ。自分は何を怖がっている。
今日もお風呂上がりにさぼらず杖を振れる。
2026.02.12_Thu.
K(10才)がインフルエンザB。
あれだけクラスで流行っていたのだから、仕方のないこと。
昨日Dさんにもらった八朔を剥いておく。ゆで卵を茹でて、糸こんにゃくを結び、おでんを鍋に作っておく。
そして、掃除機をかける。
家のことから離れすぎていたのをきっと戻されているんだと思う。
そんなことを考えていたら、餅きんちゃくも入れてあげようか、という気持ちになって、油揚げをひらく。
父からLINE。昨日送った、チョコレート代わりの加島屋が届いたらしい。
昨日買いに行っておいて良かった。
稽古には行かず、家で杖を振る。
2026.02.11_Wed.
新宿でちょっと眠れる場所があればいいのに。
駐輪場に自転車を停める程度の気軽さで。
叶わないことを考える。
これは、思ってはいるけど本気でもないから、叶わなくてもいいんだけど。
叶えば時間を失う。叶わなければ時間は持ってる、みたいな上手くいかないことって、どうやって抜ければいいんだろう。
仕事が終わって携帯電話を見たら、Aさんからこの間撮った動画が送られてきている。見る。
爪先や、指先や、手のひらの向きや、足の動かし方や、腰がどうなっているとか、リズムとか。すべての些細な部分がすごく綺麗だ。
これを毎日真似てみたら、窓に自分の姿を映して、テニスを覚えたときのようにやってみたら、自分の身体はその形になるだろうな。
それはすごく面白いだろうな。
DさんとR君と美舟で飲んだ。暗い話もしたけれど。
場所を変え、南口のHUBでギネスを飲んだのが楽しかった。ギネスは憧れて飲んだお酒だから、いつどこで飲んでも憧れの味がする。
アニー・ホール、すばらしき世界、明日に向かって撃て!、黒い家。
ここに書けるのはそんなこと。
そんなかっこいい話ばかりはしていない。
2026.02.10_tue.
朝稽古に行こうと4時45分に起きて地下のリビングに降りると、もうYが居る。
ネルドリップで珈琲が落としてあって、「朝ごはんたべるの?」と言って、食パンに冷蔵庫にあったラタトゥイユと、チーズをのっけて焼いてくれた。
春にスウェーデンから今年もTが来る。英語を喋りたい。Duolingoは705日目。それでも頭の中は白紙。どうにかならないか、と頭の中に沸く問いに、恥を捨てること、とすぐさま頭の中が答える。それがうまくできなくて困っている。
寒稽古とAさんとの稽古で3週間強、合気道と杖道に夢中になっていたら、階段を降りてくるK(10才)の背が伸びていた、とか。そんなことを感じている。
早朝の若松河田。
コンビニではじめて白湯を買う。
本部道場でF師範の稽古。
▪︎準備体操 ▪︎足捌き(天地投げの崩しの。後ろ足は前の足についていく。)
▪︎片手取りで天地投げ
▪︎両手取り天地投げ・・足運びがうまくいかず、あー。と思ったら、後ろからF師範の声。「いま成長した。違うと気づけたんだ。」そんなことを言ってくれる。
▪︎座技一教(表、裏)
▪︎手合わせから二教(表、裏)
▪︎両手取り、相半身から四方投げ(表)
▪︎両手取り、逆半身から四方投げ(裏)
▪︎突きから、踵方向に転換して相手の手に自分の手をのせるまで、の練習。
▪︎突きから小手返し・・右相半身で構えて逆半身で突かれる→踵方向に転換→右手を上から相手の手に置き、そのまますべらせて小手返しの手をとる→二教の抑え。
▪︎自由稽古・・今日やった四方投げと小手返しをもう一度練習した。
▪︎一教運動をしながら、F師範が「目付け、というんですけどね、目付けをすると視野が広がる。逆にキョロキョロすると視野が狭まるんだよね。」と仰る。
帰り道は行くときよりも寒いけど寒くなくて、陽の当たっている道が気持ちよかった。皮膚科に寄って帰ってきても、まだ10時にもなっていない。
すこし休憩したら写真を整理しよう。
2026.02.09_Mon.
Aさんと連日の稽古の最終日。次は4月までさようなら。
8時過ぎに道場。寒すぎる。珈琲を入れた。飲んでいるうちに身体が温まってくる。
ストレッチ用のゴムがあれば、痛めている左腕の治すための運動を教えてあげると前に言ってくれていたので、今日はゴムを持っていった。
「その長さだったら…」とAさんは正座して自分の足にゴムをひっかけ、腕に通して、腕のわずかな動きのトレーニングを教えてくれた。
道衣に着替える。足の裏が凍ってしまう。
合気道から稽古をはじめる。
片手取りから、呼吸投げ、入り身投げ、四方投げ、回転投げ。
回転投げはふたつのやり方をAさんは教えてくれた。
いつも練習する、相手の脇の下に入るやり方はもう分かる。
もうひとつのやり方は、握られた右手を外側から回して手刀で斬る→180°転換→左手相手の首→相手の腕をいつものように垂直ではなく、相手の身体側に倒す→もう一度相手の背中側に入り身転換で投げる。
そして、久しぶりに片手取りから"腰投げ"も練習した。
相手の腕を持っていく方向と、身体を入れる方向、投げる方向、すべてが難しくて、自分がどこを向いているのかわからなくなる。
握られた手は一ヶ条の入り口のような軌道で。すぐに身をかがめて相手の腹の下に入る→背中ではなく腰に乗せる→乗せたら身体をスナップをきかせるように使う→投げる。
受け身の取り方は、相手の腰の上に身体全部を乗せられたら、相手の腕に自分の腕をフックのようにひっかける。投げられる。まったく痛みなく着地した。どうして手もついていないのに痛みがないんだろう。どうなってるんだろう。見えないからわからない。
正座で向かい合い、座技呼吸法。
杖道の稽古。
Aさんは「相対動作の打ち太刀を出来るようになっていたらいいね。」と言って、「その中でもちょっと難しいのは、繰り付け、繰り放し、体当たり、体外し打ち、胴払い打ち。それを練習しておこう。」と言った。
▪︎繰り付け・・八相の構えから、正眼よりもっと高い位置に太刀を出す→杖が当たったら手首が自分から見て左に折れる→繰り付けられたら右足を引く→左足を引いて杖と合わせる。また八相に構える。
▪︎繰り放し・・八相の構えから正眼よりもっと高い位置に太刀を出す→杖が当たったら手首が自分から見て左に折れる→繰り放されたら右足をひく、ワァーン・two・threeのリズムだとAさんは言った。右足をひいたあとは、左右と適当に流されていい。戻ってまた八相。
▪︎体当たり・・八相の構えから正眼よりもっと高い位置に太刀を出す→杖が当たったら手首が自分から見て右に折れる→相手に崩される、顔を避ける→体当たりされる→八相に構える
▪︎体外し打ち・・八相、中段、左の腰につけてから突く(んだっけ。)→右足、左足で下がる→2回目からは、中段、左の腰、突く、だったっけ…。
▪︎胴払い打ち・・逆八相に構える→袈裟の角度で、相手の胴(帯)を斬るような→右足、左足が下がるときに合わせて切先が正中線に。
型の稽古。"表"の型を通して、2度繰り返す。
繰りつける時、前足の爪先は前を向く。足の置き場所が相手とまっすぐ直線を結ぶところ。何度足を置き直しても違う。何度教えてもらっても、まだ足の場所がいまいち分からない。
大きく違ったのは"着き杖"の杖を回す軌道。体を外したら両足は縦線に沿う。角度をつけない。そこから杖の軌道は右から丸く回って左へいかない。右から回って、右側から袈裟に斬る。
最後、向かいあって、巻き落としの練習。左手は肩の前。こめかみを斬る。他にも助言をくれたけど、もう頭がいっぱい。
互いに礼をして、稽古を終える。
「薄めに珈琲をいれよう。」と、いれたら薄すぎる。Aさんは昨日の餅をあたためて食べて、昼になる15分前、沖縄へ向かった。
すべての不足を補って、遠くへ行った。それがあまりにも完璧で、すごい事だと思うし、
どういう人なんだろう、とも思う。
キラキラとした川沿いを歩いて帰宅する。
わたしは好きだったけど、Yがずっと気に入ってなかったケメックスを道場に持って行ったから、数日前、自宅用のあたらしい珈琲サーバーを、どんなのにしようか、とYに声をかけた。
「ネルドリップ。」そうくるか、という答え。
ケメックスと何が違うのか、と思うHARIOのネルドリップポットに決まった。
道場から帰宅したら、ちょうどそれが届く。
昼ごはんに昨夜のシチューの残りでパスタを作ってくれたYに「珈琲淹れて。」と、言う。いつもの味とまったく違う。ネルドリップってこんなだっけ。
ものすごくスモーキー。山小屋のよう。そして、本当にケメックスと何が違うんだろうと思う。
2026.02.08_Sun.
寒い日になると知っていたから、山で使っていたホグロフスのダウンを着た。
玄関を開けると雪が積もっている。
8時に道場、Aさんと稽古。
道衣に着替えて裸足になると、足の裏がどんどん冷たくなる。
身体を温めるために合気道の稽古からはじめる。
片手取り呼吸投げ。片手取り入り身投げ。正面打ち一ヶ条(表、裏)。
軽く汗をかくくらい。
杖道の稽古。
畳の長辺を使って基本動作。本手打ち、逆手打ち、引き落とし、返し突き、逆手突き、巻き落とし、体外し打ち、繰り付け、繰り放し、体当たり、胴払い打ち。
向かい合って、上段からの打ち込み、本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ち、巻き落とし。
Mさんが来て、表の型でいま練習していること、以前とはやり方を変えていることをAさんはちゃんとMさんにやってみせて、伝えてくれた。お陰でAさんがいない間も、前のやり方を練習せずに、いま練習することを練習できる。
忘れてしまいそうなこと。
"右貫"・・右足を左足のすぐ横に出して、左足で下がりながら"小手を"打つ。そのまま水月まで。突き上げる。太刀を落とす。
"着き杖"・・本手にとるとき、前足しか動かしていないつもりなのに、またAさんに後ろ足も動いてしまってると言われる。
"細道"のときは杖を畳に付くまで打つ。"寝屋の内"のときは、畳につかない。
そして今日はそれ以上は稽古できない。10時半から近くの神社で餅つき。館長が世話をしている行事だから。
AさんとMさんと雪の中、近くの神社まで歩いた。
家の前を通ったから、ここが家だとふたりに言った。
神社に着くと、蒸し器からは湯気があがり、木の臼が準備されていて、交代に餅をついた。
重たい杵を下ろすとき、「膝を使え。」とアドバイスの声がする。
気剣体一だっけ。武道の人のアドバイスだなぁ。
K(10才)も家からやってきて、餅をつく。
そして、AさんとKと雪合戦をして遊んだ。
来る前までは、餅つきなんかするより稽古したいのに。とか言っていたのに、たのしんでしまった。
神社を出る。Yが合流して、すこしだけ公園を散歩する。綺麗だな。
2026.02.07_Sat.
7時から本部道場でI師範の朝稽古。
今日は畳がつめたい。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身
▪︎諸手取り呼吸投げ
▪︎片手取り入り身投げ・・諸手取り呼吸投げのように入って、相手と同じ向きになり、掴まれていないほうの手で下から相手の手首をとる→掴まれていた方の手で相手の首→身体につける→投げる
▪︎前方回転受け身・・I師範はわたしに、「もっと景気良く手をつけ。」と言った。
▪︎片手取り呼吸投げ・・転換したあと、真下にものを置くように
▪︎片手取り回転投げ・・天地投げの地の手、逆の手で当て身を忘れない、相手を崩す方向へ、前足と後ろ足の二足を共に動かす→投げるとき、今日は相手側の足が前に出ていた。
▪︎正面打ち回転投げ・・相半身から入り身投げのように入る→手を入れ替える。
自分はAさんから矢筈の手で相手の手を拾うことを教わって知っているから、スムーズにいくんだな、と思う。
▪︎座技正面打ち二教(表、裏)
▪︎座技呼吸法
8時過ぎに稽古が終わる。
今日はそのまま家に帰らず、銀座に行く。
銀座の奥野ビルで、宮田尚幸さん主催の、<耳をひらく時間>vol.04 by 対話の場「Lytte」、というのに行ってみる。
宮田さんとは面識がない。なにげなく携帯電話を触っているときに、今日のことを目にしただけ。なんか気になった。なにがはじまるかもあんまりよくわかっていない。
参加費5,500円を払って、人と喋りにいく。
始まるのは10時半。まだまだ時間があるから、奥野ビルのすぐそばの、角のドトールで朝ごはんを食べた。お腹がすいて、サンドイッチひとつでは足りない。もうひとつ買ったりはしないけど。
奥野ビルの手動のエレベーターで7階に上がる。部屋に入ると宮田さんと森岡書店のHさんがいらした。
数分で(あー、また面白い人に出会った。)と思った。
住む場所、杖、"dialogue"。宮田さんのされている活動の話を聞いた。デンマークの思想。
千葉の施設、"空と海" の話。室温や壁の色、物の高さなど、人が安心する場を作り、"dialogue"できる環境をつくること。
そうだ、今日は"dialogue"を学びにきたんだ。
ただ喋るんじゃない。
宮田さんと話しているうちに、参加する人が集まった。わたし含めて4人。
"dialogue"という英語は、日本語にすると"対話"だけど、"対話"とも少し違うんだ、というのが面白い。
"dialogue"というのは相手の話を正さない。ただ置いておく。
自分の話も正されない。ただそこに置かれる。
そして、互いに影響を受ける。なにかに自分の心(興味?)が動くのを待つような。
そんなふうに目の前の人と言葉を交わす。
宮田さんが留学されていたデンマークでは、"dialogue"の考え方をこどもの頃から学ぶらしい。
合気道をしていると、言葉より先に人を知る。そのあとで言葉を使っても、使った言葉よりも先に人を知っているような変な感覚がする。
もうダイレクトに知っている感覚のところまで行ってしまいたくて、言葉の扱いかたを教わりたかった。
まだよくわからないけど、なんかここにヒントがあるような気がするんだけど。
ひとつの話すテーマを渡され、20分話す、を2回した。耳を傾け合っているという行為が面白い。
"dialogue"が終わり、ビルの外に出ると雪が降ってきた。
2026.02.06_Fri.
8時半に道場。Aさんと稽古。
自宅で毎日使っていたケメックスを道場に持って行った日。珈琲をいれた。
そして今日は紺色の道衣を着た。この道場に通いはじめた時に、辞めて行った人の紺色の道衣をもらった。杖道の稽古をするから久しぶりに着てみたら、白い道衣よりも柔らかくて、気持ちが良かった。
午前中は上段からの打ち込み、本手打ち、逆手打ち、引き落とし打ちの打ち込みを丁寧に丁寧に見てもらいながら練習した。
そして、基本の相対動作。杖を持って。そして打太刀も。細かな細かな細かなことを、丁寧に丁寧に練習した。
「もう頭に入らないね。休憩にしよう。散歩する?」とわたしの様子を察してAさんが言う。
服に着替えて外に出た。
大きく息を吸った。
川沿いを散歩して、ミニストップでお弁当とシュークリームを買って、公園で食べた。
今日は油淋鶏と麻婆春雨のお弁当。
道場に戻ってまた珈琲をいれた。
昼からは東京の離れた町からMさんもやってきて、続きの相対動作を練習した。"繰り放し"がやけに難しかった。なぜそういう動きになるかの理合いをAさんが説明してくれた。よく分かる。真似てみる。でも簡単には上手くいかない。
型稽古をした。AさんとMさんは"影"のことを。わたしは"表"のことを。
道場の窓から陽が差す間、それを続けて、神前に礼をした。
暗くなって、こども達がやってきた。K(10才)も来た。館長も来て、今日はこども達に杖道を教えはじめると言う。そしてわたしに「Kに教えてやれ。」という。少し教えはじめたところで、皆が集まり、Aさんがこども達にとってははじめての杖道を教えはじめる。
わたしはちいさなこどもの隣に立って、それを手伝った。本手打ち、逆手打ち。
そこからAさんは特殊技の"打ち落とし"へ初日のこどもらを繋げていった。わたしにその打太刀をやらせた。相手が大人であろうと、こどもであろうと、わたしにも稽古をさせている。
感心する。
19時頃に稽古が終わる。
あっという間だったけど、長い長い一日だった。身体中に稽古を含んだような、ぱんぱんな気持ちがする。
交差している間に学んでおくことがたくさんある。
今日覚えておくことはなんだ。
本手打ちのとき、逆手打ちのとき、上の手を滑らさないと、下の手が下がること。
本手打ちのとき、下の手の小指側の側面が刃になるから、畳に向けるのはそこだということ。
引く時に下がって、打つときに前足が動く。
自分の前足を自由に使えるようにすること。
上段に構えたときは、下の手があるほうの目の上に構えること。
"着き杖"で、体を外した後、左、右、と足を運ぶ時の後ろ足(右足)の位置のこと。前足の場所は今のままでいいから、後ろ足を相手と正対するところ(もっと右に回ったところ)に置くこと。
"笠の下"で杖を立てるときは、相手の右側の側面に立つこと。
すべての動きに果てしなく教わったことがたくさんあって、今日はもうこれ以上、文字を書くことが出来ない。
2026.02.05_Thu.
8時半にAさんと道場で待ち合わせ。
湯を沸かして珈琲をいれる。
9時になって、東京の離れた町からMさんがやってきて、今日は3人で杖道の稽古をする。
いまAさんとふたりで稽古を重ねている、西岡先生のやり方と九州のやり方をAさんの考えの中で混ぜた"表"の型を、Mさんに見せて、それをひとつずつ稽古していく。
そして、Aさんはこの後4月まで東京に戻れないから、その間にわたしが"表"の型を覚えて稽古を重ねられるように、動画を撮っておくことを提案してくれ、すべての型を目の前で通して見せてくれる。
【覚えるために、記憶を絞り出して今日教わったことを書いておく。今日、頭の中に溜めた全部。】
……
▪︎太刀落とし(九州)
いつ杖に左手をかけるのか。相手が二足一刀の間合いに入る直前。
相手の太刀と杖を合わせたあと、太刀が下がる→右足、左足、杖はいっぱいにとるけど、後ろに引きすぎない。引きすぎずに大きく弧を描く→正中線をとる→左足が少し開く→杖は相手と平行、間一文字にしない。左手のほうが少し上がってる→右足が前に出て繰りつける→相手の目を通って返し突き→引き落としたとき、下の手は杖を握らない、指は伸ばしたまま親指で杖を挟む→引き落とし打ち。相手が居たところを打つ。居るところじゃない。
▪︎鍔割
常の構えから左手を杖先に持っていき、杖をいっぱいに前に出す、下にある左手は膝上で開く、上にある右手は握る→相手が打ってきたら左足を引く、右の手のひらで自分の目を隠したら駄目→左足の踵を支点にして、爪先が外へ開く→右足を下げながら、右手は下がらない。上段から相手の鍔を寸止めしながら打つ→しゃがんでしまわなくていいから、右足を開いて股を割る、相手の水月を突く。突いた後は柔らかく。→腿を斬ってこられるから、左足を右足の後ろへ逃す。杖先は相手の小手に付いていく→目付け→繰りつける→相手の水月に杖先をつけて構える時、前足(左足)の爪先は相手を向く→相手が前に出るときに突く→引き落とす。その時、下にある手は杖を握らない。指は伸ばし、親指で挟む→引き落とし打ち。相手が居たところを打つ→目付け→納杖。
▪︎着き杖(九州)
相手の線を外すだけ。斜め45°じゃない。→右手は右の腰骨。いい姿勢のまま。左手は杖を触らず、自分の腰。親指は開かず、他の指と揃える。→相手の太刀が外側へ流れるのを避けるため、少し外側へ左足を出すタイミングで左手は下からすくうように杖をとる、右足が出ながら相手の小手を打つ→杖を滑らせて本手をとるタイミングに合わせて、右足を踏む(左足は前へ動かさずそのままの場所)。踏む右足も大きく前に出るんじゃない。わずかに出るかもしれないけど、前に進む為じゃない。踏む。→相手の小手を打つ瞬間にわずかに押し斬り。打ち終わってから押すんじゃない。
▪︎左貫
常の構えから自分の身体の前に横に杖を持つ→左手で杖の左の先を持つ→右手を杖の右の先まで滑らせる→頭の上に上げる(視界にいま入った!という高さに)→右足の爪先を支点に踵が外に出る、線を外すことが下がるよりも先。相手の太刀をいなしながら後ろへ下がる。物打ち(太刀のいちばん斬れるところ)に杖が交差していることを確認する。そこまで下がる。→身体をひらく、右手をすべらせて、杖を大きくとる、前足を踏みながら打つ。→前に大きく出る。→相手の動きと合わせて足を踏み替える(踏み替えるとき、後ろ足は前足より前に出さない)。→引き落とすとき、下の手は杖を握らない。→引き落とし打ち→目付け→納杖。
▪︎右貫
構え方は左貫と同じ→相手が突いてくるとき、左足を前に入り身、水月を突く、杖の下に隠れる→左手を下まで(杖の先まで)すべらせて、逆手打ち→右足が前に出る→杖を少し引きながら右足が左足の左側へ→"小手"を打ちながら左足で下がる→杖はそのまま水月まで→相手が動くときに突き上げる、太刀を畳に押さえる→左手は肩の前。おでこの前じゃない。→杖が大きく周り、相手の右側のこめかみへ(打たない)→目付け→手を持ち替える→納杖。
▪︎霞
構える時、上の手の指は揃える。開かない。→足を踏み替える時、後ろ足は前足より前に出ない。→大きく杖をとって逆手で打つ→前に出る→引き落としたとき、下の手は杖を握らない。→コミットする→体当たり(下の手は水月、上の手は顔面)、下の手は拳ひとつぶん相手の身体から離す→相手を崩す→体当たり→引き落とす、下の手は杖を握らない→コミットする→繰りつける→杖先を相手の水月につけて構える、前足の爪先は相手を向く→相手が前に出るときに突く→引き落とし打ち→目付け→納杖。
▪︎物見(九州)
「物を見る。」とAさんが言った。相手の太刀がどんな軌道かをよく見ながら、右足が前で線を外す。前に進むんじゃない。外すだけ。→左手で杖を下からすくい、右足を下げて相手の小手を打つ(打つけど寸止めする)→返し突き→目付け→納杖。
▪︎笠の下
常の構え、左手を右手の前に。右手を拳ひとつ分うしろへ。これで杖を6:4でとれる→円を描いて杖を肩にかつぐ。杖先は相手の目に付ける、膝を軽く曲げる→相手の太刀が降りるときに足を踏み替え、杖と太刀を逆手で合わせる→自分の肩幅に杖を持ち、相手の水月を突く→前にある右手を杖いっぱいのところまですべらせる、杖先は水月から自分からみて左側の相手の腰に移る(相手の身体に自分の右手が触れる)、左手は本手に持ち替える→杖を相手の身体に刺したまま、前足に後ろ足をそろえるようにして相手に寄り、杖を立てる。(ここで両足が揃ってるから、次の動きのときに相手の背面に入れる)→相手がわずかに動くから、自分の向きを相手に合わせる→杖は相手の身体から離れていいから右足から深く前に入る→左足、右足と相手の背面に動きながら、相手の肩を斬る。圧をかける→目付け→納杖。
▪︎一禮
しゃがんで右手で物見の構えのように杖を持つ、左手は左膝。→相手が近づいてくる。斬りかかってくる前に左手で下から杖をすくい、立ち上がりながら左足を前に出して、相手の小手を打つ(まっすぐ入る。)→右手で杖を引き、左手を杖先まですべらせて、相手の太刀を逆手で打つ(相手は頭のところに横に太刀を持って防ぐ)→杖の下に隠れる(右手がおでこの前)→右足を下げながら杖をまわし、相手の小手を打つ→待つ、目付け→相手が斬ってくるから、左足を下げて、右手で自分の目をかくさない。(このときは右貫のときと違って、右手はおでこの前)体外し打ち。→目付け→納杖。
▪︎寝屋の内
正座する。自分の右側に杖を置く。→相手が近づいてくる。相手が二足一刀に入る直前に、右手で杖の真ん中をとる→斬りかかられるときに左手で杖先を持ち、右足裏を畳につけて(右足爪先は、左膝より前に出さない気持ち。若干は出てしまうけど。)太刀落としのときのように、相手の太刀と杖を合わせる(足その形のまま少し下がって調整する)。→後ろ足裏で畳を蹴るようにしたら左膝が浮き、右足で踏み込んで本手打ち。相手の頭を通って、相手の足の内側、くるぶしの上あたりを狙う。杖は畳に付くまで。右膝は畳に付いてる→目付け→納杖(途中、身体をひらくところでは、自分の足も相手と正対する)→最後のところをやりながら立ち上がる。
▪︎細道
常の構え→左手で杖先をとって、右手を返して右の肩に、永島慎二の旅人くんみたいに。もっともっと杖の角度は立ってるけど。→相手も歩く、自分も歩く→二足一刀で相手の頭が斬れる間合いのところから、右足、左足、と前に出て、相手の頭から畳まで斬る→相手が斬ってくるから左足を引いて、自分の右手で自分の目を塞がない。体外し打ち→目付け→返し突き→左手を本手に持ち替えて、左足が出ながら本手打ちで相手のこめかみへ→目付け→納杖。
……
そして自分は"表"までしかまだ教わっていないから、AさんとMさんが中段の型を稽古するのを横で見学していた。
杖道をはじめてから、自分がAさんしか見ていないことが見学しているとよくわかる。
自分はまだ出来なくても、他の人がAさんと違うことをしていると、"違う"と気づく。
それしか見ていないのだから。
違いを感じるところは、重心の位置とか、歩幅とか、姿勢とか。
Aさんはどんなふうに身体が動いても、重心の位置が後ろへ前へとふらふらしない。
いつも同じところに重心がある。真ん中より少し前のあたりに。
見る、とか、見続ける、というのは、やっぱり面白いことに思う。
ミニストップに3人でお弁当を買いに行った。
海苔弁にした。甘いものがたべたくて、シュークリームも買った。
昼ごはんを食べ終わり、袴をつけた後でトイレに行くMさんを見てわたしが不思議そうにしたら、男だからだと、Aさんが教えてくれる。それにしても驚く。
ひきつづき、"中段"の型の見学と、"表"の稽古と。
15時半前に終わる。
2026.02.04_Wed.
9ヶ月ぶりに煙草を吸ってしまった日。
あーあ。
暗いテラスに出て、猫に見守られた。
心配しなくて大丈夫ですから、と見つめ返して、今夜はピェンローを作ります。家族が椎茸を戻してくれているので。
Dさんが、チョコレートを渡しそびれたとメッセージをくれて、なにを察したのか"月の爆撃機"の話をはじめて。
爆撃機も最初なにを歌っているのかわからなかったけど、何回も聴いてわかったときにすごい好きになったんだと話せば、以心伝心のように、好きだと思っているピンポイントの歌詞が送られてきた。「それ!」と返事して、あとは歌を聴き続ける。
胸に刺さってぐねぐねになる。
2026.02.03_Tue.
昨日の夜はさすがに眠たくて、早めにベッドに入る。23時半頃だったか、ふと目を開けるとK(10才)がいて、わたしの足裏をマッサージしてくれたり、腕を触ったり。
"触っている"という感じがする。
しばらく様子をみていると、
「 "ほたるの墓" がYouTubeで流れてきて観ちゃったら怖くて眠れないんだ。」「怖すぎる。」
Kが話しはじめた。
「どのシーンを観たの?」と聞くと、
「妹が餓死するところ。」「背中にぶつぶつが出来るんだ。」「戦争はどうしてあんなに怖いの?」「爺ちゃんと婆ちゃんには長生きしてほしい。戦争を潜り抜けたんだから。」
大人ぶって、「そうだね。」と言って、聞いていた。自分も答えを持たないのに。
触っていると気持ちが落ち着くから、また今日も考えるのを放棄する。
今日もAさんと稽古の予定を入れていたけど、昨日ふたりで話して、今日一日を休むことにした。その代わり今週あと2回朝から晩まで稽古しようということになる。
休みになって良かったかも。身体がとても疲れている。
人が生きてきた場所に興味がある。
昨日、以前にAさんが住んでいた町の景色が見たいと言って、そこを歩いたのに(Aさんはそこへ連れてくれたのに)、鞄からカメラを出せなかった。稽古の疲れより、今日はそれが身体に堪える。そこでどうして出せなかった。
そしてひとりでならそれができるからと、後日に同じ場所を歩いたとして、それは同じことにならない。知ってるし。
道着とカメラが入ったリュックは重たかった。
身体を動かしていないと頭の中がそんなことばっかり。
武道は自分のそういうところを変えてくれるだろうか。
家で仕事をしていたYに「節分だから巻き寿司を買いにいきたいな。」と言ったら、「駅のほうまで買いに出て、ついでにおでん食べるか。」と言う。
おでんで温まって、巻き寿司を買って、商店街のベローチェで珈琲をのんだ。
珈琲をのみながらYに昨日の不甲斐なかったことを話したら、"報われるかわからないことに情熱を傾けることができるかどうかというのが才能"というメモを見せてくれて、「将棋の羽生さんは言葉が面白いんだ。」と言った。
「本を持ってる?」と聞いたら、「デジタルで読んだかな。はじめだけでも読んだらいい。」と言って、携帯電話を渡してくれた。
夜は本部道場にも稽古に行かず、家族と巻き寿司を食べる。
2026.02.02_Mon.
Aさんが本部道場の道主のクラスに連れて行ってくれる日。
朝4時に起きて支度して、6時半から稽古がはじまる。
ぜったいに朝寝過ごしたらいけないと思って、アラームを5分刻みに4回セットして寝たら、
途中で携帯電話をなくしたり、知らない道になって迷ったり、時間までに辿り着けない苦しい夢を見続けて、はっと目を開いたら夜中の1時で、夢占いをした。それは凶夢ではなく、頑張ろうとしている人が見る夢だと。大事なことの前に心が緊張で準備運動をしているような状態なだけだと。
占いをしている場合じゃなく、寝て起きなければならない。
4時に無事に目を覚ませた。
新宿でAさんと合流して、本部道場へ行った。
6時半からの道主の稽古は組んであげる。そしてひとつ目とふたつ目の稽古の間に30分時間があるから、そのときに人を紹介してあげる。上手くいけばその人と組んでもらえるだろう。もし駄目ならダブルで組んであげる。そんなことをAさんは数日前に話していた。
初日で様子がわからないし、ふたつともAさんが組んでよ。と何度も口から出そうになったけど、出さずに堪えた。勇気をだして流されるほうを取りたい。
3階の稽古場へ入ると、全員が袴をつけていて、白い道着の上下で白帯をつけているのは自分ひとりだった。見方を変えれば、結構イケてるんじゃないかと思った。
今日は世阿弥だ。離見の見だ。目の前のAさんを見て、普段通りの稽古をしたらいける。
道主が入ってこられた。去年武道館の真ん中でひとりでライトアップされて演武をしていた人が目の前にいる。
人がたくさんで、このスペースでどうやって練習するんだろうという、いつもと様子の違う中で、人にぶつからないように受け身をとって、技をかけて、ということをした。
最初はなにからはじまったんだっけ。
▪︎諸手取り入り身投げ
▪︎諸手取り二教(表、裏)
▪︎諸手取り四方投げ
▪︎諸手取り小手返し
▪︎諸手取り呼吸投げ
▪︎諸手取り呼吸投げ(前方回転)
▪︎座技呼吸法
スペースのない中で受け身をとる、技をかけようとすると、より感じることを強くしないと出来ない。それが面白かった。
次の稽古までの間に、AさんがHさんという女の人を紹介してくれた。組んでくれるという。
8時からU師範の稽古。
▪︎入身転換
▪︎正面打ち入り身投げ(転換なし)
▪︎座技一教(表、裏)
▪︎正面打ち二教(表、裏)
▪︎正面打ち四方投げ(表、裏)
▪︎正面打ち小手返し
▪︎正面打ちから入り身投げのように入ってそのまま下に落とすやつ
▪︎座技呼吸法
Hさんは気持ちのいい人だった。Aさんはわたしが女子クラスの稽古で憧れていたSさんとも知り合いで、話せるようにしてくれた。終わってからのお喋りで、「(あなたは)強い感じかー。Aさんの友だちだもんね。」とHさん。
本部道場を出て、タリーズで珈琲とイングリッシュマフィン。Aさんはわたしに早く3級をとったらいいと言った。そうすれば袴をつけられて、目立たず上手い人と稽古ができる。
そのまま、牛込柳町を歩き、筑土八幡神社の前を偶然に通ったから「館長が昔稽古してた場所だよ。」とお詣りして、水道橋の武道具屋まで歩いた。
それにしても今日は快晴だった。
Aさんは鍔と鍔止めを買った。
せっかくAさんと武道具屋に来れたから、自分の杖を選んでもらおうかと思ったけど、普通の値段より高価な杖しか置いてなかったから、今日に杖を買うのは辞めにした。
電車に乗り、途中でおにぎりを買って地元の道場に戻り、杖道の稽古をした。
表の"太刀落とし"から教わったことをすべて稽古して、今日はあたらしく"寝屋の内"と"細道"を教わった。そして特殊技3本の打太刀を練習した。
間合いが分からず、何度も何度も稽古した。
"細道"の最初の間合いは、今日は畳一畳と2/3くらい。そこから足が右、左、と出て、大きく杖で弧を描けば、ちょうど相手の頭に届く位の間合いに今日はなった。
稽古が終わるとき、「これで表の12本すべてだ。おめでとう。」Aさんがハイタッチの手を出した。
「杖道を人に教えたことはあるけど、表の全部まで教えた一人目だ。」とAさんが言った。
まだ全く覚えきれてないけど。一応のカタチは説明した、という意味で。
2026.02.01_Sun.
8時に道場。皆が来る前にAさんと稽古する。
湯を沸かして、この間Aにもらったクニタチツバメコーヒーをいれた。
朝は畳に日差しが跳ねて、気持ちがいい。
ずっと動いてずっと集中していて、たくさんのことをして、いま思い出そうとするのだけど、合気道は、終末動作をして身体を伸ばしたあと、両手取りの呼吸投げをしたこと。
隅落としをしたあとでもう一度手を取りにこられたとして、小手返しをかけることとか。他を思い出せない。
技をかけることよりも、相手の力を感じること、身体をしならせて本当に相手の力がくるまで倒れずに待つこと、今日はそういう練習をしていたから(いつもだけど)、技のことが頭に残らなかったのかもしれない。
杖道。
太刀落とし~一禮まで。
館長や他の人が来て、臂力の養成、手合わせ、木剣の動きで入り身して斬るように投げること、一ヶ条の突き上げのこと、体捌きを考えること。二ヶ条と三ヶ条のこと。
小手返し。すごくいい稽古だった。
杖道。本手打、逆手打ち、引き落とし打ち、巻き落としの打ち込み。
相対で基本動作。杖も太刀も持って練習する。
型稽古。九州のやり方の"太刀落とし"
繰り付けの練習。
"着き杖"九州の。
"水月""斜面""打ち落とし"
それぞれの打太刀も習う。
下段、目付、左足が前に出て八相→左足から前に歩く→左足でとまる→左、右、で相手の正面を斬る(二足一刀の間合い)。
相手の正面を斬るとき、相手が斬るために太刀を出すとき、相手との間合いが畳のガイドがなければ全く測れない。
数日でわかるような種類のことではないと思う。何回練習するか。
教わったことがたくさんあって、とても書ききれない。
稽古が終わって、近くの焼き鳥屋で焼き鳥を買って、道場に戻って食べた。今日もいろんな話。
2026.01.31_Sat.
本部道場でI師範の朝稽古を1時間。
昨日届いた新しい道衣をおろす。
心が変わって、苗字を黒ぐろと名入れした。なんかすっきりしてさっぱり。そんなのなんでもいい、の強さなんだと思う。
こんなつまらないことが分かるのに8ヶ月もかかった。ようやく風がぬけた。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身
▪︎入身転換・・I先生は相手の爪先に自分の爪先を合わせる。横へずらすと何がいけないと言ったんだったかな。何かがうまくいかないんだと言った。
そして爪先と合わせるのはそのまま四方投げ(裏)の動きだと言った。
▪︎諸手取り呼吸投げ
▪︎片手取り四方投げ(表、裏)・・相手を投げたとき、よく足元がぐらつく。気づいていても直せなかった。I先生がそのことで声をかけてくれた。転換したときに相手の手の位置を動かさないこと。理解できたような、やってみたらまだ理解できていないような。
▪︎座技二教(表、裏)
▪︎前方回転受け身
▪︎転換して呼吸投げ
▪︎片手取り回転投げ
▪︎座技呼吸法
道場を出ると朝の空気が気持ちよかったから、新宿三丁目まで歩く。ベローチェで珈琲を一杯。
2026.01.30_Fri.
15時に道場。東京に戻ったAさんと稽古の約束。片手取りから何をしてもいいよ、と稽古をはじめる。呼吸投げ、入り身投げ、回転投げ、四方投げ、小手返し。
次は後ろ取りをしよう、その次は正面打ちを受けた肘の手は握らず、くるっと相手の腹の中に入り、膝をついて投げるやつ。
投げられ投げてをずーっと繰り返した。
座技呼吸法。
杖道の型稽古。
▪︎"太刀落とし"。Aさんはまた違うやり方の太刀落としをわたしに教えた。これで3つめだ。
九州のやり方だという。
相手の太刀と杖を合わせ、右、左と足が動き、こめかみを打つ(杖は正中線へ)→そのあとがいつもと違う。左足は少し開くだけ(真横までいかない。)→腰を捻る、繰り付け→返し突き→引き落とし打ち→納杖
▪︎"着き杖"。これも九州のやり方をAさんは教えた。いつもは45°に下がる。だけど今日のやり方は体を外すだけ。右手が腰骨の内、左手は添えない。→(手が動くのと合わせて)前足が出ながら左手で杖をすくうように小手を打ち→右手を本手に持つために後ろに滑らせる動きに合わせて、前足が少しだけ前に動く(このとき後ろ足は動かさない)。最後、相手の小手を打つときは、打つと同時に押し斬り。打った後に押すんじゃない。
▪︎"引っ提げ"。冒頭の部分。杖を相手に向けるときはいいタイミングで一息に。そのあと目につける。
▪︎"物見"。九州のやり方。杖を左手で下から持つのは同じ。体を外して右足をひかずに前へ。右足を引いて小手を打つ。あとは同じ。
▪︎"鍔割"。突いたあと軽く。そうすれば太刀についていける。腿を斬られるとき、左足が自分の右足の後ろまで避けることが大切。
今日教わったことはもっとたくさんある。この倍以上ある。書ききれない。
館長が来て、こどもクラスの稽古がはじまる。
K(10才)も来たから自分もその稽古に加わった。Kと組んで基本動作をした。
稽古が終わる。
そして問題の門人がやってきて、去っていった。
いろんな対話があるけれど、聞いていて今日は100:0で館長(87)の言っていることが、もっともだった。去る人は同じ土俵にも立てていないのにも関わらず、口だけで土俵に上がった。なにを言っているんだ、でしかない。
Aさんとワインを少しだけのんで、家に帰る。
2026.01.29_Thu.
昨日で本部の寒稽古が終わり、明日はAさんが東京に戻ってくる。今日は稽古がない。
Aとごはんの約束をして、
どこで会おうか話すうちに、道場のまわりを歩くことになった。
稽古の町で友だちと会うなんて、これは参観日のこどものような気持ち?
いつものタリーズでAと珈琲をのんだ。
備後屋に寄ってから、いつもの道を歩き、本部道場の前まで。
これを楽しんでくれるって、すごいことだな、と思う。
抜弁天で鯉を見せ、こっちが新宿だ、こっちが大久保だと、自分も最近庭になったばかりの町なのに、と腹で思い、ちょっと滑稽で面白い。
大久保の町までふたりで歩いて、早い時間からタッカルビとチュクミ、チュモッパも握る。
「道衣屋がある町なんだ。」と、もう自分の頭にはそれしかないし、とことん好きなものを見せる日にしたから、ジャレビのショーケースまでAに見せなければ。
新宿まで歩き、"バガボンド"の階段をのぼる。
Aとお酒をのむのが楽しい。そして、思ったことを話し、話されるのが、うれしい。
外にでると、ピロシキみたいな月。
"老いの語らい"を読んでみよう。
"シャルトリューズ"も覚えておこう。
いつかもう少し地面が柔らかいところで、Aに後ろ受け身を教えてあげよう。
2026.01.28_Wed.
寒稽古10日目、最終日。
とてもひとつのアラームで起きられる気がしなくて、K(10才)の携帯電話のアラームも借してもらって目を覚ました。
電車を待ちながら、Lucinda Williamsの新譜が出たのを知って、 "The World's Gone Wrong"の歌詞の意味をしらべながら電車にのった。
A先生の朝稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身
▪︎体捌き(前足入ってから転換、後ろ足入ってから転換)
▪︎入身転換
▪︎座技一教(表、裏)・・跪坐ではなく、正座で向かいあったところから、A先生ははじめた。受けは片膝を立てて正面打ち。仕手は正面打ちを受ける時にさっと跪坐になり、前足が立つ。後ろ足は前足に踵が添う。
▪︎横面打ち四方投げ(表、裏)・・裏のときも前に出て受けず、腹側に転換した。
▪︎正面打ち二教(表、裏)
▪︎正面打ち三教(表、裏)・・斬り落とすとき、やっぱり相手側の足が出ていることが大事に思った。
▪︎片手取り小手返し・・右逆半身、片手取り。相手の背中側に右足で入身→左手で切って腰回転で相手と同じ方向を向く→右手を上から相手の手へ、小手返しの手をとる→ここで転換する。小手返しの手をとってから転換する。小手返しの手をとる前には転換しない。
A先生はそう言った。今日の稽古で一番大切なこと。
▪︎座技呼吸法
道場を出て、新宿まで歩くことにした。東新宿のあたりで真横の花壇に鳥の気配がした。立ち止まってじっと見る。メジロが二羽、木の葉の中から現れた。そしてすぐに飛び立った。
メジロがいた。今日、こんなところに。
仕事までまだ時間があるから、大きいほうのタリーズに寄って珈琲をのんだ。さっきと気が変わって新宿のある左へ曲がらず、道をまっすぐ歩いてみることにした。大久保あたりに着くはず。
薬果とKOPIKO(コーヒー味のキャンディ)を途中で買った。今日のおやつにする。
夜はFさんのところへ髪を切りに行った。
「やっぱりそういうのって、効率よく済ませること(タイパ)じゃなくて、そのことにどれだけ時間を差し出せるかなんだって。」という話を聞きながら、髪を綺麗にしてもらった。
天才も突然現れるわけじゃない。時間をかけた人が、結果として天才に見える、という"一万時間の法則"の話。
そしてその話のあとでFさんは、わたしが頭に描いたよりも理想に近い形に前髪を切ってくれた。
多くの言葉は交わしていないのに。
Fさんは一万時間超えの人なんだ。
計算したらわたしはあと55年と7ヶ月かかる。Yにそのことを話すとその話を知っていて、「こういうときはまず100時間を目指せばいいよ。」と言う。なんなんだろう、男って。
2026.01.27_Tue.
昨日の夜に買ったサンドイッチを食べて家を出る。外は凍ってしまいそうに寒い。
移動中に聴きつづけているヒートウェイヴの新譜に今日も何かを守られ、支えられ。
本部道場で寒稽古の9日目。
F師範の朝稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎足捌き(右半身、右足が右斜め前に動く、後ろ足が添う→左足が左斜め前に動く、後ろ足が添う)
▪︎逆半身、片手だけ取って天地投げ(表)
▪︎逆半身、両手持ち天地投げ(表)
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎座技正面打ち一教(表、裏)
▪︎相半身、交差取り、片手だけで小手返しの練習
▪︎正面打ち小手返し
▪︎突きからの小手返し
▪︎半身半立ち片手取り四方投げ(表)
▪︎片手取り四方投げ(表、裏)
▪︎自由稽古(三教を練習した。)
▪︎いつも舟漕ぎ体操と書いていたのは、"一教運動"と言うみたい。
稽古のあとの掃除を終えて、稽古場に戻ったら、袴を外したF師範が今日も居た。
火曜日の朝稽古の後、いつもF先生はこうして何をするでもなく、稽古場にほんの少しの時間戻ってくる。たぶん話しかける余白をくれてる。
隣に座ると、「寒稽古は皆勤できそうかい。」と先生が話しかけてくれた。「はい、できそうです。」と答えて、「先生、三教を教えてください。」と言ってみた。
先生は自分で自分の手に三教をかけてみろ、と言って、わたしがやるのを右、左、もう一度、右、左、と見てから「その形を相手の手にもかけるんだ。」と言って立ち上がり、「一度だけやるから一緒に動いてみて。」と言って、三教の一人型をしてくれた。相手の手の平が畳を向く手の形を、ずーっとキープすること。
「三教は表をしっかり出来るようにしてから裏を練習したほうが本当はいいんだ。というのは、本当は三教には裏がないんだ。転換しているだけで、裏と呼んでるのは本当は裏じゃない。天地投げだってそうだ。天地投げにも裏がない。いまはわからなくてもいい。だけど転換してるだけで裏じゃないんだ。」F先生はそう言って、一度だけ、と言ったのに、4回やって見せてくれた。
先生がいなくなってから、受けましょうか、と言ってくれた人がいたから手を借りた。
はじめに斬り落とす時、送り足→歩み足でしっかり相手側の足が前に出ていることが大事に思った。そして三教の手をとる→転換する→大きく足を引く。
興奮して、そのまま家に帰れない。新宿まで歩くことにして、カフェベローチェの赤いテーブルの上で忘れないようにこれを書いている。
そしてカメラと取説も鞄に入れてきたから、ゆっくり設定を見直そう。まだまだ朝はたっぷりある。
花園神社を通りがかる。白い梅の花が咲いている。
2026.01.26_Mon.
前髪を切りたい。朝から何度もそう思う。
夕方の新宿でもう迷わない。ぐねぐねと駅の中を歩いてゆける。
タリーズの2階の壁をくり抜いたような席で目を瞑る。ここは稽古前の洞穴。
本部道場で寒稽古の8日目。
H師範の稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身 ▪︎反転の受け身
▪︎入身転換
▪︎片手取り四方投げ(表、裏)
▪︎手合わせから一教(表、裏)
▪︎手合わせから二教(表、裏)
▪︎手合わせから入り身投げ
▪︎手合わせから三教(表、裏)
▪︎手合わせから四教(表、裏)
▪︎手合わせから諸手取り一教(表、裏)
▪︎座技呼吸法
H師範が回ってきてくれたのは、四方投げと入り身投げと三教。全部それでいいと親指を立てられた。三教は自分でまだ出来ている気がしないから、なにか少しでも言葉が欲しかった。
稽古が終わって互いに礼をするとき、四教を組んだ人から「僕の四教はちゃんとかかっていましたか?」と聞かれた。
なにか痛いところを握られて痛かったけど、気持ち良くはなくて、先生やAさんと稽古するときのあの感触ではなかった。
だけど、それをそのまま伝えられるほどの関係を持っていないから、言葉のような音を出してやり過ごした。
違うことだけはわかる。自分もその程度なんだな。
そういうやりとりから離れて、ドイツ人のMさんがいたから、四教を教えてと言って、少しの時間教えてもらった。さっきの稽古では、どこを握ってもふにゃふにゃと、まるで感触のなかったものが、Mさんの手で練習すると何回目かで、上手くいった時の感触があった。このままこの場所を覚えておけたらいいに。
8日連続で稽古しても、上手くなった気がしない。ちいさな変化もまだ感じない。
2026.01.25_Sun.
本部道場で寒稽古の7日目。
7:00からS先生の稽古を1時間。
今日はそのあと、地元の道場の稽古もある。
▪︎準備体操
▪︎後ろ受け身 ▪︎足捌き
▪︎前方回転受け身 ▪︎膝行
▪︎入身転換
▪︎片手取り四方投げ
▪︎正面打ち入り身投げ
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎肩取り二教(表、裏)
▪︎突きからの小手返し
▪︎座技呼吸法
玄関で靴を履こうとしたら、稽古で一緒だった(今日は四方投げを組んだ)ドイツ人のMさんが居て、待っててくれている様子だったから東新宿の駅から電車に乗ることにして、お喋りしながら一緒に歩くことにした。
Mさんはいつも話しやすい。最近どうだったかと互いの話をして、Mさんがもう一期、合気道学校を続けようと思っていることや、はじめて3階の稽古に出た日のことを話してくれた。急に後ろ取りがはじまって、それどころか後ろの肩取りがはじまったんだと、Mさんが昔のエピソードを話すから、状況も分かるし面白くってケラケラ笑った。
数日前のK師範の稽古のことも話すと、(いろんな理由があってのことだけど→)いま考えると恥ずかしいけど、とMさんは言って、チューインガムを噛んでて「出ていきなさい。」と言われたこと、天地投げがまだうまく出来なかったときに彼がしてくれたアドバイスのこと。MさんはK師範について、わたしにそのふたつの話をしてくれた。
ドトールで朝ごはんを食べてから、もうひとつの稽古へ行こうとしたら、鞄の中で水筒の水が全部こぼれてて、道着も袴も水浸し……。
遅れます、とメッセージして、家に道着を取りに帰った。
10:00から地元の道場。
▪︎各自ストレッチ
▪︎臂力の養成 ▪︎手合わせ
▪︎諸手取りから千鳥の足で入るのと、90°転換、真上へ体重移動、投げること。
▪︎一ヶ条の突き上げるのを相手と連続して続けること
▪︎二ヶ条→肘絞め→小手返しへの変化
▪︎座り技二ヶ条
杖道の稽古
▪︎木剣を持って抜きのこと。何種類もあって、覚えられない。抜いて刃を指先で摘んで、上に上げて、袈裟で斬って、足はどうしたんだっけ… 。どうやって覚えるんだろう。
▪︎相摺(右)、相摺(左)、鷲(じゅ)、乳祓い、左輪。
▪︎制定型の太刀落とし、表の太刀落とし、鍔割。
稽古が終わってからMさんに、「Aさんが帰ってくるのに、前回に教わったことをまだ覚えられていない。」と頼んで、『右貫』『笠ノ下』『一禮』のひとり型を横でやってもらいながら真似をする。
『一禮』だけ太刀を持って練習させてくれた。まだ出来ない。
2026.01.24_Sat.
目はひらくけど、10時を超えても身体が起こせない。
もうすこし、お布団のふわふわの中に居させてください。
猫に触れたいけど猫がいない。「ニャー。」と呼んだらヒガシが真顔で来てくれた。
触る。あー、気持ちがいい。
15時前に家を出て御茶ノ水まで。
Dさんに教わった、菅谷晋一さんの個展に寄って(クロマニヨンズのアルバムのアートワーク。かっこいいなー。)から、清掃に出していたカメラとレンズの引き取りに。
「清掃中に設定が動いている可能性がありますので、撮影前にご確認ください。」と言って渡された。サービスセンターを出て、スナップをはじめたら、言葉の通りに設定が動いていた。
上野御徒町の駅から電車にのる。
本部道場で、寒稽古の6日目。O師範の稽古を1時間。
▪︎準備体操
▪︎入身転換
▪︎片手取り呼吸投げ・・入って臂力の養成→投げる
▪︎正面打ち入り身投げ
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎肩取り二教(表、裏)
受けるとき、二教がかかって床に落ちる膝は、相手側の膝じゃなく、外側の膝。
▪︎片手取り、転換してそっと置く呼吸投げ(受けは前方回転)
▪︎片手取り回転投げ・・持たれてない方の手で当て身→相手の脇の下をくぐる→前足を引く→矢筈の手で相手の手を床と垂直に→投げる
▪︎天地投げ(表)
▪︎座技呼吸法(片手で)
O師範は一番最後に大きな箒を持ってきた。そして柄を下にして手のひらの上に立てて、どうしたら力がまっすぐに伝わるのか、と言った。すごい。いつも相手の腕を突き上げるとき、この感覚を持ってるんだ。箒かー。
今日は稽古の途中でもうひとつ面白いことを話していたんだ。入り身投げの稽古が終わったときだったか、回転投げのときだったか。
受ける時、前屈みに身体を折るとき、袴の後ろ板がパッカーンと身体から離れるような身体の折り方をしない、と言っていた。そして、パッカーンとならない受け身を見せてくれた。なんか身体をずらすような。
それともうひとつあった。それは転換して呼吸投げのときに話していた。転換の速度が速くなると、どうしても重心が後ろにかかる。そのことを上達してきた時に思い出したらいい、と言っていた。
……面白い。
ハラヘリで帰宅すると、Yが塩豚でパスタを作ってくれた。
明日は4:30。寝る。
2026.01.23_Fri.
赤い箱のRummyが好きになってはまってる、と話したら、わざわざE君が「こっちもありますよ。」と、緑色の箱のBacchusを買ってきて、くれた日。
寒稽古5日目。夜に1時間、K師範の稽古。
6月からここに通いはじめて、8ヶ月経ったけど、この師範の稽古は今日がはじめて。
気が合わない、というのはこれだと思った。人間っぽさを感じない。見ても出会い頭になにか衝突しているようにしか見えない。
途中で回ってこられて組ませてもらったけど、まっすぐな太い棒みたい。
はじめて途中で帰りたくなった。自分は別の人から教わろう。この師範の稽古は自分が教われる場ではない。でも師範がどう、ということではなく。ただ、合わない。まったく楽しくない。
▪︎準備体操
▪︎片手持ち四方投げ
▪︎片手持ち入り身投げ
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎片手持ち一教(表、裏)
▪︎片手持ち小手返し
▪︎横面打ち小手返し
▪︎横面打ち一教(表、裏)
▪︎天地投げみたいなやつ
今日膝にパッド付きのサポーターをはじめてつけてみた(バレーボール用)。更衣室で教わったやつ。膝をついてもふわふわ。痛くない。
一目散に帰宅し、晩ごはんを作り、食べたら、もう身体が動かないー、となる。
DさんからThe Jam の"Absolute Beginners "という曲が送られてきた。この曲はヒートウェイヴに繋がってるねって。
聴くと、ポール・ウェラーがこんなことを歌っている。
…
I lost some hours thinking of it
I need the strength to go and get what I want
考えているうちに
時間はいくらでも失える
でも、欲しいものを掴みに行く
その強さが必要なんだ
…
Dさんとポール・ウェラーに天から見られていたよう。
2026.01.22_Thu.
「今日は、朝かか居るね。」
「だけど夜はちょっとだけお留守番だよ。」
「知ってる。」
珈琲をいれて、芝﨑納豆で納豆トースト、の贅沢。果物も切ろう。
寒稽古中は一緒に寝る約束をした。
起きたとき、ベッドの中で一緒にいるのが大事か、先に起きて朝ごはんが出来ていることのほうが大事か。
そんなの、どっちでもいいか。
学校に向かうK(10才)を玄関で送り出す。
ちょっとやることが多くて、許容量を超えてきた。
やっぱり道着がたりない、と電車の中で道衣屋に注文していたら、ひと駅乗り越した。
寒稽古の4日目。夜に1時間だけF師範の稽古。女子クラス。
▪︎準備体操
▪︎右半身、左手を少し遠い床につける→右足が少し浮く、の練習。
▪︎相手と組んで一教の入り口、受けるのも入り口の練習。
▪︎相半身、交差取りから一教(表、裏)
▪︎手合わせから座技一教(表、裏)
一教以外の動きを互いにしなかったら抑えた(抑えられた)後、起き上がったときに半身がつくれる。相手との間合いも合ってるはずだ、とF師範が言う。膝で歩いたり一教以外の無駄な動きを挟むから間合いがずれるんだ、と言う。やってみたらその言葉の通りだった。
▪︎相半身、交差取りから小手返しの手をとる、手をとった時、相手と逆半身をつくる練習。
▪︎手合わせから小手返し
▪︎正面打ちから小手返し
▪︎相手と組んで相半身、両手取り、終末動作の練習。
▪︎相半身、両手取り四方投げ(表)
▪︎回転なげの相手の手を上げるまでの練習。
右逆半身として、片手取り→右手は天地投げの下の手の動き、左手は当て身→相手の脇の下をくぐる→相手側の足が後ろ足になる→矢筈の手で相手の手を床と垂直に。
▪︎回転投げ、投げる足の3パターンの練習。
・ひとつ目は、相手側の足が歩み足で前に出て投げる。
・ふたつ目は、逆の足が送り足で前に出て投げる。
・みっつ目は、投げずにそのまま床に落とせば二教の抑えが使える。
受けようとしたらF師範がすぐに横に来た。
腕を上げられるとき、相手が足を引く時に合わせて、"受ける方も前足を引く"。そうしないと足を怪我する。それを言うために。
そこから前方回転に入る。
▪︎天地投げ(表、裏)
わたしがやるのをF師範が見て「(裏のときは)手をひかないんだ。」と言った。
▪︎舟漕ぎ体操
2026.01.21_Wed.
昨夜はベッドに入るとK(10才)が来た。自分の部屋ではなく、こちらで眠るらしい。
だから手を繋いで眠った。
わたしの寒稽古の予定を把握していて、寝る前に寂しさがやってきた様子だった。
寒稽古3日目。今日は仕事前の朝に1時間。
A先生の稽古。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身
▪︎ふたつの足捌き
・前足が少し前に入ってから転換。転換するときは円を描かず、まっすぐ。
・後ろ足が前に出て、転換。
養神館は円を描く。ここでは転換するときに円を描かない。
描いても描かなくても、どちらもいいけれど、なぜそこを違えたのか、死んだ人の声が聞こえたらいいのに。
▪︎入身転換・・I師範の時は、相手の爪先より前に入らず、爪先を合わせる。
A先生の時は前足が相手の爪先を越して少し前に入り、手はへその前、転換。
▪︎片手持ち四方投げ(表、裏)・・表のとき、前足を横に一歩出さず、後ろ足が一歩目だった。方向は同じ。
▪︎正面打ち小手返し・・先日I師範に言われたように入るタイミングを早くしたら、すごくすごく上手くいく。
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎正面打ち三教(表、裏)・・相手の指先に自分の手を移動させた後、相手の肘の方向を前へ。そして握り替える。握り変えるときは木剣で太腿を斬るような軌道。
裏の時は、三教に握ったあと、必ず前足が相手の裏に入る。
▪︎正面打ち四教(表、裏)・・A先生が説明してくれる。表は手のひら側の手首、握って2本線が出るところのあたりを抑える(どこだ!)
裏は甲側の手首の骨のあたり。
四教をとるとき、やっぱり相手の親指が上にきてる。三教のひねりのように手を上から掴む。
最後、締める時、自分の爪先は相手の肩の下。
▪︎座技呼吸法
本部道場では、先生がそれぞれのやり方を堂々と、違いを違いのままに教えるのが、いいところだなぁ、と思う。
違うから、より感じようとすることに繋がるのかも知れない。
新宿まで歩こうと、歩き出したら寒かった。ちょうど来た、新宿西口行きのバスに身体が吸い込まれた。
ベルクでモーニングセット439円。
レジでマスクのことを言われたから、首にぐるぐるに巻いたショールを口元まで上げて注文した。
さぁ、今日も一日がはじまる。
2026.01.20_Tue.
真っ暗な外は寒かろうと、分厚い毛糸のセーターを着て玄関を出る。
だけど道着は洗濯間に合わず今日は夏の道着。
寒稽古の2日目。
ちょっと仮眠できるような場所があったらいいのにな、と考える。朝の稽古は8時に終わり、そこから2~3時間仮眠してから町へ繰り出せれば、自分のいちにちがスムーズに感じる。
だけど自分が思い描くような手軽で気持ちよさそうな寝床は見つけられない。
F師範の稽古を1時間。
▪︎準備体操
▪︎相半身、交差取り。入り身投げの崩すところまでの練習。
▪︎入り身投げ
▪︎右相半身、手合わせから。左足前に出て、左手上から相手の手に→右足転換まで、の練習。「(技の手をとらないで)ここまでの練習で止めておけば、癖がつかず、自由技のときに困らない。」とF師範が言う。
そこまでを練習しておけば、そこから"回転投げ"にも"小手返し"にも"入り身投げ"にも入れる
▪︎同じ動作から小手返し
▪︎膝行
▪︎手合わせから、座り技一教(表、裏)
▪︎横面打ちの練習。
横面打ちは、八相の構えから袈裟に斬る。だから、振りかぶる手はこめかみの横だし、そこから外側へ大きくは離れない。回し打ちにもならない。
▪︎横面打ちを受ける練習・・
左相半身、相手の右手で横面打ちを受ける→右足前に出ながら、踵方向に転換。手は左手で受け、すぐに右手で斬り結ぶ。
▪︎横面打ち、その動きから小手返し
▪︎横面打ち四方投げ(この時は受け方が2通り)
表はさっき練習した通り。
裏は前に出て受ける→下へ向かえば四方投げの手がとれる。
F師範が寄ってきて、「右利き?」と聞かれた。「はい。」と答えた。
「右の横面打ちは言うことがない。でも左の横面打ちは10回やって10回、相手まで届いていない。」
そう言って、一度だけ横面打ちを受けてくれた。
▪︎舟漕ぎ運動
稽古が終わり、更衣室で女子クラスで一緒になるAさんから、膝のサポーターを教わる。
自分が使っているのを試しにつけさせてくれた。
わたしがつけるのを眺めながら、「膝行も膝頭をついているように見えるけど、(畳に)ついているのはもう少し下の部分なのよねぇ… 。」とAさんの声。
道場を後にして、今日は上野に出た。
カメラとレンズを清掃に出しに。
この町はどうしていつも風が強いのだろう。
カメラを渡してしまうと、せっかくひとりで居る時間がもったいなく感じた。
神田明神の天野屋まで歩き、芝﨑納豆と甘酒を買う。
帰宅して米を炊き、無性に粕汁が食べたくて作り、芝﨑納豆に黄身だけを落として、中野で買ったAのべったらと。いい昼ごはん。
2026.01.19_Mon.
夜、朝、朝、夜、夜、夜 …… 。
スケジュールに書き込む。
本部道場で10日間の寒稽古がはじまる。どの時間だったら行ける。
また道着が足りない。暑中稽古のときに買い足したのは夏用の道着だ。ちょっと薄い。あの時はものすごく暑かったから。
買い足すと家の中が道着だらけになる。そうなるのも困る。
H師範の稽古を1時間。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身 ▪︎反転の受け身
▪︎入身転換
▪︎片手持ち四方投げ(表、裏)
▪︎手合わせから一教(表、裏)
▪︎手合わせから二教(表、裏)
▪︎手合わせから入り身投げ
▪︎手合わせから三教(表、裏)
▪︎手合わせから四教(表、裏)
▪︎諸手取りから一教(表、裏)・・肘の位置に気をつける。下げたまま。
四方投げ、入り身投げ、諸手取りからの一教はH師範が回ってきて見てくださった。
そして親指を立てた。出来ている、良し、のサインだ。
そうだよ、これは出来るんだよ。
まだ上手くいかないから教えてほしい、三教と四教の時は回ってきてもらえず。
こっちの時に回ってきて欲しかった。
明日は4:30起き。
もう寝よう。
2026.01.18_Sun.
いろいろな連絡が来て、道場(近所のほう)のことが気になっていた。
わたしも、(きっとAさんも?)なくなってしまうのではないか、そんな心配が頭にあった。
何かあったら昨日もらった言葉を支えに。そう思いながら稽古へ向かう。
館長(86)が居たから「遅くなりました。」と言ってまず月謝を払った。そうしたらわたしに続いて他の人が、自分の月謝を払いはじめた。
(あ… 。続けるんだ… 。)
ひとりの初心者が「(道場にある)杖と太刀を買いたいんですけど。」と言った。
(あ… 。続けるんだ… 。)
普段通りの稽古がはじまる。
誰も慌てていない。
いつもと何も変わらない。
言葉を受けて膨らんでいたものと、
目の前にある光景は、すこし違っていた。
ちょっとロックダウンの時のことを思い出した。自分の目で見たことがすべて。
きっといつかはなくなってしまうだろうけど。
▪︎基本動作、二ヶ条と三ヶ条のルーティン。
三ヶ条の後ろ取り→右半身ではじめたとき、後ろ足(左足)が前に出る→前に出たほうの足(左足)があるほうの手(左手)を右手で掴む。
諸手で取られたところから、
▪︎千鳥の足になって入り身→臂力の養成の動き→木剣を振り下ろすように投げる(手のひらは上に向かない。斬り下ろす)。
▪︎90°転換して、重量挙げをするように両手を上げる→腰回転→ 木剣を振り下ろすように投げる(手のひらは上に向かない。斬り下ろす)。
▪︎小手返し
▪︎自由技
杖道。
▪︎基本の単独動作。
▪︎制定型(着き杖~太刀落とし)
▪︎表の太刀落とし
▪︎何でも自分がやりたい型を、と言われたから、まだ出来ない型でもいいですか。覚えたいので。と言って、『笠ノ下』を教わる。
帰宅したら、YとK(10才)がブロードウェイにお年玉でフィギュアを買いに行くんだと言う。
中野にはずっと行きたかったアイリッシュパブがあるのと、商店街で"Aのべったら"が買いたかったからついて行くことにした。ブロードウェイにある"タコシェ"(←本屋)も覗いてみたかったんだ。
Kがフィギュアを選んでいる間、"タコシェ"で本を見ていた。
一冊選んだのは、ホホホ座の方が書かれた『君はそれを認めたくないんだろう』という本。
面白そう。
Kはブロードウェイに入っているいくつもの店の中から、ゴジータのフィギュアを選んだ。
「はじめて自分のお金で買った!」と言った。
買い物を終え、久しぶりのギネスと、シェパーズパイとフィッシュ&チップス。
モルトビネガーの瓶さえも嬉しい。
心は定番しか求めていなかったけど、Kがローストビーフが食べたいと言ったから頼んでもいいよ、と言う。店内は賑わっていて、人はこんなにも笑いながら酒を飲むのかと思った。
なぜか音楽が流れていなかったのだけが残念。次は演奏がある時に。
2026.01.17_Sat.
膝はまだ治ってないなぁ… 。
本部道場でI師範の朝稽古。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受け身10回
▪︎入身転換
▪︎両手持ち天地投げ(これは裏なの?)・・こんな天地投げははじめて見る。右逆半身として→呼吸投げのように入る(右足が相手の背中へ一歩→臂力の養成の動き→足そのままで腰回転→相手と同じ向きになる)→前足(左足)をひく(転換?)→ひいたら腰回転でまた相手と同じ向きになる→両手を天地に分ける→投げる
▪︎正面打ち一教(裏)・・さっきの天地投げの体捌きは一教(裏)と同じだとI師範は言うけれど… 。まだ理解が追いつかない。
▪︎半身半立ち両手持ち四方投げ(表)・・正座して、真正面から両手首を持たれる→相手側の足が足裏を畳につけて、相手の腹側に入る→立つ→四方投げ
▪︎半身半立ち両手持ち四方投げ(裏)・・正座して、真正面から両手首を持たれる→相手側の足を相手の前足の爪先に合わせて、足裏を畳につける→立つ→相手の背中側に転換→四方投げ
▪︎正面打ち四教(表、裏)・・また前に呼ばれて模範受けをしたけど、何の技がはじまるのか分からなくて、上手く受けられなかった。
そして、この間Aさんと練習した時は分かってきたかも、と思った四教が、やっぱりまだ分かっていなかった。
▪︎座技呼吸法・・すごく力をいれる男の人と組んだ時は、どうやれば練習になるのだろう。
2026.01.16_Fri.
そんな言葉、わたしは書いていない、とAIに言い続ける。
このところ自分が考えていたことをAさんに話しておかないといけないな。
日本語で送って、翻訳ソフトが明後日の言葉を吐いたらどうしよう。直訳されても崩れない日本語は、まったく自分の言葉にならない。
じゃあ自分の言葉で書いて、一番近いだろう英語を探そう。
何度複数の翻訳ソフトやアプリを行き来しても、思ってもいない文字が、いけしゃあしゃあと踊る。あなたの文は、二重にろ過しないと壊れる。とAIがいう。
そんなことをしていたら、自分が送るより先にAさんから長い長いメッセージが届く。
このことが役立つと思うと言って、杖道の"乱合"という型について書いてくれている。
杖道の型を手がかりにして、この状況を進めばいいと言う。
書いてくれたことを覚えておこう、と思う。
そして試してみようと思う。
……
【メモ : ようやく翻訳できたから】
Sometimes, even though I’m paying to be there, I feel like I’m being made to watch something unpleasant that I didn’t want to see.
No matter how much people train, it feels like human ego always wins in the end.
If someone really wants to grow, they shouldn’t stay alone. They should go and meet people who are better than them.
And if someone truly wants to go back to a beginner’s mind, it’s something that should stay inside. When they say it out loud, I wonder who they are performing for.
Sometimes it feels like people think they’ve done something good, but their words and actions are self-centered, and it looks like they’re closing the path for someone who wants to return.
It’s not about who’s right or wrong.
Everyone seems a little bit off, and it feels uncomfortable.
I feel let down by what I see in front of me, and words stop coming.
……
2026.01.15_Thu.
どんど焼き。
四方に立てられた細い竹や、張られた藁の紐、稲妻みたいな白い短冊、これから燃やされる矢、その上に逆向きに被されている松の枝、地面の砂利さえも美しく見える。
形が美しく整ったときに強度が増すのは、すべてのことにおいてかもしれない。
待ちながら、来年は学校を休ませてK(10才)を連れてきてやろうと思う。
離れないと駄目だ思う熱さや、気をつけて扱っていても、今日の最中に2度も人の服に火が移った。もちろんすぐにそれは消されたけど、ヒヤッとすることや。
誰が気づいて、どう視線が動いて、その後どう身体が動いたかとか。そういうものをKに見せたい。
2026.01.14_Wed.
お金を払ってその場にいるのに、望んでいない不快なものを見せられているように感じることがある。
結局修行しても人間のエゴイズムが勝つんじゃん、とか。
成長したいならひとりにならず、自分より上手い人に会いに行けばいいのに、とか。
本当に初心に返るなら内に秘めるもので、わざわざ人に言えばそれは何のための演技だろうと思ったり。
いいことをしたと思っているのは独りよがりで、その言動が、誰かの戻る道を閉じてしまったように見えることとか。それに気づいていないとか。
誰が正しいではなく。
それぞれに少しずつ、なんか気持ちが悪い。
目の前の光景にがっかりして言葉を出す気がしなくなる。
朝からくさくさしていたら、携帯電話が震えた。さっき玄関を出て先に出勤していったYから曲だけが送られてくる。
“6EYES”というバンドの"日本人中年男性"という曲。
ナリタを膝にのせ、その曲を聴いた。(ありがとう)と思ってちょっと笑ったけど、それでもまだくさくさするから、写真とか猫とか、今日は言葉のいらないものに向かいたい。
2026.01.13_Tue.
深夜に自分の寝言に驚いて目を覚ました。
仕事部屋までその声が届いたと、Yが様子を見にきた。そのタイミングでK(10才)も寝言を言った。Yは腹を押さえて笑っている。
そもそもこの人はどうして眠らないのだろう。
朝、Kを起こすと「動けない…」と言った。陣馬がまだ身体中に。Kは眠りながらパンを食べ、ランドセルを背負って学校へ。
Yが皆の靴を洗い、わたしは洗濯を2回。干す場所が足りない。
今日の途中で気がついたのだけど、ここのところ悩んでいた左膝内側の痛みが急に和らいでいる。完治ではないけど、昨日までと全然違う。あれ?と思うくらいに。
考えられることは、山に登ったから?
いろんな角度に足をついたのが良かったのだろうか。合気道と違う(いつもと違う)身体の使い方をしたのが良かったのだろうか。急な変化に不思議な気持ち。あともう一度山に登ればすっきり治りそうな…。
とりあえず、あと少しを治したい。いま出来ることはAさんに教わった4つのトレーニングをすること。
2026.01.12_Mon.
成人の日。
山へ行こうとして、出かける1時間前に起きて準備をしたらこうなる。
わたしは山用のズボンが見つからなくて、いつもの黒いサルエルパンツ。Yは山用のジャケットが見つからず、父のおさがりのレインジャケット。少し小さい。
K(10才)はYが合わなくなったレインジャケットを着た。少し大きい。手が長い。
きっと色々抜けてるけど、登山靴は履いて、カメラは持った。今日のためには大き過ぎるザックに防寒だけは詰め込んで。陣馬山。白い馬に会いに。
……
10:16 藤野駅着
10:27 タクシー
10:34 陣馬登山口、一ノ尾尾根コースを進む
12:10ベンチで休憩
12:17歩く
12:41 山頂まであと1.5km
13:09 山頂まであと0.7km ふたりを置いて先に歩く
13:25 清水茶屋
13:27 陣馬山山頂(855m)
13:41 YとK到着
14:27 清水茶屋で陣馬そば、Kはカップヌードル
14:40歩き始める、栃谷尾根コースを進む
14:51 山頂から0.4km
15:12 山頂から0.9km
15:26山頂から1.4km
15:45山頂から2.2km
16:00藤野駅と陣馬の湯の分岐、駅のほうへ
16:03下山と思ったら延々とアスファルトの車道
16:45神社
16:53陣馬山登山口、下山
16:55バス停(待ってる間に真っ暗になる)
17:16バスにのる
17:20頃 藤野駅
……
はじめての陣馬山は穏やかで優しい山だった。
あんまり寒くない。Kはこの山で"木漏れ日"という言葉を覚えた。
どれだけゆっくり歩いても、家族とペースを合わせられなかった。
尾根を歩きながらラップの起源、ラップとは"自慢と貶す(けなす)"、クール・ハーク(Kool Herc)の話。
霞のない真っ白な富士山と、山梨の山火事が見える。白い馬に会えた。
2026.01.11_Sun.
自転車のチェーンに油をさした。
道場で鏡開きの日。
AさんもKさんもいない。今日は大人もこどもも保護者も少ない。
お汁粉のための餡子をふつうの土鍋であたためる。
館長はこどもに普段の稽古をたっぷりさせ、大人に合気道の演武を促さなかった。
ひとりの小学生と杖の基本動作をして、Mさんを打ち太刀に、わたしを含め3人の大人に杖道の型を演武させた。わたしは『着き杖』から『太刀落とし』までを演武した。
そして最後に館長が制定型12本を演武した。
直会(なおらい)でお汁粉と寿司とビールをいただき、途中で中締めがあったからそのタイミングで道場を出た。
電車にのった。若松河田の本部道場を目指した。こちらでも14時から鏡開きがある。
ふたつの鏡開きを今日は見てみたかった。
ぎりぎりに本部道場に着くと、多くの人がスーツ姿だった。あぁ… 緑色のトレーナーで来てしまった… 。もう目の前まで来たんだから腹をくくるしかない。知らなかったんだから仕方ない。
入ると3階の男の人の更衣室に荷物を置くように言われた。そして3階の道場は人が多くてもう入れないから、4階の道場に上がりモニターで道主の挨拶を聞き、演武を見る。
道場長と道主がそれぞれ演武された。いつも教わっている先生方が受けを取られる。
人がたくさんいるからコンパクトなスペースの中、それをわかった動きがかっこいい。
そして、直会(なおらい)があり、3階の道場へ降りた。
人でぎゅうぎゅうの中、一緒に稽古しているような人が、見渡してもどこにもいない。誰も知ってる人がいない。
そんな中、たったひとり、昨日はじめて稽古で一緒になった外国人の女性がいた。昨日"肩持ち二教"を組んだ。
「はじめて来たんだけど、誰も知ってる人がいないんだ。」拙い英語で声をかけた。そして後ろの人と背中があたっているくらいぎゅうぎゅうの長机のある席に隣り合わせて座った。
彼女はドイツ人でSusanne(スザンヌ)と言った。彼女はふたりの男性と一緒だった。アムステルダムで自分の道場があるLaurens(ローレンス)、イタリア人のSalvo(サルボ)。道場仲間だという。
自分は日本という島国に暮らしているからか、どうしてドイツ人のスザンヌとイタリア人のサルボが、アムステルダムのローレンスの道場に通えるのか、距離の感覚がつかめない。
高齢のT師範の長い長い話を聞きながら、4人で沢山こそこそ話をした。
「I practiced a lot of suwari-waza. My knees hurt.」
「He’s talking about the universe. I don’t really get it.」
「Azuki beans are said to ward off negative energy」
おかきとお汁粉が配られ、日本酒で乾杯した。
サルボがさっき小豆の云々を話したから、日本酒はclean spiritだと言った。
一升瓶は何ℓなのかを気にして、度数がワインくらいだと言った。
ローレンスは自分の道場ではあんまり座り技はやらないんだと膝を触った。
スザンヌと連絡先を交換した。
ここへ来る電車に乗るときは、(目に入れたいけど誰とも喋りたくないし。)なんて思いながらイヤフォンでロックンロールを聴いていたけど、スザンヌたちと話せたお陰で有意義な時間になった。
家に帰るとまた嫌な知らせ。稽古に集中できる場であってほしい。
2026.01.10_Sat.
玄関を開けたら真っ暗だった。
本部道場では自分の今年の初稽古。
2ヶ月ぶり(?)に、I師範の朝稽古に出る。
膝が痛い。丁寧にストレッチをする。どうか、どうか、治ってくださいと思う。
I師範はいつものようにトントンッと軽いリズムを踏んで稽古場に入ってこられた。
やっぱりかっこいい人だなぁ… 。
肩を入れるだけの準備体操でもI師範の形。
▪︎準備体操 ▪︎後ろ受身10回
▪︎入身転換
▪︎正面打ち一教(表、裏)
▪︎正面打ち入り身投げ
▪︎片手持ち四方投げ(表、裏)
▪︎肩持ち二教(表、裏)・・先生によってやり方が違う。今日I師範に教わったのは、右逆半身で肩を取られたとして→前足(右足)を外(右横)へ開く→左手で当て身→そこから右手で相手の肘、左手で相手の親指をとる→表の動き。
裏も入り口は同じ→当て身の手で肩にある相手の手を取り、返す→二教をかける
▪︎正面打ち小手返し・・
前に呼ばれて先生の模範受けをした。相半身で正面打ち。その時、「正面打ちのときは(打ち終わった最後で)手を返してはいけない。」と先生が言った。「はい。」と言ってやり直した。
皆に模範を見せ終わり、そのまま先生が「やろうか。」と言って組んでくださった。(わーい!)
「バランスを取ろうとして、手は返ってしまうんだけどね。(でも手は返らないように意識して。)」とさっきの続きを先生は話し、「打つよ。」と言って正面打ちをしてくれた。
わたしがいつものように受けてから入ると、「それだと遅いんだ。受けるタイミングで同時に入る。」
そして上から手を取って、その次の小手返しの動きに入ったとき、「バラバラになってはいけない。手と足の動きを揃えるんだ。」と、もう一度やってみろと、練習させてくれた。そして何度もやってみせてくれた。ものすごく綺麗なリズムで。
▪︎座技呼吸法
これもそのままI師範が組んでくれた。
正座して向かい合い、
「胸が肘より前に出てはいけない。」「手首を支点に動かす。」「肘は下がる」「肘を下げたまま、肘を少し開く。」
やってみる度に先生はわたしの動きを止めて、肘の位置はここ、手首はこう、と何度も手を持って形を作った。
自宅に戻り、年末に壊れたディスポーザーの交換に業者の方が来てくれる。
作業の間、珈琲を飲みながら椅子に座って稽古の内容を思い出しながら日記を書いていたら、寝落ちしそうになる。いま誰もいなかったら眠ってしまうのに。
Yに誘われ、K(10才)と3人で近くの大きい方の神社へ。初詣。
"幸福おみくじ"と、張子の"鳩おみくじ"。
『たいへん威勢のいい運勢です。また新しい事が始まる気配があります。この時期計画さえしっかりしていればたいていの事は成功します。ただ、うかつに取り組まないこと。あまり旨い話には手を出さないこと。』
『高をくくっているところはないか。もう一度、基礎から見直せ。一度失敗しても二度目にはうまくいく。』
『空元気をはって無理をしないこと。病気はそれほど心配することはないが、軽くみてぶり返すこともある。』
『時をまて叶う。』『雑念を捨て早めに目標を。』
『待ち人来らず 音信はなし。』それなのに、『愛しぬくこと。』
おみくじをふたつもひくと、それぞれがそれぞれのことを言う。外野にいる他人みたいに。
昼寝してから荻窪でライブ。片平里菜。
四面道にある"TOP BEAT CLUB"。
この間Dさんが教えてくれたライブハウス。
教えてくれた時にライブスケジュールを見たら、それもこの間、山口さんと演奏したとかで聴いたばかりの人の名前があったから、ふたつ重なった偶然が面白くて聴きにきてみた。
カンパリソーダ、エルヴィスサンドとホットコーヒー。なんだこのホットサンド。ベーコンとナッツと…バナナ?
強風の帰り道、家まで距離がある中で自転車のチェーンがはずれる。訳を話し、(小さいし)自転車ごと乗せてもらえませんかとタクシーの人を呼び止め頼めど無理だと断られる。
Luupに乗ったふたり連れの男の人を呼び止める。「チェーンの直し方を教えてもらえませんか?」ひとりの男の人は冷静に「歩道に行きましょう。」と言って、もうひとりの男の人は「手が汚れていませんか。僕いっぱい持ってるんで。」と鞄からウェットティッシュを出した。そしてチェーンを治してくれた。
治ったのを確認して、「帰ったら油をさしてください。」と言った。もちろん「はい。」と答える。
2026.01.09_Fri.
アーティゾン美術館。12日までって、もう今日の夜しか時間がないじゃないか。
ギャラリーは金曜日だけ20時まで開いていて。流れるようにうまく出来ている。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着
観るのに時間がかかるものだ、と中に入る。
映像の部屋。本当に入り口のひとつ目から見始めたら動けない。目で見るもの、声、言葉、音、歌が何重にも重なり耳から入る。
不思議と目の前のものだけ言葉の意味が分かり、重なる他の音は奥行きになる。
下の階に降りる。ここからは写真だから、写真に手を触れないようにと、これから入るところに注意喚起されていて、それを読んだ。
"ここからは写真"。頭にそれを置いたあとに中に入った。
こんな写真の展示、見たことがない。
これは写真なんだろうか。方法はなんでもよくて、カテゴライズが必要なのか、ただただ剥き出してある。すごいな。
こんなことしていいんだ、みたいな。したら悪いことなんかなにもないのに、知らないうちに線を引いていたのに気づく、みたいな。
かっこつける余裕のないものが、表現なんだな。作品なんだな。
いま気づく?みたいな。言いたいこと言ってる。これを自分の年齢をちょうど挟んだふたりの人がやっている。
2026.01.08_Thu.
このところの他人の進退を見て、"プライド"や"メンタル"ではなく、"続ける"と"居付く"なんじゃないかなぁ、と言葉が気になり、その違いを辞書でひいたり。
人形町の駅から歩いてJINEN GALLERY。
原陽子さんの展示、– They had gone – 。
エレベーターでギャラリーのある6階に上がる。
扉が開くなり、何年も会っていなかった師匠(Kさん)の姿があった。Sさんも一緒だ。
Kさんがマスクをする姿を見ていないから、もう5~6年会っていなかった。
関係があるから、久しぶりでも何も揺れなかった。今日また交差した。
「おまえには話すことがあるんだよ。」そんな言葉から再会がはじまる。
一緒にギャラリーを出て、カフェ・ベローチェに入った。Kさんは当たり前のようにわたしの分のアメリカンコーヒーのお金をレジで払ってくれた。
Kさんの話をきいた。自分の話をした。
会っていなかった何年もの間に、自分が少しずつ拾っていたもの。あやふやなまま言葉にするのに時間がかかったもの。それを少し話しただけで、Kさんはもうはっきり言葉にしてまとめるように説明をはじめた。
その全部をKさんの速度では理解できないけど、人の目を気にせず「やれ」と言っている。
言ってはないけど。
Kさんは隣にいたSさんにわたしのことを「この人は昔から自分ひとりで探しにいける人なの。」と言って、わたしに向いて「自分ひとりの判断でものを作ってください。」と言った。
別れ際、「おまえアーティゾン美術館に行く時間ある?」
Kさんはそう言って12日までの招待券をくれた。そして「観るの時間かかるよ。」と言った。
2026.01.07_Wed.
あたまの中がChristian Tissier(クリスチャン・ティシエ)でいっぱい。
どうやったら会えるだろう。
コンピューターの中に情報を探しても、この頃は何をしていても、外の国の文字が読めない、話せない、わかっていない、というのが壁のように立ち塞がって自分の邪魔をする。
身体や勘のようなものは、もうとっくにそこを通り越しているのに。
ことしの目標は、"言葉を伏せること" そして、"ティシエに会うこと" なのかも知れない。
そのためにやらなければいけないことは、写真を撮ること、英語を勉強すること、ストレッチと筋トレをすることだと思う。
2026.01.06_Tue.
7時半に道場。Aさんと稽古。
白湯を飲みながらいろんな話。1時間くらい簡単に過ぎる。
調べてくれた膝のことを携帯に送ってくれた。
『膝の内側にある支持靭帯が骨に付着する部分に炎症が生じています。
この部位は膝が以下の状態になると負荷がかかります:
深く曲げられた時
体重がかかった時
ねじれたり横方向に押された時
靭帯が断裂したわけではありません。軟骨が剥がれているわけでもありません。
組織が、十分な回復期間なしに繰り返される負荷によって炎症を起こしているだけです。』
そして、回復のための4つの動きを教えてくれる。
合気道の稽古から。
一教、二教、三教、ぼっ教(Aが名付けた)、四教、それぞれ表と裏の手を取るところまでの練習。
これはいい練習だったなぁ。この練習をさせてくれるパートナーが日々に居ればすごくいいのに。
四教が木剣を振るようになのは、言葉を何度も聞いている。だけど今日はそれのどこが刃なのか峰なのかがわかる。相手の親指側が峰、小指側が刃。
そして本部道場でわからなかった入り身投げの受け身のことを教えて、と言った。
相手に深く落とされたとき、相手のほうを向いて起きあがる。
小手返しの飛び受け身のことも。何度かやってみて、「練習しておかないと久しぶりだとだめだね。」というと、いまは膝のこともあるし、春になって畳がもう少し温かくなる頃から練習しよう、となる。
杖道。
本手に構える時、杖は自分の帯の上あたり(いまは随分低すぎた)。やや半身。自分の腰にレーザーポインターがあたるように。薄い三角形をつくる。
基本の相対動作。『本手打』『逆手打』『引落打』『返し突き』『逆手突き』『巻き落とし』
練習が足りていないこと、していないこと、はあからさまに身体が示す。
『返し突き』・・返すとき、杖の影に隠れてる。杖が自分の前に垂直に立つ瞬間、上の手と下の手は手のひらが開き、杖を上下で挟んでいる。足は腰を捻ったとき、後ろ足を前足に寄せている。
突きが難しいこと。まずはしっかり構える。帯の上の位置に杖の先があるか、やや半身はとれているか。レーザーポインターはどこを向いている。それらを確認したら、前足をうかせて、後ろの手だけで壁を突いてみる。
型の稽古。「表を全部教えたい。」とAさんが言って、太刀落としから順に稽古していく。
九州のやり方、清水先生のやり方、西岡先生のやり方。入り身なのか、十字を跨ぐのか、踵を視点に下がるのか。
「"鍔割"は西岡先生のやり方をしよう、まだやってないけど、"細道"では九州のやり方を試してみよう。」Aさんが言う。
稽古の終盤になって、今日も利口な小学生がひとり「先生、遅れました。」と顔を出した。
利口だから利口なのだ。
昨日は邪魔しないで、と思ったけど、もうなんでもいいや。なにも考えなくていいや。
嬉しくはないけど。
【着き杖】下がるときは斜め45°(九州はもう少し縦に下がる)。
右手を腰につけるのは変わらず。九州では左手が杖を持たない。姿勢を正してまず下がる→杖が回る時に左手も使う。それをやってみる。
相手の太刀が自分を向くかもしれない。だから左足を右斜め前に出す。
【水月】入り身したとき、左肩を引くのを忘れない。
着き杖、水月、斜面、の受け太刀を習う。
昨日教わった【笠ノ下】【一禮】まで届かなかった。練習したかった。利口な小学生のせい。
黙した自分が暴れていても、平らな芝居を身につける練習をするのが武道なんでしょう?
Aさんが、利口な小学生とわたしに昼ごはんを分けてくれた。ライ麦パンをバターで焼いて、目玉焼きをふたつ。
ロシアみたいな花柄の皿で食べた。
夜になって、今朝白湯を飲みながらAさんが話していたChristian Tissier(クリスチャン・ティシエ)の動画をみる。見惚れてしまう。
2026.01.05_Mon.
風邪はまだ治らない。
身体を寄せてくる猫に気を合わせる朝。
しばらく会っていなかったね、と無言の会話。
言葉を伏せる、というのは面白いことだな。猫も写真も。
今年はそうやって過ごしてみようか。
スキンシップはとりたいけど、誰とも話したくない気分。風邪だからか。
Aさんと初稽古の約束。
14時に道場。
今日はふたりで稽古できたのではなく、利口な小学生がひとり来た。
道場がいつまでつづくのかわからない。Aさんとこうして稽古できるのもあとどのくらいだろう、と正月のあいだに考えていた。一回が貴重に思った。だから利口な小学生に来て欲しくなかった。だけど平らに居るしかない。
武道は言葉も心も伏せないといけないのか。
合気道をして、杖道をした。
Aさんは"物見"の型を変えてみようと言って、入り身をする型を教えてくれた。九州のやり方(考え方)のよう。
いつものように構えて→左手が下から杖に触れる→右足が前に入り、入り身して体を外す→右足を引きながら、杖でこてを打つ。
そこまでが今までと違う。
"右貫"・・太刀で練習する。
左手に帯刀、太刀の刃は上を向いている→抜くときに刃は下に向く→抜き終わるころ、手首を返して刃は上を向く。このときの小指の位置が大事。小指は刃の線上にある→小指を使って握っていく。
あたらしく【表】の"笠ノ下(かさのした)"と"一禮(いちれい)"を教わった。
"笠ノ下"・・常の構え→左手が下から右手の前の位置に触れる→右手をこぶしひとつ分さげる(これで6:4のところが握れる)→右足を下げながら笠の周りを避けるようにして、杖を首後ろにかつぐ→太刀と杖を合わせる→逆手に持ち替える、肩の幅で腕を前に伸ばす→右手を杖いっぱいのところまですべらせ、相手の右腰のあたり(?)に刺す、足は前に揃う→刺したら上の手を本手に持ち替える→相手が動いたらそちらを向く→杖は相手から離れてもいい、右足で入り身→左足、右足、と動き、相手の背に入る、斬る→納杖
"一禮"・・物見みたいに杖を持って、しゃがむ→左足からまっすぐ前に出て、小手をうつ→左手を杖先まで滑らせて、右足が前に出る、逆手で打つ→相手の右腰(?)に杖を刺す→納杖の形から足を引く、手は体外し打ちみたいな→相手の太刀を打つ→納杖
…… 記憶がたくさん抜けてる。もっと手のひらを何度も返した印象。
稽古が終わって、左膝と左腕が痛いのを診てくれた。
身体も丁寧に使わないといけない。
2026.01.04_Sun.
東京へ戻る日。パタゴニアのスーツケースに荷物を詰める。
K(10才)はまだ寝ている。
本棚に小学校の卒業記念にもらった"希望"と書かれた冊子があって、Kが起きたら見せてやろう、と手にとった。
6年生の時に書いた覚えもある"連合運動会の思い出"という文章が載っていた。読むと、いまの自分の日記のよう。成長がないのか、すでに成長しすぎていたのか。どっちだ。
書き方も感じ方もいま自分が書く日記と同じように文章が流れ、うれしいと思うことも葛藤も結果もいまと大して変わらない。
朝ごはんを作り、片付けたと思うと昼ごはんを作り、片付けた。ここでMY LIFEは送れない。
身体に好きなものを貼り付けるように携帯電話でヒートウェイヴの新譜を聴きながら、自分たちが寝ていた布団を片付けた。
ようやくやることをやり終え、ひとりで散歩に出た。Kも誘ったけど、行かないと言った。
白い鞄屋の建物、川に渡る橋、金剛山地、坂道、焼杉に正月飾り、石屋の看板、突き当たりには通っていた小学校。
微かに雨のような、雪のようなものが降り出した。
家を出る時間になるまで、毎月自動支払いされてしまっているなんだかわからないもののことや、Amazonで頼んでないのに届いた野菜ジュースのこと(Amazon側の誤送だった)。
たぶん全部綺麗に片付いた。
新幹線の改札を通ったら、お隣のHさんから新年のメッセージ。
「Hさん、ただいまー。」と、夜遅くにピンポンして井尻珈琲焙煎所の豆と551の焼売を渡す。
Hさんは葉山の農園の苺とハーブティをくれた。
2026.01.03_Sat.
父と近くの山に歩きに行こうとしていたのをあきらめて、鞄が欲しいという母の買い物に付き合う。母はゴリ押しで自分の予定をねじ込むくせに、そんなのふたつとも出来ないな、とこちらが一方を手放すと、自分の願望を下げないままに、行くのを辞めずに行ってきてくれ、と言う。そういう人だ。
父とふたりで車に電動車椅子を乗せ、泉北のパンジョに行った。
そして家の方へ戻り、氏神さまの神社に去年の破魔矢を返し、新しいのを貰いに行った。
神社の本殿が祀られている裏山(と言っても15分くらいで元の位置に戻ってこられる)に父と寄り道した。
夜ごはんはマクドナルド。
2026.01.02_Fri.
早く起きようとしたけど、起きられなかった。洗濯をまわして、掃除機をかけよう。
午前中、家からすぐ近くに住むS兄ちゃんとTさんのところへ。
Y伯母さんのお仏壇に手を合わせてから、リビングに戻ると、「お母さんどうや?」と落ち着いたS兄ちゃんのいつもの声。Tさんが生姜と蜂蜜の入った飲み物や、焼いた梅干しが入ったお茶を出してくれた。わたしが声枯れしていたから。
別れ際に、Y伯母さんもずーっと愛用していた佐賀のお茶と甘栗を「軽く焼いたらうまいし、剥きやすいで。」と渡してくれた。
午後からはN家の皆が6人で家に来た。
K(10才)はふたつ年上のYにようやく会えた。わたしは皆の居るソファから離れ、Mi姉ちゃんとHちゃんと、台所に近いほうの机でお喋りしているのが楽しかった。
表ではそんなことをしながら、
昼頃にKさんが辞めたことを知ったAさんからメッセージがきていて、合間合間に長いメッセージを書いていた。
夜の最後に、大人みたいに整った言葉がAさんから送られてきた。パーフェクトじゃなくていいから、Aさんの言葉が聞きたかったのに。
2026.01.01_Thu.
あしたのお祝いはゆっくりはじめよう、と寝に上がる前に父が言ったから、今朝は8時半に起きた。珈琲をいれながら身支度をして、雑煮の大根と人参に火を入れる。豆腐と下茹でしておいた小芋。白味噌を溶く。
あとですぐに焼けるように、丸餅をトースターに並べておく。
炬燵でおせちを囲み、お祝いのごはんをたべた。
「一万円札が出来たばかりのとき…… 」と父が話しだすから、「一万円札ってなかったの?」「なかったんやで。」と話が止まる。
「一万円札ができたばかりのとき、親父さんが(Kから見て曽祖父)がお正月に"一年間のこづかいにしいや"、と言って渡してくれたんや。それだけは何に使ってもいい。おまえもそうしいや。」とK(10才)に話して聞かせて、お年玉をくれた。
窓からの日差しが暖かく、炬燵に潜って昼寝をし、起きたら皆んなでトランプをした。"神経衰弱"と"七並べ"。
そして一年間で財布に溜まった小銭(貯金箱に貯めていた)をKと数えて綺麗に紙で包み棒金にして、「やるわ。(あげるわ。)」と言ってKにくれた。31,992円。
「秋祭りの時に使う。」とKが言った。
夜はてっちりとてっさ。焼きふぐ。正月はまだつづく。
2025.12.31_Wed.
きのう爺婆と朝ごはんに卵焼きを作ってあげる約束をしたK(10才)が、わかりやすく張りきっている。家のより重たい鉄の卵焼き器。卵5つで立派な厚焼き卵が出来上がる。
朝のうちに墓参り。
大掃除が済んだような、澄んだ空。
いつも年末にみかんをくれるおじさんに東京の土産を渡しに行った。父と大ヶ塚(だいがつか)の八朔祭りの話になって、「聞いたことがない。」とわたしが言うと、「お父さんもこどもの時に行ったぐらい。」と言って、帰りにそのあたりの古い集落を車で通ってくれた。
戻り、父とKが外を掃き、わたしは台所の掃除。鏡餅の準備と、餅と(みかんが大きかったから)柚子を半紙で包み、水引きで縛る。寒さとストーブの熱と鼻詰まりで、正月を感じる。
この珈琲がなくなったら里芋と正月人参と大根を切らなきゃ。
夜になる前、注文してくれていた寿司を受け取りに行った。太陽が沈む直前の黄土色の光。綺麗だったな。今日は外に出るたび、空に目がいく。
ことしは面白かった。
人と交差できるのはずっとではない。来年はもう一緒にいられないかも知れない。なにか大きく変わりそうな気もする。
目の前のことを、と言うけれど、うまく渡れるだろうか。
来年、そしてその先に、という言葉を頭に広げる。自分はどうありたいだろう。
0時になって、Kと「ハッピーニューイヤー。ことしもよろしく。」と言い合う。「愛してるよ。」と言ってみると、こちらを睨んで「わかった。」と言った。
2025.12.30_Tue.
昨晩24時を優に超えた時刻にKさんからメッセージが届く。
30日に道場の鍵を返してお暇をいただこうかと思う、という内容のことが書かれてある。
何十年もそこで稽古を重ねた人のその言葉だから、考えて考えて考えた末の言葉でしかないだろう。教えてもらったことへの感謝しか返せなかった。
年が明けて鏡は開けない、だから今、ということなのだと思う。鏡開きの場に立って、腹にあるものをごまかせる真剣な人は居ないだろう。Kさんはそういう人なんだと思う。
朝起きたら喉がイガイガして、声がガラガラ。
帰省する日に今年もまた風邪か。
今日も会社に行くYが、「四谷で乗り換えるから途中まで一緒に行けるよ。」と言って、一緒に家を出た。電車にのっていたら「時間が早いから東京駅まで送ってあげようか。」と言って結局東京駅の改札まで送ってくれた。
「じゃあね。」と別れる。
K(10才)が先に改札を通り、自分も続けて通ろうとICカードをタッチすると、赤いランプがついて通れない。Kはわたしがすぐ後から来てるものと思い、人混みの先へ進んでしまった。「登録した時からカードを更新していませんか?」と駅員さん。向こうの切符売り場で更新情報を確認しろとか言う。Kは改札の中だよ。人混みで姿がない。
あぁ………天を仰いだらYの頭が見えた。あぁ、助かった。
夜は父と母とすっぽん鍋。
毎年お正月に両親に服を贈っていたのを、今回はすっぽんにした。なぜ正月じゃなく今日に食べたのかというと、正月に向けてテンションの上がった母が冷蔵庫も冷凍庫もいっぱいにしているため。してくれているため。
2025.12.29_Mon.
若者に薦められた "まるでこたつソックス" を固唾をのんで履いてみる。
「脱げなくなりますよ~。」と若者は言う。
15時前。いまは鹿児島に引っ越して暮らしている、K(10才)の(保育園で出来た)親友家族が、帰省のスケジュールの忙しい中で、少しの時間、家に寄ってくれた。2年ぶりに会うけど、何ひとつ変わっていない。やわらかいままで互いに話し始められたことが、良かったなぁ、と思ったこと。
みんなでケーキを食べようと用意していたけれど、ビールを買ってきてくれたので、冷蔵庫にあった鶏ハムとクリームチーズのディップで軽くのんだ。こどもらはストーブでマシュマロを焼いて、Fortniteのダンスを踊っている。
ナリタとヒガシは今日も来客に甘えに甘え、無表情で、可愛いという言葉をたくさん浴びている。
2025.12.28_Sun.
Yは仕事で赤坂へ。
昨日夜更かしをしたK(10才)は10時半を過ぎても起きて来ず。
わたしはYの仕事の放送を見ながら、本棚の埃を払い、整理整頓をする。
昼過ぎに駅近くの蕎麦屋で待ち合わせをしている。
外は寒いわりに陽のあたるところでは眠ってしまいたくなるような。
戻ってきたYとKと温かい蕎麦をたべた。
ここでの蕎麦が毎年の家族のなんとなくの一年の締めくくり。
家に戻り、Yは珈琲をいれたあと、また仕事のつづき。わたしは繋いでもらったケルヒャーでテラスのタイルを磨く。そして台所の棚の中。
Kはあんこの入った餅を焼いてくれ、そのままリビングのタイルを磨くのをやってくれた。
心のままに動けるのなら、新幹線に乗りたくない。心のままに動けるのなら、あーしたい、こうしたい。掃除中のあたまの中。
生姜焼きとキャベ千、なめこと豆腐の味噌汁。納豆(卵黄いれた)。
2025.12.27_Sat.
こんな日にディスポーザーの故障。はぁ…… 。
電源を差し直し、リセットボタンを押してみても治らず。